食品衛生法(昭和22年法律第233号、法令ID:322AC0000000233)は、飲食に起因する衛生上の危害を防止するため、食品・添加物、器具・容器包装、営業、検査等を規律する法律です。法令全集e-Gov法令検索で確認できます。食品事業者、施設の衛生管理担当者、輸入等の制度を調べる人が参照します。この記事は2026年9月15日時点の制度を説明し、特定の商品・店舗の適合性や食品の安全性の判定は扱いません。

販売禁止と規格基準は別の規定で確認する

第1条は、食品の安全性の確保のため公衆衛生上必要な規制等を講じ、国民の健康を保護することを目的としています。第2章は食品・添加物、第3章は器具・容器包装を扱い、対象物の区分に応じて規律を配置しています。

第6条は、腐敗・変敗、有毒・有害物質、病原微生物、異物混入等に関する食品・添加物の販売等の禁止を定めます。対象となる行為は販売だけでなく、販売のための製造、輸入、加工、調理、貯蔵、陳列等にも及びます。また、この条文の販売には、不特定または多数の者への授与も含むとされています。

第12条は添加物の取扱い、第13条は製造・使用・保存方法の基準や成分規格を定める仕組みです。現行第13条では内閣総理大臣が食品衛生基準審議会の意見を聴いて基準・規格を定めるとしています。食品に関するすべての基準を厚生労働大臣が定めるという旧来の説明では、現行条文と合いません。

法律自体にすべての食品の成分値や保存条件が一覧で載るわけではありません。法律は規格基準を設ける根拠と、基準等に合わない場合の取扱いを定めています。商品ごとの確認は、その根拠に基づく具体的な規格基準と対応させる必要があります。出典は第1条・第6条・第12条・第13条です。

衛生管理は日々の工程を対象にする

第51条は、施設の衛生的な管理その他の公衆衛生上必要な措置について、厚生労働省令で基準を定める仕組みです。第1項第1号は施設内外の清潔保持等の一般的な衛生管理、第2号は危害防止のために特に重要な工程を管理する取組を掲げています。

同号には、小規模な営業者等について、取り扱う食品の特性に応じた取組とする規定があります。法律がすべての業態・規模に全く同じ工程管理の方法を直接指定しているのではありません。営業者の区分と、政省令で具体化される基準を合わせて読む必要があります。

第2項は、営業者が基準に従って必要な措置を定め、遵守することを求めています。店舗の開業時に書類をそろえるだけで終わる制度ではなく、業務の中で衛生措置を実施する規定です。第3項には、基準に反しない範囲で条例に必要な規定を置けることも示されています。

商品に関する規格基準と、営業の衛生管理は別の論点です。原材料や製品の規格を確認したから施設・工程の管理が不要になるわけではなく、反対に施設の清潔保持だけで成分規格の確認を代替することもできません。食品衛生法は対象物と運営の双方を規律しています。根拠は第51条です。

営業許可と営業届出の区分

第54条・第55条は営業許可の仕組みを定めています。第54条は、公衆衛生への影響が著しい営業として政令で定めるものについて、都道府県が厚生労働省令の基準を参酌し、条例で施設基準を定めるとしています。業種の範囲、施設基準の内容、許可という三つの段階が接続しています。

第55条は該当する営業を営もうとする者に都道府県知事の許可を求め、施設基準に合う場合の許可と、欠格に関するただし書を規定しています。具体的な業種や施設の図面については、政令・省令・条例の確認が必要です。法律の許可条文だけで設備の詳細を決定することはできません。

第57条は、許可対象の営業や公衆衛生への影響が少ないとして政令で定める営業等を除く営業について、あらかじめ営業所の名称・所在地等を届け出る制度です。許可を受けない営業を、すべて何の手続もないものとして説明することはできません。一方、届出対象にも除外があります。

この区分は、営業内容から政令の業種・除外を確認し、許可・届出・適用関係を調べるためのものです。本記事では特定の販売方法やメニューだけで区分を判定せず、法律と委任先がどの条件を担うかを整理しています。出典は第54条・第55条・第57条です。

輸入と回収は流通段階の情報を行政へつなぐ

第27条は、販売用または営業上使用する食品・添加物・器具・容器包装を輸入しようとする者について、その都度厚生労働大臣への届出を求めています。食品そのものだけでなく、営業で使用する器具等も対象物として明示されている点が特徴です。

この届出と、食品等が規格基準に適合することは別の確認項目です。第27条は第7章「検査」に置かれ、販売用または営業上使用する食品等の輸入に際して情報を把握するための届出を定めています。個人の持込み等を含めたすべての輸入を、この記事の記述だけで分類するものではありません。

第58条は、所定の違反またはそのおそれに関する食品等を回収する場合の届出を定めています。回収に着手した旨と回収状況を遅滞なく都道府県知事へ届け出る制度で、命令による回収や、危害発生のおそれがないとして省令等で定める場合には除外があります。

同条第2項には、都道府県知事から厚生労働大臣または内閣総理大臣への報告が規定されています。回収を事業者内の対応で完結させず、流通後の問題に関する情報を行政へ接続する仕組みです。輸入時の届出、営業中の衛生管理、流通後の回収は、それぞれ異なる段階で機能する規定です。出典は第27条・第58条です。

参考リンク

制度の根拠は、次の2025年6月1日施行版で確認できます。