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平成十七年総務省令第十一号
住宅用防災警報器及び住宅用防災報知設備に係る技術上の規格を定める省令

施行日:

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消防法施行令(昭和三十六年政令第三十七号)第五条の六の規定に基づき、住宅用防災警報器及び住宅用防災報知設備に係る技術上の規格を定める省令を次のように定める。

第一章 総則

(趣旨)

第一条 この省令は、消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第二十一条の二第二項及び消防法施行令(昭和三十六年政令第三十七号)第五条の六の規定に基づき、住宅用防災警報器に係る技術上の規格を定め、並びに同条の規定に基づき、住宅用防災報知設備に係る技術上の規格を定めるものとする。

(用語の意義)

第二条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

住宅用防災警報器 住宅(消防法第九条の二第一項に規定する住宅をいう。以下同じ。)における火災の発生を未然に又は早期に感知し、及び報知する警報器であつて、感知部、警報部等で構成されたものをいう。

住宅用防災報知設備 住宅における火災の発生を未然に又は早期に感知し、及び報知する火災報知設備であつて、感知器(火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令(昭和五十六年自治省令第十七号)第二条第一号に規定するものをいう。)、中継器(中継器に係る技術上の規格を定める省令(昭和五十六年自治省令第十八号)第二条第六号に規定するものをいう。)、受信機(受信機に係る技術上の規格を定める省令(昭和五十六年自治省令第十九号)第二条第七号に規定するものをいう。第六号において同じ。)及び補助警報装置で構成されたもの(中継器又は補助警報装置を設けないものにあつては、中継器又は補助警報装置を除く。)をいう。

イオン化式住宅用防災警報器 周囲の空気が一定の濃度以上の煙を含むに至つたときに火災が発生した旨の警報(以下「火災警報」という。)を発する住宅用防災警報器で、一局所の煙によるイオン電流の変化により作動するものをいう。

光電式住宅用防災警報器 周囲の空気が一定の濃度以上の煙を含むに至つたときに火災警報を発する住宅用防災警報器で、一局所の煙による光電素子の受光量の変化により作動するものをいう。

四の二 定温式住宅用防災警報器 一局所の周囲の温度が一定の温度以上になつたときに火災警報を発する住宅用防災警報器をいう。

四の三 連動型住宅用防災警報器 住宅用防災警報器で、火災の発生を感知した場合に火災の発生した旨の信号(以下「火災信号」という。)を他の住宅用防災警報器に発信する機能及び他の住宅用防災警報器からの火災信号を受信した場合に火災警報を発する機能を有するものをいう。

自動試験機能 住宅用防災警報器及び住宅用防災報知設備に係る機能が適正に維持されていることを、自動的に確認することができる装置による試験機能をいう。

補助警報装置 住宅の内部にいる者に対し、有効に火災警報を伝達するために、住宅用防災報知設備の受信機から発せられた火災が発生した旨の信号を受信して、補助的に火災警報を発する装置をいう。

第二章 住宅用防災警報器

(構造及び機能)

第三条 住宅用防災警報器の構造及び機能は、次に定めるところによらなければならない。

感知部は、火災の発生を煙又は熱により感知すること。

一の二 確実に火災警報を発し、かつ、取扱い及び附属部品の取替えが容易にできること。

取付け及び取り外しが容易にできる構造であること。

耐久性を有すること。

三の二 ほこり又は湿気により機能に異常を生じないこと。

通常の使用状態において、温度の変化によりその外箱が変形しないこと。

配線は、十分な電流容量を有し、かつ、接続が的確であること。

五の二 無極性のものを除き、誤接続防止のための措置を講ずること。

部品は、機能に異常を生じないように、的確に、かつ、容易に緩まないように取り付けること。

充電部は、外部から容易に人が触れないように、十分に保護すること。

感知部の受ける気流の方向により住宅用防災警報器に係る機能に著しい変動を生じないこと。

住宅用防災警報器は、その基板面を取付け定位置から四十五度傾斜させた場合、機能に異常を生じないこと。

火災警報は、次によること。

警報音(音声によるものを含む。以下同じ。)により火災警報を発する住宅用防災警報器における音圧は、次に掲げる区分に応じ、当該各号に定める値の電圧において、無響室で警報部の中心から前方一メートル離れた地点で測定した値が、七十デシベル(音圧を五デシベル単位で増加させた場合においては、増加後の音圧。以下「公称音圧」という。)以上であり、かつ、その状態を一分間以上継続できること。

警報音以外により火災警報を発する住宅用防災警報器にあつては、住宅の内部にいる者に対し、有効に火災の発生を報知できるものであること。

十の二 火災警報以外の音響を発する住宅用防災警報器にあつては、火災の発生を有効に報知することを妨げないこと。

十一 電源に電池を用いる住宅用防災警報器にあつては、次によること。

電池の交換が容易にできること。

住宅用防災警報器を有効に作動できる電圧の下限値となつたことを七十二時間以上点滅表示等により自動的に表示し、又はその旨を七十二時間以上音響により伝達することができること。

十二 スイッチの操作により火災警報を停止することのできる住宅用防災警報器にあつては、当該スイッチの操作により火災警報を停止したとき、十五分以内に自動的に適正な監視状態に復旧するものであること。

十三 光電式住宅用防災警報器の光源は、半導体素子とすること。

十四 イオン化式住宅用防災警報器及び光電式住宅用防災警報器の感知部は、目開き一ミリメートル以下の網、円孔板等により虫の侵入防止のための措置を講ずること。

十五 放射性物質を使用する住宅用防災警報器は、当該放射性物質を密封線源とし、当該線源は、外部から直接触れることができず、かつ、火災の際容易に破壊されないものであること。

十六 自動試験機能を有する住宅用防災警報器にあつては、次によること。

自動試験機能は、住宅用防災警報器の機能に有害な影響を及ぼすおそれのないものであり、かつ、住宅用防災警報器の感知部が適正であることを確認できるものであること。

イの確認に要する時間は、六十秒以内であること。

機能が異常となつたことを七十二時間以上点滅表示等により自動的に表示し、又はその旨を七十二時間以上音響により伝達することができること。

十七 電源変圧器は、電気用品の技術上の基準を定める省令(平成二十五年経済産業省令第三十四号)に規定するベル用変圧器と同等以上の性能を有するものであり、かつ、その容量は最大使用電流に連続して耐えるものであること。

十八 接点間隔の調整部その他の調整部は、調整後変動しないように固定されていること。

十九 定温式住宅用防災警報器の感知部は、機能に有害な影響を及ぼすおそれのある傷、ひずみ等を生じないこと。

二十 連動型住宅用防災警報器は、次によること。

火災の発生を感知した場合に連動型住宅用防災警報器から発信する火災信号は、他の連動型住宅用防災警報器に確実に信号を伝達することができるものであること。

他の連動型住宅用防災警報器から発せられた火災信号を、確実に受信することができるものであること。

ロにより火災信号を受信した場合に、確実に火災警報を発することができるものであること。

スイッチの操作により火災警報を停止することができるものにあつては、次によること。

無線設備を有するものにあつては、次によること。

(附属装置)

第四条 住宅用防災警報器には、その機能に有害な影響を及ぼすおそれのある附属装置を設けてはならない。

(試験)

第五条 住宅用防災警報器は、次の各号に掲げる試験に適合するものでなければならない。

電源電圧変動試験 住宅用防災警報器は、電源の電圧が定格電圧の九十パーセント以上百十パーセント以下の範囲内(他の住宅用防災警報器から電力を供給される住宅用防災警報器又は電池を用いる住宅用防災警報器にあつては、供給される電力に係る電圧変動の下限値以上上限値以下)で変動した場合、機能に異常を生じないこと。

一の二 消費電流測定試験 電源に電池を用いる住宅用防災警報器は、定格電圧において消費電流を測定した場合、設計値以下であること。

一の三 気流試験 イオン化式住宅用防災警報器は、通電状態において、風速五メートル毎秒の気流に五分間投入したとき、火災警報を発しないこと。

外光試験 光電式住宅用防災警報器は、通電状態において、白熱ランプを用い照度五千ルクスの外光を十秒間照射し十秒間照射しない動作を十回繰り返した後、五分間連続して照射したとき、火災警報を発しないこと。

周囲温度試験 住宅用防災警報器は、〇度以上四十度以下(十度単位で拡大した場合においては、拡大後の温度範囲。以下「使用温度範囲」という。)の周囲の温度において機能に異常を生じないこと。

三の二 滴下試験 住宅用防災警報器(端子又は電線(端子に代えて用いるものに限る。)を用いないもの及び自動試験機能を有するものを除く。)は、通電状態において、当該住宅用防災警報器の基板面に清水を五立方センチメートル毎分の割合で滴下する試験を行つた場合、機能に異常を生じないこと。

腐食試験 耐食性能を有する住宅用防災警報器にあつては、五リットルの試験器の中に濃度四十グラム毎リットルのチオ硫酸ナトリウム水溶液を五百ミリリットル入れ、硫酸を体積比で硫酸一対蒸留水三十五の割合に溶かした溶液百五十六ミリリットルを千ミリリットルの水に溶かした溶液を一日二回十ミリリットルずつ加えて発生させる亜硫酸ガス中に、通電状態において四日間放置する試験を行つた場合、機能に異常を生じないこと。

振動試験 住宅用防災警報器は、通電状態においては、全振幅一ミリメートルで毎分千回の振動を任意の方向に十分間連続して加えた場合、適正な監視状態を継続し、無通電状態においては、全振幅四ミリメートルで毎分千回の振動を任意の方向に六十分間連続して加えた場合、構造又は機能に異常を生じないこと。

衝撃試験 住宅用防災警報器は、任意の方向に最大加速度五十重力加速度の衝撃を五回加えた場合、機能に異常を生じないこと。

六の二 粉塵試験 住宅用防災警報器は、通電状態において、濃度が減光率で三十センチメートル当たり二十パーセントの産業標準化法(昭和二十四年法律第百八十五号)第二十条第一項に定める日本産業規格 Z 八九〇一の五種を含む空気に十五分間触れた場合、機能に異常を生じないこと。

衝撃電圧試験 外部配線端子を有する住宅用防災警報器は、通電状態において、次に掲げる試験を十五秒間行つた場合、機能に異常を生じないこと。

内部抵抗五十オームの電源から五百ボルトの電圧をパルス幅一マイクロ秒、繰返し周期百ヘルツで加える試験

内部抵抗五十オームの電源から五百ボルトの電圧をパルス幅〇・一マイクロ秒、繰返し周期百ヘルツで加える試験

湿度試験 住宅用防災警報器は、通電状態において、温度四十度で相対湿度九十五パーセントの空気中に四日間放置した場合、適正な監視状態を継続すること。

絶縁抵抗試験 住宅用防災警報器の絶縁された端子の間及び充電部と金属製外箱との間の絶縁抵抗は、直流五百ボルトの絶縁抵抗計で測定した値が五十メガオーム以上であること。

絶縁耐力試験 住宅用防災警報器の充電部と金属製外箱との間の絶縁耐力は、五十ヘルツ又は六十ヘルツの正弦波に近い実効電圧五百ボルト(定格電圧が六十ボルトを超え百五十ボルト以下のものにあつては千ボルト、定格電圧が百五十ボルトを超えるものにあつては定格電圧に二を乗じて得た値に千ボルトを加えた値)の交流電圧を加えた場合、一分間これに耐えること。

2 前項第一号の三、第二号、第九号及び第十号の試験は、次に掲げる条件の下で行わなければならない。

温度五度以上三十五度以下

相対湿度四十五パーセント以上八十五パーセント以下

(イオン化式住宅用防災警報器の感度)

第六条 イオン化式住宅用防災警報器の感度は、その有する種別に応じ、K、V、T及びtの値を次の表のように定めた場合、次の各号に定める試験(以下この条において「イオン化式住宅用防災警報器の感度試験」という。)に合格するものでなければならない。

2 イオン化式住宅用防災警報器の感度試験は、住宅用防災警報器を室温と同じ温度の強制通風中に三十分間放置した後において行うものとする。

3 前条第二項の規定は、イオン化式住宅用防災警報器の感度試験について準用する。

(光電式住宅用防災警報器の感度)

第七条 光電式住宅用防災警報器の感度は、その有する種別に応じ、K、V、T及びtの値を次の表のように定めた場合、次の各号に定める試験(次項において「光電式住宅用防災警報器の感度試験」という。)に合格するものでなければならない。

2 第五条第二項及び前条第二項の規定は、光電式住宅用防災警報器の感度試験について準用する。

(定温式住宅用防災警報器の感度)

第七条の二 定温式住宅用防災警報器の感度は、次の各号に定める試験に合格するものでなければならない。

作動試験 八十一・二五度の温度の風速一メートル毎秒の垂直気流に投入したとき、四十秒以内(壁面に設置するものにあつては、次式で定める時間t秒以内)で火災警報を発すること。

不作動試験 五十度の風速一メートル毎秒の垂直気流に投入したとき、十分以内で作動しないこと。

2 第五条第二項及び第六条第二項の規定は、定温式住宅用防災警報器の感度試験について準用する。

(表示)

第八条 住宅用防災警報器には、次の各号に掲げる事項を見やすい箇所に容易に消えないように表示しなければならない。 ただし、第六号及び第七号の表示は消防法施行令第五条の七第一項第二号の規定により設置した状態において容易に識別できる大きさとし、第十一号の表示は外面に表示しなければならない。

光電式、イオン化式又は定温式の別及び住宅用防災警報器という文字

種別を有するものにあってはその種別

二の二 型式及び型式番号

製造年

製造事業者の氏名又は名称

四の二 取扱方法の概要(取扱説明書その他これに類するものに表示するものを除く。)

耐食性能を有するものにあっては、耐食型という文字

交換期限(自動試験機能を有するものを除く。)

自動試験機能を有するものにあっては、自動試験機能付という文字

連動型住宅用防災警報器にあっては、連動型という文字

連動型住宅用防災警報器のうち、無線設備を有するものにあっては、無線式という文字

電源に電池を用いるものにあっては、電池の種類及び電圧

十一 イオン化式住宅用防災警報器にあっては、次に掲げる事項

放射性同位元素等の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十七号)第十二条の五第一項に規定する特定認証機器である旨の表示

廃棄に関する注意表示

十二 公称音圧(公称音圧があるものに限る。)

十三 使用温度範囲(使用温度範囲があるものに限る。)

2 住宅用防災警報器(無極性のものを除く。)に用いる端子板には、端子記号を見やすい箇所に容易に消えないように表示しなければならない。

第三章 住宅用防災報知設備

(住宅用防災報知設備の補助警報装置の火災警報)

第九条 住宅用防災報知設備の補助警報装置の火災警報は、次に定めるところによらなければならない。

警報音により火災警報を発する住宅用防災報知設備の補助警報装置における音圧は、電源の電圧が定格電圧の九十パーセント以上百十パーセント以下の値において、無響室で住宅用防災報知設備の補助警報装置の警報部の中心から前方一メートル離れた地点で測定した値が、七十デシベル以上であり、かつ、その状態を一分間以上継続できること。

警報音以外により火災警報を発する住宅用防災報知設備の補助警報装置にあつては、住宅の内部にいる者に対し、有効に火災の発生を報知できるものであること。

(表示)

第十条 住宅用防災報知設備の補助警報装置には、次の各号に掲げる事項を見やすい箇所に容易に消えないように表示しなければならない。

補助警報装置という文字

製造年

製造事業者の氏名又は名称

この省令の規定に適合することを第三者が確認した場合にあつては、その旨及び当該第三者の名称

第四章 雑則

(基準の特例)

第十一条 新たな技術開発に係る住宅用防災警報器又は住宅用防災報知設備の補助警報装置について、その形状、構造、材質及び性能から判断して、この省令の規定に適合するものと同等以上の性能があると総務大臣が認めた場合は、この省令の規定にかかわらず、総務大臣が定める技術上の規格によることができる。

附則

この省令は、消防法及び石油コンビナート等災害防止法の一部を改正する法律(平成十六年法律第六十五号)附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日(平成十八年六月一日)から施行する。

附則(平成二五年三月二七日総務省令第二五号)

(施行期日)
第一条 この省令は、平成二十六年四月一日から施行する。

(経過措置)
第二条 この省令の施行の際現に存する住宅(消防法第九条の二第一項に規定する住宅をいう。以下この条において同じ。)若しくは現に新築、増築、改築、移転、修繕若しくは模様替えの工事中の住宅又は平成三十一年三月三十一日までに新築、増築、改築、移転、修繕若しくは模様替えの工事を開始する住宅における住宅用防災警報器のうち、第一条の規定による改正後の住宅用防災警報器及び住宅用防災報知設備に係る技術上の規格を定める省令第二条、第三条、第五条、第六条、第七条の二、第八条及び第十一条の規定に適合しないものに係る技術上の規格については、これらの規定にかかわらず、なお従前の例による。

附則(平成二六年三月三一日総務省令第二五号)

この省令は、公布の日から施行する。

附則(令和元年六月二八日総務省令第一九号)

この省令は、不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行の日(令和元年七月一日)から施行する。

附則(令和元年八月三〇日総務省令第三五号)

この省令は、原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律の施行の日(令和元年九月一日)から施行する。