第一条 この省令は、消防法施行令(昭和三十六年政令第三十七号。以下「令」という。)第二十九条の四第一項の規定に基づき、排煙設備に代えて用いることができる必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等(同項に規定するものをいう。次条において同じ。)に関し必要な事項を定めるものとする。
(排煙設備に代えて用いることができる加圧防排煙設備)第二条 次の各号に適合する防火対象物又はその部分において、令第二十八条の規定により設置し、及び維持しなければならない排煙設備に代えて用いることができる必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等は、加圧防排煙設備(消防隊による活動を支援するために、火災が発生した場合に生ずる煙を有効に排除し、かつ、給気により加圧することによって、当該活動の拠点となる室への煙の侵入を防ぐことのできる設備であって、排煙口、給気口、給気機等により構成されるものをいう。以下同じ。)とする。
一 令別表第一(四)項又は(十三)項イに掲げる防火対象物(同表(十三)項イに掲げる防火対象物にあっては、昇降機等の機械装置により車両を駐車させる構造のものを除く。)の地階又は無窓階で、床面積が千平方メートル以上のものであること。
二 特定主要構造部(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号。以下「法」という。)第二条第九号の二イに規定する特定主要構造部をいう。)が、耐火構造(同条第七号に規定する耐火構造をいう。)であること。
三 吹抜きとなっている部分、階段の部分、昇降機の昇降路の部分、ダクトスペースの部分その他これらに類する部分については、当該部分とその他の部分(直接外気に開放されている廊下、バルコニーその他これらに類する部分を除く。)とが準耐火構造(法第二条第七号の二に規定する準耐火構造をいう。)の床若しくは壁又は防火設備(同条第九号の二ロに規定する防火設備をいう。)で区画されていること。
四 スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備(移動式のものを除く。)、不活性ガス消火設備(移動式のものを除く。)、ハロゲン化物消火設備(移動式のものを除く。)又は粉末消火設備(移動式のものを除く。)が令第十二条、令第十三条、令第十四条、令第十五条(第二号及び第三号を除く。)、令第十六条(第三号を除く。)、令第十七条(第二号を除く。)若しくは令第十八条(第二号を除く。)に定める技術上の基準に従い、又は当該技術上の基準の例により設置されていること。
2 前項に定める加圧防排煙設備の設置及び維持に関する技術上の基準は、次のとおりとする。一 加圧防排煙設備には、手動起動装置を設けること。
二 加圧防排煙設備の排煙口、排煙用の風道その他煙に接する部分は、煙の熱及び成分によりその機能に支障を生ずるおそれのない材料で造ること。
三 加圧防排煙設備には、非常電源を附置すること。
3 前項に定めるもののほか、加圧防排煙設備は、消防庁長官が定める設置及び維持に関する技術上の基準に適合するものでなければならない。