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明治十九年勅令
メートル条約

施行日:

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 明治八年(西暦千八百七十五年)仏蘭西国巴里府ニ於テ独逸国外十六箇国ノ間ニ締結セルメートル条約訳文

 日耳曼皇帝陛下、澳地利洪葛利皇帝陛下、白耳義皇帝陛下、伯西児皇帝陛下、亜然的音共和国大統領閣下、丁抹皇帝陛下、西班牙皇帝陛下、亜米利加合衆国大統領閣下、仏蘭西共和国大統領閣下、伊太利皇帝陛下、白露共和国大統領閣下、葡萄牙亜爾珈揮皇帝陛下、露西亜皇帝陛下、瑞典那威皇帝陛下、瑞西聯邦大統領閣下、土耳其皇帝陛下及ヴェネズエラ共和国大統領閣下ハメートル法ヲ万国ニ施行シ且之ヲシテ完全ナラシメンコトヲ冀望シ之カ為メ条約ヲ締結センコトニ決定シ各其全権委員ヲ任命スルコト左ノ如シ

 右全権委員ハ互ニ委任ノ書ヲ示シ其善良適当ナルヲ認メ以テ左ノ条々ヲ議定ス

第一条 締約諸国ハ共同ノ費用ヲ以テ度量衡万国中央局ヲ設立維持シ巴里府ニ之ヲ常置シテ以テ学術上ノ事ヲ司トラシムヘシ

第二条 仏国政府ハ本条約附録ノ規則ヲ以テ定メタル条規ニ随ヒ専ラ右目的ニ供スヘキ家屋ノ買入若クハ建築ヲ容易ナラシムルニ必要ナル処置ヲナスヘシ

第三条 万国中央局ハ総テ度量衡万国委員会ノ指揮監督ヲ受ケテ事務ヲ取扱フヘシ但該委員会ハ締約各国政府ノ委員ヲ以テ組織スル度量衡総会議ノ支配ヲ受クヘキモノトス

第四条 度量衡総会議議長ノ任ハ巴里理学会院現職院長ニ委嘱スルモノトス

第五条 中央局ノ組織並度量衡万国委員会及度量衡総会ノ組成権限ハ本条約附録ノ規則ニ於テ之ヲ規定スヘシ

第六条 度量衡万国中央局ハ左ノ事務ヲ担任スヘシ

第七条 委員会ニ於テ電気単位ニ関スル値ノ統合ノ事業ニ著手シタル後且総会議ニ於テ該事項ニ付全会一致ヲ以テ決定シタルトキハ中央局ハ電気単位ノ原器及其擬製品ノ設定及保存並右原器ト各国原器及其他ノ精密原器トノ比較ヲ担任スヘシ

中央局ハ又物理的定数ニ関スル決定ヲ担任ス右定数ヲ一層正確ニ知ルトキハ前記(第六条及第七条第一項)単位ニ関スル範囲内ニ於ケル正確ノ度ヲ増加シ且其統一ヲ最確実ナラシムルコトヲ得ルモノトス

中央局ハ又他ノ学会ニ於テ為サレタル同様ノ決定ヲ統合スル事業ヲ担任ス

第八条 万国原器及其擬製品ハ中央局内ニ之ヲ保管シ右保管ノ場所ニ接近スルコトハ専ラ万国委員会ニ留保セラル

第九条 度量衡万国中央局ノ構造創設費並其維持ニ要スル毎年ノ経費及万国委員会ノ経費等ハ凡テ締約各国ノ支出金ヲ以テ之ヲ支弁スヘシ但其支出金額ハ締約各国現時ノ人口ニ基キ調製シタル割合表ニ準拠シ之ヲ定ムヘキモノトス

第十条 締約各国ハ其支出金額ヲ毎歳ノ初メ仏国外務省ヲ経由シテ巴里貯金所ヘ払込ムヘシ右金額ハ入用ノ都度中央局長ノ証券ヲ以テ該貯金所ヨリ之ヲ請取ルヘキモノトス

第十一条 本条約ニ加盟スルノ権ハ各邦国ニ許与スルニ付之ヲ行ハントスル政府ハ割賦ノ支出金ヲ払入ルヘシ其金額ハ第九条ニ記載ノ基礎ニ依リ万国委員会ニ於テ之ヲ定ムヘシ且右支出金ハ本局学術上ニ関スル器具材料ノ改良ニ充ツヘキモノトス

第十二条 締約各国ノ経験ニ依リ本条約ニ修正ヲ加フルコトヲ有益ト認メタルトキハ協議一致ノ上之ヲ為スノ権アルモノトス

第十三条 十二箇年ノ期限ヲ経過シタル後締約各国ハ本条約ヲ解脱スルコトヲ得ヘシ

自己ノ権利ニ依リ本条約ノ聯合ヲ脱セント欲スル政府ハ該期限ノ尽了スル一年前ニ其旨ヲ告知スヘシ然ルトキハ万国原器及中央局ニ付テ総テノ共同所有権ヲ放棄シタルモノトス

第十四条 本条約ハ各国特有ノ憲法ニ従ヒ之ヲ批准シ巴里府ニ於テ六箇月内若クハ成ルヘク速ニ其批准書ヲ交換スヘシ而シテ本条約ハ千八百七十六年一月一日ヨリ之ヲ実行スヘキモノトス