食品表示基準(平成27年内閣府令第10号、法令ID:427M60000002010)は、食品表示法に基づき、販売する食品の表示事項と表示方法を具体化する内閣府令です。法令全集とe-Gov法令検索で確認できます。食品の製造・輸入・販売担当者や、商品の表示を読み解きたい消費者が参照します。この記事は食品区分と表示制度の関係を扱い、個別商品の表示審査、期限設定試験、健康効果の評価は扱いません。
2026年9月15日時点の2026年4月1日施行版を参照しています。改正後の表示への移行には附則の経過措置が関係するため、施行日と旧表示を使用できる期間は区別します。
加工食品・生鮮食品・添加物で読む章が変わる
第2条は、加工食品を製造又は加工された食品として別表第1に掲げるもの、生鮮食品を加工食品と添加物以外で別表第2に掲げるものとして定義しています。日常語の「新鮮」「加工が少ない」といった印象ではなく、基準の定義と別表を入口にする構造です。
第2章は加工食品、第3章は生鮮食品、第4章は添加物を扱います。さらに各章で一般用と業務用、食品関連事業者とそれ以外の販売者などを分けています。同じ食品でも、どの形態で誰に販売するかによって確認する条文が異なります。消費者向けの容器包装の商品と、加工原料として流通する食品の表示を同じ表だけで処理する制度ではありません。
第1条は販売への適用を定める一方、設備を設けて飲食させる場合には第40条を除き適用しないとしています。食品に関わるすべての情報提供を同じ方法で規律する府令ではないことも確認できます。まず販売か飲食提供か、次に食品の種類、さらに一般用か業務用かを整理すると、必要な表示事項を探す範囲が定まります。根拠:第1条・第2条
加工食品は共通事項に品目別事項を重ねる
第3条の横断的義務表示は、一般用加工食品について、名称、保存方法、消費期限又は賞味期限、原材料名、添加物、内容量等の表示事項と方法を定めています。栄養成分や熱量、食品関連事業者等についての表示も条文中の表で扱います。ただし、各項目には条件があるため、項目名だけを抜き出してすべての商品に一律に当てはめるものではありません。
第4条は、別表第19に掲げる食品について個別的義務表示を追加します。共通の表示だけでは示せない品目固有の情報を、別表の食品名・事項・方法に対応させる構造です。第3条の中にも別表第4等に接続する定めがあるため、本則の表と品目別の別表を往復して読むことになります。
第5条は販売形態等に応じた特例です。例えば製造又は加工した場所で販売する場合にも、どの事項を省略できるかが列挙され、除外される食品・項目もあります。「店内製造なら表示不要」という一括した区分ではありません。加工食品の表示は、共通事項を確認し、品目別の追加・変更を確認したうえで、該当する特例の範囲を調べる仕組みです。根拠:第3条から第5条
期限表示と保存方法は組み合わせて読む
第2条は消費期限と賞味期限を区別しています。消費期限は、定められた方法で保存した場合に安全性を欠くおそれがないと認められる期限を示すものです。賞味期限は、定められた方法で保存した場合に期待される品質を十分保持できる期限で、過ぎても品質が保持されることがある旨を定義に含みます。
両者とも保存方法を前提とする点が共通します。第3条は、品質が急速に劣化しやすい食品には消費期限、それ以外には賞味期限を表示することを定めています。また、保存方法の表示は食品の特性や、別の法令に定める保存基準に関係します。期限だけを切り離して商品の状態を判断する制度ではありません。
第3条には年月日等の表示方法もあり、保存方法や期限の省略が認められる場合についても規定があります。どの食品も同じ日数で期限を設定するという数値表は、この条文の役割ではありません。本基準は、食品ごとに設定された期限について、どの種類の期限として、どのように消費者に伝えるかを定めています。根拠:第2条第7号・第8号、第3条
生鮮食品と業務用食品では必要情報の渡し方が違う
第18条は一般用生鮮食品の横断的義務表示として、名称と原産地を定めています。第19条は品目ごとの個別的義務表示、第20条は特例を置きます。生鮮食品の区分に入る場合でも、すべてが名称と産地だけで完結するのではなく、対象品目や販売形態に応じて追加事項があります。
第22条は表示方式を扱い、容器包装や陳列等の形態に応じた規定につながります。加工食品の一括表示様式をそのまま使うことを、生鮮食品全般に一律に求める制度ではありません。何を伝えるかと、どこにどの方法で示すかは、別の条文で整理されています。
業務用については、加工食品が第10条以降、生鮮食品が第24条以降に分かれています。第2条の定義では、業務用加工食品は消費者に販売される形態となっていないもの、業務用生鮮食品は加工食品の原材料となるものです。単に購入者が会社か個人かという区別とは異なります。原材料から製品へ情報を伝える段階と、最終消費者へ表示する段階を分けることが、各規定の使い分けにつながります。根拠:第2条・第10条・第18条から第24条
表示方法・強調表示・改正附則まで確認する
第8条は、一般用加工食品の表示を日本語で正確に、読みやすく理解しやすい用語によって行うことや、見やすい箇所に表示すること等を定めます。別記様式や品目別の方式も関係します。必要事項がどこかに書いてあれば足りるという構造ではなく、表示のまとまりや見せ方にも規定があります。
第9条には、実際より著しく優良・有利と誤認させる用語、義務表示と矛盾する用語等の禁止があります。機能性表示食品に関する禁止事項等も別に定められています。任意に付け加える説明についても、必須事項とは別だから自由に表示できるという制度ではありません。栄養や機能性に関する表示は、それぞれの条件と別表の確認が必要です。
改正時には、本則の改正と附則の経過措置を併せて読みます。食品表示基準の附則には、製造・加工・輸入又は販売の時点や、改正対象の項目を区分して旧規定による表示を認める措置があります。ある項目の猶予期間を、別の項目に広げることはできません。商品の区分と表示事項を特定したうえで、対応する改正附則を確認する構成です。根拠:第8条・第9条・改正附則
参考リンク
表示事項、別表、改正附則は同じ法令の中で確認できます。