一般職の職員の給与に関する法律(法令ID:325AC1000000095)は、国家公務員法に規定する一般職に属する職員の給与に関する事項を定める法律です。条文全文は法令全集の一般職給与法ページまたはe-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/)で無料で閲覧できます。

国家公務員の給与制度は、本法律(一般職給与法)が俸給表や給与制度の基本を定め、人事院規則がその実施に必要な詳細基準を定めるという構造になっています。一般職給与法は国家公務員法第64条の規定を受けた法律であり、一般職の職員(特別職を除く国家公務員)を対象とします。毎年の人事院勧告を受けた国会での法律改正により、俸給表や手当の金額が改定されます。

この記事では、一般職給与法の基本情報、条文の構成、主要制度の確認ポイントを整理します。特定の職員の給与額を算定・判断するものではありません。

基本情報

一般職給与法は、昭和25年(1950年)法律第95号として制定された法律です。第1条は、国家公務員法第64条第1項に規定する給与に関する法律として、一般職に属する職員の給与に関する事項を定めることを目的としています。制定当初から多くの改正が重ねられており、人事院勧告に基づく給与水準の改定のほか、各種手当の新設・廃止・見直しなど給与制度改革に対応した改正が行われてきました。

項目内容
正式名称一般職の職員の給与に関する法律
法令番号昭和二十五年法律第九十五号
法令ID325AC1000000095
制定年1950年(昭和25年)
主な分野俸給表、職務の級、号俸、昇給、諸手当、人事院勧告

人事院は、給与勧告について、国家公務員の給与水準を民間企業従業員の給与水準と均衡させることを基本に勧告を行っていると説明しています。国家公務員は労働基本権(争議権・団体交渉権)が制約されているため、人事院勧告制度がその代償措置として機能しています。一般職給与法はこの勧告に基づく国会の審議・議決を経て改正される法律であり、給与改定のたびに俸給表(別表)の金額が書き換えられます。

制定後75年以上が経過した現在も、一般職給与法は国家公務員の給与制度の基幹をなす法律として機能しています。平成18年(2006年)には成果・実績主義の観点から勤勉手当の在り方や昇給制度が大幅に見直されました。給与水準や各種手当の金額は毎年の人事院勧告と法律改正を経て変動するため、適用時点の現行法令を確認することが必要です。

俸給表・手当・勧告を分ける

一般職給与法は、俸給表、給与の支払、職務の級、昇給、各種手当、期末・勤勉手当、非常勤職員の給与などを広く定めています。条文の構成は俸給(本給)と各種手当(付加給)の二層からなる給与体系を反映しており、俸給は職務の級・号俸によって定まる基本部分、手当は勤務条件や生活実情等に応じた付加部分です。

区分主な内容
目的・人事院の権限法律の目的、人事院規則・指令、給与勧告等
給与の支払給与の支払方法、法律・人事院規則に基づく支給
俸給表行政職、専門行政職、税務職、公安職、医療職等の俸給表
職務の級・号俸職務分類、初任給、昇格、昇給等
諸手当扶養手当、地域手当、住居手当、通勤手当、超過勤務手当等
期末・勤勉手当等期末手当、勤勉手当、管理職員特別勤務手当等

法律に掲げられた俸給表(別表)は、毎年の給与改定ごとに金額が改正されます。法律本文は支給要件・算定方式を定め、別表(俸給表)が具体的な金額を定めています。

給与制度は、この法律だけでなく、人事院規則、給与勧告、各府省の運用とあわせて確認されます。人事院規則(九―八等)が初任給・昇格・昇給の基準を定め、各府省の運用が実際の給与計算に反映されます。

俸給表と職務の級

一般職給与法の中心は、俸給表と職務の級・号俸に関する規定です。俸給表は、職員の職務内容や勤務分野に応じて複数に分かれています。

第6条は、行政職俸給表(一)(二)、専門行政職俸給表、税務職俸給表、公安職俸給表(一)(二)、海事職俸給表、教育職俸給表(一)(二)、研究職俸給表、医療職俸給表(一)(二)(三)、福祉職俸給表、専門スタッフ職俸給表、指定職俸給表を掲げています。各俸給表は職種・職務の特性に応じた号俸体系を持ち、別表(法律末尾)に金額が規定されています。

職員の職務は、職務の複雑、困難および責任の度に基づき、俸給表に定める職務の級に分類されます。行政職俸給表(一)では1級から11級までの職務の級が設けられており、各級に複数の号俸が配列されています。初任給、昇格、昇給などの具体的基準は、人事院規則九―八(初任給、昇格、昇給等の基準)で定められており、各庁の長が個別職員の俸給を決定します。

指定職俸給表は局長・次官・外局長官等の管理職員に適用される俸給表であり、号俸1から12(または相当数)までの段階で設定されています。その他の俸給表の適用対象は、各俸給表の備考欄や人事院規則で定められています。

諸手当

一般職給与法には、俸給以外の諸手当に関する規定も置かれています。手当は勤務条件や職務内容、地域、生活事情などに応じて定められます。

主な手当には、扶養手当、地域手当、広域異動手当、住居手当、通勤手当、単身赴任手当、特殊勤務手当、超過勤務手当、休日給、夜勤手当、宿日直手当、管理職員特別勤務手当、期末手当、勤勉手当などがあります。扶養手当は配偶者や子などの扶養親族の数に応じて支給されます。地域手当は、物価・民間の給与水準等が高い地域に所在する官署に勤務する職員に対して支給される手当であり、地域区分(複数の級地)に応じた割合が設定されています。

住居手当は自己の費用で住宅を借り受けている職員に対し、一定の家賃額を超える場合に支給されます。通勤手当は交通機関を利用した通勤に要する費用に対して支給されます。超過勤務手当は、勤務時間外・休日に勤務した場合に俸給等の一定割合で支給される手当です。

手当の支給要件や金額は、法律本文、人事院規則、俸給表、各種通知をあわせて確認する必要があります。手当の種類によっては、法律で支給要件の大枠を定め、具体的な金額の上限や計算方法を人事院規則で定める構造になっているものもあります。

人事院勧告との関係

一般職給与法は、人事院の権限や給与勧告とも深く関係します。第2条は、人事院がこの法律の実施に必要な人事院規則を制定し、人事院指令を発する権限などを定めています。

人事院は、給与勧告について、労働基本権制約の代償措置として、職員に社会一般の情勢に適応した適正な給与を確保する機能を有すると説明しています。人事院は毎年夏(例年8月頃)、民間給与実態調査の結果に基づいて内閣および国会に対して給与勧告を行います。勧告の内容は俸給表の改定水準(引上げ・引下げ・据え置き)と各種手当の見直しの方向性を示すものです。

給与制度の見直しは、法律改正、人事院規則の改正、人事院勧告などと関係します。最新の金額や俸給表を確認するときは、人事院の公表資料も参照する必要があります。給与勧告を受けた法律改正が国会で成立すると、俸給表別表の金額が改正後のものに置き換えられます。e-Gov法令検索では最新の法律本文(別表を含む)を確認できます。民間給与実態調査では、企業規模50人以上かつ事業所規模50人以上の民間事業所を対象として、職種・役職段階別の給与の実態が比較されます。この調査結果が人事院勧告の根拠となります。

期末手当と勤勉手当

一般職給与法では、俸給等に加えて、6月・12月(各年度)に支給される期末手当(いわゆるボーナスの一部)と勤勉手当が定められています。

期末手当は、在職期間や職員の身分を基礎に算定され、俸給等の一定月数分として支給されます。勤勉手当は、勤務成績(人事評価の結果)に基づく成果連動型の手当であり、勤務成績が優秀な職員ほど多く支給されます。この仕組みは能力・実績主義の給与制度の一部であり、民間企業の業績連動型賞与に相当する機能を持ちます。

期末手当・勤勉手当の支給月数は毎年の人事院勧告により見直されることがあります。また、育児休業中・停職中などの特定の身分状況にある職員については、支給が制限される場合があります。非常勤職員については、勤務時間・任用形態に応じた特別な取扱いが規定されています。

支給基準日(6月1日・12月1日)を含む一定期間に在職していた職員が支給対象となり、在職期間の長さ(在職期間区分)に応じて支給割合が決まります。民間企業の賞与制度と趣旨は類似しますが、支給根拠・算定方法は法律・人事院規則による点が異なります。管理職員(課長補佐以上等)については、特別な管理職員特別勤務手当が別途規定されています。

非常勤職員の給与と関連法令

一般職給与法は、常勤の職員の給与を中心に定めていますが、非常勤職員(期間業務職員等)の給与についても、法律上一定の根拠規定が設けられています。非常勤職員の給与の決定については、人事院規則九―十五(非常勤職員の給与)および人事院の「非常勤職員の給与に関する指針」が実務上の基準となります。

再任用職員(定年退職後に再任用された職員)については、短時間勤務職員を含めた特別の規定が一般職給与法に置かれています。任期付職員(任期付研究員・任期付国際業務職員等)については、任期付職員法(国家公務員の育児休業等に関する法律、任期付研究員の採用等に関する法律等)との関係で給与が決定されます。

一般職給与法に関連する主な法令としては、国家公務員法、人事院規則九―八(初任給・昇格・昇給等の基準)、人事院規則九―二(俸給の特別調整額)、国家公務員の育児休業等に関する法律などがあります。

また、給与の支払方法については、給与の支払に関する規定(直接払い・通貨払いの原則・金融機関への振込等)が一般職給与法および人事院規則に定められています。給与の支払日は月の一定日(俸給については原則として毎月17日など)が定められており、各府省の内部規程でも運用の詳細が定められることがあります。給与明細の発行についても制度上の根拠があります。

適用時点と人事院規則を確認する

一般職給与法を具体的な給与制度の確認に使うときは、対象職員に適用される俸給表、職務の級、号俸、勤務形態、手当の種類を先に整理します。法律本文は俸給表や手当の大枠を定めますが、初任給、昇格、昇給、号俸調整、各種手当の細目は人事院規則や通知で具体化されます。たとえば俸給表と号俸の確認では一般職給与法の別表を参照し、昇格や昇給の具体的基準では人事院規則九―八を参照するというように、法律と規則の役割を分けて読む必要があります。

俸給表の金額や期末・勤勉手当の支給月数は、人事院勧告を受けた法律改正によって変わることがあります。過去の給与額や特定年度の制度を確認する場合は、現在の条文だけでなく、適用時点の改正後条文、施行日、経過措置を確認します。e-Gov法令検索では現行条文を確認できますが、実務資料では人事院の勧告資料、給与関係法令の改正概要、所属機関の人事・給与担当部署が示す運用資料もあわせて参照します。

手当の支給要件は、扶養関係、住居、通勤経路、勤務時間、地域、管理職区分、勤務成績など、事実関係によって確認項目が変わります。この記事は制度と条文の読み方を整理するものであり、特定の職員の給与額、昇給、手当支給の可否を判断するものではありません。具体的な確認は、所属機関の人事・給与担当部署、人事院資料、必要に応じて弁護士・社会保険労務士等の専門家による確認が必要です。

参考リンク

この記事は、以下の公式資料等を参照して作成しています。

一般職給与法の条文は、e-Gov法令検索および法令全集(このサイトの一般職給与法ページ)で無料で閲覧できます。俸給表(別表)の金額も法律本文の一部として収録されています。毎年の改正後の金額を確認するには、最新の施行日以降の条文を参照してください。人事院のウェブサイトでも毎年の給与勧告・実施法令の情報が公開されています。特定の職員の給与・手当の支給について確認が必要な場合は、所属機関の人事・給与担当部署または人事院にお問い合わせください。