通関業法
税関貨物取扱人法(明治三十四年法律第二十八号)の全部を改正する。
第一章 総則
(目的)
第一条目的
第一条 この法律は、通関業を営む者についてその業務の規制、通関士の設置等必要な事項を定め、その業務の適正な運営を図ることにより、関税の申告納付その他貨物の通関に関する手続の適正かつ迅速な実施を確保することを目的とする。
(定義)
第二条定義
第二条 この法律又はこの法律に基づく命令において、次の各号に掲げる用語は、当該各号に掲げる定義に従うものとする。
一 「通関業務」とは、他人の依頼によつてする次に掲げる事務をいう。
イ 次に掲げる手続又は行為につき、その依頼をした者の代理又は代行をすること。
(1) 関税法(昭和二十九年法律第六十一号)その他関税に関する法令に基づき税関官署に対してする次に掲げる申告又は承認の申請からそれぞれの許可又は承認を得るまでの手続(関税の確定及び納付に関する手続を含む。以下「通関手続」という。)
(一) 輸出(関税法第七十五条に規定する積戻しを含む。)又は輸入の申告
(二) 関税法第七条の二第一項の承認の申請
(三) 本邦と外国との間を往来する船舶又は航空機への船用品又は機用品の積込みの申告
(四) 保税蔵置場(関税法第五十条第二項の規定により同法第四十二条第一項の許可を受けたものとみなされる場所を含む。)、保税工場(同法第六十一条の五第二項の規定により同法第五十六条第一項の許可を受けたものとみなされる場所を含む。以下この号において同じ。)若しくは総合保税地域に外国貨物を置くこと、保税工場において外国貨物を同法第五十六条第一項に規定する保税作業に使用すること若しくは総合保税地域において同法第六十二条の八第一項第二号若しくは第三号に掲げる行為をすることの承認の申請又は保税展示場に入れる外国貨物に係る同法第六十二条の三第一項の申告
(五) 関税法第六十七条の三第一項第一号の承認の申請
(2) 関税法その他関税に関する法令によつてされた処分につき、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)又は関税法の規定に基づいて、税関長又は財務大臣に対してする不服申立て
(3) 通関手続、(2)の不服申立て又は関税法その他関税に関する法令の規定に基づく税関官署の調査、検査若しくは処分につき、税関官署に対してする主張又は陳述
ロ 関税法その他関税に関する法令又は行政不服審査法の規定に基づき税関官署又は財務大臣に対して提出する通関手続又はイの(2)の不服申立てに係る申告書、申請書、不服申立書その他これらに準ずる書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第三十八条第一項において同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下「通関書類」という。)を作成すること。
二 「通関業」とは、業として通関業務を行うことをいう。
三 「通関業者」とは、次条第一項の許可を受けた者をいう。
四 「通関士」とは、第三十一条第一項の確認を受けて通関業者の通関業務に従事する者をいう。
第二章 通関業
第一節 許可
(通関業の許可)
第三条通関業の許可
第三条 通関業を営もうとする者は、財務大臣の許可を受けなければならない。
2 財務大臣は、前項の許可に条件を付することができる。
3 前項の条件は、この法律の目的を達成するために必要な最少限度のものでなければならない。
4 財務大臣は、第一項の許可をしたときは、遅滞なく、その旨を公告するとともに、許可を受けた者に許可証を交付する。
5 第一項の規定は、弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第三条第一項の規定により弁護士が行う職務、同法第三十条の五の規定により弁護士法人が行う業務若しくは外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律(昭和六十一年法律第六十六号)第七十一条の規定により弁護士・外国法事務弁護士共同法人が行う業務又は弁理士法(平成十二年法律第四十九号)第四条第二項(第一号に係る部分に限る。)の規定により弁理士が行う業務若しくは同法第四十条の規定により弁理士法人が行う業務(同法第四条第二項第一号に掲げる事務に係るものに限る。)については、適用しない。
(許可の申請)
第四条許可の申請
第四条 通関業の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した許可申請書を財務大臣に提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつてはその役員の氏名及び住所
二 通関業務を行おうとする営業所の名称及び所在地
三 前号の営業所ごとの責任者の氏名及び第十三条の規定により置こうとする通関士の数
四 通関業務に係る取扱貨物が一定の種類のもののみに限られる場合には当該貨物の種類
五 通関業以外の事業を営んでいるときは、その事業の種類
2 前項の許可申請書には、申請者の資産の状況を示す書面その他財務省令で定める書面を添付しなければならない。
(許可の基準)
第五条許可の基準
第五条 財務大臣は、通関業の許可をしようとするときは、次の基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 許可申請に係る通関業の経営の基礎が確実であること。
二 許可申請者が、その人的構成に照らして、その行おうとする通関業務を適正に遂行することができる能力を有し、かつ、十分な社会的信用を有すること。
三 許可申請に係る通関業を営む営業所につき、第十三条の要件を備えることとなつていること。
(欠格事由)
第六条欠格事由
第六条 財務大臣は、許可申請者が次の各号のいずれかに該当する場合には、通関業の許可をしてはならない。
一 心身の故障により通関業務を適正に行うことができない者として財務省令で定めるもの
二 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
三 拘禁刑以上の刑に処せられた者であつて、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつてから三年を経過しないもの
四 次に掲げる法律の規定に該当する違反行為をして罰金の刑に処せられた者又はこれらの規定に該当する違反行為をして関税法(他の関税に関する法律において準用する場合を含む。)、国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)若しくは地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の規定により通告処分を受けた者であつて、それぞれその刑の執行を終わり、若しくは執行を受けることがなくなつた日又はその通告の旨を履行した日から三年を経過しないもの
イ 関税法第百八条の四から第百十二条まで(他の関税に関する法律において準用する場合を含む。)の規定
ロ イに掲げるものを除き、国税又は地方税に関する法律中偽りその他不正の行為により国税又は地方税を免れ、納付せず、若しくはこれらの税の還付を受け、又はこれらの違反行為をしようとすることに関する罪を定めた規定
五 この法律の規定に違反する行為をして罰金の刑に処せられた者であつて、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から三年を経過しないもの
六 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)の規定(同法第三十二条の三第七項及び第三十二条の十一第一項の規定を除く。)に違反し、又は刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二第一項、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪を犯し、罰金の刑に処せられた者であつて、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しないもの
七 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなつた日から五年を経過していない者(第十一号において「暴力団員等」という。)
八 第十一条第一項第一号若しくは第三十四条第一項の規定により通関業の許可を取り消された者又は第三十五条第一項の規定により通関業務に従事することを禁止された者であつて、これらの処分を受けた日から二年を経過しないもの
九 公務員で懲戒免職の処分を受け、当該処分を受けた日から二年を経過しないもの
十 法人であつて、その役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。以下同じ。)のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの
十一 暴力団員等によりその事業活動を支配されている者
(関連業務)
第七条関連業務
第七条 通関業者は、通関業務のほか、その関連業務として、通関業者の名称を用いて、他人の依頼に応じ、通関業務に先行し、後続し、その他当該業務に関連する業務を行なうことができる。 ただし、他の法律においてその業務を行なうことが制限されている事項については、この限りでない。
(営業所の新設)
第八条営業所の新設
第八条 通関業者は、通関業務を行う営業所を新たに設けようとするときは、政令で定めるところにより、財務大臣の許可を受けなければならない。
2 第三条第二項から第四項まで並びに第五条第二号及び第三号の規定は、前項の許可について準用する。
(営業所の新設に係る許可の特例)
第九条営業所の新設に係る許可の特例
第九条 認定通関業者(関税法第七十九条第一項の認定を受けた者をいう。)である通関業者は、通関業務を行う営業所を新たに設けようとする場合には、前条第一項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、財務大臣に、その旨を届け出ることができる。
2 前項の届出に係る営業所については、当該届出が受理された時において、前条第一項の許可を受けたものとみなして、この法律の規定を適用する。
(許可の消滅)
第十条許可の消滅
第十条 通関業者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該通関業の許可は、消滅する。
一 通関業を廃止したとき。
二 死亡した場合で、第十一条の二第二項の規定による申請が同項に規定する期間内にされなかつたとき、又は同項の承認をしない旨の処分があつたとき。
三 法人が解散したとき。
四 破産手続開始の決定を受けたとき。
2 財務大臣は、通関業の許可が消滅したときは、遅滞なくその旨を公告しなければならない。
3 第一項の規定により通関業の許可が消滅した場合において、現に進行中の通関手続があるときは、当該手続については、当該許可を受けていた者(その者が死亡した場合には、その相続人とし、法人が合併により消滅した場合には、合併後存続する法人又は合併により設立された法人とする。)が引き続き当該許可を受けているものとみなす。
(許可の取消し)
第十一条許可の取消し
第十一条 財務大臣は、通関業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その許可を取り消すことができる。
一 偽りその他不正の手段により通関業の許可を受けたことが判明したとき。
二 第六条第一号、第三号から第七号まで、第十号又は第十一号のいずれかに該当するに至つたとき。
2 財務大臣は、前項の規定により通関業の許可の取消しをしようとするときは、第三十九条第一項の審査委員の意見を聴かなければならない。
(許可の承継)
第十一条の二許可の承継
第十一条の二 通関業者について相続があつたときは、その相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により通関業の許可に基づく地位を承継すべき相続人を選定したときは、その者)は、被相続人の当該許可に基づく地位を承継する。
2 前項の規定により通関業の許可に基づく地位を承継した者(次項において「承継人」という。)は、政令で定めるところにより、被相続人の死亡後六十日以内に、その承継について財務大臣に承認の申請をすることができる。
3 財務大臣は、承継人について第五条各号のいずれかに適合しない場合又は第六条各号のいずれかに該当する場合には、前項の承認をしないものとする。
4 通関業者について合併若しくは分割(通関業を承継させるものに限る。)があつた場合又は通関業者が通関業を譲り渡した場合において、政令で定めるところによりあらかじめ財務大臣の承認を受けたときは、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人若しくは分割により通関業を承継した法人又は通関業を譲り受けた者(次項において「合併後の法人等」という。)は、第十条第一項第一号又は第三号の規定にかかわらず、当該合併により消滅した法人若しくは当該分割をした法人又は当該通関業を譲り渡した者の当該通関業の許可に基づく地位を承継することができる。
5 財務大臣は、合併後の法人等について第五条各号のいずれかに適合しない場合又は第六条各号のいずれかに該当する場合には、前項の承認をしないものとする。
6 財務大臣は、第二項又は第四項の規定により承認をするに際しては、当該承認をしようとする承継に係る通関業の許可について第三条第二項(第八条第二項において準用する場合を含む。)の規定に基づき付された条件(この項の規定に基づき変更され、又は新たに付された条件を含む。)を取り消し、変更し、又は新たに条件を付することができる。 この場合においては、第三条第三項の規定を準用する。
7 財務大臣は、第二項又は第四項の承認をしたときは、直ちにその旨を公告しなければならない。
(変更等の届出)
第十二条変更等の届出
第十二条 通関業者が次の各号のいずれかに該当することとなつた場合には、その者(第三号の場合にあつては、政令で定める者)は、遅滞なくその旨を財務大臣に届け出なければならない。
一 第四条第一項第一号から第三号まで又は第五号に掲げる事項に変更があつたとき。
二 第六条第一号、第三号から第七号まで、第十号又は第十一号のいずれかに該当するに至つたとき。
三 第十条第一項の規定により通関業の許可が消滅したとき。
第二節 業務
(通関士の設置)
第十三条通関士の設置
第十三条 通関業者は、通関業務を適正に行うため、その通関業務を行う営業所ごとに、政令で定めるところにより、通関士を置かなければならない。 ただし、当該営業所において取り扱う通関業務に係る貨物が第三条第二項(第八条第二項において準用する場合を含む。)の規定により一定の種類の貨物のみに限られている場合は、この限りでない。
(通関士の審査等)
第十四条通関士の審査等
第十四条 通関業者は、他人の依頼に応じて税関官署に提出する通関書類のうち政令で定めるもの(通関士が通関業務に従事している営業所における通関業務に係るものに限る。)については、通関士にその内容を審査させ、かつ、これに記名させなければならない。
(更正に関する意見の聴取)
第十五条更正に関する意見の聴取
第十五条 通関業者が他人の依頼に応じて税関官署に対してした納税の申告について、関税法第七条の十六第一項又は第三項の規定による更正をすべき場合において、当該更正が、当該申告に係る貨物の関税率表の適用上の所属又は課税価格の相違その他関税に関する法令の適用上の解釈の相違に基因して、納付すべき関税の額を増加するものであるときは、税関長は、当該通関業者に対し、当該相違に関し意見を述べる機会を与えなければならない。 ただし、当該関税の額の増加が計算又は転記の誤りその他これに類する客観的に明らかな誤りに基因するものである場合は、この限りでない。
(検査の通知)
第十六条検査の通知
第十六条 税関長は、通関業者の行なう通関手続に関し、税関職員に関税法第六十七条の検査その他これに準ずる関税に関する法律の規定に基づく検査で政令で定めるものをさせるときは、当該通関業者又はその従業者の立会いを求めるため、その旨を当該通関業者に通知しなければならない。
(名義貸しの禁止)
第十七条名義貸しの禁止
第十七条 通関業者は、その名義を他人に通関業のため使用させてはならない。
(料金の掲示)
第十八条料金の掲示
第十八条 通関業者は、通関業務(第七条に規定する関連業務を含む。)の料金の額を営業所において依頼者の見やすいように掲示しなければならない。
(秘密を守る義務)
第十九条秘密を守る義務
第十九条 通関業者(法人である場合には、その役員)及び通関士その他の通関業務の従業者は、正当な理由がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。 これらの者がこれらの者でなくなつた後も、同様とする。
(信用失墜行為の禁止)
第二十条信用失墜行為の禁止
第二十条 通関業者(法人である場合には、その役員)及び通関士は、通関業者又は通関士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない。
(記名等の効力)
第二十一条記名等の効力
第二十一条 第十四条の規定による通関士の記名又は第十五条若しくは第十六条の規定による税関長の措置の有無は、これらの条に規定する通関書類又は更正若しくは検査に係る処分の効力に影響を及ぼすものと解してはならない。
(記帳、届出、報告等)
第二十二条記帳、届出、報告等
第二十二条 通関業者は、政令で定めるところにより、通関業務(第七条に規定する関連業務を含む。以下この項及び第三項において同じ。)に関して帳簿を設け、その収入に関する事項を記載するとともに、その取扱いに係る通関業務に関する書類を一定期間保存しなければならない。
2 通関業者は、政令で定めるところにより、通関士その他の通関業務の従業者(当該通関業者が法人である場合には、通関業務を担当する役員及び通関士その他の通関業務の従業者)の氏名及びその異動を財務大臣に届け出なければならない。
3 通関業者は、政令で定めるところにより、その取扱いに係る通関業務の件数、これらについて受けた料金の額その他通関業務に係る事項を記載した報告書を毎年一回財務大臣に提出しなければならない。
第三章 通関士
第一節 通関士試験
(通関士試験)
第二十三条通関士試験
第二十三条 通関士になろうとする者は、通関士試験に合格しなければならない。
2 通関士試験は、通関士となるのに必要な知識及び能力を有するかどうかを判定するため、次に掲げる科目について行なう。
一 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法(同法第六章に係る部分に限る。)
二 通関書類の作成要領その他通関手続の実務
三 通関業法
(試験科目の一部免除)
第二十四条試験科目の一部免除
第二十四条 次の各号の一に該当する者に対しては、その申請により、通関士試験において当該各号に掲げる科目の試験を免除する。
一 通関業者の通関業務又は官庁における関税その他通関に関する事務で政令で定めるものに従事した期間が通算して十五年以上になる者前条第二項第一号及び第二号に掲げる科目
二 通関業者の通関業務又は官庁における通関事務で政令で定めるものに従事した期間が通算して五年以上になる者前条第二項第二号に掲げる科目
(通関士となる資格)
第二十五条通関士となる資格
第二十五条 通関士試験に合格した者は、どの税関の管轄区域内においても、通関士となる資格を有する。
(受験手数料)
第二十六条受験手数料
第二十六条 通関士試験を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の受験手数料を納めなければならない。
2 前項の規定により納付した受験手数料は、通関士試験を受けなかつた場合においても、還付しない。
(試験の執行等)
第二十七条試験の執行等
第二十七条 通関士試験は、毎年一回以上、財務大臣が決定する問題により、各税関長が行なう。 ただし、試験の採点は、次条第一項の試験委員が行なう。
(試験委員)
第二十八条試験委員
第二十八条 財務大臣は、毎回の通関士試験の問題の作成及び採点を行なわせるため、十五人以内の試験委員を委嘱するものとする。
2 試験委員は、通関業務に関し学識経験のある者のうちから委嘱する。
(合格の取消し等)
第二十九条合格の取消し等
第二十九条 税関長は、不正の手段によつて通関士試験を受け、若しくは受けようとし、又は試験科目の免除を受け、若しくは受けようとした者に対しては、合格の決定を取り消し、又はその試験を受けることを禁止することができる。
2 税関長は、前項の規定による処分を受けた者に対し、情状により二年以内の期間を定めて通関士試験を受けることができないものとすることができる。
(省令への委任)
第三十条省令への委任
第三十条 この節に定めるもののほか、通関士試験の受験の手続その他通関士試験に関し必要な事項は、財務省令で定める。
第二節 通関士の資格
(確認)
第三十一条確認
第三十一条 通関業者は、通関士試験に合格した者を通関士という名称を用いてその通関業務に従事させようとするときは、その者の氏名、通関業務に従事させようとする営業所の名称その他政令で定める事項を財務大臣に届け出て、その者が次項の規定に該当しないことの確認を受けなければならない。
2 次の各号のいずれかに該当する者は、通関士となることができない。
一 第六条第一号から第九号までのいずれかに該当する者
二 第六条第四号イに掲げる法律の規定に該当する違反行為をした者であつて、当該違反行為があつた日から二年を経過しないもの
三 次に該当する者であつて、それぞれの停止の期間が経過しないもの
イ 第三十四条第一項の規定により通関業務の停止の処分を受けた者(当該処分の基因となつた違反行為をした者を含む。)
ロ 第三十五条第一項の規定により通関業務に従事することを停止された者
(通関士の資格の喪失)
第三十二条通関士の資格の喪失
第三十二条 通関士は、次の各号のいずれかに該当するときは、通関士でなくなるものとする。
一 前条第一項の確認を受けた通関業者の通関業務に従事しないこととなつたとき。
二 第六条第一号から第九号までのいずれかに該当するに至つたとき。
三 第二十九条第一項の規定により通関士試験の合格の決定が取り消されたとき。
四 偽りその他不正の手段により前条第一項の確認を受けたことが判明したとき。
(名義貸しの禁止)
第三十三条名義貸しの禁止
第三十三条 通関士(前条第一号の規定に該当し、第二十二条第二項の規定による異動の届出がない者を含む。)は、その名義を他人に通関業務のため使用させてはならない。
第四章 通関業者等の責任
(業務改善命令)
第三十三条の二業務改善命令
第三十三条の二 財務大臣は、通関業の適正な遂行のために必要があると認めるときは、その必要の限度において、通関業者に対し、その業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(通関業者に対する監督処分)
第三十四条通関業者に対する監督処分
第三十四条 財務大臣は、通関業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その通関業者に対し、一年以内の期間を定めて通関業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又は許可の取消しをすることができる。
一 通関業者が、この法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分若しくは第三条第二項(第八条第二項において準用する場合を含む。)の規定により許可に付された条件(第十一条の二第六項の規定により変更され、又は新たに付されたものを含む。)又は関税法その他関税に関する法令の規定に違反したとき。
二 通関業者の役員その他通関業務に従事する者につき、この法律、この法律に基づく命令若しくは関税法その他関税に関する法令の規定に違反する行為があつた場合又は通関業者の信用を害するような行為があつた場合において、その通関業者の責めに帰すべき理由があるとき。
2 財務大臣は、前項の規定による処分をしたときは、遅滞なくその旨を公告しなければならない。
(通関士に対する懲戒処分)
第三十五条通関士に対する懲戒処分
第三十五条 財務大臣は、通関士がこの法律又は関税法その他関税に関する法令の規定に違反したときは、その通関士に対し、戒告し、一年以内の期間を定めてその者が通関業務に従事することを停止し、又は二年間その者が通関業務に従事することを禁止することができる。
2 前条第二項の規定は、前項の規定による処分をした場合について準用する。
(調査の申出)
第三十六条調査の申出
第三十六条 何人も、通関業者又は通関士に第三十四条第一項又は前条第一項に該当する事実があると認めたときは、財務大臣に対し、その事実を申し出て、適当な措置をとるべきことを求めることができる。
(処分の手続)
第三十七条処分の手続
第三十七条 財務大臣は、第三十四条第一項の規定による処分をしようとするときは、第三十九条第一項の審査委員の意見を、第三十五条第一項の規定による処分をしようとするときは、当該通関士がその業務に従事する通関業者の意見を、それぞれ聴かなければならない。
2 財務大臣は、第三十四条第一項又は第三十五条第一項の規定による処分をするときは、その理由を付記した書面により、その旨を当該処分を受ける者に通知しなければならない。
(報告の徴取等)
第三十八条報告の徴取等
第三十八条 財務大臣は、この法律の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、通関業者から報告を徴し、又はその職員に、通関業者に質問させ、若しくはその業務に関する帳簿書類(その作成又は保存に代えて電磁的記録の作成又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。)を検査させることができる。
2 前項の規定により質問又は検査をする職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第五章 雑則
(審査委員)
第三十九条審査委員
第三十九条 財務大臣は、第十一条第一項又は第三十四条第一項の規定による処分について意見を聴くため、必要があるときは、三人以内の審査委員を委嘱するものとする。
2 審査委員は、通関業務に関し学識経験のある者のうちから委嘱する。
(名称の使用制限)
第四十条名称の使用制限
第四十条 通関業者でない者は、通関業者という名称を使用してはならない。
2 通関士でない者は、通関士という名称を使用してはならない。
(不服申立て)
第四十条の二不服申立て
第四十条の二 関税法第九十一条の規定は、この法律の規定による財務大臣又は税関長の処分について審査請求があつた場合について準用する。
(権限の委任)
第四十条の三権限の委任
第四十条の三 財務大臣は、政令で定めるところにより、その権限の一部を税関長に委任することができる。
第六章 罰則
第四十一条
第四十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
一 偽りその他不正の手段により第三条第一項又は第八条第一項の許可を受けた者
二 第三条第一項の規定に違反して通関業を営んだ者及び同条第二項(第八条第二項において準用する場合を含む。)の規定により付された条件(第十一条の二第六項の規定により変更され、又は新たに付されたものを含む。以下この号において同じ。)に違反して、当該条件により限定された種類以外の貨物につき、通関業を営んだ者
三 第十九条の規定に違反して、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用した者
四 第三十四条第一項の規定による通関業務の全部又は一部の停止の処分に違反して通関業務を行つた者
2 前項第三号の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
第四十二条
第四十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
一 偽りその他不正の手段により第三十一条第一項の確認を受けた者
二 第三十五条第一項の規定による通関業務に従事することの停止又は禁止の処分に違反して通関業務に従事した者
第四十三条
第四十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第三十三条の二の規定による命令に違反した者
二 第三十八条第一項の規定による報告をせず、若しくは偽りの報告をし、若しくは同項の規定による職員の質問に答弁せず、若しくは偽りの答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第四十四条
第四十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第十七条の規定に違反してその名義を他人に使用させた者
二 第三十三条の規定に違反してその名義を他人に使用させた者
三 第四十条の規定に違反して通関業者又は通関士という名称を使用した者
第四十五条
第四十五条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第四十一条第一項(第三号を除く。)、第四十二条第一号、第四十三条又は前条第一号若しくは第三号の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、各本条の罰金刑を科する。