文化財の不法な輸出入等の規制等に関する法律(平成十四年法律第八十一号)を実施するため、文化財の不法な輸出入等の規制等に関する法律第三条第二項に規定する特定外国文化財を指定する省令を次のように定める。
文化財の不法な輸出入等の規制等に関する法律第三条第二項に規定する特定外国文化財として次の物件を指定する。
国名 | 種類 | 名称 | 施設 | 所有者 | 盗難の時期 | 特徴 | 指定の年月日 |
トルコ共和国 | 典籍(聖書の写本) | | ダイヤーバーク・シリアック古代聖母マリア教会 | | 平成十五年一月七日 | 一冊。四十三×三十一×八センチメートル。四百六十六ページ。黒革で覆われている。四十三×二十九センチメートルの銀板が表面にはめられている。はりつけにされたイエス・キリストが、彼の両側面に立っている聖母マリアと聖マリアと共に中心に描かれている。縁には、福音伝道者と王と共にいる聖徒が浮き彫りで四隅に描かれている。銀板は、釘で本に附属している。 | 平成十五年九月二十九日 |
トルコ共和国 | 工芸品(十字銀細工品) | | ダイヤーバーク・シリアック古代聖母マリア教会 | | 平成十五年一月七日 | 二個。いずれも二十七×十三センチメートル。一つの十字架の片面には、マリアと天使が描かれている。他面には、はりつけにされたイエス・キリストが描かれている。十字架のそれぞれの腕の部分には、四人の使徒と四つの赤い石が描かれている。もう一つの十字架には、はりつけにされたイエス・キリストと赤い石が片面だけに描かれている。 | 平成十五年九月二十九日 |
マダガスカル共和国 | 工芸品(金銀製王冠) | 女王ラナヴァルナ一世の王冠 | アンダフィアヴァラトラ宮 | マダガスカル共和国 | 平成二十三年十二月四日 | 一個。外周五十五センチメートル、高さ三十センチメートル。王冠は湾曲した八枚の板材により形成されている。板材の素材は金でめっきをされた銀製で、表面には葉の文様があり、宝石により装飾されている。赤いビロードの裏張りがある。王冠の正面には七本のやり先の形をした飾りが取り付けられている。王冠の頂部には小さな球体が取り付けられている。 | 平成二十四年四月十三日 |
ボリビア多民族国 | 絵画 (油絵) | ロザリオの聖母 | サン・アグスティン教会 | ボリビア多民族国 | 平成二十九年八月十日 | 一枚。外周縦百十七センチメートル、横八十センチメートル。聖母マリアの全体像。着衣のマントとピンク色のチュニック、黄色の紐を腰に巻いている。冠を被っており、顔から輝きを放っている。手には赤いロザリオを持っている。冠を被り、白いチュニックを身に着けたキリスト少年を抱いている。 | 平成三十年四月十三日 |
ボリビア多民族国 | 工芸品(銀細工) | 燭台 | サン・アグスティン教会 | ボリビア多民族国 | 平成二十九年八月十日 | 二個。外周はいずれも五十三センチメートル×五十八センチメートル×二十三センチメートル。ブドウの葉と花の装飾。中央から両端に伸びたところにろうそくが立てられるようになっている。ベースは鐘の形になっており、植物の装飾が見られる。 | 平成三十年四月十三日 |
備考 一 第一欄に掲げる国名は、特定外国文化財として指定された文化財が盗取された施設(文化財の不法な輸入、輸出及び所有権移転を禁止し及び防止する手段に関する条約第七条(b)(i)に規定する施設をいう。)の所在する国の名称とする。 二 第二欄に掲げる種類は、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書、考古資料、歴史資料その他の特定外国文化財として指定された文化財の種類とする。 三 第三欄に掲げる名称は、特定外国文化財として指定された文化財の名称とする。 四 第四欄に掲げる施設は、特定外国文化財として指定された文化財が盗取された第一号に規定する施設とする。 五 第五欄に掲げる所有者は、特定外国文化財として指定された文化財の所有者とする。 六 第六欄に掲げる盗難の時期は、第一号に規定する施設から特定外国文化財として指定された文化財が盗取された時期とする。 七 第七欄に掲げる特徴は、寸法、重量、材質、形状、色その他の特定外国文化財として指定された文化財の特徴とする。 八 第八欄に掲げる指定の年月日は、特定外国文化財として指定された年月日とする。 |