第一章 総則
(目的)第一条 この法律は、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。
(名称)第二条 この法律及び独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構とする。
(機構の目的)第三条 独立行政法人大学改革支援・学位授与機構(以下「機構」という。)は、大学等(大学及び高等専門学校並びに国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第四項に規定する大学共同利用機関をいう。以下同じ。)の教育研究活動の状況についての評価等を行うことにより、その教育研究水準の向上を図るとともに、国立大学法人等(国立大学法人(同条第一項に規定する国立大学法人をいう。第十六条第一項第二号において同じ。)、大学共同利用機関法人(同法第二条第三項に規定する大学共同利用機関法人をいう。同号において同じ。)及び独立行政法人国立高等専門学校機構をいう。第十六条第一項第三号及び第六号において同じ。)の施設の整備等に必要な資金の貸付け及び交付を行うことにより、その教育研究環境の整備充実を図り、あわせて、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第百四条第七項の規定による学位の授与を行うことにより、高等教育の段階における多様な学習の成果が適切に評価される社会の実現を図り、もって我が国の高等教育の発展に資することを目的とする。
2 機構は、前項に規定するもののほか、文部科学大臣が定める第十六条の二第一項に規定する基本指針に基づいて学部等(大学の学部、学科及び研究科並びに高等専門学校の学科をいう。以下同じ。)の設置その他組織の変更に関する助成金の交付を行うことにより、中長期的な人材の育成の観点から特に支援が必要と認められる分野における教育研究活動の展開を促進し、もって我が国社会の発展に寄与することを目的とする。 (中期目標管理法人)第三条の二 機構は、通則法第二条第二項に規定する中期目標管理法人とする。
(事務所)第四条 機構は、主たる事務所を東京都に置く。
(資本金)第五条 機構の資本金は、附則第八条第二項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。
2 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、機構に追加して出資することができる。 3 機構は、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。 (名称の使用制限)第六条 機構でない者は、大学改革支援・学位授与機構という名称を用いてはならない。
第二章 役員及び職員
(役員)第七条 機構に、役員として、その長である機構長及び監事二人を置く。
2 機構に、役員として、理事二人以内を置くことができる。 (理事の職務及び権限等)第八条 理事は、機構長の定めるところにより、機構長を補佐して機構の業務を掌理する。
2 通則法第十九条第二項の個別法で定める役員は、理事とする。 ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。 3 前項ただし書の場合において、通則法第十九条第二項の規定により機構長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。 (理事の任期)第九条 理事の任期は、二年とする。
(機構長の任命)第十条 文部科学大臣は、通則法第二十条第一項の規定により機構長を任命しようとするときは、第十四条に規定する評議員会の意見を聴かなければならない。
(役員の欠格条項の特例)第十一条 通則法第二十二条の規定にかかわらず、教育公務員で政令で定めるものは、非常勤の理事又は監事となることができる。
2 機構の非常勤の理事及び監事の解任に関する通則法第二十三条第一項の規定の適用については、同項中「前条」とあるのは、「前条及び独立行政法人大学改革支援・学位授与機構法(平成十五年法律第百十四号)第十一条第一項」とする。 (役員及び職員の秘密保持義務)第十二条 機構の役員及び職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。 その職を退いた後も、同様とする。
(役員及び職員の地位)第十三条 機構の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第三章 評議員会
(評議員会)第十四条 機構に、評議員会を置く。
2 評議員会は、二十人以内の評議員で組織する。 3 評議員会は、機構長の諮問に応じ、機構の業務運営に関する重要事項を審議する。 4 評議員会は、第十条の規定による機構長の任命に関し文部科学大臣に意見を述べるほか、機構の業務運営につき、機構長に対して意見を述べることができる。 (評議員)第十五条 評議員は、大学等に関し広くかつ高い識見を有する者その他の機構の業務の適正な運営に必要な学識経験を有する者のうちから、機構長が任命する。
2 評議員の任期は、二年とする。 3 通則法第二十一条第三項ただし書及び第四項並びに第二十三条第二項の規定は、評議員について準用する。第四章 業務等
(業務の範囲)第十六条 機構は、第三条第一項の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 大学等の教育研究水準の向上に資するため、大学等の教育研究活動等の状況について評価を行い、その結果について、当該大学等及びその設置者に提供し、並びに公表すること。
二 国立大学法人及び大学共同利用機関法人に対し、文部科学大臣の定めるところにより、土地の取得、施設の設置若しくは整備又は設備の設置に必要な資金の貸付け(第十九条第一項において「施設費貸付事業」という。)を行うこと。
三 国立大学法人等に対し、文部科学大臣の定めるところにより、土地の取得、施設の設置若しくは整備又は設備の設置に必要な資金の交付(第十八条第四項において「施設費交付事業」という。)を行うこと。
四 学校教育法第百四条第七項の規定により、学位を授与すること。
五 大学等の教育研究活動等の状況についての評価に関する調査研究及び学位の授与を行うために必要な学習の成果の評価に関する調査研究を行うこと。
六 国立大学法人等の運営基盤の強化の促進を図るために必要な情報の収集及び分析並びにその結果の提供を行うこと。
七 次に掲げる情報の収集、整理及び提供を行うこと。
イ 大学等の教育研究活動等の状況についての評価に関する情報
ロ 内外の高等教育機関の入学資格及び学位その他これに準ずるものに関する情報
ハ 大学における各種の学習の機会に関する情報
八 前各号の業務に附帯する業務を行うこと。
2 機構は、第三条第二項の目的を達成するため、次の業務を行う。一 次条第一項に規定する基本指針に基づき、大学若しくは高等専門学校の設置者又はこれらを設置しようとする者に対し、同条第二項第一号に規定する分野の学部等の設置その他文部科学省令で定める組織の変更(以下「設置等」という。)に必要な資金に充てるための助成金(以下「助成金」という。)を交付すること。
二 前号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
3 機構は、国立大学法人法第三十一条の三第一項の規定による国立大学法人評価委員会(以下この項及び次項において「評価委員会」という。)から第一項第一号の評価の実施の要請があった場合には、遅滞なく、その評価を行い、その結果を評価委員会及び当該評価の対象となった国立大学又は大学共同利用機関に提供し、並びに公表するものとする。 4 機構は、国立大学法人法第三十一条の三第二項の規定による評価委員会からの要請があった場合には、当該国立大学に係る学校教育法第百九条第二項に規定する認証評価の結果を踏まえて前項の規定による評価を行うものとする。 5 第一項第一号の評価の実施の手続その他同号の評価に関し必要な事項は、文部科学省令で定める。 (助成業務の実施に関する基本指針)第十六条の二 文部科学大臣は、前条第二項第一号に掲げる業務(次条第一項及び第二項において「助成業務」という。)の実施に関する基本的な指針(以下「基本指針」という。)を定めなければならない。
2 基本指針には、次に掲げる事項を定めるものとする。一 大学及び高等専門学校における修学の状況、社会経済情勢の変化、技術開発の動向その他の事情を踏まえ、中長期的な人材の育成の観点から特に学部等の設置等に関する支援が必要と認められる教育研究の分野
二 助成金の交付の対象となる学部等の設置等の選定の方法に関する基本的な事項
三 助成金の交付の方法に関する基本的な事項
3 文部科学大臣は、基本指針を定め、又は変更しようとするときは、審議会等(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条に規定する機関をいう。)で政令で定めるものの意見を聴かなければならない。 4 文部科学大臣は、基本指針を定め、又は変更したときは、その基本指針を公表しなければならない。 (助成業務の実施に関する方針)第十六条の三 機構は、基本指針に即して、助成業務の実施に関する方針(以下この条において「実施方針」という。)を定め、文部科学大臣の認可を受けなければならない。 実施方針を変更しようとするときも、同様とする。
2 実施方針には、助成金の交付の対象となる学部等の設置等の選定の方法、助成金の交付の方法その他助成業務を実施するために必要な事項として文部科学省令で定めるものを定めるものとする。 3 文部科学大臣は、実施方針の内容が基本指針に適合するときは、認可するものとする。 4 機構は、第一項の認可を受けたときは、その実施方針を公表しなければならない。 (基金)第十六条の四 機構は、第十六条第二項に規定する業務(以下「助成業務等」という。)に要する費用に充てるために基金を設け、第四項の規定により交付を受けた補助金の金額及び基金に充てることを条件として政府以外の者から出えんされた金額の合計額に相当する金額をもってこれに充てるものとする。
2 前項の基金(以下この条及び第二十七条第三号において「基金」という。)の運用によって生じた利子その他の収入金は、基金に充てるものとする。 3 通則法第四十七条及び第六十七条(第七号に係る部分に限る。)の規定は、基金の運用について準用する。 この場合において、通則法第四十七条第三号中「金銭信託」とあるのは、「金銭信託で元本補塡の契約があるもの」と読み替えるものとする。 4 政府は、毎年度、予算の範囲内において、機構に対し、基金に充てる資金を補助することができる。 (国会への報告等)第十六条の五 機構は、毎事業年度、助成業務等に関する報告書を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に文部科学大臣に提出しなければならない。
2 文部科学大臣は、前項の報告書の提出を受けたときは、これに意見を付けて、国会に報告しなければならない。 (区分経理)第十七条 機構は、次に掲げる業務ごとに経理を区分し、それぞれ勘定を設けて整理しなければならない。
一 第十六条第一項第二号及び第三号に掲げる業務並びにこれらに附帯する業務
二 助成業務等
三 前二号に掲げる業務以外の業務
(利益及び損失の処理の特例等)第十八条 機構は、助成業務等及び前条第三号に掲げる業務に係るそれぞれの勘定において、通則法第二十九条第二項第一号に規定する中期目標の期間(以下この項において「中期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項又は第二項の規定による整理を行った後、同条第一項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち文部科学大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間に係る通則法第三十条第一項の認可を受けた中期計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における助成業務等及び前条第三号に掲げる業務の財源に充てることができる。
2 機構は、前項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。 3 前条第一号に掲げる業務に係る勘定(次項において「施設整備勘定」という。)については、通則法第四十四条第一項ただし書及び第三項の規定は、適用しない。 4 機構は、施設整備勘定において、通則法第四十四条第一項本文又は第二項の規定による整理を行った後、同条第一項本文の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額を、翌事業年度以降の施設費交付事業の財源に充てなければならない。 5 前各項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。 (長期借入金及び独立行政法人大学改革支援・学位授与機構債券)第十九条 機構は、施設費貸付事業に必要な費用に充てるため、文部科学大臣の認可を受けて、長期借入金をし、又は独立行政法人大学改革支援・学位授与機構債券(以下「債券」という。)を発行することができる。
2 前項に規定するもののほか、機構は、長期借入金又は債券で政令で定めるものの償還に充てるため、文部科学大臣の認可を受けて、長期借入金をし、又は債券を発行することができる。 ただし、その償還期間が政令で定める期間のものに限る。 3 前二項の規定による債券の債権者は、機構の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。 4 前項の先取特権の順位は、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。 5 機構は、文部科学大臣の認可を受けて、債券の発行に関する事務の全部又は一部を銀行又は信託会社に委託することができる。 6 会社法(平成十七年法律第八十六号)第七百五条第一項及び第二項並びに第七百九条の規定は、前項の規定により委託を受けた銀行又は信託会社について準用する。 7 前各項に定めるもののほか、第一項又は第二項の規定による長期借入金又は債券に関し必要な事項は、政令で定める。 (債務保証)第二十条 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、前条第一項又は第二項の規定による機構の長期借入金又は債券に係る債務(国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律(昭和二十八年法律第五十一号)第二条の規定に基づき政府が保証契約をすることができる債務を除く。)について保証することができる。
(償還計画)第二十一条 機構は、毎事業年度、長期借入金及び債券の償還計画を立てて、文部科学大臣の認可を受けなければならない。
(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の準用)第二十二条 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)の規定(罰則を含む。)は、第十六条第一項第三号の規定により機構が交付する資金及び同条第二項第一号の規定により機構が交付する助成金について準用する。 この場合において、同法(第二条第七項を除く。)中「各省各庁」とあるのは「独立行政法人大学改革支援・学位授与機構」と、「各省各庁の長」とあるのは「独立行政法人大学改革支援・学位授与機構の機構長」と、同法第二条第一項(第二号を除く。)及び第四項、第七条第二項、第十九条第一項及び第二項、第二十四条並びに第三十三条中「国」とあるのは「独立行政法人大学改革支援・学位授与機構」と、同法第十四条中「国の会計年度」とあるのは「独立行政法人大学改革支援・学位授与機構の事業年度」と読み替えるものとする。
第五章 雑則
(財務大臣との協議)第二十三条 文部科学大臣は、次の場合には、財務大臣に協議しなければならない。
一 基本指針を定め、又は変更しようとするとき。
二 第十八条第一項の規定による承認をしようとするとき。
三 第十九条第一項、第二項若しくは第五項又は第二十一条の規定による認可をしようとするとき。
(主務大臣等)第二十四条 機構に係る通則法における主務大臣及び主務省令は、それぞれ文部科学大臣及び文部科学省令とする。
(国家公務員宿舎法の適用除外)第二十五条 国家公務員宿舎法(昭和二十四年法律第百十七号)の規定は、機構の役員及び職員には適用しない。
第六章 罰則
第二十六条 第十二条の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第二十七条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした機構の役員は、二十万円以下の過料に処する。
一 第十六条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
二 第十六条の三第一項、第十九条第一項、第二項若しくは第五項又は第二十一条の規定により文部科学大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかったとき。
三 第十六条の四第三項において準用する通則法第四十七条の規定に違反して基金を運用したとき。
四 第十八条第一項の規定により文部科学大臣の承認を受けなければならない場合において、その承認を受けなかったとき。
第二十八条 第六条の規定に違反した者は、十万円以下の過料に処する。
附則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十五年十月一日から施行する。
(機構の成立)
第二条 機構は、通則法第十七条の規定にかかわらず、国立大学法人法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十五年法律第百十七号。以下「整備法」という。)第二条の規定の施行の時に成立する。 機構は、通則法第十六条の規定にかかわらず、機構の成立後遅滞なく、政令で定めるところにより、その設立の登記をしなければならない。
(職員の引継ぎ等)
第三条 機構の成立の際現に整備法第二条の規定による廃止前の国立学校設置法(昭和二十四年法律第百五十号)第九条の四第一項に規定する大学評価・学位授与機構(以下「旧機構」という。)の職員である者は、別に辞令を発せられない限り、機構の成立の日において、機構の職員となるものとする。
第四条 前条の規定により独立行政法人大学評価・学位授与機構法の一部を改正する法律(平成二十七年法律第二十七号。附則第十三条第一項において「改正法」という。)による改正前の第二条の独立行政法人大学評価・学位授与機構(以下この条及び次条第三項において「旧独立行政法人大学評価・学位授与機構」という。)の職員となった者に対する国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第八十二条第二項の規定の適用については、旧独立行政法人大学評価・学位授与機構の職員を同項に規定する特別職国家公務員等と、前条の規定により国家公務員としての身分を失ったことを任命権者の要請に応じ同項に規定する特別職国家公務員等となるため退職したこととみなす。
第五条 附則第三条の規定により旧機構の職員が機構の職員となる場合には、その者に対しては、国家公務員退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)に基づく退職手当は、支給しない。 機構は、前項の規定の適用を受けた機構の職員の退職に際し、退職手当を支給しようとするときは、その者の国家公務員退職手当法第二条第一項に規定する職員(同条第二項の規定により職員とみなされる者を含む。)としての引き続いた在職期間を機構の職員としての在職期間とみなして取り扱うべきものとする。 旧独立行政法人大学評価・学位授与機構の成立の日の前日に旧機構の職員として在職する者が、附則第三条の規定により引き続いて旧独立行政法人大学評価・学位授与機構の職員となり、かつ、引き続き旧独立行政法人大学評価・学位授与機構(機構を含む。以下この項において同じ。)の職員として在職した後引き続いて国家公務員退職手当法第二条第一項に規定する職員となった場合におけるその者の同法に基づいて支給する退職手当の算定の基礎となる勤続期間の計算については、その者の旧独立行政法人大学評価・学位授与機構の職員としての在職期間を同項に規定する職員としての引き続いた在職期間とみなす。 ただし、その者が旧独立行政法人大学評価・学位授与機構を退職したことにより退職手当(これに相当する給付を含む。)の支給を受けているときは、この限りでない。 機構は、機構の成立の日の前日に旧機構の職員として在職し、附則第三条の規定により引き続いて機構の職員となった者のうち機構の成立の日から雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)による失業等給付の受給資格を取得するまでの間に機構を退職したものであって、その退職した日まで旧機構の職員として在職したものとしたならば国家公務員退職手当法第十条の規定による退職手当の支給を受けることができるものに対しては、同条の規定の例により算定した退職手当の額に相当する額を退職手当として支給するものとする。
第六条 附則第三条の規定により機構の職員となった者であって、機構の成立の日の前日において文部科学大臣又はその委任を受けた者から児童手当法(昭和四十六年法律第七十三号)第七条第一項(同法附則第六条第二項、第七条第四項又は第八条第四項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による認定を受けているものが、機構の成立の日において児童手当又は同法附則第六条第一項、第七条第一項若しくは第八条第一項の給付(以下この条において「特例給付等」という。)の支給要件に該当するときは、その者に対する児童手当又は特例給付等の支給に関しては、機構の成立の日において同法第七条第一項の規定による市町村長(特別区の区長を含む。)の認定があったものとみなす。 この場合において、その認定があったものとみなされた児童手当又は特例給付等の支給は、同法第八条第二項(同法附則第六条第二項、第七条第四項又は第八条第四項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、機構の成立の日の前日の属する月の翌月から始める。
(機構の職員となる者の職員団体についての経過措置)
第七条 機構の成立の際現に存する国家公務員法第百八条の二第一項に規定する職員団体であって、その構成員の過半数が附則第三条の規定により機構に引き継がれる者であるものは、機構の成立の際労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)の適用を受ける労働組合となるものとする。 この場合において、当該職員団体が法人であるときは、法人である労働組合となるものとする。 前項の規定により法人である労働組合となったものは、機構の成立の日から起算して六十日を経過する日までに、労働組合法第二条及び第五条第二項の規定に適合する旨の労働委員会の証明を受け、かつ、その主たる事務所の所在地において登記しなければ、その日の経過により解散するものとする。 第一項の規定により労働組合となったものについては、機構の成立の日から起算して六十日を経過する日までは、労働組合法第二条ただし書(第一号に係る部分に限る。)の規定は、適用しない。
(権利義務の承継等)
第八条 機構の成立の際現に国が有する権利及び義務のうち、旧機構の業務に関するもので政令で定めるものは、政令で定めるところにより、機構が承継する。 前項の規定により機構が国の有する権利及び義務を承継したときは、承継される権利に係る土地、建物その他の財産で政令で定めるものの価額の合計額に相当する金額は、政令で定めるところにより、政府から機構に対し出資されたものとする。 前項の規定により政府から出資があったものとされる同項の財産の価額は、機構の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
第九条 機構の成立の際、整備法第二条の規定による廃止前の国立学校特別会計法(昭和三十九年法律第五十五号)第十七条の規定に基づき文部科学大臣から旧機構の長に交付され、その経理を委任された金額に残余があるときは、その残余に相当する額は、機構の成立の日において機構に奨学を目的として寄附されたものとする。 この場合において、当該寄附金の経理に関し必要な事項は、文部科学省令で定める。
(国有財産の無償使用)
第十条 国は、機構の成立の際現に旧機構の職員の住居の用に供されている国有財産であって政令で定めるものを、政令で定めるところにより、機構の用に供するため、機構に無償で使用させることができる。
(不動産に関する登記)
第十一条 機構が附則第八条第一項の規定により不動産に関する権利を承継した場合において、その権利につきなすべき登記の手続については、政令で特例を設けることができる。
(名称の使用制限に関する経過措置)
第十二条 この法律の施行の際現に大学評価・学位授与機構という名称を使用している者については、第六条の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
(機構の業務に関する特例等)
第十三条 機構は、当分の間、第十六条に規定する業務のほか、次の業務を行うものとする。 機構は、当分の間、第十八条第四項に規定する積立金の額に相当する金額を、同項の規定にかかわらず、承継債務償還に充てることができる。 承継債務償還については、第十九条第二項に規定する長期借入金又は債券の発行による収入をもって充ててはならない。 機構が第一項に規定する業務を行う場合には、第十七条第一号中「附帯する業務」とあるのは「附帯する業務並びに附則第十三条第一項に規定する業務」と、第二十七条第一号中「第十六条」とあるのは「第十六条及び附則第十三条第一項」とする。
(政令への委任)
第十四条 附則第三条から第十二条までに定めるもののほか、機構の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則(平成一七年七月一五日法律第八三号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十九年四月一日から施行する。 ただし、第四条、第六十八条の二及び第六十九条の二の改正規定並びに附則第三条、第六条、第七条(税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第八条第一項第一号中「第六十八条の二第三項第二号」を「第六十八条の二第四項第二号」に改める改正規定に限る。)、第九条及び第十条の規定は、平成十七年十月一日から施行する。
附則(平成一九年六月二七日法律第九六号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則(平成二六年六月一三日法律第六七号)
(施行期日)
第一条 この法律は、独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成二十六年法律第六十六号。以下「通則法改正法」という。)の施行の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(処分等の効力)
第二十八条 この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為であってこの法律による改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において「新法令」という。)に相当の規定があるものは、法律(これに基づく政令を含む。)に別段の定めのあるものを除き、新法令の相当の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第二十九条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令等への委任)
第三十条 附則第三条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令(人事院の所掌する事項については、人事院規則)で定める。
附則(平成二七年五月二七日法律第二七号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十八年四月一日から施行する。 ただし、附則第三条第二項及び第三項並びに第十四条の規定は、公布の日から施行する。
(センターの解散等)
第二条 独立行政法人国立大学財務・経営センター(以下「センター」という。)は、この法律の施行の時において解散するものとし、次項の規定により国が承継する資産を除き、その一切の権利及び義務は、その時において、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構(以下「機構」という。)が承継する。 この法律の施行の際現にセンターが有する権利のうち、機構がその業務を確実に実施するために必要な資産以外の資産は、この法律の施行の時において国が承継する。 前項の規定により国が承継する資産の範囲その他当該資産の国への承継に関し必要な事項は、政令で定める。 センターの平成二十六年四月一日に始まる中期目標の期間(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)第二十九条第二項第一号に規定する中期目標の期間をいう。次項において同じ。)は、平成二十八年三月三十一日に終わるものとする。 センターの平成二十八年三月三十一日に終わる事業年度(次項及び第七項において「最終事業年度」という。)及び中期目標の期間における業務の実績についての通則法第三十二条第一項の規定による評価は、機構が受けるものとする。 この場合において、同条第二項の規定による報告書の提出及び公表は機構が行うものとし、同条第四項前段の規定による通知及び同条第六項の規定による命令は機構に対してなされるものとする。 センターの最終事業年度に係る通則法第三十八条の規定による財務諸表、事業報告書及び決算報告書の作成等については、機構が行うものとする。 センターの最終事業年度における通則法第四十四条第一項及び第二項の規定による利益及び損失の処理に関する業務は、機構が行うものとする。 前項の規定による処理において、通則法第四十四条第一項及び第二項の規定による整理を行った後、同条第一項の規定による積立金があるときは、当該積立金の処分は、機構が行うものとする。 この場合において、附則第十条の規定による廃止前の独立行政法人国立大学財務・経営センター法(平成十五年法律第百十五号。同条を除き、以下「旧センター法」という。)第十五条第二項から第五項まで及び附則第十一条第二項の規定は、なおその効力を有するものとし、旧センター法第十五条第二項中「前項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額」とあるのは「施設整備勘定以外の一般の勘定において、通則法第二十九条第二項第一号に規定する中期目標の期間の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項又は第二項の規定による整理を行った後、同条第一項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額」と、同条第四項中「翌事業年度以降の施設費交付事業」とあるのは「平成二十八年四月一日に始まる事業年度以降の独立行政法人大学改革支援・学位授与機構法(平成十五年法律第百十四号)第十六条第一項第三号に規定する施設費交付事業」と、同条第五項中「前各項」とあるのは「第二項から第四項まで」と、旧センター法附則第十一条第二項中「承継債務償還」とあるのは「独立行政法人大学改革支援・学位授与機構法附則第十三条第一項第一号に規定する承継債務償還」とする。 第一項の規定によりセンターが解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
(機構への出資等)
第三条 前条第一項の規定により機構がセンターの権利及び義務を承継したときは、その承継の際、機構が承継する資産の価額(同条第八項の規定によりなおその効力を有するものとして読み替えて適用される旧センター法第十五条第四項に規定する積立金の額に相当する金額があるときは、当該金額に相当する金額を除く。)から負債の金額を差し引いた額は、政府から機構に対し出資されたものとする。 この場合において、機構は、その額により資本金を増加するものとする。 前項に規定する資産の価額は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
(非課税)
第四条 附則第二条第一項の規定により機構が権利を承継する場合における当該承継に係る不動産の取得に対しては、不動産取得税を課することができない。
(センターの権利及び義務の承継に伴う経過措置)
第五条 附則第二条第一項の規定により機構が承継する旧センター法第十六条第一項又は第二項の規定によるセンターの長期借入金又は独立行政法人国立大学財務・経営センター債券(以下この項において「債券」という。)に係る債務について政府がした旧センター法第十七条の規定による保証契約は、その承継後においても、当該長期借入金又は債券に係る債務について従前の条件により存続するものとする。 前項に規定する債券は、この法律による改正後の独立行政法人大学改革支援・学位授与機構法(平成十五年法律第百十四号)第十九条第三項及び第四項の規定の適用については、同条第一項又は第二項の規定による債券とみなす。
(国家公務員法の適用に関する特例)
第六条 旧センター法附則第三条の規定によりセンターの職員となった者に対する国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第八十二条第二項の規定の適用については、センターの職員として在職したことを同項に規定する特別職国家公務員等として在職したことと、旧センター法附則第三条の規定により国家公務員としての身分を失ったことを任命権者の要請に応じ同項に規定する特別職国家公務員等となるため退職したこととみなす。
(国家公務員退職手当法の適用に関する特例)
第七条 この法律の施行の際現に旧センター法附則第五条第三項に該当する者については、同項の規定は、なおその効力を有する。
(機構の役員又は職員についての通則法の適用に関する経過措置)
第八条 機構の役員又は職員についての通則法第五十条の四第一項、第二項第一号及び第四号並びに第六項並びに第五十条の六の規定の適用については、次の表の上欄に掲げるこれらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
(名称の使用制限に関する経過措置)
第九条 この法律の施行の際現に大学改革支援・学位授与機構という名称を使用している者については、この法律による改正後の独立行政法人大学改革支援・学位授与機構法第六条の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
(独立行政法人国立大学財務・経営センター法の廃止)
第十条 独立行政法人国立大学財務・経営センター法は、廃止する。
(罰則に関する経過措置)
第十三条 この法律の施行前にした行為及び附則第十一条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第十四条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則(平成二九年五月三一日法律第四一号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成三十一年四月一日から施行する。
附則(令和元年五月二四日法律第一一号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成三十二年四月一日から施行する。 ただし、第二条中国立大学法人法附則に一条を加える改正規定、第四条中独立行政法人大学改革支援・学位授与機構法第三条の改正規定及び同法第十六条第一項の改正規定並びに次条並びに附則第四条第三項及び第四項、第九条、第十一条並びに第十二条の規定は、公布の日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
第十一条 この法律(附則第一条ただし書に規定する規定については、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第十二条 附則第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第十三条 政府は、この法律の施行後五年を目途として、新私立学校法の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則(令和四年六月一七日法律第六八号)
この法律は、刑法等一部改正法施行日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。一 第五百九条の規定 公布の日