国立研究開発法人森林研究・整備機構法
第一章 総則
(目的)
第一条目的
第一条 この法律は、国立研究開発法人森林研究・整備機構の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。
(名称)
第二条名称
第二条 この法律及び独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項に規定する独立行政法人の名称は、国立研究開発法人森林研究・整備機構とする。
(機構の目的)
第三条機構の目的
第三条 国立研究開発法人森林研究・整備機構(以下「機構」という。)は、森林及び林業に関する試験及び研究、林木の優良な種苗の生産及び配布、水源を涵養するための森林の造成等を行うことにより、森林の保続培養を図るとともに、林業に関する技術の向上に寄与し、もって林業の振興と森林の有する公益的機能の維持増進に資することを目的とする。
2 機構は、前項に規定するもののほか、森林保険(森林保険法(昭和十二年法律第二十五号)第二条第一項に規定する森林保険をいう。第十三条第二項第一号において同じ。)を効率的かつ効果的に行うことを目的とする。
(国立研究開発法人)
第四条国立研究開発法人
第四条 機構は、通則法第二条第三項に規定する国立研究開発法人とする。
(事務所)
第五条事務所
第五条 機構は、主たる事務所を茨城県に置く。
(資本金)
第六条資本金
第六条 機構の資本金は、附則第五条第二項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。
2 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、機構に追加して出資することができる。
3 機構は、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
第二章 役員及び職員
(役員)
第七条役員
第七条 機構に、役員として、その長である理事長及び監事二人を置く。
2 機構に、役員として、理事五人以内を置くことができる。
(理事の職務及び権限等)
第八条理事の職務及び権限等
第八条 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して機構の業務を掌理する。
2 通則法第十九条第二項の個別法で定める役員は、理事とする。 ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。
3 前項ただし書の場合において、通則法第十九条第二項の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。
(理事の任期)
第九条理事の任期
第九条 理事の任期は、二年とする。
(役員の欠格条項の特例)
第十条役員の欠格条項の特例
第十条 通則法第二十二条に定めるもののほか、次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。
一 物品の製造若しくは販売若しくは工事の請負を業とする者であって機構と取引上密接な利害関係を有するもの又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
二 前号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
2 機構の役員の解任に関する通則法第二十三条第一項の規定の適用については、同項中「前条」とあるのは、「前条及び国立研究開発法人森林研究・整備機構法(平成十一年法律第百九十八号)第十条第一項」とする。
(役員及び職員の秘密保持義務)
第十一条役員及び職員の秘密保持義務
第十一条 機構の役員及び職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らし、又は盗用してはならない。 その職を退いた後も、同様とする。
(役員及び職員の地位)
第十二条役員及び職員の地位
第十二条 機構の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第三章 業務等
(業務の範囲)
第十三条業務の範囲
第十三条 機構は、第三条第一項の目的を達成するため、次に掲げる業務を行う。
一 森林及び林業に関する試験及び研究、調査、分析、鑑定並びに講習を行うこと。
二 森林及び林業に関する試験及び研究に必要な標本の生産及び配布を行うこと。
三 林木の優良な種苗の生産及び配布を行うこと。
四 水源を涵養するための森林の造成を行うこと。
五 科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律(平成二十年法律第六十三号)第三十四条の六第一項の規定による出資並びに人的及び技術的援助のうち政令で定めるものを行うこと。
六 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
2 機構は、第三条第二項の目的を達成するため、次に掲げる業務を行う。
一 森林保険を行うこと。
二 前号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
3 機構は、第一項第四号に掲げる業務及びこれに附帯する業務を行うに当たっては、環境の保全について配慮しなければならない。
(立入調査等)
第十四条立入調査等
第十四条 機構は、前条第一項第四号に掲げる業務及びこれに附帯する業務の遂行に必要な限度において、その職員に、他人の土地に立ち入り、測量、実地調査若しくは標識の建設をさせ、又は測量、実地調査若しくは標識の建設の支障となる立木竹を伐採させることができる。
2 その職員に前項の規定による立入り又は伐採をさせる場合には、あらかじめその旨をその土地の占有者又は立木竹の所有者に通知しなければならない。
3 第一項の規定により機構の職員が立ち入り、又は伐採をするときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の要求があるときは、これを提示しなければならない。
4 機構は、第一項の規定による立入り又は伐採によって損失を受けた者に対し、その損失を補償しなければならない。
(業務の委託)
第十五条業務の委託
第十五条 機構は、業務方法書で定めるところにより、次に掲げる者に対し、第十三条第二項に規定する業務(森林保険契約(森林保険法第二条第二項に規定する森林保険契約をいう。)の締結及び保険金の支払の決定を除く。)の一部を委託することができる。
一 森林組合法(昭和五十三年法律第三十六号)第九条第二項第一号又は第百一条第一項第三号に掲げる事業を行う森林組合又は森林組合連合会
二 地方公共団体その他農林水産大臣の指定する者
2 前項各号に掲げる者は、他の法律の規定にかかわらず、同項の規定による委託を受けて、当該委託を受けた業務を行うことができる。
3 第一項の規定により業務の委託を受けた同項各号に掲げる者(地方公共団体を除く。)の役員又は職員であって同項の規定による委託を受けた業務に従事するものは、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(株式等の取得及び保有)
第十五条の二株式等の取得及び保有
第十五条の二 機構は、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律第三十四条の五第一項及び第二項の規定による株式又は新株予約権の取得及び保有を行うことができる。
(区分経理)
第十六条区分経理
第十六条 機構は、次に掲げる業務ごとに経理を区分し、それぞれ勘定を設けて整理しなければならない。
一 第十三条第一項第一号から第三号まで及び第五号に掲げる業務並びにこれらに附帯する業務
二 第十三条第一項第四号に掲げる業務及びこれに附帯する業務
三 第十三条第二項に規定する業務
(利益及び損失の処理の特例等)
第十七条利益及び損失の処理の特例等
第十七条 機構は、前条第一号及び第二号に掲げる業務に係るそれぞれの勘定において、通則法第三十五条の四第二項第一号に規定する中長期目標の期間(以下この項及び第四項において「中長期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項又は第二項の規定による整理を行った後、同条第一項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち農林水産大臣の承認を受けた金額を、当該中長期目標の期間の次の中長期目標の期間に係る通則法第三十五条の五第一項の認可を受けた中長期計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中長期目標の期間における第十三条第一項に規定する業務の財源に充てることができる。
2 機構は、前項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
3 前条第三号に掲げる業務に係る勘定については、通則法第四十四条第一項ただし書及び第三項の規定は、適用しない。
4 機構は、前条第三号に掲げる業務に係る勘定において、中長期目標の期間の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項本文又は第二項の規定による整理を行った後、同条第一項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額を当該中長期目標の期間の次の中長期目標の期間における積立金として整理しなければならない。
5 前各項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
(長期借入金及び森林研究・整備機構債券)
第十八条長期借入金及び森林研究・整備機構債券
第十八条 機構は、第十三条第一項第四号に掲げる業務及びこれに附帯する業務並びに同条第二項に規定する業務に要する費用に充てるため、農林水産大臣の認可を受けて、長期借入金をし、又は森林研究・整備機構債券(以下「債券」という。)を発行することができる。
2 前項に規定するもののほか、機構は、長期借入金又は債券で政令で定めるものの償還に充てるため、農林水産大臣の認可を受けて、長期借入金をし、又は債券を発行することができる。 ただし、その償還期間が政令で定める期間のものに限る。
3 前二項の規定による債券の債権者は、機構の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
4 前項の先取特権の順位は、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
5 機構は、農林水産大臣の認可を受けて、債券の発行に関する事務の全部又は一部を銀行又は信託会社に委託することができる。
6 会社法(平成十七年法律第八十六号)第七百五条第一項及び第二項並びに第七百九条の規定は、前項の規定による委託を受けた銀行又は信託会社について準用する。
7 前各項に定めるもののほか、第一項又は第二項の規定による長期借入金又は債券に関し必要な事項は、政令で定める。
(債務保証)
第十九条債務保証
第十九条 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、第十三条第二項に規定する業務に係る前条第一項又は第二項の規定による機構の長期借入金又は債券に係る債務(国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律(昭和二十八年法律第五十一号)第二条の規定に基づき政府が保証契約をすることができる債務を除く。)について保証することができる。
(償還計画)
第二十条償還計画
第二十条 機構は、毎事業年度、長期借入金及び債券の償還計画を立てて、農林水産大臣の認可を受けなければならない。
(財政上の措置)
第二十一条財政上の措置
第二十一条 政府は、機構が、第十八条第一項又は第二項の規定により、長期借入金をし、又は債券を発行することによっても、なお第十三条第二項に規定する業務に要する費用又は当該業務に係る第十八条第二項の償還に充てるための資金の調達をすることが困難であると認められるときは、予算で定める額の範囲内において、必要な財政上の措置を講ずるものとする。
第四章 雑則
(緊急時の要請)
第二十二条緊急時の要請
第二十二条 農林水産大臣は、森林に重大な被害が生じ、又は生ずるおそれがあると認められる場合において、当該被害の拡大又は発生を防止するため緊急の必要があると認めるときは、機構に対し、第十三条第一項第一号に掲げる業務のうち必要な試験及び研究、調査、分析又は鑑定を実施すべきことを要請することができる。
2 機構は、前項の規定による農林水産大臣の要請があったときは、速やかにその要請された試験及び研究、調査、分析又は鑑定を実施しなければならない。
(財務大臣との協議)
第二十三条財務大臣との協議
第二十三条 農林水産大臣は、次に掲げる場合には、財務大臣に協議しなければならない。
一 第十七条第一項の承認をしようとするとき。
二 第十八条第一項、第二項若しくは第五項又は第二十条の認可をしようとするとき。
(主務大臣等)
第二十四条主務大臣等
第二十四条 機構に係る通則法における主務大臣及び主務省令は、それぞれ農林水産大臣及び農林水産省令とする。
(他の法令の準用)
第二十五条他の法令の準用
第二十五条 機構が行う第十三条第一項第四号に掲げる業務及びこれに附帯する業務に関しては、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他政令で定める法令については、政令で定めるところにより、機構を国の行政機関とみなして、これらの法令を準用する。
第五章 罰則
第二十六条
第二十六条 第十一条の規定に違反して秘密を漏らし、又は盗用した者は、一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。
第二十七条
第二十七条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした機構の役員は、二十万円以下の過料に処する。
一 この法律の規定により農林水産大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかったとき。
二 第十三条第一項及び第二項に規定する業務以外の業務を行ったとき。