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平成二十五年総務省令第二十四号
漏電火災警報器に係る技術上の規格を定める省令

施行日:

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消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第二十一条の十六の三第一項の規定に基づき、漏電火災警報器に係る技術上の規格を定める省令(昭和五十一年自治省令第十五号)の全部を改正する省令を次のように定める。

第一章 総則

(趣旨)

第一条 この省令は、漏電火災警報器の変流器及び受信機の技術上の規格を定めるものとする。

(用語の意義)

第二条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

漏電火災警報器 電圧六百ボルト以下の警戒電路の漏洩電流を検出し、防火対象物の関係者に報知する設備であって、変流器及び受信機で構成されたものをいう。

変流器 警戒電路の漏洩電流を自動的に検出し、これを受信機に送信するものをいう。

受信機 変流器から送信された信号を受信して、漏洩電流の発生を防火対象物の関係者に報知するものをいう。

集合型受信機 二以上の変流器と組み合わせて使用する受信機で、一組の電源装置、音響装置等で構成されたものをいう。

(変流器の種別)

第三条 変流器は、構造に応じて屋外型及び屋内型に分類する。

(一般構造)

第四条 漏電火災警報器は、その各部分が良質の材料で造られ、配線及び取付けが適正かつ確実になされたものでなければならない。

2 漏電火災警報器は、耐久性を有するものでなければならない。

3 漏電火災警報器は、著しい雑音又は障害電波を発しないものでなければならない。

4 漏電火災警報器の部品は、定格の範囲内で使用しなければならない。

5 漏電火災警報器の充電部で、外部から容易に人が触れるおそれのある部分は、十分に保護されていなければならない。

6 漏電火災警報器の端子以外の部分は、堅ろうなケースに収めなければならない。

7 漏電火災警報器の端子は、電線(接地線を含む。)を容易かつ確実に接続することができるものでなければならない。

8 漏電火災警報器の端子(接地端子及び配電盤等に取り付ける埋込用の端子を除く。)には、適当なカバーを設けなければならない。

9 変流器又は受信機の定格電圧が六十ボルトを超える変流器又は受信機の金属ケース(金属でない絶縁性のあるケースの外部に金属製の化粧銘板等の部品を取り付け、当該部品と充電部(電圧が六十ボルトを超えるものに限る。)との絶縁距離が、空間距離で四ミリメートル未満、沿面距離で六ミリメートル未満であるものを含む。)には、接地端子を設けなければならない。

(装置又は部品の構造及び機能)

第五条 漏電火災警報器の次の各号に掲げる装置又は部品は、当該各号に定める構造及び機能又はこれと同等以上の機能を有するものでなければならない。

音響装置は、次のイからホまでによること。

定格電圧の九十パーセントの電圧で音響を発すること。

定格電圧における音圧は、無響室で定位置(音響装置を受信機内に取り付けるものにあってはその状態における位置)に取り付けられた音響装置の中心から一メートル離れた点で七十デシベル以上であること。

警報音を断続するものにあっては、休止時間は二秒以下で、鳴動時間は休止時間以上であること。

充電部と非充電部との間の絶縁抵抗は、直流五百ボルトの絶縁抵抗計で測定した値が五メガオーム以上であること。

定格電圧で八時間連続して鳴動させた場合、イからニまでの機能を有し、かつ、構造に異常を生じないものであること。

電磁継電器は、次のイからハまでによること。

じんあい等が容易に侵入しない構造のものであること。

接点の材質は、次の(1)から(5)までのいずれかによること。

接点は、外部負荷と兼用させないこと。

電源変圧器は、次のイ及びロによること。

性能は、産業標準化法(昭和二十四年法律第百八十五号)第二十条第一項に定める日本産業規格(以下「JIS」という。)C 六四三六に定める絶縁抵抗、耐電圧、電圧偏差、巻線の温度上昇及び電圧変動率によること。

容量は、定格電圧における最大負荷電流又は設計上の最大負荷電流に連続して耐えうること。

表示灯は、次のイからハまでによること。

電球(放電灯及び発光ダイオードを除く。)は、使用される回路の定格電圧の百三十パーセントの交流電圧を二十時間連続して加えた場合、断線、著しい光束変化、黒化又は著しい電流の低下を生じないものであること。

電球を二以上並列に接続すること。

周囲の明るさが三百ルクスの状態において、前方三メートル離れた地点で点灯していることを明確に識別することができるものであること。

スイッチは、次のイからハまでによること。

容易かつ確実に作動し、停止点が明確であること。

接点の容量は、最大使用電流に耐えうるものであること。

接点(印刷接点、導電膜接点等で、かつ、耐食措置が講じられているものを除く。)の材質は、次の(1)から(6)までのいずれかによること。

指示電気計器は、JIS C 一一〇二―一及びJIS C 一一〇二―二に定める固有誤差、絶縁及び電圧試験に適合するものであること。

ヒューズは、次のイ又はロに適合するものであること。

JIS C 八三五二

JIS C 六五七五―一及びJIS C 六五七五―二

(附属装置)

第六条 漏電火災警報器には、その機能に有害な影響を及ぼすおそれのある附属装置を設けてはならない。

(公称作動電流値)

第七条 漏電火災警報器の公称作動電流値(漏電火災警報器を作動させるために必要な漏洩電流の値として製造者によって表示された値をいう。以下同じ。)は、二百ミリアンペア以下でなければならない。

2 前項の規定は、感度調整装置を有する漏電火災警報器にあっては、その調整範囲の最小値について適用する。

(感度調整装置)

第八条 感度調整装置を有する漏電火災警報器にあっては、その調整範囲の最大値は、一アンペア以下でなければならない。

(表示)

第九条 変流器には、次の各号に掲げる事項をその見やすい箇所に容易に消えないように表示しなければならない。

漏電火災警報器変流器という文字

届出番号

屋外型又は屋内型のうち該当する種別

定格電圧及び定格電流

定格周波数

単相又は三相のうち該当するもの

設計出力電圧

製造年

製造者名、商標又は販売者名

極性のある端子にはその極性を示す記号

2 受信機には、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に掲げる事項をその見やすい箇所に容易に消えないように表示しなければならない。

受信機本体

漏電火災警報器受信機という文字

届出番号

定格電圧

電源周波数

公称作動電流値

作動入力電圧

製造年

製造者名、商標又は販売者名

集合型受信機にあっては、警戒電路の数

端子板には、端子記号(電源用の端子にあっては、端子記号及び交流又は直流の別)並びに定格電圧及び定格電流

部品には、部品記号(その付近に表示した場合を除く。)

スイッチ等の操作部には、「開」、「閉」等の表示及び使用方法

ヒューズホルダには、使用するヒューズの定格電流

接続することができる変流器の届出番号

その他取扱い上注意するべき事項

音響装置

交流又は直流の別

定格電圧及び定格電流

製造年

製造者名又は商標

極性のある端子には、その極性を示す記号

(試験条件)

第十条 次条から第二十三条まで及び第二十七条から第三十六条までに規定する試験は、当該各条に定めがある場合を除くほか、周囲温度五度以上三十五度以下、相対湿度四十五パーセント以上八十五パーセント以下の状態で行うものとする。

2 次条及び第十三条に規定する試験においては、警戒電路の電圧又は周波数には当該変流器の定格電圧又は定格周波数を用い、警戒電路に接続する負荷には純抵抗負荷を用いるものとする。

3 第十四条及び第十五条に規定する試験においては、警戒電路又は一の電線を変流器に取り付けた回路の周波数には警戒電路の定格周波数を用いるものとする。

4 第二十七条から第三十二条まで及び第三十六条に規定する試験においては、当該各条に定めがある場合を除くほか、受信機の電源の電圧又は周波数には、当該受信機の定格電圧又は定格周波数を用いるものとする。

第二章 変流器

(変流器の機能)

第十一条 変流器は、別図第一の試験回路において警戒電路に電流を流さない状態又は当該変流器の定格周波数で当該変流器の定格電流を流した状態において、次の各号に適合するものでなければならない。 この場合において、当該変流器の出力電圧値の測定は、出力端子に当該変流器に接続される受信機の入力インピーダンスに相当するインピーダンス(以下「負荷抵抗」という。)を接続して行うものとする。

試験電流を零ミリアンペアから千ミリアンペアまで流した場合、その出力電圧値は、試験電流値に比例して変化すること。

変流器に接続される受信機の公称作動電流値を試験電流として流した場合、その出力電圧値の変動範囲は、当該公称作動電流値に対応する設計出力電圧値の七十五パーセントから百二十五パーセントまでの範囲内であること。

変流器に接続される受信機の公称作動電流値の四十二パーセントの試験電流を流した場合、その出力電圧値は、当該公称作動電流値に対応する設計出力電圧値の五十二パーセント以下であること。

2 変流器で、警戒電路の電線を変流器に貫通させるものにあっては、警戒電路の各電線をそれらの電線の変流器に対する電磁結合力が平衡とならないような方法で変流器に貫通させた状態で前項の機能を有するものでなければならない。

(周囲温度試験)

第十二条 屋内型の変流器は、零下十度及び六十度の周囲温度にそれぞれ十二時間以上放置した後、いずれも構造又は前条の機能に異常を生じないものでなければならない。

2 屋外型の変流器は、零下二十度及び六十度の周囲温度にそれぞれ十二時間以上放置した後、いずれも構造又は前条の機能に異常を生じないものでなければならない。

(電路開閉試験)

第十三条 変流器は、出力端子に負荷抵抗を接続し、警戒電路に当該変流器の定格電流の百五十パーセントの電流を流した状態で警戒電路の開閉を一分間に五回繰り返す操作を行った場合、その出力電圧値は、接続される受信機の公称作動電流値に対応する設計出力電圧値の五十二パーセント以下でなければならない。

(短絡電流強度試験)

第十四条 変流器は、別図第二の試験回路において出力端子に負荷抵抗を接続し、警戒電路の電源側に過電流遮断器を設け、警戒電路に当該変流器の定格電圧(警戒電路の電線を変流器に貫通させる変流器にあっては、当該変流器の定格電圧以下の任意の電圧とする。)で短絡力率が〇・三から〇・四までの二千五百アンペアの電流を二分間隔で約〇・〇二秒間二回流した場合、構造又は第十一条の機能に異常を生じないものでなければならない。

(過漏電試験)

第十五条 変流器は、一の電線を変流器に取り付けた別図第三の回路を設け、出力端子に負荷抵抗を接続した状態で当該一の電線に変流器の定格電圧の数値の二十パーセントの数値を電流値とする電流を五分間流した場合、構造又は第十一条の機能に異常を生じないものでなければならない。

(老化試験)

第十六条 変流器は、六十五度の温度の空気中に三十日間放置した場合、構造又は第十一条の機能に異常を生じないものでなければならない。

(防水試験)

第十七条 屋外型変流器は、温度六十五度の清水に十五分間浸し、温度零度の塩化ナトリウムの飽和水溶液に十五分間浸す操作を二回繰り返し行った後、次の各号に適合するものでなければならない。

飽和水溶液に浸してある状態で第二十条の試験に適合すること。

飽和水溶液から取り出した状態で第二十一条の試験に適合し、かつ、構造又は第十一条の機能に異常を生じないこと。

(振動試験)

第十八条 変流器は、全振幅四ミリメートルで毎分千回の振動を任意の方向に六十分間連続して与えた場合、構造又は第十一条の機能に異常を生じないものでなければならない。

(衝撃試験)

第十九条 変流器は、任意の方向に標準重力加速度の五十倍の加速度の衝撃を五回加えた場合、構造又は第十一条の機能に異常を生じないものでなければならない。

(絶縁抵抗試験)

第二十条 変流器は、一次巻線と二次巻線との間及び一次巻線又は二次巻線と外部金属部との間の絶縁抵抗を直流五百ボルトの絶縁抵抗計で測定した値が五メガオーム以上のものでなければならない。

(絶縁耐力試験)

第二十一条 前条の試験部の絶縁耐力は、五十ヘルツ又は六十ヘルツの正弦波に近い実効電圧千五百ボルト(警戒電路電圧が二百五十ボルトを超える場合は、警戒電路電圧に二を乗じて得た値に千ボルトを加えた値)の交流電圧を加えた場合、一分間これに耐えるものでなければならない。

(衝撃波耐電圧試験)

第二十二条 変流器は、一次巻線(警戒電路の電線を変流器に貫通させる変流器にあっては、当該警戒電路とする。)と外部金属部との間及び一次巻線の相互間に波高値六キロボルト、波頭長〇・五マイクロ秒から一・五マイクロ秒まで、及び波尾長三十二マイクロ秒から四十八マイクロ秒までの衝撃波電圧を正負それぞれ一回加えた場合、構造又は第十一条の機能に異常を生じないものでなければならない。

(電圧降下防止試験)

第二十三条 変流器(警戒電路の電線を当該変流器に貫通させるものを除く。)は、警戒電路に定格電流を流した場合、その警戒電路の電圧降下は、〇・五ボルト以下でなければならない。

第三章 受信機

(受信機の構造)

第二十四条 受信機の構造は、次に定めるところによらなければならない。

電源を表示する装置を設けること。 この場合において、漏電表示の色と明らかに区別できること。

受信機の電源入力側及び受信機から外部の音響装置、表示灯等に対し直接電力を供給するように構成された回路には、外部回路に短絡を生じた場合においても有効に保護できる措置が講じられていること。

感度調整装置以外の感度調整部は、ケースの外面に露出しないこと。

(試験装置)

第二十五条 受信機には、公称作動電流値に対応する変流器の設計出力電圧の二・五倍以下の電圧をその入力端子に加えることができる試験装置及び変流器に至る外部配線の断線の有無を試験できる試験装置を設けなければならない。

2 前項の試験装置は、次の各号に適合するものでなければならない。

受信機の前面において手動により容易に試験できること。

試験後定位置に復する操作を忘れないように適当な方法が講じられていること。

集合型受信機に係るものにあっては、前二号に定めるほか回線ごとに試験できること。

(漏電表示)

第二十六条 受信機は、変流器から送信された信号を受信した場合、赤色の表示及び音響信号により漏電を自動的に表示するものでなければならない。

(受信機の機能)

第二十七条 受信機は、別図第四の試験回路において、信号入力回路に公称作動電流値に対応する変流器の設計出力電圧の五十二パーセントの電圧を加えた場合、三十秒以内で作動せず、かつ、公称作動電流値に対応する変流器の設計出力電圧の七十五パーセントの電圧を加えた場合、一秒以内に作動するものでなければならない。

2 集合型受信機は、前項の規定によるほか、次の各号に適合するものでなければならない。

漏洩電流の発生した警戒電路を明確に表示する装置を設けること。

前号に規定する装置は、警戒電路を遮断された場合、漏洩電流の発生した警戒電路の表示が継続して行えること。

二の警戒電路で漏洩電流が同時に発生した場合、漏電表示及び警戒電路の表示を行うこと。

二以上の警戒電路で漏洩電流が連続して発生した場合、最大負荷に耐える容量を有すること。

(電源電圧変動試験)

第二十八条 受信機は、電源電圧を受信機の定格電圧の九十パーセントから百十パーセントまでの範囲で変化させた場合、前条の機能に異常を生じないものでなければならない。

(周囲温度試験)

第二十九条 受信機は、零下十度及び四十度の周囲温度にそれぞれ十二時間以上放置した後、いずれも構造又は第二十七条の機能に異常を生じないものでなければならない。

(過入力電圧試験)

第三十条 受信機は、別図第五の試験回路において、信号入力回路に五十ボルトの電圧を変流器のインピーダンスに相当する抵抗を介して五分間加えた場合、漏電表示をし、かつ、構造又は第二十七条の機能に異常を生じないものでなければならない。

(繰返し試験)

第三十一条 受信機は、受信機の定格電圧で一万回の漏電作動を行った場合、構造又は第二十七条の機能に異常を生じないものでなければならない。

(振動試験)

第三十二条 受信機は、通電状態において全振幅一ミリメートルで毎分千回の振動を任意の方向に十分間連続して与えた場合、誤作動(漏洩電流以外の原因に基づく作動をいう。)しないものでなければならない。

2 受信機は、無通電状態において全振動四ミリメートルで毎分千回の振動を任意の方向に六十分間連続して与えた場合、構造又は第二十七条の機能に異常を生じないものでなければならない。

(衝撃試験)

第三十三条 受信機は、任意の方向に標準重力加速度の五十倍の加速度の衝撃を五回加えた場合、構造又は第二十七条の機能に異常を生じないものでなければならない。

(絶縁抵抗試験)

第三十四条 受信機は、充電部とそれを収める金属ケース(絶縁性のあるケースの外部に金属製の化粧銘板等の部品を取り付けたものを含む。)との間の絶縁抵抗を直流五百ボルトの絶縁抵抗計で測定した値が五メガオーム以上のものでなければならない。

(絶縁耐力試験)

第三十五条 前条の試験部の絶縁耐力は、五十ヘルツ又は六十ヘルツの正弦波に近い実効電圧五百ボルト(定格電圧(一次側の充電部にあっては一次側の定格電圧、二次側の充電部にあっては二次側の定格電圧(以下この条において同じ。))が三十ボルトを超え百五十ボルト以下の部分については千ボルト、百五十ボルトを超える部分については定格電圧に二を乗じて得た値に千ボルトを加えた値)の交流電圧を加えた場合、一分間これに耐えるものでなければならない。

(衝撃波耐電圧試験)

第三十六条 受信機は、別図第六の試験回路において、電源異極端子の間及び電源端子とケースとの間に波高値六キロボルト、波頭長〇・五マイクロ秒から一・五マイクロ秒まで及び波尾長三十二マイクロ秒から四十八マイクロ秒までの衝撃波電圧を正負それぞれ一回加えた場合、構造又は第二十七条の機能に異常を生じないものでなければならない。

第四章 雑則

(基準の特例)

第三十七条 新たな技術開発に係る漏電火災警報器の変流器及び受信機について、その形状、構造、材質及び性能から判断して、この省令の規定に適合するものと同等以上の性能があると総務大臣が認めた場合は、この省令の規定にかかわらず、総務大臣が定める技術上の規格によることができる。

附則

この省令は、平成二十六年四月一日から施行する。

附則(令和元年六月二八日総務省令第一九号)

この省令は、不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行の日(令和元年七月一日)から施行する。