戸籍法(昭和22年法律第224号、法令ID:322AC0000000224)は、戸籍の編製・記載、身分関係に関する届出、証明書の交付、記載の訂正などを定めています。法令全集とe-Gov法令検索で確認できます。出生・婚姻等の届出を準備する人や、親族関係を証明する書類を取得する人が参照する法律です。この記事は2026年9月15日時点の制度を説明し、個別の親子関係や届出の受理可否の判断は扱いません。
戸籍の単位と記載される身分関係
第1条は、別段の定めがある場合を除き、市町村長が戸籍事務を管掌するとしています。第6条は、市町村の区域内に本籍を定める一つの夫婦と、これと氏を同じくする子ごとに戸籍を編製することを基本とし、外国人と婚姻した者や配偶者のない者について新たに編製する場合も規定しています。
このため、同じ住所で生活する人の一覧という説明だけでは戸籍の単位を捉えられません。第6条が用いているのは本籍と夫婦・子の関係です。第13条では、氏名、出生年月日、戸籍に入った原因と年月日、実父母と続柄、養親との関係、夫または妻である旨などを記載事項としています。
現行の第13条には氏名の振り仮名も含まれます。戸籍に載る事項は、氏名の文字だけでなくその読み方も含む構成です。別の戸籍から入った者の元の戸籍の表示も記載事項となっており、現在の状態と、戸籍間の移動に関する情報が結び付けられています。
民法が婚姻・親子などの実体的な関係を規定するのに対し、戸籍法ではその関係をどのように届出・記載・証明するかを調べます。届出書の名称と家族関係そのものを同じものとして扱わず、戸籍の記載制度として読むことが大切です。出典は戸籍法第1条・第6条・第13条です。
出生・死亡と婚姻では届出の内容が異なる
第4章は届出に関する章で、通則の後に出生、認知、養子縁組、婚姻、離婚、死亡などの節を置いています。第25条は、届出事件の本人の本籍地または届出人の所在地で届け出ることを基本とします。届出の種類ごとの特則を確認する前に、通則がある構造です。
出生の届出は第49条にあり、国内では14日以内、国外で出生した場合は3か月以内とされています。出生の年月日時分・場所、父母の氏名等の記載と、原則として出生証明書の添付を定めます。第50条は子の名に使う文字を常用平易なものとし、その範囲を法務省令に委任しています。
死亡の届出は第86条で、届出義務者が死亡の事実を知った日から7日以内、国外での死亡は知った日から3か月以内とされています。出生の届出と起算の書き方が異なり、診断書または検案書の添付にも規定があります。期限の数字だけをまとめず、何を起点とする期限かまで読む必要があります。
婚姻の届出は第74条で、夫婦が称する氏などを記載します。第27条の2には、届出によって効力を生ずべき婚姻等の届出について、本人確認、確認できない者への通知、不受理の申出の仕組みがあります。すでに発生した事実の届出と、本人の意思に関係する届出を、同じ提出作業として一括しない構造です。根拠は第25条・第27条の2・第49条・第50条・第74条・第86条です。
証明書を請求できる人と広域の交付
第10条は、戸籍に記載されている者、その配偶者、直系尊属、直系卑属による戸籍謄本等の交付請求を定めています。除かれた者に関する定義や例外もあります。家族という広い言葉だけで請求できる範囲を説明せず、条文が列挙する関係を確認する必要があります。
同条は、不当な目的によることが明らかな請求を市町村長が拒めるとしています。また、郵便その他省令で定める方法による送付請求の規定があります。第10条の2以降には別の請求主体や本人確認等の規定が置かれており、請求する人と請求の根拠を対応させる構成です。
第120条の2は、所定の電子的な戸籍等について、本籍地以外の指定市町村長等にも請求できる特例を定めます。ただし、同条第2項は本籍地以外への本人等の請求について、第10条第3項などを適用しないとしています。本籍地への請求で認められる送付等の方法が、広域の請求にもそのまま共通するわけではありません。
証明書を取得する場面では、誰の戸籍を、どの関係に基づいて、どの市町村へ、どの方法で請求するかを分けると参照先が明確になります。本記事では自治体ごとの窓口名や受付時間は扱わず、請求権と請求方法の法的な区分を示しています。出典は第10条・第10条の2以下・第120条の2です。
振り仮名の変更と戸籍の訂正は別の手続
第13条は、氏名として用いられる文字の読み方として一般に認められていることを、氏名の振り仮名の要件としています。使用できる仮名・記号の範囲は法務省令に委任されています。法律に振り仮名の記載があることと、任意の読み方を無条件で記載できることは別です。
氏名の振り仮名の変更は、第4章第15節の2に置かれています。第107条の3は、やむを得ない事由によって氏の振り仮名を変更する場合、戸籍の筆頭に記載した者と配偶者が家庭裁判所の許可を得て届け出る仕組みを定めます。氏名の文字の変更とは別の節であり、記載事項としての振り仮名に対応する手続です。
一方、第5章の戸籍の訂正は、記載が法律上許されない場合や、錯誤・遺漏がある場合などを対象とします。第113条は、利害関係人が家庭裁判所の許可を得て訂正を申請できるとしています。第114条には、所定の行為の無効が判明した場合の訂正に関する規定があります。
希望する内容への変更と、記載の誤り等の訂正は同じ手続ではありません。氏、名、読み方、身分関係のどの情報に関する問題なのか、変更を求めるのか、誤記等を直すのかによって参照する章が分かれます。出典は第13条・第107条の3・第113条・第114条です。
参考リンク
記載事項と届出・請求の詳細は、2026年9月3日施行版で確認できます。