第一章 総則
(目的)第一条 この法律は、近畿圏の整備に関する総合的な計画を策定し、その実施を推進することにより、首都圏と並ぶわが国の経済、文化等の中心としてふさわしい近畿圏の建設とその秩序ある発展を図ることを目的とする。
(定義)第二条 この法律で「近畿圏」とは、福井県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県及び和歌山県の区域(政令で定める区域を除く。)を一体とした広域をいう。
2 この法律で「近畿圏整備計画」とは、近畿圏の建設とその秩序ある発展を図るため必要な近畿圏の整備及び開発に関する計画をいう。 3 この法律で「既成都市区域」とは、大阪市、神戸市及び京都市の区域並びにこれらと連接する都市の区域のうち、産業及び人口の過度の集中を防止し、かつ、都市の機能の維持及び増進を図る必要がある市街地の区域で、政令で定めるものをいう。 4 この法律で「近郊整備区域」とは、既成都市区域の近郊で、第十一条第一項の規定により指定された区域をいう。 5 この法律で「都市開発区域」とは、既成都市区域及び近郊整備区域以外の近畿圏の地域のうち第十二条第一項の規定により指定された区域をいう。 6 この法律で「保全区域」とは、近畿圏の地域内において文化財を保存し、緑地を保全し、又は観光資源を保全し、若しくは開発する必要がある区域で、第十四条第一項の規定により指定されたものをいう。第二章 削除
第三条から第五条まで 削除
第三章 国土審議会の調査審議等
(国土審議会の調査審議等)第六条 国土審議会(以下「審議会」という。)は、国土交通大臣の諮問に応じ、近畿圏整備計画の策定及び実施に関する重要事項について調査審議する。
2 審議会は、前項に規定する事項について国土交通大臣に意見を述べることができる。第七条 削除
第四章 近畿圏整備計画
(近畿圏整備計画の内容)第八条 近畿圏整備計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 近畿圏内の人口規模、土地利用の基本的方向その他近畿圏の整備に関して基本となるべき事項
二 近郊整備区域、都市開発区域及び保全区域の指定に関する事項
三 産業基盤施設、国土保全施設、住宅及び生活環境施設、教育施設、観光施設その他の施設で、広域性を有し、かつ、根幹となるべきものとして政令で定めるものの整備に関する事項
2 近畿圏整備計画は、国土形成計画法(昭和二十五年法律第二百五号)第二条第一項に規定する国土形成計画との調和が保たれたものでなければならない。 3 近畿圏整備計画は、文化財の保存について適切な考慮が払われたものでなければならない。 (近畿圏整備計画の決定)第九条 近畿圏整備計画は、国土交通大臣が、関係府県、関係指定都市(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市をいう。以下この項において同じ。)及び審議会の意見を聴くとともに、関係行政機関の長に協議して決定するものとする。 この場合において、国土交通大臣は、関係府県及び関係指定都市から意見の申出を受けたときは、遅滞なくこれに回答するとともに、関係府県、関係指定都市及び審議会の意見に基づく必要な措置について、適切な考慮を払わなければならない。
2 国土交通大臣は、近畿圏整備計画を決定するについて必要があると認めるときは、関係行政機関の長、関係地方公共団体及び関係のある事業を営む者(以下「関係事業者」という。)に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができる。 3 国土交通大臣は、近畿圏整備計画を決定したときは、これを関係行政機関の長及び関係地方公共団体に送付するとともに、国土交通省令の定めるところにより公表しなければならない。 4 前項の規定により公表された事項に関し利害関係を有する者は、公表の日から三十日以内に、国土交通省令の定めるところにより国土交通大臣に意見を申し出ることができる。 5 前項の規定による申出があつたときは、国土交通大臣は、その申出を考慮して必要な措置を講じなければならない。 (近畿圏整備計画の変更)第十条 近畿圏整備計画は、情勢の推移により適当でなくなつたとき、その他これを変更することが適当であると認められるときは、変更することができる。
2 前条の規定は、近畿圏整備計画の変更について準用する。第五章 近畿圏整備計画の実施
(近郊整備区域の指定)第十一条 国土交通大臣は、既成都市区域の近郊で、当該既成都市区域の市街地の無秩序な拡大を防止するため、計画的に市街地として整備する必要がある区域を近郊整備区域として指定することができる。
2 国土交通大臣は、近郊整備区域を指定しようとするときは、関係地方公共団体及び審議会の意見を聴くとともに、関係行政機関の長に協議しなければならない。 この場合において、国土交通大臣は、関係地方公共団体から意見の申出を受けたときは、遅滞なくこれに回答するものとする。 3 近郊整備区域の指定は、国土交通大臣が国土交通省令の定めるところにより告示することによつて、その効力を生ずる。 (都市開発区域の指定)第十二条 国土交通大臣は、既成都市区域への産業及び人口の過度の集中傾向を緩和し、近畿圏の地域内の産業及び人口の適正な配置を図るため必要があると認めるときは、既成都市区域及び近郊整備区域以外の近畿圏の地域のうち、工業都市、住居都市その他の都市として開発することを必要とする区域を都市開発区域として指定することができる。
2 前条第二項及び第三項の規定は、前項の都市開発区域の指定について準用する。 (近郊整備区域等の整備等に関する法律)第十三条 前二条に定めるもののほか、近郊整備区域内及び都市開発区域内における宅地の造成その他近郊整備区域及び都市開発区域の整備及び開発に関し必要な事項は、別に法律で定める。
(保全区域)第十四条 国土交通大臣は、近畿圏の地域内において文化財を保存し、緑地を保全し、又は観光資源を保全し、若しくは開発する必要があると認める区域を保全区域として指定することができる。
2 第十一条第二項及び第三項の規定は、前項の保全区域の指定について準用する。 3 保全区域の整備に関し特別の措置を必要とするときは、別に法律で定めるものとする。第十五条 削除
(事業の実施)第十六条 近畿圏整備計画に基づく事業は、この法律に定めるもののほか、当該事業に関する法律(これに基づく命令を含む。)の規定に従い、国、地方公共団体又は関係事業者が実施するものとする。
(協力、勧告及び公表)第十七条 関係行政機関の長、関係地方公共団体及び関係事業者は、近畿圏整備計画の実施に関し、できる限り協力しなければならない。
2 国土交通大臣は、必要があると認めるときは、関係行政機関の長、関係地方公共団体又は関係事業者に対し、近畿圏整備計画の実施に関し勧告し、及びその勧告によつてとられた措置その他近畿圏整備計画の実施に関する状況について報告を求めることができる。 3 国土交通大臣は、毎年度、前年度における近畿圏整備計画の実施に関する状況を公表しなければならない。 (近畿圏整備計画に関する施策の立案及び勧告)第十八条 国土交通大臣は、近畿圏の建設とその秩序ある発展を図るため特に必要があると認めるときは、審議会の意見を聴いて近畿圏整備計画に関する総合的な施策を立案し、これに基づいて関係行政機関の長及び関係地方公共団体に対し、勧告し、及びその勧告によつてとられた措置について報告を求めることができる。
(国の普通財産の譲渡)第十九条 国は、近畿圏整備計画に基づく事業の用に供するため必要があると認めるときは、その事業の執行に要する費用を負担する地方公共団体に対し、普通財産を譲渡することができる。
(近畿圏整備計画の実施に要する経費)第二十条 政府は、近畿圏整備計画を実施するため必要な資金の確保を図り、かつ、国の財政の許す範囲内において、その実施を促進することに努めなければならない。
(企業債)第二十一条 地方公共団体が近畿圏整備計画に基づいて行う地方公営企業法(昭和二十七年法律第二百九十二号)に規定する地方公営企業の建設、改良等に要する資金に充てるための地方債で国土交通大臣と総務大臣とが協議して定めるものについては、資金事情及び当該地方公共団体の財政状況が許す限り、地方財政法(昭和二十三年法律第百九号)第五条の三第一項に規定する協議において同意をし、又は同法第五条の四第一項若しくは第三項に規定する許可を与えるものとする。
附則
この法律は、公布の日から施行する。 ただし、附則第五項の規定は、政令で定める日から施行する。 前項ただし書に規定する政令は、近畿圏整備計画が四国地方開発促進計画のうち特にこれと密接な関連を有するものについて十分考慮して作成された後、これに基づく事業と四国地方開発促進計画に基づく事業との実施がともに円滑に行なわれるような時期において、定めるものとする。 平成十七年度までの間、第二十一条の規定の適用については、同条中「第五条の三第一項に規定する協議において同意をし、又は同法第五条の四第一項若しくは第三項」とあるのは、「第三十三条の七第四項」とする。附則(昭和三九年七月三日法律第一四三号)
この法律は、公布の日から施行する。附則(昭和三九年七月三日法律第一四四号)
この法律は、公布の日から起算して六箇月をこえ一年をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。附則(昭和四九年六月二六日法律第九八号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
(経過措置)
第五十三条 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の国土総合開発法、首都圏整備法、首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律、首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律、首都圏近郊緑地保全法、筑波研究学園都市建設法、近畿圏整備法、近畿圏の既成都市区域における工場等の制限に関する法律、近畿圏の近郊整備区域及び都市開発区域の整備及び開発に関する法律、近畿圏の保全区域の整備に関する法律、琵琶湖総合開発特別措置法、中部圏開発整備法、新産業都市建設促進法、過疎地域対策緊急措置法、奄美群島振興開発特別措置法、小笠原諸島復興特別措置法、奄美群島振興特別措置法及び小笠原諸島復興特別措置法の一部を改正する法律、小笠原諸島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律、防災のための集団移転促進事業に係る国の財政上の特別措置等に関する法律、地価公示法、不動産の鑑定評価に関する法律(不動産鑑定士特例試験及び不動産鑑定士補特例試験に関する法律において準用する場合を含む。)又は水資源開発公団法(以下「国土総合開発法等」と総称する。)の規定により国の機関がした許可、承認、指定その他の処分又は通知その他の行為は、この法律による改正後の国土総合開発法等の相当規定に基づいて、相当の国の機関がした許可、承認、指定その他の処分又は通知その他の行為とみなす。 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の国土総合開発法等の規定により国の機関に対してされている申請、届出その他の行為は、この法律による改正後の国土総合開発法等の相当規定に基づいて、相当の国の機関に対してされた申請、届出その他の行為とみなす。
附則(昭和五三年五月二三日法律第五五号)
この法律は、公布の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。一略
二 第一条(台風常襲地帯対策審議会に係る部分を除く。)及び第六条から第九条までの規定、第十条中奄美群島振興開発特別措置法第七条第一項の改正規定並びに第十一条、第十二条及び第十四条から第三十二条までの規定 昭和五十四年三月三十一日までの間において政令で定める日
附則(平成一一年七月一六日法律第八七号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(国等の事務)
第百五十九条 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。
(処分、申請等に関する経過措置)
第百六十条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。
(不服申立てに関する経過措置)
第百六十一条 施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。 この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十四条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
(検討)
第二百五十条 新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。
第二百五十一条 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則(平成一一年七月一六日法律第一〇二号)
(施行期日)
第一条 この法律は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(別に定める経過措置)
第三十条 第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要となる経過措置は、別に法律で定める。
附則(平成一一年一二月二二日法律第一六〇号)
(施行期日)
第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則(平成一四年七月一二日法律第八三号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
附則(平成一七年七月二九日法律第八九号)
(施行期日等)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。 ただし、次項及び附則第二十七条の規定は、公布の日から施行する。
(近畿圏整備法の一部改正に伴う経過措置)
第四条 施行日以後第四条の規定による改正後の近畿圏整備法(以下この条において「新法」という。)第八条第一項の近畿圏整備計画が新法第九条第一項の規定により決定されるまでの間においては、この法律の施行の際現に第四条の規定による改正前の近畿圏整備法(以下この条において「旧法」という。)第九条第一項の規定により決定されている旧法第八条第一項の近畿圏整備計画(同項の基本整備計画に係る部分に限る。)を新法第九条第一項の規定により決定された新法第八条第一項の近畿圏整備計画とみなす。
(政令への委任)
第二十七条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。