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昭和五十五年法律第四十号
船舶のトン数の測度に関する法律

施行日:

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(趣旨)

第一条 この法律は、千九百六十九年の船舶のトン数の測度に関する国際条約(以下「条約」という。)を実施するとともに、海事に関する制度の適正な運営を確保するため、船舶のトン数の測度及び国際トン数証書の交付に関し必要な事項を定めるものとする。

(他の法令との関係)

第二条 船舶のトン数の測度の基準については、他の法律又はこれに基づく命令に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。

(定義)

第三条 この法律において「閉囲場所」とは、外板、仕切り(可動式のものを含む。)若しくは隔壁又は甲板若しくは覆い(天幕を除く。)により閉囲されている船舶内のすべての場所をいう。

2 この法律において「上甲板」とは、外気に面したすべての開口に風雨密閉鎖装置を備えることその他の国土交通省令で定める基準に適合する甲板のうち最上層のものをいう。

3 この法律において「貨物積載場所」とは、貨物の運送の用に供される閉囲場所内の場所をいう。

4 この法律において「基準喫水線」とは、船舶安全法(昭和八年法律第十一号)第三条に規定する満載喫水線その他これに相当する喫水線のうち国土交通省令で定めるものをいう。

5 この法律において「国際トン数証書」とは、次条第一項の国際総トン数及び第六条第一項の純トン数を記載した証書であつて、この法律の規定に基づき国際航海に従事する長さ二十四メートル以上の日本船舶について交付されるものをいう。

(国際総トン数)

第四条 国際総トン数は、条約及び条約の附属書の規定に従い、主として国際航海に従事する船舶について、その大きさを表すための指標として用いられる指標とする。

2 前項の国際総トン数は、閉囲場所の合計容積を立方メートルで表した数値から除外場所(開口を有する閉囲場所内の場所であつて、当該開口の位置、形態又は大きさが国土交通省令で定める基準に該当する場所をいう。以下同じ。)の合計容積を立方メートルで表した数値を控除して得た数値に、当該数値を基準として国土交通省令で定める係数を乗じて得た数値にトンを付して表すものとする。

(総トン数)

第五条 総トン数は、我が国における海事に関する制度において、船舶の大きさを表すための主たる指標として用いられる指標とする。

2 前項の総トン数は、前条第二項の規定の例により算定した数値に、当該数値を基準として国土交通省令で定める係数を乗じて得た数値にトンを付して表すものとする。

3 二層以上の甲板を備える船舶であつて国土交通省令で定めるものについて前項の規定により総トン数の数値を算定する場合においては、同項中「当該数値を基準として国土交通省令で定める係数」とあるのは、「当該数値並びに上甲板及び上甲板から第二層にある甲板の位置を基準として国土交通省令で定める係数」とする。

(純トン数)

第六条 純トン数は、旅客又は貨物の運送の用に供する場所とされる船舶内の場所の大きさを表すための指標として用いられる指標とする。

2 前項の純トン数は、次に掲げる数値を合算した数値(旅客定員が十三人未満の船舶については、第一号に掲げる数値)にトンを付して表すものとする。

貨物積載場所の合計容積を立方メートルで表した数値から当該貨物積載場所に含まれる除外場所の合計容積を立方メートルで表した数値を控除して得た数値に、当該数値並びに上甲板及び基準喫水線の位置を基準として国土交通省令で定める係数を乗じて得た数値(その数値が国際総トン数の数値の百分の二十五に満たないときは、当該国際総トン数の数値の百分の二十五に相当する数値)

旅客定員の数及び国際総トン数の数値を基準として国土交通省令で定めるところにより算定した数値

3 基準喫水線の位置又は旅客定員の数につき国土交通省令で定める軽微な変更が行われた場合における純トン数の数値については、国土交通省令で、前項に規定する数値の算定の特例を定めることができる。

4 前二項の規定により算定した数値が国際総トン数の数値の百分の三十に満たない場合における純トン数の数値は、これらの規定にかかわらず、当該国際総トン数の数値の百分の三十に相当する数値とする。

(載貨重量トン数)

第七条 載貨重量トン数は、船舶の航行の安全を確保することができる限度内における貨物等の最大積載量を表すための指標として用いられる指標とする。

2 前項の載貨重量トン数は、人又は貨物その他国土交通省令で定める物を積載しないものとした場合の船舶の排水量と、比重一・〇二五の水面において基準喫水線に至るまで人又は物を積載するものとした場合の当該船舶の排水量との差をトン(計量法(平成四年法律第五十一号)別表第一の質量の項に掲げるトンをいう。)により表すものとする。

(国際トン数証書等)

第八条 長さ二十四メートル以上の日本船舶の船舶所有者(当該船舶が共有されているときは船舶管理人、当該船舶が貸し渡されているときは船舶借入人。以下同じ。)は、国土交通大臣から国際トン数証書の交付を受け、これを船舶内に備え置かなければ、当該船舶を国際航海に従事させてはならない。

2 国土交通大臣は、前項の船舶について国際トン数証書の交付の申請があつたときは、当該船舶について国際総トン数及び純トン数の測度を行つた後、国際トン数証書を交付するものとする。

3 船舶所有者は、国際トン数証書の記載事項について変更があつたときは、その変更があつた日から二週間以内に、国土交通大臣に対し、その書換えを申請しなければならない。

4 第二項の規定は、前項に規定する記載事項の変更が国際総トン数又は純トン数の変更である場合について準用する。

5 船舶所有者は、国際トン数証書が滅失し、若しくは損傷し、又はその識別が困難となつたときは、国土交通大臣に対し、その再交付を申請することができる。

6 船舶所有者は、次に掲げる場合には、その事実を知つた日から二週間以内に、国際トン数証書を国土交通大臣に返還しなければならない。

船舶が滅失し、沈没し、又は解撤されたとき。

船舶が日本の国籍を喪失したとき。

船舶の存否が三箇月間不明になつたとき。

船舶が国際航海に従事する船舶でなくなつたとき。

船舶が長さ二十四メートル以上の船舶でなくなつたとき。

7 長さ二十四メートル未満の日本船舶の船舶所有者は、当該船舶を国際航海に従事させようとするときは、国土交通大臣から国際総トン数及び純トン数を記載した書面(以下「国際トン数確認書」という。)の交付を受けることができる。

8 第二項から第六項までの規定は、国際トン数確認書について準用する。

(外国における事務)

第九条 前条に規定する事務は、外国にあつては、日本の領事官が行う。

2 行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)に定めるもののほか、領事官の行う前項の事務に係る処分又はその不作為についての審査請求に関して必要な事項は、政令で定める。

(手数料)

第十条 国際トン数証書又は国際トン数確認書の交付、書換え又は再交付を申請しようとする者(国及び独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人であつて当該独立行政法人の業務の内容その他の事情を勘案して政令で定めるものに限る。)を除く。)は、実費を勘案して国土交通省令で定める額の手数料を国に納めなければならない。

(国土交通省令への委任)

第十一条 閉囲場所、貨物積載場所及び除外場所の容積並びに排水量の算定方法その他船舶のトン数の測度に関し必要な事項並びに国際トン数証書及び国際トン数確認書の記載事項並びにこれらの交付、書換え、再交付及び返還に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。

(立入検査)

第十二条 国土交通大臣は、この法律及び条約を実施するため必要な限度において、その職員に、船舶に立ち入り、国際トン数証書(条約の締約国である外国が条約の規定に基づいて交付した国際トン数証書に相当する書面を含む。)、国際トン数確認書その他の物件を検査させることができる。

2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者にこれを提示しなければならない。

3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(権限の委任)

第十三条 この法律の規定により国土交通大臣の権限に属する事項は、国土交通省令で定めるところにより、地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)に行わせることができる。

2 地方運輸局長は、国土交通省令で定めるところにより、前項の規定によりその権限に属させられた事項を運輸支局長又は地方運輸局、運輸監理部若しくは運輸支局の事務所の長に行わせることができる。

(罰則)

第十四条 第八条第一項の規定に違反した船舶所有者は、十万円以下の罰金に処する。

第十五条 次の各号の一に該当する者は、五万円以下の罰金に処する。

第八条第三項又は第六項(これらの規定を同条第八項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

第十二条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

第十六条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の刑を科する。

附則

(施行期日)
第一条 この法律は、条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。

(船舶積量測度法の廃止等)
第二条 船舶積量測度法(大正三年法律第三十四号。以下「旧測度法」という。)は、廃止する。

(経過措置)
第三条 この法律の施行前に建造され、又は建造に着手された日本船舶(以下「現存船」という。)に係る総トン数の測度の基準については、第五条の規定にかかわらず、なお従前の例による。 ただし、この法律の施行後に国土交通省令で定める修繕(以下「特定修繕」という。)が行われた現存船については、この法律の施行後最初に行われる特定修繕に伴う次条の規定による改正後の船舶法(明治三十二年法律第四十六号。以下「新船舶法」という。)及びこれに基づく命令の規定による改測又は測度(これらに相当する処分を含む。)を受ける日(以下「当初改測日」という。)以後は、この限りでない。 現存船に係る純トン数の測度の基準については、第六条の規定にかかわらず、なお従前の例による。 ただし、次の各号に掲げる現存船については、それぞれ当該各号に定める日以後は、この限りでない。 長さ二十四メートル以上の現存船については、この法律の施行後、条約第十七条(1)の規定により条約が効力を生ずる日から起算して十二年を経過する日(その日前に特定修繕が行われた船舶については、当初改測日)までの間(次項において「猶予期間」という。)は、第八条第一項の規定は、適用しない。 前項の規定にかかわらず、同項の船舶の船舶所有者は、猶予期間内においても、国際トン数証書の交付を受けることができる。

(罰則に関する経過措置)
第十三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附則(昭和五五年一一月一九日法律第八五号)

(施行期日)
第一条 この法律は、昭和五十六年四月一日から施行する。

(経過措置)
第二十条 この法律の施行前にしたこの法律による改正に係る国の機関の法律若しくはこれに基づく命令の規定による許可、認可その他の処分又は契約その他の行為(以下この条において「処分等」という。)は、政令で定めるところにより、この法律による改正後のそれぞれの法律若しくはこれに基づく命令の規定により又はこれらの規定に基づく所掌事務の区分に応じ、相当の国の機関のした処分等とみなす。

第二十一条 この法律の施行前にこの法律による改正に係る国の機関に対してした申請、届出その他の行為(以下この条において「申請等」という。)は、政令で定めるところにより、この法律による改正後のそれぞれの法律若しくはこれに基づく命令の規定により又はこれらの規定に基づく所掌事務の区分に応じ、相当の国の機関に対してした申請等とみなす。

附則(昭和五七年五月二一日法律第五四号)

この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(昭和五九年五月八日法律第二五号)

(施行期日)
第一条 この法律は、昭和五十九年七月一日から施行する。

(経過措置)
第二十三条 この法律の施行前に海運局長、海運監理部長、海運局若しくは海運監理部の支局その他の地方機関の長(以下「支局長等」という。)又は陸運局長が法律若しくはこれに基づく命令の規定によりした許可、認可その他の処分又は契約その他の行為(以下この条において「処分等」という。)は、政令(支局長等がした処分等にあつては、運輸省令)で定めるところにより、この法律による改正後のそれぞれの法律若しくはこれに基づく命令の規定により相当の地方運輸局長、海運監理部長又は地方運輸局若しくは海運監理部の海運支局その他の地方機関の長(以下「海運支局長等」という。)がした処分等とみなす。

第二十四条 この法律の施行前に海運局長、海運監理部長、支局長等又は陸運局長に対してした申請、届出その他の行為(以下この条において「申請等」という。)は、政令(支局長等に対してした申請等にあつては、運輸省令)で定めるところにより、この法律による改正後のそれぞれの法律若しくはこれに基づく命令の規定により相当の地方運輸局長、海運監理部長又は海運支局長等に対してした申請等とみなす。

第二十五条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附則(平成四年五月二〇日法律第五一号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(平成六年六月二九日法律第五三号)

(施行期日)
第一条 この法律の規定は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める日から施行する。

附則(平成一一年一二月二二日法律第一六〇号)

(施行期日)
第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

附則(平成一一年一二月二二日法律第二二〇号)

(施行期日)
第一条 この法律(第一条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。

(政令への委任)
第四条 前二条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。

附則(平成一四年五月三一日法律第五四号)

(施行期日)
第一条 この法律は、平成十四年七月一日から施行する。

(経過措置)
第二十八条 この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律若しくはこれに基づく命令(以下「旧法令」という。)の規定により海運監理部長、陸運支局長、海運支局長又は陸運支局の事務所の長(以下「海運監理部長等」という。)がした許可、認可その他の処分又は契約その他の行為(以下「処分等」という。)は、国土交通省令で定めるところにより、この法律による改正後のそれぞれの法律若しくはこれに基づく命令(以下「新法令」という。)の規定により相当の運輸監理部長、運輸支局長又は地方運輸局、運輸監理部若しくは運輸支局の事務所の長(以下「運輸監理部長等」という。)がした処分等とみなす。

第二十九条 この法律の施行前に旧法令の規定により海運監理部長等に対してした申請、届出その他の行為(以下「申請等」という。)は、国土交通省令で定めるところにより、新法令の規定により相当の運輸監理部長等に対してした申請等とみなす。

第三十条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附則(平成二六年六月一三日法律第六九号)

(施行期日)
第一条 この法律は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)の施行の日から施行する。

(経過措置の原則)
第五条 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの法律の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。

(訴訟に関する経過措置)
第六条 この法律による改正前の法律の規定により不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ訴えを提起できないこととされる事項であって、当該不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したもの(当該不服申立てが他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ提起できないとされる場合にあっては、当該他の不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したものを含む。)の訴えの提起については、なお従前の例による。 この法律の規定による改正前の法律の規定(前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。)により異議申立てが提起された処分その他の行為であって、この法律の規定による改正後の法律の規定により審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができないこととされるものの取消しの訴えの提起については、なお従前の例による。 不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為の取消しの訴えであって、この法律の施行前に提起されたものについては、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)
第九条 この法律の施行前にした行為並びに附則第五条及び前二条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第十条 附則第五条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。