第一条 法務大臣は、受入受刑者から受入移送の申出があった場合において、裁判国に対し当該受入受刑者に係る情報の提供の要請をしたときは、日本国が締結した刑を言い渡された者の移送及び確定裁判の執行の共助について定める条約に基づき、当該受入受刑者に書面でその旨を通知しなければならない。
(受入移送同意書)第二条 国際受刑者移送法(以下「法」という。)第六条の規定による同意の確認は、受入移送同意書(別記第一号様式)により行わなければならない。
2 法第六条の法務省令で定める事項は、受入移送同意書に記載されている事項とする。 3 法第六条の規定に基づき受入受刑者が署名押印すべき場合に、署名することができないときは同条の規定に基づき同意を確認した職員が代書し、押印することができないときは指印させなければならない。 4 職員が代書した場合には、その事由を第一項の受入移送同意書に記載して署名押印しなければならない。 (犯罪をした者及び非行のある少年に対する社会内における処遇に関する規則を適用する場合の読替え)第三条 法第二十一条の規定により更生保護法(平成十九年法律第八十八号)の規定を適用する場合における犯罪をした者及び非行のある少年に対する社会内における処遇に関する規則(平成二十年法務省令第二十八号)第一章(第一条及び第二条を除く。)、第二章第一節(第七条第三項及び第四項、第十一条第二項、第十二条第二項、第十三条、第十四条、第十五条第二項並びに第二十九条から第三十一条までを除く。)、第三章第一節(第四十五条、第四十九条、第五十条の二、第五十一条、第五十二条第八項、第五十五条第四項、第六十三条及び第六十四条を除く。)、第四節(第九十二条第二項、第九十八条及び第九十九条を除く。)及び第七節、第四章(第百十四条及び第百十四条の二を除く。)、第五章並びに第六章(第百二十五条を除く。)の規定の適用については、法第十六条第一項第一号の共助刑の執行を受ける者を懲役に処せられた者と、同項第二号の共助刑の執行を受ける者を禁錮に処せられた者と、同項第一号の共助刑を懲役と、同項第二号の共助刑を禁錮とそれぞれみなす。
(法第二十三条の通告の方式)第四条 法第二十三条の通告は、次に掲げる事項を記載した書面によらなければならない。
一 受入受刑者の氏名及び年齢
二 法第二十一条の規定により適用される刑法(明治四十年法律第四十五号)第二十八条又は法第二十二条に掲げる期間(以下「法定期間」という。)の末日
三 釈放後の生活計画
四 その他参考となる事項
(仮釈放の申出のための審査の時期)第五条 法第二十条第一項の指揮があった場合において、法定期間の末日を既に経過しているとき、又は法定期間の末日までの期間が著しく短いときの受入受刑者に係る仮釈放を許すべき旨の申出のための最初の審査は、第三条の規定により適用される犯罪をした者及び非行のある少年に対する社会内における処遇に関する規則第十一条第一項の規定にかかわらず、収容後、遅滞なくこれを行わなければならない。
(共助刑の執行の減軽等)第六条 法第二十五条第一項に規定する中央更生保護審査会の申出は、刑事施設(法第二十一条の規定により適用される少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第五十六条第三項の規定により少年院において共助刑を執行する場合における当該少年院を含む。以下第七条、第九条、第十条及び第十三条第三項において同じ。)若しくは保護観察所の長又は東京地方検察庁の検察官の上申があった者に対してこれを行うものとする。
第七条 次に掲げる者は、職権で、中央更生保護審査会に共助刑の執行の減軽又は免除の上申をすることができる。
一 刑事施設に収容され、又は刑事施設に附置された労役場若しくは監置場に留置されている受入受刑者については、その刑事施設の長
二 保護観察に付されている受入受刑者については、その保護観察をつかさどる保護観察所の長
三 その他の受入受刑者については、東京地方検察庁の検察官
2 前項各号に掲げる刑事施設若しくは保護観察所の長又は東京地方検察庁の検察官は、本人から共助刑の執行の減軽又は免除の出願があったときは、意見を付して中央更生保護審査会にその上申をしなければならない。第八条 共助刑の執行の減軽又は免除の上申書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 法第十五条第一項の書面の謄本
二 共助刑の刑期計算書
三 受入移送犯罪の情状、本人の性行、共助刑受刑中の行状、将来の生計その他参考となるべき事項に関する調査書類
2 本人の出願により上申をする場合には、前項の書類のほかその願書を添付しなければならない。 3 法第十五条第一項の書面の原本の滅失又は破損によって当該書面の謄本を添付することができないときは、東京地方検察庁の検察官が自己の調査に基づき作成した書面で法第十三条の命令の内容並びに法第十五条第一項の書面の原本が滅失し又は破損したこと及びその理由を示すものをもって、これに代えることができる。第九条 共助刑の執行の減軽又は免除の出願は、法第十八条第一項の起算日の後次の期間を経過した後でなければ、これをすることができない。
一 有期の共助刑については、その刑期の三分の一に相当する期間。
二 無期の共助刑については、十年
2 法第十八条第二項に規定する日数のうち逃走を理由とするものは、前項第一号及び第二号の期間にこれを算入しない。 3 第一項ただし書の願いをするには、願書をその願いに係る共助刑の執行の減軽又は免除について上申をすることができる刑事施設若しくは保護観察所の長又は東京地方検察庁の検察官に差し出さなければならない。 4 第七条第二項の規定は、第一項ただし書の願いがあった場合にこれを準用する。第十条 刑事施設若しくは保護観察所の長又は東京地方検察庁の検察官が本人の出願によりした共助刑の執行の減軽又は免除の上申が理由のないときは、その出願の日から一年を経過した後でなければ、更に出願をすることができない。
第十一条 共助刑の執行の減軽又は免除の願書には、次に掲げる事項を記載し、かつ戸籍の謄本又は抄本を添付しなければならない。
一 出願者の氏名、出生年月日、職業、本籍及び住居
二 外国刑の言渡しをした裁判所の名称及びその年月日
三 受入移送犯罪の名称、犯数、共助刑の種類及び刑期
四 共助刑の執行の状況
五 上申を求める共助刑の執行の減軽又は免除の別
六 出願の理由
2 前項の規定は、第九条第一項ただし書の許可を受ける場合にこれを準用する。第十二条 中央更生保護審査会は、共助刑の執行の減軽又は免除の上申が理由のないときは、上申をした者にその旨を通知しなければならない。
2 前項の通知を受けた者は、出願者にその旨を通知しなければならない。第十三条 法務大臣は、共助刑の執行の減軽又は免除をしたときは、中央更生保護審査会をして、東京地方検察庁の検察官に共助刑の執行の減軽状又は共助刑の執行の免除状(以下「共助刑の執行の減軽状等」という。)を送付させる。
2 共助刑の執行の減軽状等の送付を受けた東京地方検察庁の検察官は、自ら上申をしたものであるときは、直ちにこれを本人に交付し、その他の場合においては、速やかにこれを上申をした者に送付し、上申をした者は、直ちにこれを本人に交付しなければならない。 3 上申をした者は、仮釈放中の受入受刑者に共助刑の執行の減軽状等を交付したときは、その旨を刑事施設の長に通知しなければならない。 4 第二項に規定する共助刑の執行の減軽状等の交付及び前項の通知は、これを本人の住居のある地を管轄する保護観察所の長、本人の住居のある地を管轄する地方裁判所に対応する検察庁の検察官又は本人が収容されている刑事施設(本人が刑事施設に附置された労役場又は監置場に留置されている場合における当該刑事施設を含む。)若しくは少年院の長に嘱託することができる。第十四条 共助刑の執行の減軽状等を本人に交付した者は、速やかにその旨を法務大臣に報告しなければならない。
(受刑者移送条約告知書)第十五条 法第二十九条の規定による日本国が締結した刑を言い渡された者の移送及び確定裁判の執行の共助について定める条約の内容の告知は、受刑者移送に関する条約の主な内容に関する告知書(別記第二号様式)により行うものとする。
2 前項の書面には、可能な限り、本人の理解する言語による翻訳文を添付しなければならない。 (送出移送同意書)第十六条 法第三十一条の同意は、送出移送同意書(別記第三号様式)により行わなければならない。
2 法第三十一条第一項の法務省令で定める事項は、送出移送同意書に記載されている事項とする。 3 第一項の送出移送同意書には、可能な限り、本人の理解する言語による翻訳文を添付しなければならない。 4 第二条第三項及び第四項の規定は、送出受刑者が第一項の送出移送同意書に署名押印する場合について準用する。 (法務大臣への報告)第十七条 法第三十八条第一号に該当する場合には、同号に規定する手続により裁判をした裁判所に対応する検察庁の長は、直ちに、法務大臣にその旨を報告しなければならない。
(交通費の免除手続)第十八条 国際受刑者移送法施行令(以下「令」という。)第二条第一項の申請は、交通費免除申請書(別記第四号様式)により行わなければならない。
2 令第二条第一項の法務省令で定める事項は、交通費免除申請書に記載すべき事項とする。 3 法務大臣は、交通費の免除をする場合には、免除する金額及び免除の日付を明らかにした書面を令第二条第一項の申請をした受入受刑者に交付しなければならない。附則
この省令は、法の施行の日から施行する。附則(平成一六年一二月二四日法務省令第九一号)
(施行期日)
第一条 この省令は、刑法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第百五十六号)の施行の日(次条において「施行日」という。)から施行する。
(経過措置)
第二条 施行日前に国際受刑者移送法(平成十四年法律第六十六号)第二条第十一号の受入移送犯罪(二以上あるときは、それらのすべて)を犯した者に係る国際受刑者移送法施行規則第二条第一項の受入移送同意書については、なお従前の例による。