物品管理法(法令ID:331AC0000000113)は、国の物品について取得から使用、保管、処分までの管理手続と担当職員の責任を定める法律です。法令全文e-Govの条文を参照できます。国の物品・契約・会計担当者が、物品を使い始めるとき、移すとき、使わなくなったときの手続を確認するための法令です。この記事では国の制度を扱い、自治体や民間企業の備品規程、個別物品の処分可否は扱いません。

2026年9月15日時点で確認した現行施行版は2019年12月16日施行版です。日常語の「備品管理」より広い制度であり、所有関係、使用目的、管理上の職務を区別して読む必要があります。

国が所有する動産と供用のために保管する動産

第2条の「物品」は、国が所有する動産のうち所定の除外物を除くものと、国が供用のために保管する動産です。現金、日本銀行に寄託すべき所定の有価証券、国有財産法第2条第1項第2号・第3号の国有財産は除かれます。国が所有するものの全部が、物品管理法の物品になるわけではありません。

同条は「供用」を、物品を用途に応じて国において使用させることと定義します。保管場所に置かれている状態と、業務のために使用させている状態を区別する言葉です。第3条は、適正な供用・処分のため目的に従って分類を設けることを定め、予算の経費目的との関係も規定しています。

このため、物品の名称や購入価格だけでなく、国がどの立場で保有し、何の用途に使うかが重要です。第35条には国が保管する物品以外の所定の動産への準用もありますが、全ての規定を同じように適用するものではありません。所有物、供用のための保管物、準用対象を分けることが、管理手続の前提となります。

管理官・出納官・供用官の職務を分ける

第8条の物品管理官は、各省各庁の長又はその委任を受けた職員です。第9条は、出納と保管に関する事務を委任された物品出納官を定め、第10条は、供用に関する事務を委任された物品供用官を定めます。同じ物品に関係していても、管理上の判断、受払・保管、使用させる事務を区分しています。

第23条による出納命令は物品管理官が行い、第24条はその命令なしに物品出納官が出納できないと規定します。倉庫等から物を動かす物理的な行為と、その根拠となる管理判断を分けている点が特徴です。第20条の供用では、供用官が払出しを請求し、管理官が供用目的を明らかにして通知する流れになります。

第12条は財務大臣による管理事務の総括を定め、制度の整備、増減・現在額の把握、必要な調整を位置付けます。現場の担当者だけで完結する在庫管理ではなく、各省各庁の管理と国全体の把握が接続されています。物品を動かす場面では、誰の請求、誰の命令、誰の記録なのかを区別すると条文を追いやすくなります。

年度の管理計画から取得・供用・返納へ

第13条は、物品管理官に毎会計年度の管理計画の作成を求めます。予算と事務・事業の予定を勘案し、効率的な供用・処分を図るための計画です。第15条は分類の目的とこの計画に従った供用・処分を求めます。予算で取得できるという話だけでなく、何に使い、どう管理するかが先に置かれています。

第19条の取得では、物品管理官が契約等担当職員に必要な措置を請求し、契約等担当職員がその請求と予算の範囲等に従って措置します。物品の管理上の必要性と、契約等による取得行為を区別する仕組みです。購入の意思決定から供用までを、一人の担当者の自由な判断として規定しているわけではありません。

第21条は、使用の必要がなくなった物、修繕・改造が必要な物、使用できない物の返納を扱います。供用官による報告を受け、管理官が返納を命じる構成で、所定の軽微な修繕等には例外があります。使わなくなった時点で直ちに廃棄に進むのではなく、使用状態から管理下へ戻し、その後の処理を検討する段階が設けられています。

第26条は、保管中の物品に修繕・改造を要するもの等があるときの報告や措置の請求を定めます。使えない状態を把握することと、不用決定をして処分へ進むことは別の段階です。

管理換・不用決定・売払いの順序

第16条の管理換は、物品管理官の間で物品の所属を移すことです。効率的な供用・処分のために行い、異なる会計間の管理換は政令の例外を除いて有償整理とします。物品を別の場所へ運ぶことだけを意味するのではなく、管理上の所属と会計の扱いに関係する制度です。

第27条の不用決定は、供用・処分の必要がない物品について管理換や分類換による適切な処理ができない場合、又は供用・処分ができない物品がある場合に行うことができます。そのうち、売払いが不利・不適当な物や売れない物は廃棄できるとしています。「今の担当部署では使わない」と「国の管理上、不用と決定する」は同じ段階ではありません。

第28条は、売払いを目的とする物品又は不用決定済みの物品でなければ売れないと定めます。管理官は契約等担当職員に売払いの措置を請求します。第29条には貸付け、第30条には出資等の制限もあります。移管、売払い、貸付け、廃棄はそれぞれ根拠が違うため、物品を外へ出すという一つの処理にまとめず、目的と状態に合う条文を確認します。

保管・帳簿・増減報告による管理の継続

第22条は、物品を国の施設で良好な状態に保ち、常に供用・処分できるよう保管することを原則とします。特別の理由がある場合などには国以外の施設での保管も認めます。場所を確保するだけでなく、使用等が可能な状態を維持することまで保管の内容に含まれます。

第36条は管理官、出納官、供用官に帳簿を備え、必要事項を記載・記録することを求めます。第37条は、国所有物品のうち重要なものとして政令が定める物品について、年度中の増減と年度末の現在額の報告書を作成する仕組みです。第38条は総計算書と会計検査院への送付、国会への報告につなげています。

第39条は定期的な検査に加え、管理官等の交替時その他必要な場合の検査を定めます。日常の受払、年度単位の増減、担当者交替時の確認が重なって、物品の管理を継続する構成です。管理簿の記載と現物、年度の報告は別の情報ですが、同じ物品の動きをそれぞれの観点から確かめる役割を担います。

亡失・損傷の責任と取扱職員の制限

第17条は管理事務を行う職員に善良な管理者の注意を求め、第18条は担当する物品を国から譲り受ける行為を所定の例外を除き制限しています。管理する立場と、処分される物品を取得する立場を区別する規定が置かれています。取扱手続だけでなく、担当職員の行為も制度の対象です。

第31条は、故意又は重大な過失による法違反の管理行為等で国に損害を与えた場合の弁償責任を定め、物品を使用する職員についても所定の亡失・損傷の責任を規定します。単に破損が起きればすべて同じ責任が生じるという書き方ではなく、職員の立場や要件を区別しています。

第32条の通知、第33条の検定前の弁償命令も、事故後の制度として置かれています。記事では具体的な事故の責任を判断せず、管理義務、事故の報告・通知、弁償に関する規定が別々にあることを示しています。取得から処分までの各段階に担当と記録を置く仕組みが、こうした責任の確認にもつながります。

参考リンク

国の物品に関する用語と手続は、以下の公式資料で確認できます。