国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構法
第一章 総則
(目的)
第一条目的
第一条 この法律は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。
(定義)
第二条定義
第二条 この法律において「宇宙科学」とは、宇宙理学及び宇宙工学の学理及びその応用をいう。
2 この法律において「基盤的研究開発」とは、研究及び開発(以下「研究開発」という。)であって次の各号のいずれかに該当するものをいう。
一 科学技術に関する共通的な研究開発
二 科学技術に関する研究開発であって、国の試験研究機関又は研究開発を行う独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。以下同じ。)に重複して設置することが多額の経費を要するため適当でないと認められる施設及び設備を必要とするもの
三 科学技術に関する研究開発であって、多数部門の協力を要する総合的なもの
3 この法律において「人工衛星等」とは、人工衛星(地球を回る軌道の外に打ち上げられる飛しょう体及び天体上に置かれる人工の物体を含む。)及びその打上げ用ロケットをいう。
(名称)
第三条名称
第三条 この法律及び通則法の定めるところにより設立される独立行政法人の名称は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構とする。
(機構の目的)
第四条機構の目的
第四条 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下「機構」という。)は、大学との共同等による宇宙科学に関する学術研究、宇宙科学技術(宇宙に関する科学技術をいう。以下同じ。)に関する基礎研究及び宇宙に関する基盤的研究開発並びに人工衛星等の開発、打上げ、追跡及び運用並びにこれらに関連する業務並びに宇宙空間を利用した事業の実施を目的として民間事業者等が行う先端的な研究開発に対する助成を、宇宙基本法(平成二十年法律第四十三号)第二条の宇宙の平和的利用に関する基本理念にのっとり、総合的かつ計画的に行うとともに、航空科学技術に関する基礎研究及び航空に関する基盤的研究開発並びにこれらに関連する業務を総合的に行うことにより、大学等における学術研究の発展、宇宙科学技術及び航空科学技術の水準の向上並びに宇宙の開発及び利用の促進を図ることを目的とする。
(国立研究開発法人)
第四条の二国立研究開発法人
第四条の二 機構は、通則法第二条第三項に規定する国立研究開発法人とする。
(事務所)
第五条事務所
第五条 機構は、主たる事務所を東京都に置く。
(資本金)
第六条資本金
第六条 機構の資本金は、附則第十一条第一項及び第三項から第五項までの規定により政府及び政府以外の者から出資があったものとされた金額の合計額とする。
2 機構は、必要があるときは、主務大臣の認可を受けて、その資本金を増加することができる。
3 政府は、前項の規定により機構がその資本金を増加するときは、予算で定める金額の範囲内において、機構に出資することができる。
4 政府は、機構に出資するときは、土地又は建物その他の土地の定着物(次項において「土地等」という。)を出資の目的とすることができる。
5 前項の規定により出資の目的とする土地等の価額は、出資の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
6 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
(出資証券)
第七条出資証券
第七条 機構は、出資に対し、出資証券を発行する。
2 出資証券は、記名式とする。
3 前項に規定するもののほか、出資証券に関し必要な事項は、政令で定める。
(持分の払戻し等の禁止)
第八条持分の払戻し等の禁止
第八条 機構は、通則法第四十六条の二第一項若しくは第二項の規定による国庫への納付又は通則法第四十六条の三第三項の規定による払戻しをする場合を除くほか、出資者に対し、その持分を払い戻すことができない。
2 機構は、出資者の持分を取得し、又は質権の目的としてこれを受けることができない。
第二章 役員及び職員
(役員)
第九条役員
第九条 機構に、役員として、その長である理事長及び監事二人を置く。
2 機構に、役員として、副理事長一人及び理事七人以内を置くことができる。
(副理事長及び理事の職務及び権限等)
第十条副理事長及び理事の職務及び権限等
第十条 副理事長は、理事長の定めるところにより、機構を代表し、理事長を補佐して機構の業務を掌理する。
2 理事は、理事長の定めるところにより、理事長(副理事長が置かれているときは、理事長及び副理事長)を補佐して機構の業務を掌理する。
3 通則法第十九条第二項の個別法で定める役員は、副理事長とする。 ただし、副理事長が置かれていない場合であって理事が置かれているときは理事、副理事長及び理事が置かれていないときは監事とする。
4 前項ただし書の場合において、通則法第十九条第二項の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。
第十一条
第十一条 削除
(副理事長及び理事の任期)
第十二条副理事長及び理事の任期
第十二条 副理事長及び理事の任期は、当該副理事長及び理事について理事長が定める期間(その末日が通則法第二十一条の二第一項の規定による理事長の任期の末日以前であるものに限る。)とする。
(役員の欠格条項の特例)
第十三条役員の欠格条項の特例
第十三条 通則法第二十二条の規定にかかわらず、教育公務員で政令で定めるもの(次条各号のいずれかに該当する者を除く。)は、非常勤の理事又は監事となることができる。
第十四条
第十四条 通則法第二十二条に定めるもののほか、次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。
一 物品の製造若しくは販売若しくは工事の請負を業とする者であって機構と取引上密接な利害関係を有するもの又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
二 前号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
第十五条
第十五条 機構の理事長及び副理事長の解任に関する通則法第二十三条第一項の規定の適用については、同項中「前条」とあるのは、「前条及び国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構法(平成十四年法律第百六十一号)第十四条」とする。
2 機構の理事及び監事の解任に関する通則法第二十三条第一項の規定の適用については、同項中「前条」とあるのは、「前条並びに国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構法(平成十四年法律第百六十一号)第十三条及び第十四条」とする。
(役員及び職員の秘密保持義務)
第十六条役員及び職員の秘密保持義務
第十六条 機構の役員及び職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。 その職を退いた後も、同様とする。
(役員及び職員の地位)
第十七条役員及び職員の地位
第十七条 機構の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第三章 業務等
(業務の範囲等)
第十八条業務の範囲等
第十八条 機構は、第四条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 大学との共同その他の方法による宇宙科学に関する学術研究を行うこと。
二 宇宙科学技術及び航空科学技術に関する基礎研究並びに宇宙及び航空に関する基盤的研究開発を行うこと。
三 人工衛星等の開発並びにこれに必要な施設及び設備の開発を行うこと。
四 人工衛星等の打上げ、追跡及び運用並びにこれらに必要な方法、施設及び設備の開発を行うこと。
五 前各号に掲げる業務に係る成果を普及し、及びその活用を促進すること。
六 第三号及び第四号に掲げる業務に関し、民間事業者の求めに応じて援助及び助言を行うこと。
七 次に掲げる者として公募により選定した者に対し、当該研究開発に必要な資金に充てるための助成金を交付すること。
イ 宇宙科学技術に関する先端的な研究開発を行う民間事業者であって、その成果を活用して宇宙空間を利用した事業を行おうとするもの
ロ イに掲げる者と共同して当該研究開発を行う大学その他の研究機関
八 機構の施設及び設備を学術研究、科学技術に関する研究開発並びに宇宙の開発及び利用を行う者の利用に供すること。
九 宇宙科学並びに宇宙科学技術及び航空科学技術に関する研究者及び技術者を養成し、及びその資質の向上を図ること。
十 大学の要請に応じ、大学院における教育その他その大学における教育に協力すること。
十一 科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律(平成二十年法律第六十三号)第三十四条の六第一項の規定による出資並びに人的及び技術的援助のうち政令で定めるものを行うこと。
十二 前各号の業務に附帯する業務を行うこと。
(株式等の取得及び保有)
第十八条の二株式等の取得及び保有
第十八条の二 機構は、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律第三十四条の五第一項及び第二項の規定による株式又は新株予約権の取得及び保有を行うことができる。
(宇宙開発利用に関する基本的な計画)
第十九条宇宙開発利用に関する基本的な計画
第十九条 主務大臣は、通則法第三十五条の四第一項に規定する中長期目標(次項及び次条において「中長期目標」といい、航空科学技術に関する基礎研究及び航空に関する基盤的研究開発並びにこれらに関連する業務に係る部分を除く。)を定め、又は変更するに当たっては、宇宙基本法第二十四条に規定する宇宙基本計画に基づかなければならない。
2 主務大臣は、第十八条第二号及び第九号に掲げる業務(同条第二号に掲げる業務のうち航空科学技術に関する基礎研究及び航空に関する基盤的研究開発に係るもの並びに同条第九号に掲げる業務のうち宇宙科学及び航空科学技術に係るものを除く。)並びにこれらに附帯する業務に関し、中長期目標を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣に協議しなければならない。
(学術研究の特性への配慮)
第二十条学術研究の特性への配慮
第二十条 文部科学大臣は、中長期目標(宇宙科学に関する学術研究及びこれに関連する業務に係る部分に限る。)を定め、又は変更するに当たっては、研究者の自主性の尊重その他の学術研究の特性への配慮をしなければならない。
(基金の設置等)
第二十一条基金の設置等
第二十一条 機構は、次に掲げる業務(複数年度にわたる業務であって、各年度の所要額をあらかじめ見込み難く、弾力的な支出が必要であることその他の特段の事情があり、あらかじめ当該複数年度にわたる財源を確保しておくことがその安定的かつ効率的な実施に必要であると認められるものに限る。)及びこれらに附帯する業務に要する費用に充てるための基金を設け、第四項の規定により交付を受けた補助金をもってこれに充てるものとする。
一 第十八条第二号に掲げる業務(同号の基礎研究及び基盤的研究開発のうち宇宙空間を利用した民間の事業にもその成果の活用が見込まれるものを公募により選定した者に委託して行うための業務に限る。)
二 第十八条第七号に掲げる業務
2 前項の基金(以下この条から第二十三条まで及び第三十一条第三号において「基金」という。)の運用によって生じた利子その他の収入金は、基金に充てるものとする。
3 通則法第四十七条及び第六十七条(第七号に係る部分に限る。)の規定は、基金の運用について準用する。 この場合において、通則法第四十七条第三号中「金銭信託」とあるのは、「金銭信託で元本補塡の契約があるもの」と読み替えるものとする。
4 政府は、毎年度、予算の範囲内において、機構に対し、基金に充てる資金を補助することができる。
(区分経理)
第二十二条区分経理
第二十二条 機構は、基金に係る業務の経理については、その他の経理と区分し、特別の勘定を設けて整理しなければならない。
(国会への報告等)
第二十三条国会への報告等
第二十三条 機構は、毎事業年度、基金に係る業務に関する報告書を作成し、当該事業年度の終了後六月以内に主務大臣に提出しなければならない。
2 主務大臣は、前項の報告書の提出を受けたときは、これに意見を付けて、国会に報告しなければならない。
(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の準用)
第二十四条補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の準用
第二十四条 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)の規定(罰則を含む。)は、第十八条第七号の規定により機構が交付する助成金について準用する。 この場合において、同法(第二条第七項を除く。)中「各省各庁」とあるのは「国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構」と、「各省各庁の長」とあるのは「国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構の理事長」と、同法第二条第一項(第二号を除く。)及び第四項第一号、第七条第二項、第十九条第一項及び第二項、第二十四条並びに第三十三条中「国」とあるのは「国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構」と、同法第十四条中「国の会計年度」とあるのは「国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構の事業年度」と読み替えるものとする。
(積立金の処分)
第二十五条積立金の処分
第二十五条 機構は、通則法第三十五条の四第二項第一号に規定する中長期目標の期間(以下この項において「中長期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項又は第二項の規定による整理を行った後、同条第一項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち主務大臣の承認を受けた金額を、当該中長期目標の期間の次の中長期目標の期間に係る通則法第三十五条の五第一項の認可を受けた中長期計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中長期目標の期間における第十八条に規定する業務の財源に充てることができる。
2 機構は、前項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
3 前二項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
第四章 雑則
(主務大臣の要求)
第二十六条主務大臣の要求
第二十六条 主務大臣は、次に掲げる場合には、機構に対し、必要な措置をとることを求めることができる。
一 宇宙の開発及び利用に関する条約その他の国際約束を我が国が誠実に履行するため必要があると認めるとき。
二 関係行政機関の要請を受けて、我が国の国際協力の推進若しくは国際的な平和及び安全の維持のため特に必要があると認めるとき又は緊急の必要があると認めるとき。
2 機構は、主務大臣から前項の規定による求めがあったときは、その求めに応じなければならない。
(機構の解散時における残余財産の分配)
第二十七条機構の解散時における残余財産の分配
第二十七条 機構は、解散した場合において、その債務を弁済してなお残余財産があるときは、これを各出資者に対し、その出資額を限度として分配するものとする。
(主務大臣等)
第二十八条主務大臣等
第二十八条 機構に係るこの法律及び通則法における主務大臣は、次のとおりとする。
一 役員及び職員並びに財務及び会計その他管理業務(次号に規定するものを除く。)に関する事項については、文部科学大臣
二 第六条及び第二十五条並びに通則法第三十八条、第四十四条、第四十六条の二(第四号から第八号までに規定する業務に係る政府出資等に係る不要財産に係る部分に限る。)、第四十六条の三(第四号から第八号までに規定する業務に係る民間等出資に係る不要財産に係る部分に限る。)及び第四十八条(第四号から第八号までに規定する業務の用に供する重要な財産に係る部分に限る。)に規定する管理業務に関する事項については、文部科学大臣及び総務大臣
三 第十八条に規定する業務(次号から第八号までに規定するものを除く。)に関する事項については、文部科学大臣
四 第十八条に規定する業務のうち同条第三号及び第四号に掲げるもの(宇宙科学に関する学術研究のためのものを除く。)並びにこれらに関連する同条第五号及び第八号に掲げるもの(次号から第七号までに規定するものを除き、これらに附帯する業務を含む。)に関する事項については、文部科学大臣及び総務大臣
五 第十八条に規定する業務のうち同条第三号及び第四号に掲げるもの(宇宙科学に関する学術研究のためのものを除く。)であって宇宙の利用の推進に関するもの並びにこれらに関連する同条第五号及び第八号に掲げるもの(第七号に規定するものを除き、これらに附帯する業務を含む。)に関する事項については、文部科学大臣、内閣総理大臣及び総務大臣
六 第十八条に規定する業務のうち同条第三号及び第四号に掲げるもの(宇宙科学に関する学術研究のためのものを除く。)であって政令で定める人工衛星等又は施設若しくは設備に関するもの並びにこれらに関連する同条第五号及び第八号に掲げるもの(次号に規定するものを除き、これらに附帯する業務を含む。)に関する事項については、文部科学大臣、総務大臣及び政令で定める大臣
七 第十八条に規定する業務のうち同条第三号及び第四号に掲げるもの(宇宙科学に関する学術研究のためのものを除く。)であって前号の政令で定める人工衛星等又は施設若しくは設備に関するもの(宇宙の利用の推進に関するものに限る。)並びにこれらに関連する同条第五号及び第八号に掲げるもの(これらに附帯する業務を含む。)に関する事項については、文部科学大臣、内閣総理大臣、総務大臣及び前号の政令で定める大臣
八 第十八条に規定する業務のうち同条第六号及び第七号に掲げるもの(これらに附帯する業務を含む。)に関する事項については、文部科学大臣、内閣総理大臣、総務大臣及び経済産業大臣
2 総務大臣は、専ら前項第四号から第八号までに規定する業務の適正かつ確実な実施を図る観点から、同項第二号に規定する規定に基づく認可又は承認を行うものとする。
3 機構に係る通則法における主務省令は、主務大臣の発する命令とする。 ただし、第一項第四号から第八号までに規定する業務に係る通則法第五十条に規定する主務省令は、文部科学省令・総務省令とする。
(財務大臣との協議)
第二十九条財務大臣との協議
第二十九条 主務大臣は、次の場合には、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。
一 第六条第二項の規定による認可をしようとするとき。
二 第二十五条第一項の規定による承認をしようとするとき。
第五章 罰則
第三十条
第三十条 第十六条の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
第三十一条
第三十一条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした機構の役員は、二十万円以下の過料に処する。
一 この法律の規定により文部科学大臣又は主務大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかったとき。
二 第十八条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
三 第二十一条第三項において読み替えて準用する通則法第四十七条の規定に違反して基金を運用したとき。