第一章 総則
(目的)第一条 この法律は、独立行政法人水資源機構の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。
(定義)第二条 この法律において「水資源開発基本計画」とは、水資源開発促進法(昭和三十六年法律第二百十七号)の規定による水資源開発基本計画をいう。
2 この法律において「水資源開発施設」とは、独立行政法人水資源機構(以下「機構」という。)による第十二条第一項第一号の業務の実施により生じる施設及び水資源開発公団による附則第六条の規定による廃止前の水資源開発公団法(昭和三十六年法律第二百十八号。以下「旧水公団法」という。)第十八条第一項第一号の業務の実施により生じた施設で附則第二条第一項の規定により機構が承継したものをいう。 3 この法律において「愛知豊川用水施設」とは、愛知用水公団による水資源開発公団法の一部を改正する法律(昭和四十三年法律第七十三号)附則第九条の規定による廃止前の愛知用水公団法(昭和三十年法律第百四十一号。以下「旧愛知公団法」という。)第十八条第一項第一号イ及びロの事業の施行により生じた施設で附則第二条第一項の規定により機構が承継したものをいう。 4 この法律において「特定施設」とは、洪水(高潮を含む。)防御の機能又は流水の正常な機能の維持と増進をその目的に含む多目的ダム、河口、湖沼水位調節施設その他の水資源の開発又は利用のための施設であって政令で定めるものをいう。 5 この法律において「河川」とは、河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第三条第一項に規定する河川をいう。 6 この法律において「河川管理者」とは、河川法第七条に規定する河川管理者をいう。 7 この法律において「河川管理施設」とは、河川法第三条第二項に規定する河川管理施設をいう。 (名称)第三条 この法律及び独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人水資源機構とする。
(機構の目的)第四条 機構は、水資源開発基本計画に基づく水資源の開発又は利用のための施設の改築等及び水資源開発施設等の管理等を行うことにより、産業の発展及び人口の集中に伴い用水を必要とする地域に対する水の安定的な供給の確保を図ることを目的とする。
(中期目標管理法人)第四条の二 機構は、通則法第二条第二項に規定する中期目標管理法人とする。
(事務所)第五条 機構は、主たる事務所を埼玉県に置く。
(資本金)第六条 機構の資本金は、附則第二条第六項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。
2 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、機構に追加して出資することができる。 3 機構は、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。第二章 役員及び職員
(役員)第七条 機構に、役員として、その長である理事長及び監事二人を置く。
2 機構に、役員として、副理事長一人及び理事五人以内を置くことができる。 (副理事長及び理事の職務及び権限等)第八条 副理事長は、理事長の定めるところにより、機構を代表し、理事長を補佐して機構の業務を掌理する。
2 理事は、理事長の定めるところにより、理事長(副理事長が置かれているときは、理事長及び副理事長)を補佐して機構の業務を掌理する。 3 通則法第十九条第二項の個別法で定める役員は、副理事長とする。 ただし、副理事長が置かれていない場合であって理事が置かれているときは理事、副理事長及び理事が置かれていないときは監事とする。 4 前項ただし書の場合において、通則法第十九条第二項の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。 (副理事長及び理事の任期)第九条 副理事長の任期は四年とし、理事の任期は二年とする。
(役員の欠格条項の特例)第十条 通則法第二十二条に定めるもののほか、次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。
一 物品の製造若しくは販売若しくは工事の請負を業とする者であって機構と取引上密接な利害関係を有するもの又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
二 前号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
2 機構の役員の解任に関する通則法第二十三条第一項の規定の適用については、同項中「前条」とあるのは、「前条及び独立行政法人水資源機構法第十条第一項」とする。 (役員及び職員の地位)第十一条 機構の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第三章 業務等
第一節 業務の範囲
第十二条 機構は、第四条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 水資源開発基本計画に基づいて、次に掲げる施設(当該施設のうち発電に係る部分を除く。以下この号において同じ。)の新築(イに掲げる施設の新築にあっては、水の供給量を増大させないものに限る。)又は改築を行うこと。
イ ダム、河口堰、湖沼水位調節施設、多目的用水路、専用用水路その他の水資源の開発又は利用のための施設
ロ イに掲げる施設と密接な関連を有する施設
二 次に掲げる施設の操作、維持、修繕その他の管理(ハに掲げる施設の管理にあっては、委託に基づくものに限る。)を行うこと。
イ 水資源開発施設
ロ 愛知豊川用水施設
ハ 水資源開発促進法第三条第一項に規定する水資源開発水系(以下この号及び第十九条の二第一項において「水資源開発水系」という。)における水資源の開発又は利用のための施設であって、イ又はロに掲げる施設と一体的な管理を行うことが当該水資源開発水系における水資源の利用の合理化に資すると認められるもの
三 水資源開発施設又は愛知豊川用水施設についての災害復旧工事を行うこと。
四 第十九条の二第一項に規定する特定河川工事を行うこと。
五 前各号の業務に附帯する業務を行うこと。
2 機構は、前項の業務のほか、海外社会資本事業への我が国事業者の参入の促進に関する法律(平成三十年法律第四十号)第五条に規定する業務(第三十七条第二項第六号において「海外調査等業務」という。)を行う。 3 機構は、前二項の業務のほか、前二項の業務の遂行に支障のない範囲内で、委託に基づき、次の業務を行うことができる。一 水資源の開発又は利用に関する調査、測量、設計、試験、研究及び研修を行うこと。
二 水資源の開発若しくは利用のための施設に関する工事又はこれと密接な関連を有する工事を行うこと。
三 水資源の開発又は利用のための施設の管理を行うこと。
第二節 業務の実施方法
(事業実施計画)第十三条 機構は、前条第一項第一号の業務を行おうとするときは、政令で定めるところにより、水資源開発基本計画に基づいて事業実施計画を作成し、関係都道府県知事に協議するとともに、主務大臣の認可を受けなければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。
2 主務大臣は、前項の認可をしようとするときは、あらかじめ、国の関係行政機関の長に協議しなければならない。 3 機構は、第一項の規定により事業実施計画を作成し、又は変更しようとするときは、政令で定めるところにより、あらかじめ、当該水資源開発施設を利用して流水を水道若しくは工業用水道の用に供しようとする者(当該事業実施計画の変更に際し、事業からの撤退(当該事業実施計画に係る水資源開発施設を利用して流水を水道又は工業用水道の用に供しようとした者が、その後の事情の変化により当該事業実施計画に係る水資源開発施設を利用して流水を水道又は工業用水道の用に供しようとしなくなることをいう。以下同じ。)をする者を含む。)又は当該事業実施計画に係る水資源開発施設を利用して流水をかんがいの用に供しようとする者の組織する土地改良区の意見を聴くとともに、第二十五条第一項の規定による費用の負担について当該費用の負担をする者の同意を得なければならない。 4 土地改良区は、前項の同意をするには、政令で定めるところにより、総会又は総代会の議決を経、かつ、その組合員のうち同項の流水をかんがいの用に供しようとする者(施設の更新のために行う前条第一項第一号の改築の業務で当該改築に係る施設の有している本来の機能の維持を図ることを目的とし、かつ、当該改築に係る施設を利用して現に流水をかんがいの用に供する者の権利又は利益を侵害するおそれがないことが明らかなものとして政令で定める要件に適合するものにあっては、当該現に流水をかんがいの用に供する者を除く。)の三分の二以上の同意を得なければならない。 5 主務大臣は、かんがい排水に係る前条第一項第一号の業務(特定施設に係るものを除く。)について第一項の規定による事業実施計画の認可をしたときは、政令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 6 機構は、事業実施計画に基づく事業を廃止しようとするときは、政令で定めるところにより、関係都道府県知事に協議するとともに、主務大臣の認可を受けて、当該事業実施計画を廃止しなければならない。 この場合においては、第二項の規定を準用する。 7 機構は、前項の規定により事業実施計画を廃止しようとするときは、政令で定めるところにより、あらかじめ、第三項の規定により意見を聴いた者(当該事業実施計画の廃止前に事業からの撤退をした者を除く。)の意見を聴くとともに、第二十五条第二項の規定による費用の負担について当該費用の負担をする者の同意を得なければならない。 (事業の承継等)第十四条 国土交通大臣又は農林水産大臣は、それぞれ、国土交通大臣が河川法による河川工事として行っている事業(第十二条第一項第一号の業務に該当するものに限る。)又は国が土地改良事業として行っている事業(同号の業務に該当するものに限る。)のうち、水資源開発基本計画に基づき機構が引き継いで行うべきであると認めるものについては、機構に対し、その実施を求めることができる。
2 農林水産大臣は、都道府県が土地改良事業として行っている事業(第十二条第一項第一号の業務に該当するものに限る。)のうち、当該都道府県から機構において行うべき旨の申出があり、かつ、水資源開発基本計画に基づき機構が引き継いで行うべきであると認めるものについては、機構に対し、その実施を求めることができる。 3 国土交通大臣又は農林水産大臣は、第一項の規定によりその実施を求めた事業(以下この条及び第二十六条において「国の水資源開発事業」という。)又は前項の規定によりその実施を求めた事業(以下この条において「都道府県の水資源開発事業」という。)について、機構がその求めに応じて第十二条第一項第一号の業務を行おうとする場合において前条第一項の規定による事業実施計画の認可をしたときは、政令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 4 機構は、前項の規定による公示があった日の翌日から、その業務として国の水資源開発事業又は都道府県の水資源開発事業を行うものとする。 5 前項の規定により機構が国の水資源開発事業をその業務として行うこととなった時において当該国の水資源開発事業に関し国が有する権利及び義務(当該国の水資源開発事業に関する特別会計に関する法律(平成十九年法律第二十三号)附則第六十六条第十八号の規定による廃止前の国営土地改良事業特別会計法(昭和三十二年法律第七十一号)に基づく国営土地改良事業特別会計、特別会計に関する法律附則第六十七条第一項第十号の規定により設置する国営土地改良事業特別会計及び同法附則第二百三十一条第二項に規定する食料安定供給特別会計の国営土地改良事業勘定の財政融資資金からの負債を含み、政令で定める権利又は義務を除く。)は、その時において機構が承継する。 6 第四項の規定により機構が国の水資源開発事業をその業務として行う場合において、国土交通大臣が当該国の水資源開発事業と密接な関連を有する工事(以下この項において「関連工事」という。)で発電に係るものを行っているとき、又は国が委託に基づき関連工事を行っているときは、機構が当該国の水資源開発事業をその業務として行うこととなった時において当該関連工事に関し国が有する権利及び義務(政令で定める権利又は義務を除く。)は、その時において機構が承継する。 ただし、当該関連工事が委託に基づくものである場合において、国がその委託をしている者の同意を得ることができなかったときは、この限りでない。 7 第四項の規定により機構が都道府県の水資源開発事業をその業務として行うこととなった時において当該都道府県の水資源開発事業に関し当該都道府県が有する権利及び義務の機構への承継については、当該都道府県と機構とが協議して定めるものとする。 8 第四項の規定により機構がその業務として行う国の水資源開発事業が土地改良事業に係るものであるときは、機構は、政令で定めるところにより、第二十五条第一項、第二十六条第一項又は第二十七条の規定による負担金の額のうち、当該国の水資源開発事業を行うにつき国が要した費用の一部に相当する金額を国庫に納付しなければならない。 (土地改良法の準用)第十五条 機構がかんがい排水に係る第十二条第一項第一号の業務(特定施設に係るものを除く。)を行う場合については、土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)第百二十二条第二項の規定を準用する。 この場合において、同項中「第十条第三項、第四十八条第十一項(第九十五条の二第三項において準用する場合を含む。)、第八十七条第五項(第八十七条の二第十項、第八十七条の三第七項、第八十七条の四第四項(第九十六条の四第一項において準用する場合を含む。)、第八十八条第六項、第十項、第十三項、第十八項及び第十九項(第九十六条の四第一項において準用する場合を含む。)、第九十六条の二第七項並びに第九十六条の三第五項において準用する場合を含む。)、第九十五条第四項、第九十八条第十項又は第九十九条第十二項(第百条の二第二項(第百十一条において準用する場合を含む。)及び第百十一条において準用する場合を含む。)の規定による公告」とあるのは、「独立行政法人水資源機構法第十三条第五項の規定による公示」と読み替えるものとする。
(施設管理規程)第十六条 機構は、水資源開発施設について第十二条第一項第二号の業務を行おうとする場合においては、施設管理規程を作成し、関係都道府県知事(操作を伴う特定施設で政令で定めるもの(以下「操作特定施設」という。)に係る施設管理規程にあっては、政令で定めるところにより、関係都道府県知事又は関係都道府県知事及び関係市町村長)及び当該水資源開発施設の新築又は改築に要する費用について第十三条第三項の規定による同意をした者(事業からの撤退をした者を除く。)に協議するとともに、主務大臣の認可を受けなければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。
2 機構は、愛知豊川用水施設について第十二条第一項第二号の業務を行おうとする場合においては、施設管理規程を作成し、関係県知事、愛知豊川用水施設を利用して流水を発電、水道又は工業用水道の用に供しようとする者及び愛知豊川用水施設を利用して流水をかんがいの用に供しようとする者の組織する土地改良区に協議するとともに、主務大臣の認可を受けなければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。 3 前二項の施設管理規程には、政令で定める事項(操作特定施設、河川法第四十四条に規定するダム(以下「利水ダム」という。)その他操作を伴う施設に係るものにあっては、政令で定める操作に関する事項を含む。)を定めなければならない。 4 主務大臣は、第一項又は第二項の認可をしようとするときは、あらかじめ、国の関係行政機関の長に協議しなければならない。 5 主務大臣は、第一項又は第二項の認可をしようとする場合において、当該施設管理規程が利水ダムに係るものであるときは、あらかじめ、河川管理者に協議しなければならない。 6 河川管理者は、操作特定施設又は利水ダムに係る施設管理規程の操作に関する事項についての定めによっては、当該操作特定施設若しくは利水ダムに関する工事又は河川の状況の変化その他当該河川に関する特別の事情により、河川管理上支障を生ずると認める場合においては、当該操作に関する事項の変更を要請することができる。 7 河川管理者は、前項の要請をしようとする場合において、当該施設管理規程が利水ダムに係るものであるときは、あらかじめ、主務大臣に協議しなければならない。 8 機構は、河川管理者から第六項の規定による要請があったときは、速やかに、その要請に応じなければならない。 (河川法の特例)第十七条 特定施設は、河川管理施設とし、機構は、河川法第九条及び第十条の規定にかかわらず、河川管理施設である特定施設の新築若しくは改築を行い、又は当該新築若しくは改築に係る特定施設若しくは水資源開発公団による旧水公団法第十八条第一項第一号の業務の実施により生じた施設で附則第二条第一項の規定により機構が承継した特定施設の管理を行うことができる。
2 機構は、前項の規定により特定施設の新築若しくは改築又は管理を行う場合においては、政令で定めるところにより、河川法に規定する河川管理者の権限を行うことができる。 3 機構は、特定施設の新築又は改築の工事を開始しようとするとき、及び当該工事を完了したときは、政令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 4 河川法第四十七条の規定は、機構が設置する利水ダムについては、適用しない。 5 河川管理者は、特に必要があると認めるときは、河川管理施設である第十二条第一項第二号ハに掲げる施設の管理を、機構に委託することができる。 (特定施設の操作に関する国土交通大臣の指揮)第十八条 国土交通大臣は、洪水を防ぐため緊急の必要があると認めるときは、その必要の範囲内において、特定施設の操作に関し、政令で定めるところにより、機構を指揮することができる。
2 機構は、国土交通大臣から前項の規定による指揮があったときは、その指揮に従わなければならない。 (危害防止のための通知等)第十九条 機構は、水資源開発施設又は愛知豊川用水施設を操作することによって流水の状況に著しい変化を生ずると認める場合において、これによって生ずる危害を防止するため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、あらかじめ、関係都道府県知事、関係市町村長及び関係警察署長に通知するとともに、一般に周知させるため必要な措置をとらなければならない。
(特定河川工事の代行)第十九条の二 機構は、都道府県知事又は指定都市(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市をいう。以下同じ。)の長(以下「都道府県知事等」という。)から要請があり、かつ、当該都道府県知事等が統括する都道府県又は指定都市における河川管理施設の改築若しくは修繕に関する工事(以下この項において「特定改築等工事」という。)又は公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法(昭和二十六年法律第九十七号)の規定の適用を受ける災害復旧事業に係る工事(以下この項において「特定災害復旧工事」という。)の実施体制その他の地域の実情を勘案して、当該都道府県知事等が管理する河川管理施設に係る政令で定める特定改築等工事又は当該河川管理施設に係る特定災害復旧工事(いずれも水資源開発水系に係るものであって、その実施が当該水資源開発水系における水の安定的な供給の確保に資するものであり、かつ、高度の技術を要するもの又は高度の機械力を使用して実施することが適当であると認められるものに限る。以下「特定河川工事」という。)を当該都道府県知事等に代わって自ら行うことが適当であると認められる場合においては、河川法第九条第二項及び第五項並びに第十条第一項及び第二項の規定にかかわらず、これを行うことができる。
2 機構は、前項の規定により特定河川工事を行う場合には、政令で定めるところにより、都道府県知事等に代わってその権限の一部を行うものとする。 3 機構は、第一項の規定により特定河川工事を行おうとするときは、あらかじめ、政令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 4 機構は、第一項の規定による特定河川工事の全部又は一部を完了したときは、遅滞なく、政令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。 (機構の意見の聴取)第十九条の三 都道府県知事等は、前条の規定により機構が特定河川工事を行う河川について河川法第五条第六項の指定の変更又は廃止を行おうとする場合には、あらかじめ、機構の意見を聴かなければならない。
(特定河川工事の廃止等)第十九条の四 機構は、都道府県知事等の同意を得た場合でなければ、特定河川工事を廃止してはならない。
2 第十九条の二第四項の規定は、機構が特定河川工事を廃止した場合について準用する。 (河川管理施設及びその敷地である土地の権利の帰属)第十九条の五 第十九条の二第四項の規定により完了の公示のあった特定河川工事に係る河川管理施設及びその敷地である土地について機構が取得した権利は、その公示の日の翌日において国に帰属するものとする。
(環境の保全)第二十条 機構は、第十二条に規定する業務の実施に当たっては、環境の保全について配慮しなければならない。
第三節 業務の実施に要する費用
(特定施設に係る国の交付金等)第二十一条 国は、特定施設の新築又は改築に要する費用(特定施設の新築又は改築に関する事業が廃止されたときは、その廃止に伴い追加的に必要となる費用を含む。)のうち、洪水調節に係る費用その他政令で定める費用を機構に交付するものとする。
2 前項の費用の範囲、同項の交付金の額の算出方法その他同項の交付金に関し必要な事項は、政令で定める。 3 都道府県は、第一項の規定により国が機構に交付する金額の一部を負担しなければならない。 4 前項の規定による都道府県の負担の割合その他同項の規定による都道府県の負担金に関し必要な事項は、政令で定める。第二十二条 国は、特定施設の操作、維持、修繕その他の管理に要する費用及び特定施設についての災害復旧工事に要する費用のうち、洪水調節に係る費用その他政令で定める費用を機構に交付するものとする。
2 前項の費用の範囲、同項の交付金の額の算出方法その他同項の交付金に関し必要な事項は、政令で定める。 3 都道府県は、第一項の規定により国が機構に交付する金額の一部を負担しなければならない。 4 前条第四項の規定は、前項の都道府県の負担金について準用する。 5 公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の適用に関しては、同法第四条第一項及び第四条の二の災害復旧事業費の総額には、同法第四条第二項に規定するもののほか、第一項の規定により災害復旧工事に要する費用(政令で定めるものを除く。)として機構に交付される金額を含むものとする。第二十三条 河川法第五条に規定する二級河川における特定施設の新築又は改築に要する費用(特定施設の新築又は改築に関する事業が廃止されたときは、その廃止に伴い追加的に必要となる費用を含む。)及び当該新築又は改築に係る特定施設の管理に要する費用のうち、洪水調節に係る費用その他政令で定める費用の負担については、前二条の規定にかかわらず、別に政令で定める。
(費用の負担)第二十四条 特定施設の新築又は改築に係る第二十一条第一項の規定による国の交付金にかんがいに係るものが含まれている場合において、専用の施設を新設し、又は拡張することにより、当該特定施設を利用して流水をかんがいの用に供する者は、政令で定めるところにより、当該特定施設の新築又は改築に要する費用の一部を負担しなければならない。
2 前項の規定による負担金は、政令で定めるところにより、都道府県知事が徴収して、これを国に納付するものとする。第二十五条 機構は、水資源開発施設を利用して流水を水道若しくは工業用水道の用に供する者(事業からの撤退をした者を含む。)又は水資源開発施設(特定施設でその新築又は改築に係る第二十一条第一項の規定による国の交付金にかんがいに係るものが含まれているもの(以下「かんがい特定施設」という。)を除く。)を利用して流水をかんがいの用に供する者の組織する土地改良区に、政令で定めるところにより、当該水資源開発施設の新築又は改築及び管理並びにこれについての災害復旧工事に要する費用(事業からの撤退をした者にあっては、当該水資源開発施設の新築又は改築に要する費用の一部)を負担させるものとする。
2 機構は、水資源開発施設(これを利用して流水を水道又は工業用水道の用に供しようとするものに限る。)の新築又は改築に関する事業を廃止するときは、当該水資源開発施設を利用して流水を水道又は工業用水道の用に供しようとしていた者に、政令で定めるところにより、事業の廃止までに当該水資源開発施設の新築又は改築に要した費用(事業の廃止に伴い追加的に必要となる費用を含む。)を負担させることができる。 3 機構は、愛知豊川用水施設を利用して流水を発電、水道若しくは工業用水道の用に供する者又は愛知豊川用水施設を利用して流水をかんがいの用に供する者の組織する土地改良区に、政令で定めるところにより、当該施設の管理及びこれについての災害復旧工事に要する費用を負担させるものとする。第二十六条 機構は、かんがい排水に係る第十二条第一項第一号、第二号イ若しくはロ又は第三号の業務(かんがい特定施設に係るものを除く。)の受益地の全部又は一部をその区域に含む都道府県に、政令で定めるところにより、その業務に要する費用(その業務が第十四条第四項の規定により機構がその業務として行う国の水資源開発事業に係るものであるときは、当該国の水資源開発事業を行うにつき国が要した費用を含む。)の一部を負担させることができる。
2 前項の都道府県は、政令で定めるところにより、同項に規定する業務によって利益を受ける市町村に対し、その市町村の受ける利益を限度として、同項の規定による負担金の一部を負担させることができる。 3 第一項の規定による負担金について前項の規定により市町村が負担すべき金額は、当該市町村の意見を聴いた上、当該都道府県の議会の議決を経て定めなければならない。 (受益者負担金)第二十七条 機構は、水資源開発施設の新築又は改築によって著しく利益を受ける者があるときは、政令で定めるところにより、その利益を受ける限度において、当該水資源開発施設の新築又は改築に要する費用の一部を負担させることができる。
(強制徴収)第二十八条 第二十四条第一項、第二十五条又は前条の規定による負担金をその納期限までに納付しない者があるときは、都道府県知事又は機構は、期限を指定して、その納付を督促しなければならない。
2 都道府県知事又は機構は、前項の規定により督促をするときは、納付義務者に対し督促状を発する。 この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して二十日以上経過した日でなければならない。 3 都道府県知事又は機構は、第一項の規定による督促を受けた納付義務者がその指定の期限までにその負担金及び第五項の規定による延滞金を納付しないときは、都道府県知事にあっては地方税の滞納処分の例により、機構にあっては国土交通大臣の認可を受けて国税の滞納処分の例により、滞納処分をすることができる。 4 前項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとし、その時効については、国税の例による。 5 都道府県知事又は機構は、第一項の規定により督促をしたときは、同項の負担金の額につき年十四・五パーセントの割合で、納期限の翌日からその負担金の完納の日又は財産差押えの日の前日までの日数により計算した延滞金を徴収することができる。 ただし、当該都道府県の条例又は国土交通省令で定める場合は、この限りでない。 6 前項の規定により都道府県知事が徴収した延滞金は、当該都道府県に帰属する。 (土地改良区の組合員又は准組合員に対する経費の賦課)第二十九条 第二十五条の規定により土地改良区が費用を負担する場合においては、当該負担金については、これを土地改良区の事業に要する経費とみなして、土地改良法第三十六条第一項から第三項まで及び第五項、第三十八条並びに第三十九条の規定を適用する。
(権利関係の調整)第三十条 機構がかんがい排水に係る第十二条第一項第一号、第二号イ若しくはロ又は第三号の業務(かんがい特定施設に係るものを除く。)を行った場合については、土地改良法第五十九条、第六十二条及び第六十五条の規定を準用する。 この場合において、同法第五十九条及び第六十二条第一項中「土地改良事業」とあるのは「独立行政法人水資源機構が行うかんがい排水に係る独立行政法人水資源機構法第十二条第一項第一号、第二号イ若しくはロ又は第三号の業務(同法第二十五条第一項に規定するかんがい特定施設に係るものを除く。)」と、同項中「組合員」とあるのは「独立行政法人水資源機構法第二十九条の規定により適用される土地改良法第三十六条第一項の規定により土地改良区が賦課徴収する金銭を負担した組合員」と読み替えるものとする。
(費用の負担又は補助)第三十条の二 機構が第十九条の二第一項の規定により特定河川工事を行う場合には、その実施に要する費用の負担及びその費用に関する国の補助については、都道府県知事等が自ら当該特定河川工事を行うものとみなす。
2 前項の規定により国が当該都道府県知事等の統括する都道府県又は指定都市に対し交付すべき負担金又は補助金は、機構に交付するものとする。 3 前項の場合には、政令で定めるところにより、機構は、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)の規定の適用については同法第二条第三項に規定する補助事業者等と、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の規定の適用については地方公共団体とみなす。 4 第一項の都道府県知事等の統括する都道府県又は指定都市は、同項の費用の額から第二項の負担金又は補助金の額を控除した額を機構に支払わなければならない。 5 第一項の費用の範囲、前項の規定による支払の方法その他同項の費用に関し必要な事項は、政令で定める。第三十条の三 機構が第十九条の四第一項の規定により特定河川工事を廃止したときは、当該特定河川工事に要した費用の負担については、機構が都道府県知事等と協議して定めるものとする。
第四節 財務及び会計
(積立金の処分)第三十一条 機構は、通則法第二十九条第二項第一号に規定する中期目標の期間(以下この項において「中期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項又は第二項の規定による整理を行った後、同条第一項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち国土交通大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間に係る通則法第三十条第一項の認可を受けた中期計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における第十二条に規定する業務の財源に充てることができる。
2 機構は、前項に規定する積立金の額のうち第十二条第一項第二号ハ及び第五号、第二項並びに第三項の業務に係る利益によるものとして国土交通省令で定める額に相当する金額から前項の規定による承認を受けた金額のうち当該業務の財源に充てるべき金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。 3 前二項に定めるもののほか、納付金の納付手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。 (長期借入金及び水資源債券)第三十二条 機構は、第十二条第一項第一号、第二号イ若しくはロ又は第三号の業務に必要な費用に充てるため、国土交通大臣の認可を受けて、長期借入金をし、又は水資源債券(以下「債券」という。)を発行することができる。
2 前項の規定による債券の債権者は、機構の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。 3 前項の先取特権の順位は、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。 4 機構は、国土交通大臣の認可を受けて、債券の発行に関する事務の全部又は一部を銀行又は信託会社に委託することができる。 5 会社法(平成十七年法律第八十六号)第七百五条第一項及び第二項並びに第七百九条の規定は、前項の規定により委託を受けた銀行又は信託会社について準用する。 6 前各項に定めるもののほか、債券に関し必要な事項は、政令で定める。 (債務保証)第三十三条 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、機構の長期借入金又は債券に係る債務(国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律(昭和二十八年法律第五十一号)第二条の規定に基づき政府が保証契約をすることができる債務を除く。)について保証することができる。
(償還計画)第三十四条 機構は、毎事業年度、長期借入金及び債券の償還計画を立てて、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
(補助金)第三十五条 政府は、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、機構に対し、第十二条第一項第一号又は第三号の業務に要する経費の一部を補助することができる。
第四章 雑則
(審査請求)第三十六条 この法律に基づく機構の処分又はその不作為に不服がある者は、主務大臣に対して審査請求をすることができる。 この場合において、主務大臣は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二十五条第二項及び第三項、第四十六条第一項及び第二項、第四十七条並びに第四十九条第三項の規定の適用については、機構の上級行政庁とみなす。
(主務大臣等)第三十七条 機構に係る通則法(第十九条第九項、第三章及び第六十四条第一項を除く。)における主務大臣は、国土交通大臣とする。
2 機構に係るこの法律並びに通則法第十九条第九項、第三章及び第六十四条第一項における主務大臣は、次のとおりとする。一 役員及び職員並びに財務及び会計その他管理業務に関する事項については、国土交通大臣
二 特定施設(特定施設である多目的ダムの利用に係る多目的用水路で政令で定めるものを含む。)の新築、改築、管理その他の業務に関する事項については、国土交通大臣
三 愛知豊川用水施設の管理その他の業務に関する事項については、農林水産大臣
四 前二号に掲げる施設以外のダム、、水路その他の水資源の開発又は利用のための施設(多目的のものを含む。)の新築、改築、管理その他の業務に関する事項(次号及び第六号に掲げるものを除く。)については、政令で定めるところにより、農林水産大臣、経済産業大臣又は国土交通大臣
五 特定河川工事に係る業務に関する事項については、国土交通大臣
六 海外調査等業務に関する事項については、国土交通大臣
3 機構に係る通則法における主務省令は、国土交通省令とする。 ただし、通則法第三章における主務省令は、主務大臣が共同で発する命令とする。 (協議)第三十八条 国土交通大臣は、次の場合には、あらかじめ、主務大臣(国土交通大臣を除く。)に協議しなければならない。
一 通則法第四十六条の二第一項、第二項若しくは第三項ただし書又は第四十八条の規定による認可をしようとするとき。
二 第三十一条第一項又は通則法第三十八条第一項若しくは第四十四条第三項の規定による承認をしようとするとき。
三 第三十一条第二項又は通則法第三十七条若しくは第五十条の規定により国土交通省令を定めようとするとき。
第三十九条 主務大臣(国土交通大臣を除く。)は、次の場合には、あらかじめ、国土交通大臣に協議しなければならない。
一 第十三条第一項若しくは第六項又は第十六条第一項若しくは第二項の規定による認可をしようとするとき。
二 通則法第三十条第三項又は第三十五条の三の規定による命令をしようとするとき。
第四十条 国土交通大臣は、次の場合には、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。
一 第三十一条第一項の規定による承認をしようとするとき。
二 第三十一条第二項の規定により国土交通省令を定めようとするとき。
三 第三十二条第一項若しくは第四項又は第三十四条の規定による認可をしようとするとき。
(国土交通大臣の経由)第四十一条 主務大臣(国土交通大臣を除く。)又は機構は、次の行為については、国土交通大臣を経てしなければならない。
一 機構の通則法第二十八条第一項若しくは第三十条第一項の規定による主務大臣への認可の申請又は主務大臣のこれらの規定による認可の機構への通知
二 主務大臣の通則法第二十九条第一項の規定による機構への指示
三 機構の通則法第三十一条第一項の規定による主務大臣への届出
四 機構の通則法第三十二条第二項の規定による主務大臣への提出
五 主務大臣の通則法第六十七条第一号又は第四号(通則法第三十条第一項に係る部分に限る。)の規定による財務大臣との協議
第四十二条 削除
(他の法令の準用)第四十三条 不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)及び政令で定めるその他の法令については、政令で定めるところにより、機構を国の行政機関とみなして、これらの法令を準用する。
(国家公務員宿舎法の適用除外)第四十四条 国家公務員宿舎法(昭和二十四年法律第百十七号)の規定は、機構の役員及び職員には適用しない。
(事務の区分)第四十五条 第二十四条第二項並びに第二十八条第一項から第三項まで及び第五項の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
第五章 罰則
第四十六条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした機構の役員は、二十万円以下の過料に処する。
一 この法律の規定により国土交通大臣又は主務大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかったとき。
二 第十二条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
附則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(水資源開発公団の解散等)
第二条 水資源開発公団(以下「公団」という。)は、機構の成立の時において解散するものとし、次項の規定により国が承継する資産を除き、その一切の権利及び義務は、その時において機構が承継する。 機構の成立の際現に公団が有する権利のうち、機構がその業務を確実に実施するために必要な資産以外の資産は、機構の成立の時において国が承継する。 前項の規定により国が承継する資産の範囲その他当該資産の国への承継に関し必要な事項は、政令で定める。 公団の平成十五年四月一日に始まる事業年度は、公団の解散の日の前日に終わるものとする。 公団の平成十五年四月一日に始まる事業年度に係る決算、財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びに利益及び損失の処理については、なお従前の例による。 この場合において、公団の決算完結の期限は、解散の日の翌日から起算して四月を経過した日とする。 第一項の規定により機構が公団の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、機構が承継する資産の価額(旧水公団法第三十八条第一項の規定により積立金として積み立てられている金額があるときは、当該金額に相当する金額を除く。)から負債の金額を差し引いた額は、政府から機構に対し出資されたものとする。 前項の資産の価額は、機構の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。 第一項の規定により機構が公団の権利及び義務を承継した場合において、その承継の際、旧水公団法第三十八条第一項の規定により積立金として積み立てられている金額があるときは、当該金額に相当する金額を、機構に属する積立金として整理するものとする。 第一項の規定により公団が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
(権利及び義務の承継に伴う経過措置)
第三条 前条第一項の規定により機構が承継する旧水公団法第三十九条第一項の長期借入金又は水資源開発債券に係る債務について旧水公団法第四十一条の規定により政府がした保証契約は、その承継後においても、当該長期借入金又は水資源開発債券に係る債務について従前の条件により存続するものとする。 前項の水資源開発債券は、第三十二条第二項及び第三項の規定の適用については、同条第一項の規定による水資源債券とみなす。
(業務の特例)
第四条 機構は、当分の間、第十二条の業務のほか、旧水公団法第十八条第一項第一号の業務(第十二条の業務に該当するものを除く。)のうち次に掲げる業務及びこれらに附帯する業務を行うことができる。 前項の規定により機構が同項に規定する業務を行う場合には、第二条第二項、第十四条第一項及び第三項並びに第十五条中「第十二条第一項第一号の」とあるのは「第十二条第一項第一号及び附則第四条第一項に規定する」と、第二条第二項中「及び」とあるのは「並びに」と、第十三条第一項及び第五項中「前条第一項第一号の」とあるのは「前条第一項第一号及び附則第四条第一項に規定する」と、第十四条第一項中「同号の」とあるのは「同号及び附則第四条第一項に規定する」と、第二十条、第三十一条第一項及び第四十六条第二号中「第十二条」とあるのは「第十二条及び附則第四条第一項」と、第二十六条第一項、第三十条、第三十二条第一項及び第三十五条中「又は第三号の」とあるのは「若しくは第三号又は附則第四条第一項に規定する」と、次条第二項中「第十二条第一項第一号に掲げる」とあるのは「第十二条第一項第一号及び前条第一項に規定する」とする。
(国の無利子貸付け等)
第五条 国は、当分の間、機構に対し、第二十一条第一項の規定により国がその費用についてその一部を交付する特定施設の新築又は改築で日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法(昭和六十二年法律第八十六号。以下「社会資本整備特別措置法」という。)第二条第一項第二号に該当するものに要する費用のうち、洪水調節に係る費用その他第二十一条第一項の政令で定める費用に充てる資金について、予算の範囲内において、同項の規定により国が交付する金額(第二十四条第一項の規定により同項に規定する者が負担する金額があるときは、当該金額を控除した金額)から第二十一条第三項の規定(この規定による都道府県の負担の割合について、この規定と異なる定めをした法令の規定がある場合には、当該異なる定めをした法令の規定を含む。)により都道府県が負担する金額を控除した金額に相当する金額を無利子で貸し付けることができる。 国は、当分の間、機構に対し、第三十五条の規定により政府がその経費について補助することができる第十二条第一項第一号に掲げる業務で社会資本整備特別措置法第二条第一項第二号に該当するものに要する費用に充てる資金について、予算の範囲内において、第三十五条の規定により政府が補助することができる金額に相当する金額を無利子で貸し付けることができる。 前二項の国の貸付金の償還期間は、五年(二年以内の据置期間を含む。)以内で政令で定める期間とする。 前項に定めるもののほか、第一項及び第二項の規定による貸付金の償還方法、償還期限の繰上げその他償還に関し必要な事項は、政令で定める。 国は、第一項の規定により機構に対し貸付けを行った場合には、当該貸付けの対象である業務に係る第二十一条第一項の規定により国が行う費用の交付は、当該貸付金に相当する金額に係る部分については、当該貸付金の償還時において、当該貸付金の償還金に相当する金額を交付することにより行うものとする。 国は、第二項の規定により機構に対し貸付けを行った場合には、当該貸付けの対象である業務について、第三十五条の規定による当該貸付金に相当する金額の補助を行うものとし、当該補助については、当該貸付金の償還時において、当該貸付金の償還金に相当する金額を交付することにより行うものとする。 機構が、第一項又は第二項の規定による貸付けを受けた無利子貸付金について、第三項及び第四項の規定に基づき定められる償還期限を繰り上げて償還を行った場合(政令で定める場合を除く。)における前二項の規定の適用については、当該償還は、当該償還期限の到来時に行われたものとみなす。
(水資源開発公団法の廃止)
第六条 水資源開発公団法は、廃止する。
(水資源開発公団法の廃止に伴う経過措置)
第七条 旧水公団法(第九条を除く。)の規定によりした処分、手続その他の行為は、通則法又はこの法律中の相当する規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。
第八条 附則第六条の規定の施行前に国が貸付けを行った旧水公団法附則第九条第一項又は第十条第一項若しくは第二項の規定による貸付金の償還及び償還金に相当する金額の交付については、なお従前の例による。 この場合において、同条第七項中「公団」とあるのは、「独立行政法人水資源機構」とする。
第九条 旧愛知公団法第二十一条第十一項(旧愛知公団法第二十二条第三項において準用する場合を含む。)の規定による告示のあった施設管理規程は、附則第六条の規定の施行の時において、第十六条第二項の規定による認可を受けた施設管理規程となったものとみなす。
第十条 愛知豊川用水施設を利用して流水を発電、水道又は工業用水道の用に供する者に係る愛知豊川用水施設の管理に要する費用の負担については、愛知用水公団との契約により愛知豊川用水施設の管理に要する費用を負担することとなっている場合においては、第二十五条第三項の規定にかかわらず、当該契約によるものとする。
第十一条 愛知用水公団が旧愛知公団法第十八条第一項第一号イ及びロ、第二号並びに第三号の事業を行った場合における有益費の償還、地代等の増額請求及び農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)の適用については、なお従前の例による。
第十二条 愛知用水公団の役員又は職員として在職した者については、旧愛知公団法第四十八条及び第四十九条の規定は、附則第六条の規定の施行後も、なおその効力を有する。 この場合において、旧愛知公団法第四十九条中「公団は」とあるのは、「独立行政法人水資源機構は」とする。
第十三条 附則第六条の規定の施行前にした行為及び附則第二条第五項の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第十四条 附則第二条から第五条まで及び第七条から前条までに規定するもののほか、機構の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則(平成一六年六月一八日法律第一二四号)
(施行期日)
第一条 この法律は、新不動産登記法の施行の日から施行する。
附則(平成一六年六月一八日法律第一二六号)
(施行期日)
第一条 この法律は、協定の効力発生の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
附則(平成一六年六月一八日法律第一二七号)
(施行期日)
第一条 この法律は、協定の効力発生の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
附則(平成一六年六月二三日法律第一三〇号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十六年十月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則(平成一六年六月二三日法律第一三五号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則(平成一七年七月二六日法律第八七号)
この法律は、会社法の施行の日から施行する。附則(平成一九年三月三一日法律第二三号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十九年四月一日から施行し、平成十九年度の予算から適用する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行し、第二条第一項第四号、第十六号及び第十七号、第二章第四節、第十六節及び第十七節並びに附則第四十九条から第六十五条までの規定は、平成二十年度の予算から適用する。
(罰則に関する経過措置)
第三百九十一条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第三百九十二条 附則第二条から第六十五条まで、第六十七条から第二百五十九条まで及び第三百八十二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要となる経過措置は、政令で定める。
附則(平成二二年五月二八日法律第三七号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。
(罰則の適用に関する経過措置)
第三十四条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第三十五条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則(平成二三年八月三〇日法律第一〇五号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則(平成二六年六月一三日法律第六七号)
(施行期日)
第一条 この法律は、独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成二十六年法律第六十六号。以下「通則法改正法」という。)の施行の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(処分等の効力)
第二十八条 この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為であってこの法律による改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において「新法令」という。)に相当の規定があるものは、法律(これに基づく政令を含む。)に別段の定めのあるものを除き、新法令の相当の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第二十九条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令等への委任)
第三十条 附則第三条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令(人事院の所掌する事項については、人事院規則)で定める。
附則(平成二六年六月一三日法律第六九号)
(施行期日)
第一条 この法律は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)の施行の日から施行する。
(経過措置の原則)
第五条 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの法律の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。
(訴訟に関する経過措置)
第六条 この法律による改正前の法律の規定により不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ訴えを提起できないこととされる事項であって、当該不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したもの(当該不服申立てが他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ提起できないとされる場合にあっては、当該他の不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したものを含む。)の訴えの提起については、なお従前の例による。 この法律の規定による改正前の法律の規定(前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。)により異議申立てが提起された処分その他の行為であって、この法律の規定による改正後の法律の規定により審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができないこととされるものの取消しの訴えの提起については、なお従前の例による。 不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為の取消しの訴えであって、この法律の施行前に提起されたものについては、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第九条 この法律の施行前にした行為並びに附則第五条及び前二条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第十条 附則第五条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則(平成二九年五月一九日法律第三一号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
第二条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第三条 前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則(平成二九年五月二六日法律第三九号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、第一条並びに次条及び附則第六条から第八条までの規定は、公布の日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
第七条 この法律(附則第一条ただし書に規定する規定については、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第八条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則(平成三〇年六月一日法律第四〇号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則(平成三〇年六月八日法律第四三号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成三十一年四月一日から施行する。
附則(令和五年五月二六日法律第三六号)
(施行期日)
第一条 この法律は、令和六年四月一日から施行する。 ただし、附則第六条の規定は、公布の日から施行する。
(処分等に関する経過措置)
第二条 この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条及び次条において「旧法令」という。)の規定により従前の国の機関がした許可、認可、指定その他の処分又は通知その他の行為は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、この法律による改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条及び次条において「新法令」という。)の相当規定により相当の国の機関がした許可、認可、指定その他の処分又は通知その他の行為とみなす。 この法律の施行の際現に旧法令の規定により従前の国の機関に対してされている申請、届出その他の行為は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、新法令の相当規定により相当の国の機関に対してされた申請、届出その他の行為とみなす。 この法律の施行前に旧法令の規定により従前の国の機関に対して申請、届出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前に従前の国の機関に対してその手続がされていないものについては、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、これを、新法令の相当規定により相当の国の機関に対してその手続がされていないものとみなして、新法令の規定を適用する。
(命令の効力に関する経過措置)
第三条 旧法令の規定により発せられた国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第十二条第一項の省令は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、新法令の相当規定に基づいて発せられた相当の内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第七条第三項の内閣府令又は国家行政組織法第十二条第一項の省令としての効力を有するものとする。
(罰則の適用に関する経過措置)
第五条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第六条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。