学校教育法施行令(法令ID:328CO0000000340)は、学校教育法に基づく学齢簿、就学通知、学校指定等の事務を具体化する政令です。法令全文とe-Govの条文で確認できます。保護者や教育委員会の担当者が、入学や転居、学校変更に伴う手続を調べる場面で参照します。この記事では義務教育段階の就学事務を中心に扱い、特定の子どもの就学先の判断、入試制度や教育課程の詳細は扱いません。
2026年9月15日時点で確認した現行施行版は2026年4月1日施行版です。学校教育法施行規則とは別の法令であり、ここでは教育委員会と学校・保護者の間の通知に注目します。
住民基本台帳を基礎にする学齢簿
第1条は、市町村教育委員会に、その区域内に住所を有する学齢児童・学齢生徒の学齢簿を編製することを求めます。住民基本台帳を基礎として作成するため、住所の把握と就学事務が結び付いています。学校が保有する在籍者名簿だけで就学対象者を管理する制度ではありません。
第2条は翌学年に就学する年齢となる者について、学年の初めから5か月前までにあらかじめ学齢簿を作成することを定めます。どの日現在の住所を使うか等は文部科学省令に委ねられています。学年の開始前に対象者を把握し、その後の入学通知へつなげるための事務です。
第3条は新たな記載事項、変更、誤りや漏れが生じた場合の加除訂正を求めます。第4条は所定の住所変更の届出があった場合に、市町村長から教育委員会への通知を定めます。一度作成して終わる台帳ではなく、転居等に応じて情報を更新する仕組みです。就学先が変わる手続の前提として、住所と学齢簿の情報が連動します。
入学期日の通知と就学する学校の指定
第5条は、所定の就学予定者の保護者に対し、小学校・中学校・義務教育学校の入学期日を翌学年の初めから2か月前までに通知することを定めます。対象から認定特別支援学校就学者等を分けており、全ての就学通知を同一の条項で処理するわけではありません。
同条第2項は、市町村が設置する対象校が所定の数以上ある場合に、通知で学校を指定することを求めます。第7条は保護者への通知と同時に、就学先の校長へ氏名・入学期日を通知する規定です。保護者への案内だけでなく、受け入れる学校にも同じ就学情報を送る流れになっています。
第6条は転居等による新たな学齢簿への記載や学校の新設・廃止等の場合に、第5条を準用し、通知時期を「速やかに」と読み替えます。通常の新入学と年度途中の変更で同じ期限を使うのではありません。対象者がどの号に当たるかと、準用時の読替えを確認することで、就学事務の時系列を整理できます。
指定校変更と区域外就学の違い
第8条は、教育委員会が相当と認めるとき、保護者の申立てにより指定した学校を変更できるとしています。変更後は、保護者と従前の校長に通知し、新しい校長へも所定の通知を行います。指定校変更は、指定を行う教育委員会の判断と関係者への通知を伴う手続です。
第9条の区域外就学等は、住所のある市町村が設置する対象校以外へ就学させる場合の手続です。就学先の教育委員会又は承諾権者の承諾を証する書面を添え、住所地の教育委員会へ届け出る構成です。市町村が承諾を与える場合には、住所地の教育委員会との事前協議も規定されています。
両者は「別の学校へ行く」という点で似ていますが、学校の設置者と指定・承諾の関係が異なります。申立てだけで希望校への入学が決まると説明することも、区域外就学を住所変更と同じ手続として扱うこともできません。学校の設置者、住所地、承諾する者、通知・届出先を分けると、必要な制度の入口を確認できます。
特別支援学校への就学と意見聴取
第5条は、認定特別支援学校就学者について、障害の状態、教育上必要な支援、地域の教育体制その他の事情を勘案し、市町村教育委員会が都道府県立特別支援学校への就学を適当と認める者として定義しています。障害の程度だけで就学先が自動的に決まるという条文ではありません。
第11条は市町村教育委員会から都道府県教育委員会への通知と学齢簿謄本等の送付、第14条は都道府県教育委員会から保護者への入学期日通知と学校指定、第15条は学校と住所地教育委員会への通知を規定します。市町村と都道府県で事務を分担し、情報をつなぐ構造です。
第18条の2は、所定の通知を行う前に、保護者と教育学・医学・心理学等の専門的知識を有する者の意見を聴くことを定めます。第22条の3の障害の程度の表は本法の委任を具体化するものですが、それだけを就学先の判断表として扱わず、認定に関する定義と意見聴取を合わせて確認する必要があります。
在学中の状態変化と学校間の連絡
第12条は、在学中の学齢児童・生徒が所定の視覚障害者等になった場合の校長から市町村教育委員会への通知を定めています。その後に認定特別支援学校就学者と認定した場合の手続と、現に在学する学校への継続就学を適当と認めた場合の通知を分けています。
この構成から、通知があったことと転学が決まることは別の段階だと分かります。学校が状態を把握して知らせること、教育委員会が必要な支援や就学について検討すること、結論を関係者へ通知することを区別します。就学先の判断を学校からの一つの通知だけで説明する制度ではありません。
第13条には関係する児童生徒等の学齢簿の加除訂正を都道府県教育委員会へ通知する規定があり、第16条には特別支援学校の指定変更、第17条には区域外就学等があります。新入学の時だけでなく、在学中の変化と学校変更でも情報を更新し続けることが、この政令の事務の重要な部分です。
出席状況と課程修了を把握する事務
第19条は校長に、在学する学齢児童・生徒の出席状況を常に明らかにしておくことを求めます。第20条は、所定の欠席その他出席状況が良好でない場合に、保護者に正当な事由がないと認められるときの教育委員会への通知を定めます。欠席日数の一つの数値だけで、全ての欠席を同じ手続に結び付ける条文ではありません。
第21条は保護者が就学義務を怠っていると認められるときの出席の督促を規定します。この記事では不登校等の個々の事情を評価せず、条文が対象とする条件と、校長・教育委員会の事務を区別して紹介しています。出席状況の把握と、保護者への督促の条件は別々に確認する必要があります。
第22条は各課程を修了した者の氏名を住所地の教育委員会へ通知することを定めます。学齢簿に始まる就学事務は、入学、在学中の変更、出席、修了までつながっています。保護者・学校・市町村・都道府県のどこからどこへ情報を送るのかを追うと、学校教育法施行令の役割を具体的に理解できます。
第20条が挙げる「休業日を除き引き続き七日間」の不出席は、日数だけで通知義務を説明できる規定ではありません。条文はその他の出席状況の不良も扱い、その上で、保護者が出席させないことに正当な事由がないと認められる場合という条件を置いています。校長から住所地の教育委員会への通知という連絡経路と、その通知を行う条件を分けて読むことで、欠席日数の集計だけの規定ではないことが明確になります。
参考リンク
就学通知と教育委員会の事務を確認した公式資料です。