第一条 この省令は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律第十三条第一項に規定する都市公園移動等円滑化基準を条例で定めるに当たって参酌すべき基準(国の設置に係る都市公園にあっては同項に規定する都市公園移動等円滑化基準)を定めるものとする。
(一時使用目的の特定公園施設)第二条 災害等のため一時使用する特定公園施設の設置については、この省令の規定によらないことができる。
(園路及び広場)第三条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令(平成十八年政令第三百七十九号。以下「令」という。)第三条第一号に規定する園路及び広場を設ける場合は、そのうち一以上は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 出入口は、次に掲げる基準に適合するものであること。 イ 幅は、百二十センチメートル以上とすること。
ロ 車止めを設ける場合は、当該車止めの相互間の間隔のうち一以上は、九十センチメートル以上とすること。
ハ 出入口からの水平距離が百五十センチメートル以上の水平面を確保すること。
ニ ホに掲げる場合を除き、車いす使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
ホ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路(その踊場を含む。以下同じ。)を併設すること。
二 通路は、次に掲げる基準に適合するものであること。 イ 幅は、百八十センチメートル以上とすること。
ロ ハに掲げる場合を除き、車いす使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
ハ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
ニ 縦断配は、五パーセント以下とすること。
ホ 横断勾配は、一パーセント以下とすること。
ヘ 路面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
三 階段(その踊場を含む。以下同じ。)は、次に掲げる基準に適合するものであること。 イ 手すりが両側に設けられていること。
ロ 手すりの端部の付近には、階段の通ずる場所を示す点字をはり付けること。
ハ 回り段がないこと。
ニ 踏面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
ホ 段鼻の突き出しその他のつまずきの原因となるものが設けられていない構造のものであること。
ヘ 階段の両側には、立ち上がり部が設けられていること。
四 階段を設ける場合は、傾斜路を併設しなければならない。
五 傾斜路(階段又は段に代わり、又はこれに併設するものに限る。)は、次に掲げる基準に適合するものであること。 イ 幅は、百二十センチメートル以上とすること。
ロ 縦断勾配は、八パーセント以下とすること。
ハ 横断勾配は、設けないこと。
ニ 路面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
ホ 高さが七十五センチメートルを超える傾斜路にあっては、高さ七十五センチメートル以内ごとに踏幅百五十センチメートル以上の踊場が設けられていること。
ヘ 手すりが両側に設けられていること。
ト 傾斜路の両側には、立ち上がり部が設けられていること。
六 高齢者、障害者等が転落するおそれのある場所には、さく、令第十一条第二号に規定する点状ブロック等及び令第二十一条第二項第一号に規定する線状ブロック等を適切に組み合わせて床面に敷設したもの(以下「視覚障害者誘導用ブロック」という。)その他の高齢者、障害者等の転落を防止するための設備が設けられていること。
七 次条から第十一条までの規定により設けられた特定公園施設のうちそれぞれ一以上及び高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行規則(平成十八年国土交通省令第百十号)第二条第二項の主要な公園施設に接続していること。
(屋根付広場)第四条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する屋根付広場を設ける場合は、そのうち一以上は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 出入口は、次に掲げる基準に適合するものであること。 イ 幅は、百二十センチメートル以上とすること。
ロ ハに掲げる場合を除き、車いす使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
ハ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
二 車いす使用者の円滑な利用に適した広さが確保されていること。
(休憩所及び管理事務所)第五条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する休憩所を設ける場合は、そのうち一以上は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 出入口は、次に掲げる基準に適合するものであること。 イ 幅は、百二十センチメートル以上とすること。
ロ ハに掲げる場合を除き、車いす使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
ハ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
ニ 戸を設ける場合は、当該戸は、次に掲げる基準に適合するものであること。
二 カウンターを設ける場合は、そのうち一以上は、車いす使用者の円滑な利用に適した構造のものであること。
三 車いす使用者の円滑な利用に適した広さが確保されていること。
四 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する便所を設ける場合は、そのうち一以上は、第八条第二項、第九条及び第十条の基準に適合するものであること。
2 前項の規定は、不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する管理事務所について準用する。 (野外劇場及び野外音楽堂)第六条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する野外劇場は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 出入口は、第四条第一項第一号の基準に適合するものであること。
二 出入口と次号の車いす使用者用観覧スペース及び第四号の便所との間の経路を構成する通路は、次に掲げる基準に適合するものであること。 イ 幅は、百二十センチメートル以上とすること。
ロ ハに掲げる場合を除き、車いす使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
ハ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
ニ 縦断勾配は、五パーセント以下とすること。
ホ 横断勾配は、一パーセント以下とすること。
ヘ 路面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
ト 高齢者、障害者等が転落するおそれのある場所には、さく、視覚障害者誘導用ブロックその他の高齢者、障害者等の転落を防止するための設備が設けられていること。
三 当該野外劇場の収容定員が二百以下の場合は当該収容定員に五十分の一を乗じて得た数以上、収容定員が二百を超える場合は当該収容定員に百分の一を乗じて得た数に二を加えた数以上の車いす使用者が円滑に利用することができる観覧スペース(以下「車いす使用者用観覧スペース」という。)を設けること。
四 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する便所を設ける場合は、そのうち一以上は、第八条第二項、第九条及び第十条の基準に適合するものであること。
2 車いす使用者用観覧スペースは、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。一 幅は九十センチメートル以上であり、奥行きは百二十センチメートル以上であること。
二 車いす使用者が利用する際に支障となる段がないこと。
三 車いす使用者が転落するおそれのある場所には、さくその他の車いす使用者の転落を防止するための設備が設けられていること。
3 前二項の規定は、不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する野外音楽堂について準用する。 (駐車場)第七条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する駐車場を設ける場合は、そのうち一以上に、当該駐車場の全駐車台数が二百以下の場合は当該駐車台数に五十分の一を乗じて得た数以上、全駐車台数が二百を超える場合は当該駐車台数に百分の一を乗じて得た数に二を加えた数以上の車いす使用者が円滑に利用することができる駐車施設(以下「車いす使用者用駐車施設」という。)を設けなければならない。
2 車いす使用者用駐車施設は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。一 幅は、三百五十センチメートル以上とすること。
二 車いす使用者用駐車施設又はその付近に、車いす使用者用駐車施設の表示をすること。
(便所)第八条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する便所は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 床の表面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。
二 男子用小便器を設ける場合は、一以上の床置式小便器、壁掛式小便器(受け口の高さが三十五センチメートル以下のものに限る。)その他これらに類する小便器が設けられていること。
三 前号の規定により設けられる小便器には、手すりが設けられていること。
2 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する便所を設ける場合は、そのうち一以上は、前項に掲げる基準のほか、次に掲げる基準のいずれかに適合するものでなければならない。一 便所(男子用及び女子用の区別があるときは、それぞれの便所)内に高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便房が設けられていること。
二 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便所であること。
第九条 前条第二項第一号の便房が設けられた便所は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 出入口は、次に掲げる基準に適合するものであること。 イ 幅は、八十センチメートル以上とすること。
ロ ハに掲げる場合を除き、車いす使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
ハ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
ニ 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便房が設けられていることを表示する標識が設けられていること。
ホ 戸を設ける場合は、当該戸は、次に掲げる基準に適合するものであること。
二 車いす使用者の円滑な利用に適した広さが確保されていること。
2 前条第二項第一号の便房は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。一 出入口には、車いす使用者が通過する際に支障となる段がないこと。
二 出入口には、当該便房が高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造のものであることを表示する標識が設けられていること。
三 腰掛便座及び手すりが設けられていること。
四 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する水洗器具が設けられていること。
3 第一項第一号イ及びホ並びに第二号の規定は、前項の便房について準用する。第十条 前条第一項第一号イからハまで及びホ並びに第二号並びに第二項第二号から第四号までの規定は、第八条第二項第二号の便所について準用する。
(水飲場及び手洗場)第十一条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する水飲場を設ける場合は、そのうち一以上は、高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造のものでなければならない。
2 前項の規定は、不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する手洗場について準用する。 (掲示板及び標識)第十二条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する掲示板は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造のものであること。
二 当該掲示板に表示された内容が容易に識別できるものであること。
2 前項の規定は、不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する標識について準用する。第十三条 第三条から前条までの規定により設けられた特定公園施設の配置を表示した標識を設ける場合は、そのうち一以上は、第三条の規定により設けられた園路及び広場の出入口の付近に設けなければならない。
附則
(施行期日)
第一条 この省令は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の施行の日(平成十八年十二月二十日)から施行する。
(経過措置)
第二条 この省令の施行の日から起算して六月を経過する日までの間は、第三条から第十一条まで及び第十三条の規定は適用しない。