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平成二十年厚生労働省令第十六号
社会保険診療報酬支払基金の高齢者医療制度関係業務に係る財務及び会計に関する省令

施行日:

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高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)第百四十五条第二項及び第三項並びに第百五十一条(これらの規定を同法附則第十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定に基づき、社会保険診療報酬支払基金の高齢者医療制度関係業務に係る財務及び会計に関する省令を次のように定める。
(経理原則)

第一条 社会保険診療報酬支払基金(以下「支払基金」という。)は、高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号。以下「法」という。)第百三十九条第三項に規定する高齢者医療制度関係業務(以下「高齢者医療制度関係業務」という。)に係る財政状態及び経営成績を明らかにするため、財産の増減及び異動並びに収益及び費用をその発生の事実に基づいて経理しなければならない。

(高齢者医療制度関係特別会計)

第二条 法第百四十三条の規定により支払基金が設けなければならない特別の会計は、次の各号に掲げる業務の区分に応じ、当該各号に掲げる特別会計とする。

法第百三十九条第一項第一号に掲げる業務
前期高齢者特別会計

法第百三十九条第一項第二号及び第三号に掲げる業務並びに健康保険法等の一部を改正する法律(平成十八年法律第八十三号。以下この号において「改正法」という。)附則第三十八条第四項の規定により法第百三十九条第一項第二号の業務に係る特別の会計に帰属するものとされた平成三十年四月一日において現に改正法附則第三十八条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされた改正法第七条の規定による改正前の老人保健法(昭和五十七年法律第八十号。次項第二号において「平成二十年改正前老健法」という。)第六十八条に規定する特別の会計に所属する権利及び義務に関する健康保険法施行令等の一部を改正する政令(平成二十年政令第百十六号。次項において「改正令」という。)附則第二条第一号及び第二号に掲げる業務
後期高齢者医療特別会計

法第百三十九条第二項の事業に関する業務
認可事業特別会計

2 支払基金は、前項各号に掲げる特別会計(以下「高齢者医療制度関係特別会計」という。)の経理を明確にするため、次の各号に掲げる特別会計の区分に応じ、当該各号に掲げるところにより経理を区分し、それぞれの特別会計について貸借対照表勘定及び損益勘定を設けるものとする。

前期高齢者特別会計
保険者からの前期高齢者納付金等(法第三十六条第一項に規定する前期高齢者納付金等をいう。以下同じ。)の徴収及び保険者に対する前期高齢者交付金(法第三十二条第一項に規定する前期高齢者交付金をいう。以下同じ。)の交付に係る経理並びに法第百三十九条第一項第一号に掲げる業務に関する事務の処理に係る経理

後期高齢者医療特別会計
保険者からの後期高齢者支援金等(法第百十八条第一項に規定する後期高齢者支援金等をいう。以下同じ。)の徴収及び後期高齢者医療広域連合(法第四十八条に規定する後期高齢者医療広域連合をいう。以下この号において同じ。)に対する後期高齢者交付金(法第百条第一項に規定する後期高齢者交付金をいう。以下同じ。)の交付並びに後期高齢者医療広域連合からの出産育児支援金(法第百二十四条の二第一項に規定する出産育児支援金をいう。第十一条第一項第二号において同じ。)の徴収、保険者からの出産育児関係事務費拠出金(法第百二十四条の五第一項に規定する出産育児関係事務費拠出金をいう。第十一条第一項第二号において同じ。)の徴収及び保険者に対する出産育児交付金(法第百二十四条の四第一項に規定する出産育児交付金をいう。第十一条第一項第二号において同じ。)の交付並びに平成二十年改正前老健法第六十四条第二項に規定する厚生労働大臣の認可を受けて行う事業に係る経理並びに法第百三十九条第一項第二号に掲げる業務に関する事務の処理及び平成二十年改正前老健法第六十四条第一項各号に掲げる業務及び第二項に規定する業務に関する事務の処理に係る経理

認可事業特別会計
法第百三十九条第二項の事業に関する経理

3 高齢者医療制度関係特別会計においては、前項の貸借対照表勘定においては資産、負債及び資本を計算し、同項の損益勘定においては収益及び費用を計算する。

(予算の内容)

第三条 高齢者医療制度関係特別会計の予算は、予算総則及び収入支出予算とする。

(予算総則)

第四条 予算総則には、収入支出予算に関する総括的規定を設けるほか、次に掲げる事項に関する規定を設けるものとする。

第八条の規定による債務を負担する行為について、事項ごとに、その負担する債務の限度額、その行為に基づいて支出をすべき年限及びその必要な理由

第九条第二項の規定による経費の指定

第十条第一項ただし書の規定による経費の指定

法第百四十七条第一項の規定による長期借入金の借入れの限度額

その他予算の実施に関し必要な事項

(収入支出予算)

第五条 収入支出予算は、第二条第二項の規定により区分した経理ごとに勘定を設け、収入にあってはその性質、支出にあってはその目的に従って区分するものとする。

(予算の添付書類)

第六条 支払基金は、法第百四十四条前段の規定により予算について認可を受けようとするときは、申請書に次に掲げる書類を添付して厚生労働大臣に提出しなければならない。

前事業年度の予定貸借対照表及び予定損益計算書

当該事業年度の予定貸借対照表及び予定損益計算書

その他当該予算の参考となる書類

2 支払基金は、法第百四十四条後段の規定により予算の変更の認可を受けようとするときは、変更しようとする事項及びその理由を記載した申請書を厚生労働大臣に提出しなければならない。

(予備費)

第七条 支払基金は、予見することができない理由による支出予算の不足を補うため、収入支出予算に予備費を設けることができる。

2 支払基金は、厚生労働大臣の承認を受けなければ予備費を使用することができない。

3 支払基金は、前項の規定による承認を受けようとするときは、使用の理由、金額及び積算の基礎を明らかにした書類を厚生労働大臣に提出しなければならない。

(債務を負担する行為)

第八条 支払基金は、支出予算の金額の範囲内におけるもののほか、法第百三十九条第二項の事業を行うため必要があるときは、毎事業年度、予算をもって厚生労働大臣の認可を受けた金額の範囲内において、翌事業年度以降にわたる債務を負担する行為をすることができる。

(予算の流用)

第九条 支払基金は、支出予算については、当該予算に定める目的のほかに使用してはならない。

2 支払基金は、予算総則で指定する経費の金額については、厚生労働大臣の承認を受けなければ、それらの経費の間又は他の経費との間に相互流用することができない。

3 支払基金は、前項の規定による承認を受けようとするときは、流用の理由、金額及び積算の基礎を明らかにした書類を厚生労働大臣に提出しなければならない。

(予算の繰越し)

第十条 支払基金は、予算の実施上必要があるときは、支出予算の経費の金額のうち当該事業年度内に支出決定を終わらなかったものを翌事業年度に繰り越して使用することができる。

2 支払基金は、前項ただし書の規定による承認を受けようとするときは、当該事業年度末までに、事項ごとに繰越しを必要とする理由及び金額を明らかにした書類を厚生労働大臣に提出しなければならない。

3 支払基金は、第一項の規定による繰越しをしたときは、翌事業年度の五月三十一日までに、繰越計算書を厚生労働大臣に提出しなければならない。

4 前項の繰越計算書は、支出予算と同一の区分により作成し、かつ、これに次に掲げる事項を記載しなければならない。

繰越しに係る経費の支出予算現額

前号の経費の支出予算現額のうち支出決定済額

第一号の経費の支出予算現額のうち翌事業年度への繰越額

第一号の経費の支出予算現額のうち不用額

(事業計画及び資金計画)

第十一条 法第百四十四条の事業計画には、次に掲げる事項についての計画を記載しなければならない。

法第百三十九条第一項第一号の規定による前期高齢者納付金等の徴収及び前期高齢者交付金の交付に関する事項

法第百三十九条第一項第二号の規定による後期高齢者支援金等の徴収及び後期高齢者交付金の交付並びに同項第三号の規定による出産育児支援金及び出産育児関係事務費拠出金の徴収及び出産育児交付金の交付に関する事項

法第百三十九条第二項の事業に関する事項

その他必要な事項

2 法第百四十四条の資金計画には、次に掲げる事項についての計画を記載しなければならない。

資金の調達方法

資金の使途

その他必要な事項

3 支払基金は、法第百四十四条後段の規定により事業計画又は資金計画の変更の認可を受けようとするときは、変更しようとする事項及びその理由を記載した申請書を厚生労働大臣に提出しなければならない。

(収入支出等の報告)

第十二条 支払基金は、毎月、収入及び支出については第五条に規定する区分に従いその金額を明らかにした報告書により、第八条の規定による債務を負担する行為については事項ごとにその負担した債務の金額及びその行為に基づいて支出をすべき年限を明らかにした報告書により、翌月末日までに、厚生労働大臣に報告しなければならない。

(事業報告書)

第十三条 法第百四十五条第二項の事業報告書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

事業内容、職員の定数及びその前事業年度末との比較、沿革、支払基金の設立の根拠となる法律が社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)である旨及び高齢者医療制度関係業務を行う根拠となる法律が法である旨並びに主管省庁が厚生労働省である旨

役員の定数並びに各役員の氏名、役職、任期及び経歴

その事業年度及び過去三事業年度以上の事業の実施状況(第十一条第一項の事業計画及び同条第二項の資金計画の実施の結果を含み、借入金があるときはその借入先、借入れに係る目的及び金額を含み、財政投融資資金を受け入れているときはその受入れに係る目的及び金額を含み、国から補助金等の交付を受けているときはその名称、受入れに係る目的及び金額を含む。)

高齢者医療制度関係業務の一部の委託を受け、又は高齢者医療制度関係業務に関連する事業を行っている一般社団法人又は一般財団法人その他の団体(会社を除く。)であって、支払基金が出資、人事、資金、技術、取引等の関係を通じて財務及び事業の方針に係る決定を支配し、又はそれらに対して重要な影響を与えることができるもの(以下この条及び第十七条において「関連一般社団法人等」という。)の名称、事務所の所在地、基本財産(基本財産に相当するものを含む。同条において同じ。)を有するときはその額、事業内容、役員の人数、代表者の氏名、職員数及び支払基金との関係

支払基金と関連一般社団法人等との関係の概要(当該関係を示す系統図を含む。)

支払基金が対処すべき課題(高齢者医療制度関係業務に係るものに限る。)

(決算報告書)

第十四条 法第百四十五条第二項の決算報告書は、収入支出決算書及び債務に関する計算書とする。

2 前項の決算報告書には、第四条の規定により予算総則に規定した事項に係る予算の実施の結果を記載しなければならない。

(収入支出決算書)

第十五条 前条第一項の収入支出決算書は、収入支出予算と同一の区分により作成し、かつ、これに次に掲げる事項を記載しなければならない。

次に掲げる収入に関する事項  イ 収入予算額
 ロ 収入決定済額
 ハ 収入予算額と収入決定済額との差額

次に掲げる支出に関する事項  イ 支出予算額
 ロ 前事業年度からの繰越額
 ハ 予備費の使用の金額及びその理由
 ニ 流用の金額及びその理由
 ホ 支出予算現額
 ヘ 支出決定済額
 ト 翌事業年度への繰越額
 チ 不用額

(債務に関する計算書)

第十六条 第十四条第一項の債務に関する計算書には、第八条の規定による債務を負担する行為により負担した債務(以下この条において単に「負担した債務」という。)につき、事項ごとに、前事業年度末における負担した債務の残額、当該事業年度に負担した債務の金額、当該事業年度においてそれらについて支出した金額、当該事業年度末における負担した債務の残額及びその行為に基づいて支出をすべき年限を記載しなければならない。

(附属明細書)

第十七条 法第百四十五条第三項の附属明細書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

次に掲げる主な資産及び負債の明細  イ 長期借入金の明細(借入先(財政投融資資金による借入れの有無を含む。)並びに借入先ごとの事業年度当初及び事業年度末における借入残高を含む。)
 ロ 引当金及び準備金の明細(引当金及び準備金の種類ごとの事業年度当初及び事業年度末における状況を含む。)
 ハ 固定資産の取得及び処分並びに減価償却費の明細
 ニ 支払基金が議決権の過半数を実質的に所有している会社(以下この条において「子会社」という。支払基金及び子会社又は子会社が他の会社の議決権の過半数を実質的に所有している場合における当該他の会社も、子会社とみなす。)及び支払基金(支払基金が子会社を有する場合には、当該子会社を含む。)が議決権の百分の二十以上、百分の五十以下を実質的に所有し、かつ、支払基金が人事、資金、技術、取引等の関係を通じて財務及び事業の方針に対して重要な影響を与えることができる会社(以下この条において「関連会社」という。)の株式であって支払基金が保有するもの(高齢者医療制度関係特別会計において計上されるものに限る。)の明細(子会社及び関連会社の名称及び一株の金額並びに所有株数、取得価額、貸借対照表計上額並びに事業年度当初及び事業年度末におけるそれらの状況を含む。)
 ホ ニに掲げるもののほか、支払基金が行う出資に係る出資金(高齢者医療制度関係特別会計において計上されるものに限る。)の明細
 ヘ 子会社及び関連会社に対する債権及び債務の明細
 ト イからヘまでに掲げるもののほか、現金及び預金、受取手形、売掛金、支払手形、買掛金、短期借入金、未決算勘定その他の主な資産及び負債の明細

次に掲げる主な費用及び収益の明細  イ 国からの補助金等の明細(当該事業年度に国から交付を受けた補助金等の名称、当該補助金等に係る国の会計区分並びに当該補助金等と貸借対照表及び損益計算書に掲記されている関連科目との関係を含む。)
 ロ 役員及び職員の給与費の明細
 ハ 関連一般社団法人等に対し基本財産への出えんその他の出えんを行っているときは、当該関連一般社団法人等ごとの出えん額
 ニ イからハまでに掲げるもののほか、高齢者医療制度関係業務の特性を踏まえ重要と認められる費用及び収益の明細

(閲覧期間)

第十八条 法第百四十五条第三項の厚生労働省令で定める期間は、五年間とする。

(借入金の認可)

第十九条 支払基金は、高齢者医療制度関係業務に要する経費に充てるため、法第百四十七条第一項の規定により長期借入金若しくは短期借入金の借入れの認可を受けようとするとき、又は同条第三項ただし書の規定により短期借入金の借換えの認可を受けようとするときは、次に掲げる事項を記載した申請書を厚生労働大臣に提出しなければならない。

借入れを必要とする理由

借入金の額

借入先

借入金の利率

借入金の償還方法及び期限

利息の支払の方法及び期限

その他必要な事項

(会計規程)

第二十条 支払基金は、高齢者医療制度関係業務の財務及び会計に関し、法及びこの省令に定めるもののほか、会計規程を定めなければならない。

2 支払基金は、前項の会計規程を定めようとするときは、その基本的事項について厚生労働大臣の承認を受けなければならない。

3 支払基金は、第一項の会計規程を制定し、又は変更したときは、その理由及び内容を明らかにして、遅滞なく厚生労働大臣に届け出なければならない。

附則

(施行期日)
第一条 この省令は、平成二十年四月一日から施行する。

(社会保険診療報酬支払基金の老人保健関係業務に係る財務及び会計に関する省令の廃止)
第二条 社会保険診療報酬支払基金の老人保健関係業務に係る財務及び会計に関する省令(昭和五十七年厚生省令第四十三号)は、廃止する。

(病床転換助成事業関係特別会計)
第三条 支払基金は、第二条第一項各号に掲げる特別会計のほか、法附則第二条の政令で定める日までの間、法附則第十一条第一項に規定する業務及び同条第二項において準用する法第百三十九条第二項に規定する事業について、病床転換助成事業関係特別会計を設けなければならない。 支払基金は、前項の病床転換助成事業関係特別会計の経費を明確にするため、保険者からの病床転換支援金等(法附則第七条第一項に規定する病床転換支援金等をいう。)の徴収及び都道府県に対する病床転換助成交付金(法附則第六条第一項に規定する病床転換助成交付金をいう。)の交付に係る経理並びに法附則第十一条第一項に規定する業務に関する事務の処理に係る経理並びに同条第二項において準用する法第百三十九条第二項に規定する事業に係る経理を区分し、前項の病床転換助成事業関係特別会計について貸借対照表勘定及び損益勘定を設けるものとする。 第一項の病床転換助成事業関係特別会計においては、前項の貸借対照表勘定においては資産、負債及び資本を計算し、同項の損益勘定においては収益及び費用を計算する。 第三条から第二十条までの規定は、法附則第二条に規定する病床転換助成事業に係る支払基金の業務について準用する。 この場合において、「高齢者医療制度関係特別会計」とあるのは、「病床転換助成事業関係特別会計」と読み替えるものとする。

附則(平成二〇年一一月二八日厚生労働省令第一六三号)

(施行期日)
第一条 この省令は、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の施行の日(平成二十年十二月一日)から施行する。

附則(平成三〇年三月二六日厚生労働省令第三七号)

この省令は、平成三十年四月一日から施行する。

附則(令和六年一月一七日厚生労働省令第四号)

(施行期日)
第一条 この省令は、令和六年四月一日から施行する。