第一条 国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下「研究所」という。)に係る独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)第八条第三項に規定する主務省令で定める重要な財産は、その保有する財産であって、その通則法第四十六条の二第一項又は第二項の認可に係る申請の日(各項ただし書の場合にあっては、当該財産の処分に関する計画を定めた通則法第三十五条の五第一項の中長期計画の認可に係る申請の日。以下この条において同じ。)における帳簿価額(現金及び預金にあっては、申請の日におけるその額)が五十万円以上のもの(その性質上通則法第四十六条の二の規定により処分することが不適当なものを除く。)その他経済産業大臣が定める財産とする。
(監査報告の作成)第二条 研究所に係る通則法第十九条第四項の規定により主務省令で定める事項については、この条の定めるところによる。
2 監事は、その職務を適切に遂行するため、次に掲げる者との意思疎通を図り、情報の収集及び監査の環境の整備に努めなければならない。一 研究所の役員及び職員
二 研究所の子法人(通則法第十九条第七項に規定する子法人をいう。以下同じ。)の取締役、会計参与、執行役、業務を執行する社員、会社法(平成十七年法律第八十六号)第五百九十八条第一項の職務を行うべき者その他これらの者に相当する者及び使用人
三 その他監事が適切に職務を遂行するに当たり意思疎通を図るべき者
3 前項の規定は、監事が公正不偏の態度及び独立の立場を保持することができなくなるおそれのある関係の創設及び維持を認めるものと解してはならない。 4 監事は、その職務の遂行に当たり、必要に応じ、研究所の他の監事、研究所の子法人の監査役その他これらの者に相当する者との意思疎通及び情報の交換を図るよう努めなければならない。 5 監査報告には、次に掲げる事項を記載しなければならない。一 監事の監査の方法及びその内容
二 研究所の業務が、法令等に従って適正に実施されているかどうか及び中長期目標の着実な達成に向け効果的かつ効率的に実施されているかどうかについての意見
三 研究所の役員の職務の執行が法令等に適合することを確保するための体制その他研究所の業務の適正を確保するための体制の整備及び運用についての意見
四 研究所の役員の職務の遂行に関し、不正の行為又は法令等に違反する重大な事実があったときは、その事実
五 監査のため必要な調査ができなかったときは、その旨及びその理由
六 監査報告を作成した日
(監事の調査の対象となる書類)第三条 研究所に係る通則法第十九条第六項第二号に規定する主務省令で定める書類は、国立研究開発法人産業技術総合研究所法(平成十一年法律第二百三号。以下「研究所法」という。)の規定に基づき経済産業大臣に提出する書類とする。
(業務方法書の記載事項)第四条 研究所に係る通則法第二十八条第二項の主務省令で定める業務方法書に記載すべき事項は、次のとおりとする。
一 研究所法第十一条第一項第一号に規定する鉱工業の科学技術に関する研究及び開発並びにこれらに関連する業務に関する事項
二 研究所法第十一条第一項第二号に規定する地質の調査に関する事項
三 研究所法第十一条第一項第三号に規定する計量の標準を設定すること、計量器の検定、検査、研究及び開発並びにこれらに関連する業務並びに計量に関する教習に関する事項
四 研究所法第十一条第一項第四号に規定する同項第一号から第三号までの業務に係る技術指導及び成果の普及に関する事項
五 研究所法第十一条第一項第五号に規定する技術経営力の強化に寄与する人材の養成、資質の向上及び活用の促進に関する事項
六 研究所法第十一条第一項第六号に規定する出資並びに人的及び技術的援助に関する事項
七 研究所法第十一条第二項に規定する立入検査に関する事項
八 研究所法第十一条第三項に規定する業務に関する事項
九 業務委託の基準
十 競争入札その他契約に関する基本的事項
十一 その他研究所の業務の執行に関して必要な事項
(中長期計画の認可申請)第五条 研究所は、通則法第三十五条の五第一項の規定により中長期計画の認可を受けようとするときは、中長期計画を記載した申請書を、当該中長期計画の最初の事業年度開始の日の三十日前までに(研究所の最初の事業年度の属する中長期計画については、研究所の成立後遅滞なく)、経済産業大臣に提出しなければならない。
2 研究所は、通則法第三十五条の五第一項後段の規定により中長期計画の変更の認可を受けようとするときは、変更しようとする事項及びその理由を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。 (中長期計画に定める業務運営に関する事項)第六条 研究所に係る通則法第三十五条の五第二項第八号に規定する主務省令で定める業務運営に関する事項は、次のとおりとする。
一 施設及び設備に関する計画
二 人事に関する計画(人員及び人件費の効率化に関する目標を含む。)
三 積立金の処分に関する事項
(業務実績等報告書)第七条 研究所に係る通則法第三十五条の六第三項の報告書には、当該報告書が次の表の上欄に掲げる報告書のいずれに該当するかに応じ、同表の下欄に掲げる事項を記載しなければならない。
2 研究所は、前項に規定する報告書を経済産業大臣に提出したときは、速やかに、当該報告書をインターネットの利用その他の適切な方法により公表するものとする。 (最初の国立研究開発法人の長の任期の終了時における業務実績等報告書)第八条 研究所に係る通則法第三十五条の六第四項の報告書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 通則法第三十五条第二項に規定する最初の国立研究開発法人の長の任命の日を含む事業年度から当該長の任期の末日を含む事業年度の事業年度末までの期間(以下この条において単に「期間」という。)における業務の実績。 イ 当該期間における中長期計画及び年度計画の実施状況
ロ 当該期間における業務運営の状況
ハ 当該業務の実績に係る指標がある場合には、当該指標及び当該期間における毎年度の当該指標の数値
ニ 当該期間における毎年度の当該業務の実績に係る財務情報及び人員に関する情報
二 前号に掲げる業務の実績について研究所が評価を行った結果。 イ 中長期目標に定めた項目ごとの評定及び当該評定を付した理由
ロ 業務運営上の課題が検出された場合には、当該課題及び当該課題に対する改善方策
ハ 過去の報告書に記載された改善方策のうちその実施が完了した旨の記載がないものがある場合には、その実施状況
第九条 研究所に係る年度計画には、中長期計画に定めた事項に関し、当該事業年度において実施すべき事項を記載しなければならない。
2 研究所は、通則法第三十五条の八の規定により読み替えて準用する通則法第三十一条第一項後段の規定により年度計画の変更をしたときは、変更した事項及びその理由を記載した届出書を経済産業大臣に提出しなければならない。 (会計の原則)第十条 通則法第三十七条の規定により定める研究所の会計は、この省令の定めるところによるものとし、この省令に定めのないものについては、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うものとする。
2 金融庁組織令(平成十年政令第三百九十二号)第二十四条第一項に規定する企業会計審議会により公表された企業会計の基準は、前項に規定する一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に該当するものとする。 3 平成十一年四月二十七日の中央省庁等改革推進本部決定に基づき行われた独立行政法人の会計に関する研究の成果として公表された基準(以下「独立行政法人会計基準」という。)は、この省令に準ずるものとして、第一項に規定する一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に優先して適用されるものとする。 (会計処理)第十一条 経済産業大臣は、研究所が業務のため取得しようとしている償却資産についてその減価に対応すべき収益の獲得が予定されないと認められる場合には、その取得までの間に限り、当該償却資産を指定することができる。
2 前項の指定を受けた資産の減価償却については、減価償却費は計上せず、資産の減価額と同額を資本剰余金に対する控除として計上するものとする。 (対応する収益の獲得が予定されない資産除去債務に係る除去費用等)第十二条 経済産業大臣は、研究所が業務のため保有し又は取得しようとしている有形固定資産に係る資産除去債務に対応する除去費用に係る費用配分額及び時の経過による資産除去債務の調整額(以下この条において「除去費用等」という。)についてその除去費用等に対応すべき収益の獲得が予定されていないと認められる場合には、当該除去費用等を指定することができる。
(譲渡差額を損益計算上の損益に計算しない譲渡取引)第十三条 経済産業大臣は、研究所が通則法第四十六条の二第二項の規定に基づいて行う不要財産の譲渡取引についてその譲渡差額を損益計算上の損益に計上しないことが必要と認められる場合には、当該譲渡取引を指定することができる。
(財務諸表)第十四条 研究所に係る通則法第三十八条第一項に規定する主務省令で定める書類は、独立行政法人会計基準に定める行政コスト計算書、純資産変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書並びに連結貸借対照表、連結損益計算書、連結純資産変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及び連結附属明細書とする。
(事業報告書の作成)第十五条 研究所に係る通則法第三十八条第二項の規定により主務省令で定める事項については、この条の定めるところによる。
2 事業報告書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。一 研究所の目的及び業務内容
二 国の政策における研究所の位置付け及び役割
三 中長期目標の概要
四 理事長の理念並びに運営上の方針及び戦略
五 中長期計画及び年度計画の概要
六 持続的に適正なサービスを提供するための源泉
七 業務運営上の課題及びリスクの状況並びにその対応策
八 業績の適正な評価に資する情報
九 業務の成果及び当該業務に要した資源
十 予算及び決算の概要
十一 財務諸表の要約
十二 財政状態及び運営状況の理事長による説明
十三 内部統制の運用状況
十四 研究所に関する基礎的な情報
(財務諸表の閲覧期間)第十六条 研究所に係る通則法第三十八条第三項に規定する主務省令で定める期間は、五年とする。
(通則法第三十八条第四項の主務省令で定める書類)第十七条 研究所に係る通則法第三十八条第四項の主務省令で定める書類は、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結純資産変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及び連結附属明細書とする。
(会計監査報告の作成)第十八条 通則法第三十九条第一項の規定により主務省令で定める事項については、この条の定めるところによる。
2 会計監査人は、その職務を適切に遂行するため、次に掲げる者との意思疎通を図り、情報の収集及び監査の環境の整備に努めなければならない。一 研究所の役員(監事を除く。)及び職員
二 研究所の子法人の取締役、会計参与、執行役、業務を執行する社員、会社法第五百九十八条第一項の職務を行うべき者その他これらの者に相当する者及び使用人
三 その他会計監査人が適切に職務を遂行するに当たり意思疎通を図るべき者
3 会計監査人は、通則法第三十八条第一項に規定する財務諸表並びに同条第二項に規定する事業報告書及び決算報告書を受領したときは、次に掲げる事項を内容とする会計監査報告を作成しなければならない。一 会計監査人の監査の方法及びその内容
二 財務諸表(利益の処分又は損失の処理に関する書類を除く。以下この号及び第四項において同じ。)が研究所の財政状態、運営状況、キャッシュ・フローの状況等をすべての重要な点において適正に表示しているかどうかについての意見があるときは、次のイからハまでに掲げる意見の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項 イ
ロ
ハ
三 前号の意見がないときは、その旨及びその理由
四 第二号の意見があるときは、事業報告書(会計に関する部分を除く。)の内容と通則法第三十九条第一項に規定する財務諸表、事業報告書(会計に関する部分に限る。)及び決算報告書の内容又は会計監査人が監査の過程で得た知識との間の重要な相違等について、報告すべき事項の有無及び報告すべき事項があるときはその内容
五 追記情報
六 前各号に掲げるもののほか、利益の処分又は損失の処理に関する書類、事業報告書(会計に関する部分に限る。)及び決算報告書に関して必要な報告
七 会計監査報告を作成した日
4 前項第五号に規定する「追記情報」とは、次に掲げる事項その他の事項のうち、会計監査人の判断に関して説明を付す必要がある事項又は財務諸表の内容のうち強調する必要がある事項とする。一 会計方針の変更
二 重要な偶発事象
三 重要な後発事象
(短期借入金の認可申請)第十九条 研究所は、通則法第四十五条第一項ただし書の規定により短期借入金の認可を受けようとするとき、又は同条第二項ただし書の規定により短期借入金の借換えの認可を受けようとするときは、次に掲げる事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。
一 借入れを必要とする理由
二 借入金の額
三 借入先
四 借入金の利率
五 借入金の償還の方法及び期限
六 利息の支払の方法及び期限
七 その他必要な事項
(通則法第四十八条に規定する主務省令で定める重要な財産)第二十条 研究所に係る通則法第四十八条に規定する主務省令で定める重要な財産は、土地及び建物とする。
(通則法第四十八条に規定する主務省令で定める重要な財産の処分等の認可の申請)第二十一条 研究所は、通則法第四十八条の規定により重要な財産を譲渡し、又は担保に供すること(以下この条において「処分等」という。)について認可を受けようとするときは、次に掲げる事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。
一 処分等に係る財産の内容及び評価額
二 処分等の条件
三 処分等の方法
四 研究所の業務運営上支障がない旨及びその理由
(積立金の処分に係る申請書類)第二十二条 独立行政法人の組織、運営及び管理に係る共通的な事項に関する政令(平成十二年政令第三百十六号)第二十一条第三項において準用する同条第二項に規定する経済産業省令で定める書類は、同条第三項において準用する同条第一項に規定する期間最後の事業年度の事業年度末の貸借対照表及び当該事業年度の損益計算書とする。
(内部組織)第二十三条 研究所に係る通則法第五十条の十一において準用する通則法第五十条の六第一号に規定する離職前五年間に在職していた研究所の内部組織として主務省令で定めるものは、現に存する理事長の直近下位の内部組織として主務大臣が定めるもの(次項において「現内部組織」という。)であって再就職者(離職後二年を経過した者を除く。次項において同じ。)が離職前五年間に在職していたものとする。
2 直近七年間に存し、又は存していた理事長の直近下位の内部組織(独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成二十六年法律第六十六号。以下「改正法」という。)の施行の日以後のものに限る。)として主務大臣が定めるものであって再就職者が離職前五年間に在職していたものが行っていた業務を現内部組織(当該内部組織が現内部組織である場合にあっては他の現内部組織)が行っている場合における前項の規定の適用については、当該再就職者が離職前五年間に当該現内部組織に在職していたものとみなす。 (管理又は監督の地位)第二十四条 研究所に係る通則法第五十条の十一において準用する通則法第五十条の六第二号に規定する管理又は監督の地位として主務省令で定めるものは、職員の退職管理に関する政令(平成二十年政令第三百八十九号)第二十七条第六号に規定する職員が就いている官職に相当するものとして主務大臣が定めるものとする。
附則
(施行期日)
第一条 この省令は、公布の日から施行する。
(経過措置)
第二条 研究所の成立の際研究所法附則第五条第二項の規定により政府から出資があったものとされる同項の財産のうち建物及び工作物については、第十一条第一項の指定を受けたものとみなして、同条第二項の規定を適用する。
(評価に関する庶務)
第三条 研究所法附則第五条第三項及び第六条第二項の規定による評価に関する庶務は、経済産業省産業技術環境局技術振興課において処理する。
附則(平成一九年八月三日経済産業省令第五〇号)
この省令は、産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律の施行の日(平成十九年八月六日)から施行する。附則(平成二二年一一月二六日経済産業省令第五九号)
この省令は、独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行の日(平成二十二年十一月二十七日)から施行する。附則(平成二六年三月一〇日経済産業省令第一〇号)
この省令は、研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律及び大学の教員等の任期に関する法律の一部を改正する法律附則第一条ただし書に掲げる規定の施行の日(平成二十六年四月一日)から施行する。附則(平成二七年三月三一日経済産業省令第二五号)
(施行期日)
第一条 この省令は、改正法及び独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律(平成二十六年法律第六十七号)の施行の日(平成二十七年四月一日)から施行する。
(中長期計画の認可申請に係る経過措置)
第二条 この省令の施行日を含む事業年度を最初の事業年度とする中長期計画に係るこの省令による改正後の国立研究開発法人産業技術総合研究所の業務運営、財務及び会計並びに人事管理に関する省令(平成十三年経済産業省令第百八号。以下「新令」という。)第五条の規定の適用については、「当該中長期計画の最初の事業年度開始の日の三十日前までに」とあるのは「平成二十七年四月一日以後最初の中長期目標の指示を受けた後遅滞なく」とする。
(業務実績等報告書に係る経過措置)
第三条 改正法附則第十一条第二項の規定により改正法の施行日の前日に終了した事業年度及び中期目標の期間に係る業務の実績に関する評価を行う場合における新令第七条第一項の規定の適用については、同条の表中「中長期目標」とあるのは「中期目標」と、「中長期計画」とあるのは「中期計画」と、「通則法第三十五条の四第二項第二号に」とあるのは「独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成二十六年法律第六十六号)による改正前の通則法(以下この表において「旧通則法」という。)第二十九条第二項第三号に」と、「同項第三号から第五号」とあるのは「同項第二号、第四号及び第五号」と、「通則法第三十五条の四第二項第二号から第五号」とあるのは「旧通則法第二十九条第二項第二号から第五号」と読み替えるものとする。
(事業報告書の作成に係る経過措置)
第四条 新令第十五条第三項の規定は、改正法の施行の日(平成二十七年四月一日)以後に開始する事業年度に係る事業報告書から適用する。