再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(法令ID:423AC0000000108)は、再エネ発電の事業計画認定、電気の調達と交付金による支援、その費用を賄う仕組みを定める法律です。法令全集の条文e-Gov法令検索で確認できます。発電事業者や設備の運営担当者、地域で発電計画に関わる人が、認定前後の手続と支援条件を確認する際に参照します。本記事は認定と支援・管理の制度を扱い、個別設備の採算計算や年度別単価の一覧は扱いません。2026年9月15日時点では2026年5月21日施行版を参照し、2027年施行の改正は混在させていません。

FITとFIPでは電気の売り方と支援方法が異なる

法律は、固定価格での調達を支える仕組みと、市場での供給に交付金を組み合わせる仕組みを設けています。資源エネルギー庁の説明では、前者がFIT、後者がFIPと呼ばれます。FITは再エネ電気を一定の価格・期間で買い取る制度であり、FIPは市場取引などによる収入にプレミアムを加える制度です。再エネ発電に対する支援という点は共通しますが、電気の販売と支援金の関係は同じではありません。

第2条の2は供給促進交付金の対象となる再エネ電気の供給を規定し、第2条の3は基準価格と交付期間の仕組みを定めています。第3条では、特定契約による調達の対象となる設備区分について、調達価格と調達期間を定める制度が置かれています。どの設備も事業者の希望だけで同一の制度を自由に選ぶ、という条文構成ではなく、設備の区分や年度などに対応した指定が前提になります。

価格に関する法律上の基準と、個別年度に公表される価格表も区別されます。法律は費用などを考慮した価格設定の枠組みや入札との関係を定め、具体的な条件は年度・電源・規模などに応じて確認する仕組みです。認定を受けたことだけから、すべての発電量に同額の支援が付くと理解することはできません。

認定は設備だけでなく事業計画を審査する

第9条の認定は、再生可能エネルギー発電事業計画を対象とします。計画には、事業内容や実施時期、発電設備の区分、設置場所・出力、系統への接続、保守点検と維持管理などに関係する事項が含まれます。設備の性能だけを確認する制度ではなく、その設備をどのような事業として設置し、運営するかを扱う点に特徴があります。

認定基準には、事業が円滑かつ確実に実施されると見込まれること、設備が効率的な発電などの基準に適合することといった条件があります。申請書に必要事項を記入する手続と、計画の内容が基準に適合しているかを判断する過程は区別されます。認定後に実施する事業は、審査された計画との対応を保つことが求められます。

また、認定は、土地利用や設備設置に関係する他の制度を一括して代替する許可という位置付けではありません。再エネ特措法が担うのは、この法律による支援の前提となる事業計画の認定と、その計画に従った実施の確保です。計画に記載する場所や維持管理の内容は、発電が始まる前の情報にとどまらず、認定後の運営を確認する基準にもなります。

住民説明の措置も認定申請の枠組みに入る

第9条は、経済産業省令で定める発電設備について、周辺地域の住民に事業内容を周知する説明会その他の措置に関する事項を、認定申請の仕組みに組み込んでいます。発電設備が地域で継続して運営されることを踏まえ、事業内容を地域に伝える過程を、認定と切り離さずに扱う構成です。

ただし、すべての設備に同じ規模・方法の説明会を一律に求める、という法律の書き方ではありません。対象設備や措置の具体的な方法は省令の規定と結び付きます。資源エネルギー庁の案内でも、説明会と事前周知を区別しているため、法律に「説明会」が登場することだけを根拠に、個々の設備に必要な手続を同じものと扱わないことが重要です。

この制度で確認するのは、認定申請に先立つ周知等の措置と、それを申請情報として示すことです。設備の出力、立地などに応じてどの措置が対象になるかを確認し、認定申請の要件と対応させて読む必要があります。説明の実施という手続と、計画が他の認定基準に適合することは別の要素であり、いずれか一方だけで認定制度全体を説明するものではありません。

認定後も計画の遵守と委託先の監督が続く

第10条の3は、認定事業者が認定計画に従って発電事業を実施する義務を定めています。さらに、事業の全部または一部を他人に委託した場合、委託先に対して必要かつ適切な監督を行うことを求めています。再委託先も含めた規定であり、保守点検などを外部の事業者に任せる場合にも、認定事業者と認定計画との関係がなくなるわけではありません。

この点は、認定を設備取得時だけの手続として捉えないための重要な条項です。申請時の管理体制と、発電開始後に実際に管理を担う者の役割を対応させる必要があります。事業の実施を委託する契約は、認定事業者の法律上の立場をそのまま委託先へ移す制度ではなく、事業を計画に沿って継続させるための監督も含めて規律されています。

第13条には改善命令、第15条には認定取消しの規定が置かれています。それぞれ対象となる状態や手続が定められ、認定後の不適合に対応する仕組みになっています。認定申請、認定計画に沿った運営、改善のための措置、取消しという条項のつながりから、支援の入口だけでなく、その後の事業実施も法律の対象であることが分かります。

二つの積立金は違反への対応と設備解体で目的が違う

第15条の6の交付金相当額積立金は、第10条の3に違反する状態などに対応して、命令に基づき積立てを行わせる仕組みです。認定事業者が計画に従って事業を実施することを確保するための制度であり、毎年の設備更新費を任意に貯蓄することとは異なります。積立先として電力広域的運営推進機関が定められ、契約類型に応じた電気事業者を介する取扱いも規定されています。

これに対し、第15条の12の解体等積立金は、指定された区分の発電設備について、解体その他の撤去と廃棄物処理を適正に行うための費用を確保する制度です。対象となる設備区分や積立てを行う期間は、法律と省令の規定を組み合わせて確認します。すべての再エネ設備に、認定を受けた日から同じ条件で積立てを課すという仕組みではありません。

両者は「積立金」という語を共有しますが、発生する理由も使途も異なります。前者は事業実施の義務に対する違反への対応、後者は事業終了時の解体・処理の費用確保という違いがあります。事業計画を読む際には、発電期間中の適正な運営と、設備を撤去する段階への備えを別々に確認できるように設計された規定と捉えられます。

支援費用は納付金と賦課金の制度で賄う

第31条は、電気事業者が納付する納付金に関する制度を定めています。支援を受ける発電事業者と電気を販売する事業者の間だけで費用関係が完結するのではなく、支援に必要な費用を集め、交付する仕組みが法律上設けられています。供給促進交付金などの支援規定と、その財源を確保する規定は対応する関係にあります。

第36条は、電気事業者が電気の使用者に対して賦課金を請求できることを定めています。賦課金は電気の対価の一部として扱われ、使用電力量と年度ごとの単価を組み合わせる仕組みです。発電事業者が受ける調達価格やプレミアムと、電気の使用者が負担する賦課金の単価は、目的も計算対象も異なる数字です。

また、第16条の特定契約の締結に関する義務は、正当な理由として省令で定める場合との関係で規定されています。認定を受ければ、契約・接続・供給などの条件を確認する過程が一切不要になるわけではありません。認定、電気の取引、支援金の交付、費用負担を分けて読むことで、再エネ特措法が発電事業と電気利用者をどのようにつないでいるかを整理できます。

参考リンク

条文の制度とFIT・FIPの呼称は、以下の公式資料で確認できます。