動力消防ポンプの技術上の規格を定める省令
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第二十一条の十六の三第一項の規定に基づき、動力消防ポンプの技術上の規格を定める省令(昭和四十九年自治省令第三十五号)の全部を改正する省令を次のように定める。
第一章 総則
(趣旨)
第一条趣旨
第一条 この省令は、動力消防ポンプの技術上の規格を定めるものとする。
(用語の意義)
第二条用語の意義
第二条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 動力消防ポンプポンプ、ポンプ駆動用の内燃機関、電動機又はこれらと同等以上の性能を有する機関その他の必要な機械器具から構成される消防の用に供するポンプ設備をいう。
二 消防ポンプ自動車ポンプが自動車(道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第二条第二項に規定する自動車をいう。以下同じ。)の車台に固定された動力消防ポンプをいう。
三 可搬消防ポンプポンプが車両を使用しないで人力により搬送され、又は、人力により牽引される車両若しくは自動車の車台に取り外しができるように取り付けられて搬送される動力消防ポンプをいう。
四 大容量泡放水砲用消防ポンプ自動車石油コンビナート等災害防止法施行令(昭和五十一年政令第百二十九号)第十三条第三項に規定する大容量泡放水砲用防災資機材としての用途にのみ用いられる消防ポンプ自動車をいう。
五 大容量泡放水砲用可搬消防ポンプ石油コンビナート等災害防止法施行令第十三条第三項に規定する大容量泡放水砲用防災資機材としての用途にのみ用いられる可搬消防ポンプをいう。
六 ポンプの級別第二十一条第一項に規定するポンプの規格放水性能及び高圧放水性能に応じた区分をいう。
(一般構造及び機能)
第三条一般構造及び機能
第三条 動力消防ポンプの一般構造及び機能は、次の各号に適合するものでなければならない。
一 使用中又は走行中若しくは搬送中において、振動等により構造又は機能に異常を生じないこと。
二 回転部分及び高温となる部分のうち操作する人が触れるおそれのある箇所は、危害防止のためカバーを設ける等の措置が講じてあること。
三 操作又は点検する人が触れるおそれのある部分は、機能上鋭角にする必要がある場合を除き、危害防止及び強度保持のために必要な措置が講じてあること。
三の二 充電部のうち、外部から容易に人が触れるおそれのある部分は、十分に保護されていなければならないこと。
四 ポンプの揚水操作、放水圧力の調整等を自動的に行うことのできるものにあつては、その機能が確実に作動するものであり、かつ、予備的な操作装置を有するものであること。
五 電気配線、電気端子、電気開閉器その他電気部品は、湿気又は水により機能に異常が生じないよう措置されていること。
六 動力消防ポンプには、その機能に有害な影響を及ぼすおそれのある附属装置を設けてはならないこと。
七 ポンプの吸水口又は放水口に使用する結合金具は、消防用ホースに使用する差込式又はねじ式の結合金具及び消防用吸管に使用するねじ式の結合金具の技術上の規格を定める省令(平成二十五年総務省令第二十三号)の規定に適合するものであること。
八 ポンプ(ポンプの級別がD―一級及びD―二級のもの並びに大容量泡放水砲用消防ポンプ自動車及び大容量泡放水砲用可搬消防ポンプ(以下「大容量泡放水砲用動力消防ポンプ」という。)を除く。)の吸水口は、ストレーナを取り付けることができる構造であること。
九 可搬消防ポンプ(大容量泡放水砲用可搬消防ポンプを除く。)の乾燥質量(燃料、潤滑油、冷却水その他の液体及び電動機駆動用の蓄電池を全て取り除いた場合の総質量をいう。)は、百五十キログラム以下であること。
十 ポンプの圧力計測装置は、次に掲げるところによること。
イ JIS(産業標準化法(昭和二十四年法律第百八十五号)第二十条第一項の日本産業規格をいう。以下同じ。)B七五〇五―一(アネロイド型圧力計―第一部:ブルドン管圧力計)の一・六級又はこれと同等以上の精度を有するものであること。
ロ 夜間でも読み取ることができるものであること。
ハ 指示圧力値が安定しており、かつ、明確に読み取ることができるものであること。 アナログ式の圧力計測装置にあつては、連続放水運転中における指針の振れ幅が、当該圧力計測装置の圧力範囲の上限値の五パーセント(可搬消防ポンプにあつては、十パーセント)以内であること。
ニ ポンプの放水側には、通常の使用状態(放水口を閉じた状態を含む。以下同じ。)における最高圧力以上の圧力を測定することができる圧力計測装置が設けられていること。
ホ ポンプ(ポンプの級別がD―一級及びD―二級のものを除く。)の吸水側には、マイナス〇・一メガパスカルから一・五メガパスカル(可搬消防ポンプにあつては、〇・五メガパスカル)までの範囲を超える圧力を測定することができる圧力計測装置が設けられていること。
十一 内燃機関及び電動機を併用するものにあつては、内燃機関又は電動機への切替えに際して、その機能に有害な影響を及ぼすおそれがないこと。
(材料)
第四条材料
第四条 動力消防ポンプの部品で次の表の上欄に掲げるものに用いる材料は、それぞれ同表下欄に掲げるもの又はこれらと同等以上の強度及び耐久性(引張強さ、耐力及び伸び)を有するものでなければならない。
| 部品 | 材料 |
| 羽根車及び案内羽根 | JIS H 五一二〇(銅及び銅合金鋳物) JIS H 五一二一(銅合金連続鋳造鋳物) JIS H 五二〇二(アルミニウム合金鋳物) |
| ケーシング | JIS G 五五〇一(ねずみ鋳鉄品) JIS G 五五〇二(球状黒鉛鋳鉄品) JIS H 五一二〇(銅及び銅合金鋳物) JIS H 五一二一(銅合金連続鋳造鋳物) JIS H 五二〇二(アルミニウム合金鋳物) |
| ポンプ軸 | JIS G 四〇五一(機械構造用炭素鋼鋼材) JIS G 四〇五二(焼入性を保証した構造用鋼鋼材(H鋼)) JIS G 四〇五三(機械構造用合金鋼鋼材) JIS G 四三〇三(ステンレス鋼棒) |
| インデューサー | JIS G 五一二一(ステンレス鋼鋳鋼品) JIS H 五一二〇(銅及び銅合金鋳物) JIS H 五一二一(銅合金連続鋳造鋳物) JIS H 五二〇二(アルミニウム合金鋳物) |
| 吸水配管及び放水配管 | JIS G 三四五二(配管用炭素鋼鋼管) JIS G 三四五四(圧力配管用炭素鋼鋼管) JIS G 三四五九(配管用ステンレス鋼鋼管) JIS G 五五〇一(ねずみ鋳鉄品) JIS H 四〇八〇(アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管) JIS H 五二〇二(アルミニウム合金鋳物) |
第五条
第五条 削除
(吸水口)
第六条吸水口
第六条 ポンプの吸水口の内径は、ポンプの級別に応じ、それぞれ次の表に掲げるとおりとする。 ただし、ポンプの級別がA―一級のポンプのうち、第二十一条に規定する標準放水試験条件で放水時の圧力を〇・八五メガパスカルとした場合の放水量が三・〇立方メートル毎分以上のものにあつては、この限りでない。
| ポンプの級別 | 吸水口の内径(ミリメートル) |
| A―一 | 百二十五以下 |
| A―二 | 百以下 |
| B―一 | 百以下 |
| B―二 | 九十以下 |
| B―三 | 七十五以下 |
| C―一 | 六十五以下 |
| C―二 | 六十五以下 |
| D―一 | 四十以下 |
| D―二 | 四十以下 |
(表示)
第七条表示
第七条 動力消防ポンプには、次の各号に掲げる事項を見やすい箇所に容易に消えないように表示しなければならない。
一 製造者名
二 製造年及び製造番号
三 消防ポンプ自動車又は可搬消防ポンプの区別
四 ポンプの級別
五 届出番号
六 混合ガソリンを使用するものにあつては、混合比
六の二 可搬消防ポンプ(大容量泡放水砲用可搬消防ポンプを除く。)にあつては、質量(当該ポンプの燃料及び蓄電池の質量を含む。)
七 大容量泡放水砲用動力消防ポンプにあつては、次に掲げる事項
イ 大容量泡放水砲用である旨
ロ 大容量放水圧力及び放水量
ハ 接続することができる消防用ホースの使用圧(消防用ホースの技術上の規格を定める省令(平成二十五年総務省令第二十二号)第二条第六号に規定する使用圧をいう。)の下限値
八 電動機駆動用の蓄電池(蓄電池の温度を使用温度範囲に調整する機能を有するものを除く。)を有するものにあつては、蓄電池の使用温度範囲
2 前項に定めるほか、動力消防ポンプの操作部分にあつてはその名称及び操作内容を、取扱いが特殊となる部分にあつてはその旨の注意事項をそれぞれ当該部分又はその周辺部分に容易に消えないように表示しなければならない。 ただし、当該表示を付さない場合においても使用上支障のない操作部分にあつては、この限りでない。
3 高電圧(作動電圧が直流電圧において六十ボルトを超え千五百ボルト以下又は交流電圧において三十ボルトを超え千ボルト以下の電圧をいう。)の部分には感電保護のための表示を付さなければならない。
第二章 消防ポンプ自動車
(消防ポンプ自動車のポンプ)
第八条消防ポンプ自動車のポンプ
第八条 消防ポンプ自動車(大容量泡放水砲用消防ポンプ自動車を除く。以下この章において同じ。)のポンプは、次の各号に適合するものでなければならない。
一 ポンプは、分解及び取り外しができる構造であること。 ただし、特殊な構造又は部品で交換、給脂及び手入れを行う必要のないものは、この限りでない。
二 ポンプ及びすべての配管は、有効に排水できる構造であり、かつ、排水に要する時間が五分以内であること。
三 ポンプのドレーンコックは、ポンプ駆動レバーと関連して操作できるものであること。 ただし、特殊な構造によりその必要のないものは、この限りでない。
四 ポンプの駆動装置は、次に掲げるところによること。
イ 強制潤滑、飛まつ給油等により有効に潤滑されていること。
ロ 油面の高さを検査することができるように検査口又は検査のための装置が設けられていること。
ハ 給油口、排出口及び通気口が設けられていること。 ただし、相互に兼用することを妨げない。
五 ポンプの駆動装置の伝導軸には、軸方向の荷重を有効に緩衝することのできる措置が講じられていること。
六 呼び水装置は、次に掲げるところによること。
イ 真空ポンプを利用する呼び水装置にあつては、次によること。
(1) 揚水が完了した後、ポンプ圧力が〇・三メガパスカルに達する前に、通水路の閉止及び真空ポンプへの動力の伝達の停止が自動的に行われるものであること。
(2) 潤滑剤を使用する真空ポンプは、当該真空ポンプの作動時における潤滑剤の補給の開始及び停止が自動的に行われるものであること。
(3) 真空ポンプは、機関の振動により作動しないものであること。
(4) 真空ポンプに使用する潤滑剤のタンクは、ポンプの一の吸水口に長さが十メートル(可搬消防ポンプにあつては、六メートル)の吸管(以下「標準吸管」という。)を接続し、吸水高さを三メートルの状態とした場合(以下「標準吸水試験条件」という。)において、三回以上の揚水を行うために必要な容量の潤滑剤を確保し、真空ポンプを操作したとき以外には潤滑剤が流出せず、潤滑剤量が確認でき、かつ、真空ポンプからの水が流入しないものであること。
(5) 真空ポンプに使用する潤滑剤が凍結するおそれのあるものは、機能に支障を生じないように措置されていること。
ロ 内燃機関の吸排気を利用する呼び水装置にあつては、過熱又は凍結により機能に支障が生じないものであり、かつ、機関の作動を妨げないものであること。
ハ 自吸式の呼び水装置にあつては、呼び水の凍結による破損等のおそれのないものであること。
七 吸水口が二口以上設けられているポンプで、当該吸水口を二口以上用いることにより放水性能を満足するものにあつては、一方の側の吸管内の水流を利用して他方の側の吸管に揚水を行う構造の呼び水装置(以下「エゼクタ」という。)が設けられ、かつ、揚水の完了が確認できるものであること。
(消防ポンプ自動車の機関)
第九条消防ポンプ自動車の機関
第九条 消防ポンプ自動車のポンプ駆動用の内燃機関は、次の各号に適合するものでなければならない。
一 冷却装置は、次に掲げるところによること。
イ 水冷式の冷却装置は、次によること。
(1) 冷却水の漏出により気化器及び電気装置が濡れない構造であること。
(2) 見やすい位置に冷却水の温度を指示する計器が設けられていること。
(3) 補助冷却器が設けられているものにあつては、当該補助冷却器が次によること。
(i) 水、不凍液等に対し耐食性を有するものであつて、水圧又は振動により機能に支障が生じないものであり、かつ、冷却水の排水に要する時間が五分以内であること。
(ii) 冷却水の取出し口がポンプ自動放水口閉止弁と放水口との間にあり、かつ、放水側の配管の底部より上部に設けられていること。
(iii) 冷却水の水量を調節することができるものであること。
(iv) 冷却水のろ過装置が設けられており、当該ろ過装置が機関への通水を停止することなく容易に清掃できるものであること。
ロ 空冷式の冷却装置で空冷送風装置を有するものにあつては、当該空冷送風装置の機能に障害を与えるような異物の入らない構造であること。
二 潤滑装置は、次に掲げるところによること。
イ 潤滑油をオイルポンプにより循環させる方式のものにあつては、圧力指示装置及び安全弁が設けられていること。 ただし、二サイクルガソリン機関にあつては、この限りでない。
ロ 見やすい位置に潤滑油の温度を指示する指示計が設けられていること。
三 燃料装置は、次に掲げるところによること。
イ 燃料タンクの容量の二十五パーセント以上七十五パーセント以下の燃料の量が指示できる燃料計が設けられていること。 ただし、燃料の量が燃料タンクの外部から容易に確認できるものは、この限りでない。
ロ 燃料ろ過装置が設けられていること。
ハ 燃料タンクは、鋼製又はこれと同等以上の強度を有し、かつ、燃料に対し耐食性を有するものであること。
ニ 燃料タンクの容量は、第二十一条に規定する規格放水性能で一時間以上連続放水運転ができる量の燃料を入れることができるものであること。
ホ 燃料タンクには、燃料の排出口が設けられており、かつ、燃料タンク内の圧力が著しく変化しないための措置が講じられていること。
ヘ 燃料タンクを排気管の上方に設ける場合にあつては、排気管の放熱による影響を受けないように措置されていること。
ト 燃料の注入口は、給油の際漏れた燃料が排気管の放熱による影響を受けないように設けられていること。
チ ゴム、合成樹脂等の燃料配管の接合部は、抜止めが施されていること。
四 空気清浄器は、雨水又はいつ水により機能に支障が生じないように措置されていること。
五 排気装置は、他の装置に影響を与えないように措置されていること。
六 蓄電池の容量は、五時間率で八十アンペア時以上であること。
七 点火装置は、水若しくは油の侵入又は高温により機能に支障が生じないように措置されていること。
八 内燃機関の回転速度を制限する装置(以下「ガバナ」という。)が設けられていること。
九 内燃機関の回転速度を調節する装置(以下「スロットル」という。)がポンプの圧力計測装置を監視しながら操作できる位置に設けられていること。
十 内燃機関の騒音により消防活動に支障が生じないように消音装置が設けられていること。
2 消防ポンプ自動車のポンプ駆動用の電動機については、前項各号(第一号イ(1)、第二号から第七号まで及び第十号を除く。)を準用するほか、次の各号に適合するものでなければならない。
一 水冷式の冷却装置は、冷却水の漏出により電気装置が濡れない構造であること。
二 電動機駆動用の蓄電池は、次に掲げるところによること。
イ 蓄電池の充電の残量を指示できる指示計が設けられていること。
ロ 蓄電池の容量は、第二十一条に規定する規格放水性能で一時間以上の連続放水運転ができる容量であること。
ハ 蓄電池の温度を使用温度範囲に調整する機能を有するものにあつては、周囲の環境により機能に支障が生じないものであり、かつ、電動機の作動を妨げないものであること。
三 電動機駆動用以外の用途に用いる蓄電池にあつては、当該用途に用いるために十分な容量を有するものであること。
四 電動機駆動用及びそれ以外の双方の用途に用いる蓄電池にあつては、第二号ロ及び前号に規定する容量を合計した容量を有するものであること。
3 消防ポンプ自動車のポンプ駆動用の機関のうち、内燃機関及び電動機を併用するものについては、第一項第三号ニ及び前項第二号ロの規定は、適用しない。 この場合において、内燃機関の燃料タンク及び電動機の蓄電池の容量については、当該内燃機関及び当該電動機を併用することにより、第二十一条に規定する規格放水性能で一時間以上の連続放水運転ができるものでなければならない。
(配管の色分け)
第十条配管の色分け
第十条 消防ポンプ自動車には、次の表の上欄に掲げる配管内を流動する内容物に応じ、その配管の外面の全部又は一部に、同表下欄に掲げる色により分りやすく色分けを行うものとする。 ただし、機関に使用する配管、内径が二十五ミリメートル以上の配管及び内容物が外側から透視できる配管にあつては、この限りでない。
| 配管内を流動する内容物 | 色 |
| 水 | 淡青 |
| 空気 | 白 |
| 潤滑油 | 黄 |
| グリース | 茶 |
| 燃料 | 赤 |
(消防ポンプ自動車の装備)
第十一条消防ポンプ自動車の装備
第十一条 消防ポンプ自動車の装備は、次の各号に適合するものでなければならない。
一 自動車には、乗降が安全かつ容易なようにステップその他の装備が設けられていること。
二 操作部、機関部及びポンプ部には当該部分を有効に照明できる照明灯が、消防ポンプ自動車の上部には探照灯がそれぞれ取り付けられていること。
三 車台の前部又は後部には、フックが設けられていること。
四 前三号に掲げるもののほか、必要に応じ、次に掲げる器具又は工具が備えられていること。
イ 管そう
ロ ノズル
ハ 吸管
ニ 吸管のちりよけかご
ホ 吸管ストレーナ
ヘ 吸水口ストレーナ
ト 消火栓用の媒介金具
チ 消防用ホース
リ 必要工具
第三章 可搬消防ポンプ
(可搬消防ポンプのポンプ)
第十二条可搬消防ポンプのポンプ
第十二条 可搬消防ポンプ(大容量泡放水砲用可搬消防ポンプを除く。以下この章において同じ。)のポンプは、第八条各号(第三号から第五号まで、第六号イ(1)及び(3)並びに第七号を除く。)に適合するものでなければならない。
(可搬消防ポンプの機関)
第十三条可搬消防ポンプの機関
第十三条 可搬消防ポンプの内燃機関は、第九条第一項各号(第一号イ(2)及び(3)、第二号ロ、第三号ハ及びニ並びに第六号を除く。)に適合するほか、次の各号に適合するものでなければならない。
一 水冷式の冷却装置は、水、不凍液等に対し耐食性を有するものであつて、水圧又は振動により機能に支障が生じないものであり、かつ、冷却水の排水に要する時間が五分以内であること。
二 燃料タンクは、次に掲げるところによること。
イ 鋼製又はこれと同等以上の強度を有するものであること。 ただし、ポンプの級別がD―一級及びD―二級のポンプにおける燃料タンクについては、この限りでない。
ロ 燃料に対し耐食性を有するものであること。
ハ 第二十一条に規定する規格放水性能で三十分間以上連続放水運転ができる量の燃料を入れることができるものであること。
三 蓄電池を有するものにあつては、当該蓄電池の容量が五時間率で十五アンペア時(ポンプの級別がC―一級、C―二級、D―一級及びD―二級のポンプにおける蓄電池については、十時間率で十二アンペア時)以上であること。
2 可搬消防ポンプの電動機は、第九条第二項(第二号ロ、第三号及び第四号を除く。)の規定に適合するほか、次の各号に適合するものでなければならない。 ただし、この場合において第九条第二項中「前項各号(第一号イ(1)、第二号から第七号まで及び第十号を除く。)」とあるのは「前項各号(第一号イ、第二号から第七号まで及び第十号を除く。)」と読み替えるものとする。
一 電動機駆動用の蓄電池の容量は、第二十一条に規定する規格放水性能で三十分間以上の連続放水運転ができる量であること。
二 電動機駆動用以外の用途に用いる蓄電池にあつては、当該用途に用いるために十分な容量を有するものであること。
三 電動機駆動用及びそれ以外の双方の用途に用いる蓄電池にあつては、前二号に規定する容量を合計した容量を有するものであること。
3 可搬消防ポンプの機関のうち、内燃機関及び電動機を併用するものについては、第一項第二号ハ及び前項第一号の規定は、適用しない。 この場合において、内燃機関の燃料タンク及び電動機の蓄電池の容量については、当該内燃機関及び当該電動機を併用することにより、第二十一条に規定する規格放水性能で三十分間以上の連続放水運転ができるものでなければならない。
(可搬消防ポンプの運搬装置)
第十四条可搬消防ポンプの運搬装置
第十四条 可搬消防ポンプの運搬装置は、次の各号に適合するものでなければならない。
一 架台は、ポンプ、機関等の荷重により変形が生じないものであること。
二 人力によりけん引される車両及び自動車の車台は、次に掲げるところによること。
イ ポンプ、機関等の荷重により局部的な変形が生じないものであること。
ロ フレーム、スプリング、車軸等の機械部分は、火災その他の災害現場での全負荷運転に耐えることができるものであること。
ハ 二輪車の車台にあつては、車軸の前後の荷重のつり合いが良好であつて、車台の前端及び後端に支え棒が設けられていること。
(可搬消防ポンプの装備)
第十五条可搬消防ポンプの装備
第十五条 可搬消防ポンプには、必要に応じ、第十一条第四号に掲げる器具又は工具を備えなければならない。
第四章 大容量泡放水砲用消防ポンプ自動車
(大容量泡放水砲用消防ポンプ自動車のポンプ)
第十六条大容量泡放水砲用消防ポンプ自動車のポンプ
第十六条 大容量泡放水砲用消防ポンプ自動車のポンプは、第八条各号(第六号イ(1)及び(4)並びに第七号を除く。)に適合するほか、次の各号に適合するものでなければならない。
一 当該大容量泡放水砲用消防ポンプ自動車に表示された消防用ホースの使用圧を超えない処置が施されていること。
二 真空ポンプを利用する呼び水装置を用いるポンプにあつては、次によること。
イ 揚水が完了した後、通水路の閉止及び真空ポンプへの動力の伝達の停止が自動的に行われるものであること。 ただし、真空ポンプの動力が独立しているものにあつては、この限りでない。
ロ 真空ポンプに使用する潤滑剤のタンクは、ポンプのすべての吸水口に長さが十メートルの吸管(以下「標準大容量吸管」という。)を接続し、吸水高さを三メートルの状態とした場合(以下「標準大容量吸水試験条件」という。)において、三回以上の揚水を行うために必要な容量の潤滑剤を確保し、真空ポンプを操作したとき以外には潤滑剤が流出せず、潤滑剤量が確認でき、かつ、真空ポンプからの水が流入しないものであること。
三 ポンプの揚水を補助するため、水中又は水面に浮かべた状態で使用するポンプ(以下「水中ポンプ」という。)を用いるポンプにあつては、次によること。
イ 水中ポンプの吸水口は、ストレーナを取り付けることができる構造であること。
ロ 水中ポンプの操作部には、ポンプ操作を行いながら当該水中ポンプの運転状況を確認できる装置及び緊急停止等のための安全装置が設けてあること。
四 ポンプの吸水口は、ストレーナを取り付けることができる構造であること。 ただし、水中ポンプ又はストレーナが取り付けられている消防用吸管を用いるポンプにあつては、この限りでない。
(大容量泡放水砲用消防ポンプ自動車の機関)
第十七条大容量泡放水砲用消防ポンプ自動車の機関
第十七条 大容量泡放水砲用消防ポンプ自動車のポンプ駆動用の内燃機関は、第九条第一項各号(第一号イ(3)(ii)及び第三号ニを除く。)に適合するほか、次の各号に適合するものでなければならない。
一 水冷式の冷却装置で、補助冷却器が設けられているものにあつては、当該補助冷却器の冷却水の取出し口が、放水側の配管の底部より上部に設けられていること。
二 燃料タンクの容量は、第三十一条に規定する放水性能で二時間以上連続放水運転ができる量の燃料を入れることができるものであること。
2 大容量泡放水砲用消防ポンプ自動車のポンプ駆動用の電動機は、次の各号に定めるところによる。
一 当該電動機については、第九条第二項各号(第二号ロを除く。)の規定を準用する。 この場合において、第九条第二項中「前項各号(第一号イ(1)、第二号から第七号まで及び第十号を除く。)」とあるのは「前項各号(第一号イ(1)及び(3)(ii)、第二号から第七号まで並びに第十号を除く。)」と読み替えるものとする。
二 蓄電池の容量は、第三十一条第一項に規定する放水性能で二時間以上連続放水運転ができる量でなければならない。
3 大容量泡放水砲用消防ポンプ自動車のポンプ駆動用の機関のうち、内燃機関及び電動機を併用するものについては、第一項第二号及び前項第二号の規定については、適用しない。 この場合において、第一項第二号及び前項第二号に規定する燃料タンク及び蓄電池の容量については、内燃機関及び電動機を併用することにより、第三十一条に規定する放水性能で二時間以上の連続放水運転ができるものでなければならない。
(準用)
第十八条準用
第十八条 第十条及び第十一条第一号から第三号までの規定は、大容量泡放水砲用消防ポンプ自動車について準用する。
第五章 大容量泡放水砲用可搬消防ポンプ
(大容量泡放水砲用可搬消防ポンプの装備)
第十九条大容量泡放水砲用可搬消防ポンプの装備
第十九条 大容量泡放水砲用可搬消防ポンプの操作部、機関部及びポンプ部には当該部分を有効に照明できる照明灯が取り付けられていなければならない。
(準用)
第二十条準用
第二十条 第十条、第十四条、第十六条及び第十七条の規定は、大容量泡放水砲用可搬消防ポンプについて準用する。
第六章 動力消防ポンプに係る試験
(ポンプの放水性能試験)
第二十一条ポンプの放水性能試験
第二十一条 ポンプ(大容量泡放水砲用動力消防ポンプのポンプを除く。以下この章において同じ。)は、別表の上欄に掲げるポンプの級別に応じ、同表の中欄に掲げる規格放水性能及び同表の下欄に掲げる高圧放水性能をそれぞれ満たすものでなければならない。 なお、規格放水性能及び高圧放水性能は、それぞれ次の各号に定めるところによるものとする。
一 規格放水性能ポンプの吸水口に標準吸管を接続し、吸水高さを三メートルの状態とした場合(以下「標準放水試験条件」という。)において、ノズル、オリフィス等口径を調整し得られた放水静圧力(以下「放水静圧力」という。)が、別表の中欄に掲げる規格放水性能の規格放水圧力(以下「規格放水圧力」という。)とした場合において、同表の中欄に掲げる規格放水性能の規格放水量を有するものでなければならない。
二 高圧放水性能標準放水試験条件において、放水静圧力を別表の下欄に掲げる高圧放水性能の高圧放水圧力(以下「高圧放水圧力」という。)とした場合において、同表の下欄に掲げる高圧放水性能の高圧放水量を有するものでなければならない。
2 放水静圧力は、ポンプの放水口に整流筒(別図に掲げるものをいう。)を、ポンプの吸水口及び吸管にストレーナをそれぞれ取り付けた状態(ポンプの級別がD―一級及びD―二級のポンプにあつては、吸管にストレーナを取り付けた状態)で測定するものとする。
3 ポンプの効率(第一項第一号の状態において、水動力をポンプの軸動力で除した値をいう。以下この項において同じ。)は、消防ポンプ自動車のポンプにあつては六十五パーセント以上、可搬消防ポンプのポンプにあつては五十五パーセント以上(ポンプの級別がD―一級又はD―二級のポンプにあつては、二十五パーセント以上)とする。 ただし、特殊な構造を有するポンプであつて、そのポンプ効率を見やすい箇所に容易に消えないように表示しているものにあつては、この限りでない。
(連続放水試験)
第二十二条連続放水試験
第二十二条 動力消防ポンプ(大容量泡放水砲用動力消防ポンプを除く。以下この章において同じ。)は、規格放水圧力において負荷を最大にした状態で六時間連続して放水運転を行つた後に高圧放水圧力において負荷を最大にした状態又は機関の出力を最大にした状態で二時間連続して放水運転を行つた場合(ポンプの級別がD―一級又はD―二級のポンプにあつては、規格放水圧力において負荷を最大にした状態で八時間連続して放水運転を行つた場合)(以下「連続放水運転」という。)において、次の各号に適合するものでなければならない。
一 連続放水運転中において、放水圧力がそれぞれ規格放水圧力又は高圧放水圧力を下回らないこと。
二 連続放水運転中において、ポンプ軸、軸受け等の部品の温度及び当該部品より発する音が安定しており、かつ、当該部品が著しく振動しないこと。
三 部品の消耗、損傷等が放水運転に支障を生じない程度であること。
2 連続放水運転中における次の各号に掲げる部分の温度は、当該各号に定める温度以下でなければならない。
一 水冷式機関の冷却水圧力式にあつては摂氏百十度、その他のものにあつては摂氏九十五度
二 空冷式機関の点火プラグ座の表面摂氏三百五度
三 空冷式機関のシリンダケースの表面摂氏二百五度
四 機関の潤滑油(第六号のものを除く。)圧力式にあつては摂氏百三十度、その他のものにあつては摂氏九十五度
五 ポンプの駆動装置の潤滑油(次号のものを除く。)摂氏百十五度
六 圧力式の機関及びポンプの駆動装置の潤滑油を供用する潤滑油摂氏百三十度
3 内燃機関の各気筒圧縮圧力の最大差は、連続放水運転の直後に、次の各号に掲げる動力消防ポンプの種類に応じ、当該各号に定めるところにより機関を回転させた場合(ガソリンを燃料とする機関にあつては、スロットルを最大限度の位置にした状態で回転させた場合)において、当該気筒圧縮圧力の平均値の二十パーセント以内でなければならない。
一 消防ポンプ自動車機関の潤滑油の温度が摂氏六十度以上摂氏八十度以下の状態において、始動電動機の定格電圧における定格回転速度により機関を回転させたとき。
二 可搬消防ポンプ始動操作により機関を回転させたとき。
4 連続放水運転は、計器灯、照明灯等使用上必要な照明器具を点灯した状態で行うものとする。
5 電動機にあつては、連続放水運転中における電動機、冷却装置その他必要な機械器具の温度の上昇により、機能に異常を生じないものでなければならない。
6 第二項第二号から第四号及び第六号の規定は、電動機については、適用しない。
(耐圧試験)
第二十三条耐圧試験
第二十三条 ポンプ及び配管は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める圧力を三分間加えた場合において、漏水、著しい変形等の異常が生じないものでなければならない。
一 ポンプ及び放水側の配管ポンプを通常の使用状態で使用した場合に生じるポンプ圧力の最大値の一・五倍の圧力
二 吸水側の配管消防ポンプ自動車にあつては一・五メガパスカル、可搬消防ポンプにあつては一・〇メガパスカル(ポンプの級別がD―一級及びD―二級のポンプにあつては、〇・五メガパスカル)の圧力
(腐食試験)
第二十四条腐食試験
第二十四条 ポンプ、吸水配管、放水配管並びに冷却水及び放水用水等水と接触する部分の材料は、耐食性を有するものでなければならない。 ただし、JIS Z 二三七一(塩水噴霧試験方法)に定める方法により、塩水を八時間噴霧した後に十六時間放置することを五回繰り返した後、水で洗浄し二十四時間自然乾燥させた場合において、腐食により機能に異常が生じないものにあつては、この限りではない。
(真空ポンプの機能試験)
第二十五条真空ポンプの機能試験
第二十五条 真空ポンプは、次の各号に適合するものでなければならない。
一 ポンプの一の吸水口に当該吸水口と同径の標準吸管を取り付け当該吸管の外端を塞いだ状態において、定格回転速度で真空ポンプの回転を開始したときから三十秒以内に当該外端における空気圧が回転を開始した時点の大気圧からその八十四パーセント(ポンプの級別がD―一級及びD―二級のポンプにあつては、四十二パーセント)を減じた値に達し、かつ、真空ポンプを停止したときから三十秒間における真空漏れが一・三キロパスカル以下であること。
二 真空ポンプ及び当該真空ポンプの駆動装置は、標準吸水試験条件において当該真空ポンプを定格回転速度で回転させて揚水操作を千回行つた場合において、構造又は機能に異常が生じないものであること。
三 潤滑剤を循環する方式の真空ポンプにあつては、ポンプの一の吸水口に標準吸管を取り付け、当該真空ポンプを定格回転速度で回転させて揚水操作を行つた場合において、次のいずれの条件においても構造又は機能に異常が生じないものであること。
イ 吸水高さが一メートルの状態
ロ 標準吸水試験条件の状態
ハ イ及びロのそれぞれの状態において、吸管の中央をポンプの吸水口より三十センチメートル高い位置に置いた状態
ニ イからハまでのそれぞれの状態において、ポンプ内の水を完全に排水しない状態及び完全に排水した状態
四 ポンプの一の吸水口に当該吸水口と同径の標準吸管を取り付け当該吸管の外端を塞いだ状態において、真空ポンプを定格回転速度で回転させ、空気圧が回転を開始した時点の大気圧からその八十四パーセント(ポンプの級別がD―一級及びD―二級のポンプにあつては、四十二パーセント)を減じた値に達したときから引き続き五分間回転させた場合において、構造又は機能に異常を生じないものであること。
(エゼクタの機能試験)
第二十六条エゼクタの機能試験
第二十六条 エゼクタは、標準放水試験条件において、ノズル口径が二十六ミリメートル(吸管の呼称が九十以上のものにあつては、二十九ミリメートル)であり、かつ、ポンプの圧力が〇・五メガパスカル(吸管の呼称が百以上のものにあつては、〇・八メガパスカル)の状態で揚水を行つた場合において、ポンプの圧力を〇・二五メガパスカル以上に維持し、かつ、六十秒(吸管の呼称が百以上のものにあつては、九十秒)以内に揚水を完了するものでなければならない。
(機関の連続運転試験)
第二十七条機関の連続運転試験
第二十七条 内燃機関(第二十二条に定める連続放水試験により性能を確認することができないものに限る。以下この項及び次項において同じ。)は、全負荷状態(全負荷状態にすることができない構造のものにあつては、気化器のガス弁開度又はスロットルの位置を許容最大限度にした状態)で八時間連続して運転を行つた場合において、次の各号に適合するものでなければならない。
一 内燃機関の運転中において、当該機関の性能をJISD一〇〇一(自動車用エンジン出力試験方法)のネット軸出力試験方法により測定した場合、当該機関の出力及び回転速度の減衰が認められないこと。
二 内燃機関の運転中において、当該機関の振動及び当該部品より発する音が安定した状態にあり、かつ、当該各機関の各部分の温度が第二十二条第二項(同項第五号を除く。)に定める温度以下であること。
三 内燃機関の運転に支障をもたらすような部品の摩耗、損傷、炭素付着等が生じず、かつ、当該運転後に部品(点火プラグを除く。)の交換をする必要がないこと。
2 前項の場合において、内燃機関に補助冷却器が設けられている場合の冷却水量は、次に掲げる算式により算出された数値以下とする。
算式
Q=P0×0.55
算式の符号
Q 冷却水量(単位 リットル毎分)
P0 機関の定格出力(単位 キロワット)
3 電動機(第二十二条に定める連続放水試験により性能を確認することができないものに限る。以下この項において同じ。)は全負荷状態(全負荷状態にすることができない構造のものにあつては、スロットルの位置を許容最大限度にした状態)で八時間連続して運転を行つた場合において、次の各号に適合するものでなければならない。
一 電動機の運転中において、当該機関の性能を電動機と制御装置とを組み合わせた状態により出力を測定した場合、当該機関の出力及び回転速度の減衰が認められないこと。
二 電動機の運転中において、当該機関の振動及び当該部品より発する音が安定した状態にあり、かつ、電動機、冷却装置その他必要な機械器具等の温度の上昇により、機能に異常を生じないものでなければならない。
三 電動機の運転に支障をもたらすような部品の摩耗、損傷等が生じず、かつ、当該運転後に部品の交換をする必要がないこと。
(機関の低温始動試験)
第二十八条機関の低温始動試験
第二十八条 内燃機関は、当該機関の温度が摂氏零下二十度の状態において、始動操作を開始してから四十五秒以内に始動するものでなければならない。
2 前項の場合において、消防ポンプ自動車の内燃機関の装備はJIS D 一〇〇一(自動車用エンジン出力試験方法)の附属装置装備条件Bによるものであり、かつ、当該機関の回転速度はJIS D 一〇二一(自動車始動試験方法)により始動電動機で機関を回転させたときの回転速度の八十五パーセントでなければならない。
3 電動機は、当該機関及び電動機駆動用の蓄電池の温度が使用温度範囲の下限値の状態において、設計された時間以内に始動するものでなければならない。
(機関のガバナ作動試験)
第二十九条機関のガバナ作動試験
第二十九条 機関のガバナは、ポンプを第二十一条第一項第二号の状態(ポンプの級別がD―一級及びD―二級のポンプにあつては同条第一項第一号の状態)において、スロットルを全開の状態で機関を運転中に当該機関を瞬時に無負荷状態とした場合、次の各号に適合するものでなければならない。
一 機関の回転速度が急上昇した場合、ガバナの作動により当該回転速度が降下し始める瞬間における当該回転速度が、当該機関の定格回転速度の百二十パーセント(ポンプの級別がD―一級及びD―二級のポンプにあつては、百三十パーセント)以内であること。
二 ガバナの作動により機関の回転速度が安定した状態における当該回転速度(以下本号及び次号において「静定回転速度」という。)が、当該機関の定格回転速度の百十パーセント(ポンプの級別がD―一級及びD―二級のポンプにあつては、百二十パーセント)以内であり、かつ、当該機関の静定回転速度の変動幅が当該機関の定格回転速度の十パーセント以内であること。
三 機関を無負荷状態にしたときから機関の回転速度が静定回転速度に達するまでに要する時間が、十秒以内であること。
(耐落水試験)
第三十条耐落水試験
第三十条 動力消防ポンプは、標準放水試験条件において、放水運転中に放水口を開いた状態のままで機関を停止し、三分後に再び機関を始動した場合、揚水操作を行わずに放水できるものでなければならない。
第七章 大容量泡放水砲用動力消防ポンプに係る試験
(ポンプの放水性能試験)
第三十一条ポンプの放水性能試験
第三十一条 大容量泡放水砲用動力消防ポンプのポンプは、その吸水口に標準大容量吸管を接続し、吸水高さを三メートルにした状態又は水中ポンプを消防用ホースで接続し、ポンプと当該水中ポンプとの高低差を設計された値とした状態で、ノズル、オリフィス等口径を調整し得られた放水静圧力(以下「大容量放水静圧力」という。)が〇・七メガパスカル以上で、かつ、設計された圧力(以下「大容量放水圧力」という。)とした場合において、設計された放水量を有するものでなければならない。
2 大容量放水静圧力は、ポンプの放水口に大容量整流筒(別図に掲げるものをいう。)を、ポンプの吸水口又は吸管(水中ポンプを用いるポンプにあつては、水中ポンプの吸水口)にストレーナを、それぞれ取り付けた状態で測定するものとする。
(連続放水試験)
第三十二条連続放水試験
第三十二条 大容量泡放水砲用動力消防ポンプは、大容量放水圧力において負荷を最大にした状態で八時間連続して放水運転を行つた場合(以下「連続大容量放水運転」という。)において、次の各号に適合するものでなければならない。
一 連続大容量放水運転中において、放水圧力が大容量放水圧力を下回らないこと。
二 連続大容量放水運転中において、ポンプ軸、軸受け等の部品の温度及び当該部品より発する音が安定しており、かつ、当該部品が著しく振動しないこと。
三 部品の消耗、損傷等が放水運転に支障を生じない程度であること。
2 連続大容量放水運転中における第二十二条第二項各号に掲げる部分の温度は、当該各号に定める温度以下でなければならない。
3 大容量泡放水砲用動力消防ポンプの内燃機関の各気筒圧縮圧力の最大差は、連続大容量放水運転の直後に、始動操作により機関を回転させた場合(ガソリンを燃料とする機関にあつては、スロットルを最大限度の位置にした状態で回転させた場合)において、当該気筒圧縮圧力の平均値の二十パーセント以内でなければならない。
4 連続大容量放水運転は、計器灯、照明灯等使用上必要な照明器具を点灯した状態で行うものとする。
5 大容量泡放水砲用動力消防ポンプの電動機は、連続放水運転中における第二十二条第二項第一号及び第五号に掲げる部分の温度は当該各号に定める温度以下で、かつ、電動機、冷却装置その他必要な機械器具の温度の上昇により、機能に異常を生じないものでなければならない。
(耐圧試験)
第三十三条耐圧試験
第三十三条 大容量泡放水砲用動力消防ポンプのポンプ及び配管は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める圧力を三分間加えた場合において、漏水、著しい変形等の異常が生じないものでなければならない。
一 ポンプ及び放水側の配管ポンプを通常の使用状態で使用した場合に生じるポンプ圧力の最大値の一・五倍の圧力
二 吸水側の配管一・五メガパスカル又はポンプを通常の使用状態で使用した場合に生じるポンプの吸水側圧力の最大値の一・五倍の圧力のいずれか大きい値の圧力
(真空ポンプの機能試験)
第三十四条真空ポンプの機能試験
第三十四条 大容量泡放水砲用動力消防ポンプの真空ポンプは、次の各号に適合するものでなければならない。
一 ポンプの全ての吸水口に当該吸水口と同径の標準大容量吸管を取り付け当該吸管の外端を塞いだ状態において、定格回転速度で真空ポンプの回転を開始したときから設計された時間内に当該外端における空気圧が回転を開始した時点の大気圧からその八十四パーセントを減じた値に達し、かつ、真空ポンプを停止したときから三十秒間における真空漏れが一・三キロパスカル以下であること。
二 真空ポンプ及び当該真空ポンプの駆動装置は、標準大容量吸水試験条件において当該真空ポンプを定格回転速度で回転させて揚水操作を千回行つた場合において、構造又は機能に異常が生じないものであること。
三 潤滑剤を循環する方式の真空ポンプにあつては、ポンプのすべての吸水口に標準大容量吸管を取り付け、当該真空ポンプを定格回転速度で回転させて揚水操作を行つた場合において、次のいずれの条件においても構造又は機能に異常が生じないものであること。
イ 吸水高さが一メートルの状態
ロ 標準大容量吸水試験条件の状態
ハ イ及びロのそれぞれの状態において、吸管の中央をポンプの吸水口より三十センチメートル高い位置に置いた状態
ニ イからハまでのそれぞれの状態において、ポンプ内の水を完全に排水しない状態及び完全に排水した状態
四 ポンプの全ての吸水口に当該吸水口と同径の標準大容量吸管を取り付け当該吸管の外端を塞いだ状態において、真空ポンプを定格回転速度で回転させ、空気圧が回転を開始した時点の大気圧からその八十四パーセントを減じた値に達したときから引き続き五分間回転させた場合において、構造又は機能に異常を生じないものであること。
(機関のガバナ作動試験)
第三十五条機関のガバナ作動試験
第三十五条 大容量泡放水砲用動力消防ポンプの機関のガバナは、ポンプを第三十一条の状態において、スロットルを全開の状態で機関を運転中に当該機関を瞬時に無負荷状態とした場合、第二十九条各号に適合するものでなければならない。
(準用)
第三十六条準用
第三十六条 第二十四条、第二十七条及び第二十八条の規定は大容量泡放水砲用動力消防ポンプについて準用する。 この場合において、第二十七条第一項中「第二十二条」とあるのは「第三十二条」と読み替えるものとする。
第八章 雑則
(基準の特例)
第三十七条基準の特例
第三十七条 新たな技術開発に係る動力消防ポンプについて、その形状、構造、材質及び性能から判断して、この省令の規定に適合するものと同等以上の性能があると総務大臣が認めた場合は、この省令の規定にかかわらず、総務大臣が定める技術上の規格によることができる。
別表
| ポンプの級別 | 放水性能 | |||
| 規格放水性能 | 高圧放水性能 | |||
| 規格放水圧力 (MPa) | 規格放水量 (m3/min) | 高圧放水圧力 (MPa) | 高圧放水量 (m3/min) | |
| A―一 | 〇・八五 | 二・八以上 | 一・四(直列並列切換え型のポンプは、一・七) | 二・〇(直列並列切換え型のポンプは、一・四)以上 |
| A―二 | 〇・八五 | 二・〇以上 | 一・四(直列並列切換え型のポンプは、一・七) | 一・四(直列並列切換え型のポンプは、一・〇)以上 |
| B―一 | 〇・八五 | 一・五以上 | 一・四 | 〇・九以上 |
| B―二 | 〇・七 | 一・〇以上 | 一・〇 | 〇・六以上 |
| B―三 | 〇・五五 | 〇・五以上 | 〇・八 | 〇・二五以上 |
| C―一 | 〇・五 | 〇・三五以上 | 〇・七 | 〇・一八以上 |
| C―二 | 〇・四 | 〇・二以上 | 〇・五五 | 〇・一以上 |
| D―一 | 〇・三 | 〇・一三以上 | ||
| D―二 | 〇・二五 | 〇・〇五以上 | ||
別図
整流筒

(単位 mm)
| 区分 | A | B | D | N | |
| 呼称 | |||||
| 150 | 490 | 165 | 150 | 175 | |
| 125 | 415 | 140 | 125 | 150 | |
| 100 | 340 | 115 | 100 | 122.5 | |
| 90 | 310 | 105 | 90 | 110 | |
| 75 | 260 | 83 | 75 | 95 | |
| 65 | 230 | 74 | 65 | 82.5 | |
| 50 | 185 | 60 | 50 | 60 | |
| 40 | 157 | 55 | 40 | 48 | |
| 30 | 157 | 55 | 30 | 40 | |
| 25 | 157 | 55 | 25 | 34 | |
| 20 | 157 | 55 | 20 | 25 | |
注
Nの寸法は、ねじ式結合金具のねじの呼びを示す。
大容量整流筒

Dは、接続する消防用ホースの内径とする。
Aは、Dの3倍以上の長さとする。
Bは、Dの2倍以上の長さとする。