軌道運転規則
軌道法(大正十年法律第七十六号)第十四条の規定に基き、軌道運転規則を次のように定める。
第一章 総則
(目的)
第一条目的
第一条 この規則は、軌道の運転を規律して輸送を安全、正確且つ迅速に行うことにより、その使命の達成を図り、もつて公共の福祉を増進することを目的とする。
(この規則の適用と例外の取扱)
第二条この規則の適用と例外の取扱
第二条 道路の路面に敷設する併用軌道の運転は、この規則の定めるところによつてしなければならない。 ただし、特別の事由がある場合には、国土交通大臣の許可を受けて、この規則の定めるところによらないことができる。 この場合において許可を受けた事項を変更しようとするときは、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
2 前項ただし書の許可には、条件及び期限を附することができる。
(新設軌道等)
第三条新設軌道等
第三条 新設軌道の運転及び道路の路面以外に敷設する併用軌道の運転については、鉄道に関する技術上の基準を定める省令(平成十三年国土交通省令第百五十一号)(第一条、第五条から第七条まで、第三章から第八章の二まで及び第十一章を除く。)の規定を準用する。
2 新設軌道と併用軌道とが交互にある線区における新設軌道の運転及び道路の路面以外に敷設する併用軌道の運転については、前項の規定にかかわらず、この規則によることができる。
(細則の制定)
第四条細則の制定
第四条 軌道経営者は、施設及び車両の整備並びに運転取扱に関し、この規則に定める事項及び第二条第一項ただし書の規定により許可を受けた事項を実施するために必要な細則を定めなければならない。
2 前項の細則は、国土交通大臣が施設及び車両の整備並びに運転取扱に関し、基準を定めたときは、これに従つて定めなければならない。
(届出)
第四条の二届出
第四条の二 軌道経営者は、第三条第二項の規定により新設軌道と併用軌道とが交互にある線区における新設軌道の運転及び道路の路面以外に敷設する併用軌道の運転についてこの規則によることとするときにあつては、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に、前条第一項の細則を定め、又は変更しようとするときにあつては、あらかじめ、当該細則又は変更しようとする事項及び実施期日を地方運輸局長に、それぞれ届け出なければならない。
(経由官庁)
第五条経由官庁
第五条 軌道経営者は、第二条第一項ただし書の規定による許可の申請又は前条の規定による届出を国土交通大臣にしようとするときは、当該申請書又は届出書を所管地方運輸局長を経由して提出しなければならない。
(運転の安全確保)
第六条運転の安全確保
第六条 運転については、係員の知識技能及び運転関係の設備を総合活用して、その安全確保に努めなければならない。
第六条の二
第六条の二 車両は、動力車操縦者運転免許に関する省令(昭和三十一年運輸省令第四十三号)第四条第一項第九号から第十一号までの運転免許を受けた者でなければ、これを操縦させてはならない。
2 車両を操縦する係員は、酒気を帯びた状態又は薬物の影響により正常な操縦ができないおそれがある状態で乗務してはならない。
(知識技能の保有)
第七条知識技能の保有
第七条 係員は、車両を安全に運転するために充分な知識技能を保有しなければならない。
(係員の教育及び訓練)
第七条の二係員の教育及び訓練
第七条の二 左の各号に掲げる作業を行う係員については、適性検査を行い、その作業を行うのに必要な保安のための教育を施し、作業を行うのに必要な知識及び技能を保有することを確めた後でなければ、作業を行わせてはならない。
一 動力車を操縦する作業及びその補助作業
二 車両の運転又は入換に関して、運転保安、合図、軌道信号又は転てつ器を取扱う作業
三 線路、電車線路、信号装置、連動装置又は転てつ装置の保守又は工事で、車両の運転に直接関係があるものを単独で行い、又は指揮監督をする作業
2 前項各号に掲げる作業を行う者であつて、鉄道又は他の軌道に所属する係員についての、同項の適性検査及び教育は、当該係員の所属する事業を経営する者が行うものとする。
(心身異常の場合の処置)
第八条心身異常の場合の処置
第八条 係員が心身の状態によつて、その知識技能を充分に発揮できないと認められるときは、乗務その他直接運転の安全に関係する職務に従事させてはならない。
(係員に対する監督)
第九条係員に対する監督
第九条 係員を監督する職にある者は、係員に対し、乗務前、車両の運転中その他適宜なときに運転上必要な事項について報告を求め、又は指示を与える等適切な監督をしなければならない。
第二章 施設及び車両
第一節 施設
(線路の整備)
第十条線路の整備
第十条 線路(電車線路を除く。以下同じ。)は、車両を所定の速度で安全に運転させることができる状態に保持しなければならない。
2 本線路が一時前項の状態でないときは、信号によりこれを表わし、特に注意を必要とする箇所は、これを監視しなければならない。
(本線路の巡視及び監視)
第十一条本線路の巡視及び監視
第十一条 本線路は、毎日少なくとも一回巡視しなければならない。
2 前項の規定による巡視は、車両の安全な運転に支障を及ぼすおそれがないと認められるときは、同項の規定にかかわらず、線区の状況及び車両の運行状況に応じ適切な時期に行うものとする。
3 本線路において車両の安全な運転に支障を及ぼす災害のおそれがあるときは、当該線路を監視しなければならない。
(軌道の検査)
第十二条軌道の検査
第十二条 軌道については、一年以下の検査の周期を定め、その周期ごとに検査しなければならない。
2 前項の規定による検査の時期は、別表の上欄に掲げる検査の周期の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げるとおりとする。
(線路建造物の検査)
第十三条線路建造物の検査
第十三条 橋、トンネルその他の線路建造物については、二年以下の検査の周期を定め、その周期ごとに検査しなければならない。 ただし、十分な耐久性を有すると認められるもの(土構造物及び抗土圧構造物であるものを除く。)については、車両の安全な運転に支障のない範囲内で、二年を超えて当該検査の周期を定めることができる。
2 前項の規定による検査の時期は、別表の上欄に掲げる検査の周期の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げるとおりとする。
3 第一項の規定にかかわらず、道路管理者の管理に係る線路建造物については、同項の規定による検査を省略することができる。
(新設線路、休止線路等の検査)
第十四条新設線路、休止線路等の検査
第十四条 新設、改築又は修理をした線路及び一時使用を休止した線路は、検査をし、且つ、試運転をした後でなければ使用してはならない。 但し、軽微な改築又は修理をした本線路及び使用を休止した期間が一月以内である本線路及び側線については試運転を省略することができる。
(電力設備の整備)
第十五条電力設備の整備
第十五条 車両運転のための電力設備は、車両を所定の速度で安全に運転させることができる状態に保持しなければならない。
(電車線路の巡視)
第十六条電車線路の巡視
第十六条 電車線路で本線路に関係のあるものは、毎日少なくとも一回巡視しなければならない。
2 前項の規定による巡視は、車両の安全な運転に支障を及ぼすおそれがないと認められるときは、同項の規定にかかわらず、線区の状況及び車両の運行状況に応じ適切な時期に行うものとする。
(電力設備の検査)
第十七条電力設備の検査
第十七条 電車線路、開閉器、自動遮断器、避雷器及び発電所、変電所等の保護連動装置並びにこれらの電力設備以外の電力設備の重要部分については、一年以下の検査の周期を定め、その周期ごとに検査しなければならない。 ただし、次のいずれかに該当するものについては、車両の安全な運転に支障のない範囲内で、一年を超えて当該検査の周期を定めることができる。
一 電子機器
二 密閉式構造のもの
三 故障が発生した場合若しくはその疑いがある場合において予備装置が自動的に作動する機能又はこれに類する機能を備えたもの
四 定期的に交換することによつて機能が維持されるもの
2 前項に規定するものを除く電力設備については、二年以下の検査の周期を定め、その周期ごとに検査しなければならない。 ただし、次のいずれかに該当するものについては、車両の安全な運転に支障のない範囲内で、二年を超えて当該検査の周期を定めることができる。
一 き電線、電車線等を支持する工作物
二 電子機器
三 密閉式構造のもの
四 故障が発生した場合若しくはその疑いがある場合において予備装置が自動的に作動する機能又はこれに類する機能を備えたもの
五 定期的に交換することによつて機能が維持されるもの
3 前二項の規定による検査の時期は、別表の上欄に掲げる検査の周期の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げるとおりとする。
(新設電力設備、休止電力設備等の検査)
第十八条新設電力設備、休止電力設備等の検査
第十八条 新設、改造又は修理をした電力設備及び一時使用を休止した電力設備は、検査をし、且つ、試運転をした後でなければ使用してはならない。 但し、軽微な改造又は修理をしたもの及び使用を休止した期間が一月以内であるものについては、試運転を省略することができる。
(保安装置)
第十九条保安装置
第十九条 信号装置、連動装置、転てつ装置等の保安装置は、完全な状態に保持しなければならない。
2 保安装置については、一年以下の検査の周期を定め、その周期ごとに検査しなければならない。 ただし、次のいずれかに該当するものについては、車両の安全な運転に支障のない範囲内で、一年を超えて当該検査の周期を定めることができる。
一 電子機器
二 密閉式構造のもの
三 故障が発生した場合若しくはその疑いがある場合において予備装置が自動的に作動する機能又はこれに類する機能を備えたもの
四 定期的に交換することによつて機能が維持されるもの
3 前項の規定による検査の時期は、別表の上欄に掲げる検査の周期の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げるとおりとする。
4 新設、改造又は修理をした保安装置は、検査した後でなければ使用してはならない。
(通信設備)
第二十条通信設備
第二十条 通信設備は、常に通信できる状態に保持しなければならない。
2 前条第二項から第四項までの規定は、通信設備に準用する。
(絶縁抵抗及び絶縁耐力試験)
第二十一条絶縁抵抗及び絶縁耐力試験
第二十一条 新設、改造又は修理をした電力設備、通信設備及び保安装置は、電気回路の絶縁抵抗の測定及び絶縁耐力試験をした後でなければ使用してはならない。 但し、軽微な改造又は修理をしたもの、電気回路の電圧が三百ボルト以下であるもの及び通信設備については、絶縁耐力試験を省略することができる。
(電力設備等の計器の検査)
第二十二条電力設備等の計器の検査
第二十二条 電力設備、通信設備及び保安装置に附属する計器については、一年以下の検査の周期を定め、その周期ごとに検査しなければならない。 ただし、次のいずれかに該当するものについては、車両の安全な運転に支障のない範囲内で、一年を超えて当該検査の周期を定めることができる。
一 電子機器
二 密閉式構造のもの
三 故障が発生した場合若しくはその疑いがある場合において予備装置が自動的に作動する機能又はこれに類する機能を備えたもの
四 定期的に交換することによつて機能が維持されるもの
2 前項の規定による検査の時期は、別表の上欄に掲げる検査の周期の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げるとおりとする。
3 第一項の規定による検査をしたときは、当該検査をした旨、その年月日及び場所を当該計器に標記しなければならない。
(災害その他やむを得ない事由により検査を行うことができない場合の特例)
第二十二条の二災害その他やむを得ない事由により検査を行うことができない場合の特例
第二十二条の二 第十二条第一項、第十三条第一項、第十七条第一項及び第二項、第十九条第二項(第二十条第二項において準用する場合を含む。)並びに前条第一項の規定により検査を行わなければならないこととされた時において、災害その他やむを得ない事由により検査を行うことができない場合には、これらの規定にかかわらず、当該検査を行うことができない事情が終了するときまでは、検査を延期することができる。
(検査及び試験の記録)
第二十三条検査及び試験の記録
第二十三条 第十二条第一項、第十三条第一項、第十四条、第十七条第一項及び第二項、第十八条、第十九条第二項及び第四項(第二十条第二項においてこれらの規定を準用する場合を含む。)、第二十一条並びに第二十二条第一項の規定により検査又は試験を行つたときは、その年月日及び成績を記録しておかなければならない。
2 前項の記録は、三年間(三年を超える検査の周期を定めて行う検査の記録にあつては、当該検査の後最初に行う検査を終えるまでの間)保存しなければならない。
(障害物)
第二十四条障害物
第二十四条 車両から二百三十ミリメートルの間隔を限界とする範囲内の線路上には、物を置いてはならない。 但し、工事上の作業のため臨時に必要な物で車両の運転に支障がないときは、この限りでない。
第二節 車両
(車両の整備)
第二十五条車両の整備
第二十五条 車両は、安全に運転することができる状態でなければ使用してはならない。
(新製した車両等の検査)
第二十六条新製した車両等の検査
第二十六条 新製し、又は購入した車両及び改造し、又は修繕した車両は、これを検査し、試運転を行つた後でなければ、使用してはならない。 ただし、軽易な改造又は修繕をした場合には、試運転を省略することができる。
2 脱線その他の運転事故が発生した車両で故障の疑いがあるもの及び使用を休止した車両を使用する場合には、あらかじめ当該車両を検査し、必要に応じ試運転を行わなければならない。
(車両の検査)
第二十七条車両の検査
第二十七条 車両については、次の各号に掲げる車両の種類に応じ、それぞれ当該各号に定める期間ごとに少なくとも一回その状態及び機能について検査を行わなければならない。
一 蒸気機関車四十日
二 前号に掲げる車両以外の車両三月
第二十八条
第二十八条 車両については、次の各号に掲げる車両の種類に応じ、それぞれ当該各号に定める期間ごとに少なくとも一回、動力発生装置、走行装置、ブレーキ装置その他の重要な装置の主要部分について検査(次項において「重要部検査」という。)を行わなければならない。
一 蒸気機関車一年
二 貨車二年六月
三 懸垂式鉄道又は案内軌条式鉄道の構造に相当する構造を有する軌道の車両(索条により駆動されるもの及び自動車(道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第二条第二項の自動車をいう。次条第一項第三号及び附則第三項において同じ。)の構造に相当する構造を有するものに限る。)三年(新製した車両(蓄電池機関車及び蓄電池電車を除く。以下同じ。)に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから四年)
四 前三号に掲げる車両以外の車両四年
2 特殊の用に供する車両(専ら事故の復旧、線路の除雪又は施設の試験、検査若しくは保守の用に供する車両をいう。以下同じ。)については、前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる車両の種類に応じ、それぞれ当該各号に定める期間ごとに少なくとも一回重要部検査を行わなければならない。
一 貨車三年(新製した車両に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから三年六月)
二 前項第三号及び第四号に掲げる車両三年六月(新製した車両に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから四年)
第二十九条
第二十九条 車両については、次の各号に掲げる車両の種類に応じ、それぞれ当該各号に定める期間ごとに少なくとも一回車両の主要部分を取りはずして全般について定期検査(次項において「全般検査」という。)を行わなければならない。
一 蒸気機関車四年
二 貨車五年
三 懸垂式鉄道又は案内軌条式鉄道の構造に相当する構造を有する軌道の車両(索条により駆動されるもの及び自動車の構造に相当する構造を有するものに限る。)六年(新製した車両に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから七年)
四 前三号に掲げる車両以外の車両八年
2 特殊の用に供する車両については、前項の規定にかかわらず、次の各号に定める期間ごとに少なくとも一回全般検査を行わなければならない。
一 貨車六年(新製した車両に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから六年六月)
二 前項第三号及び第四号に掲げる車両七年(新製した車両に対する使用開始後最初の検査については、使用を開始してから七年六月)
3 前二項の規定による検査をしたときは、当該車両の試運転を行わなければならない。
(水圧試験)
第三十条水圧試験
第三十条 第二十六条第一項及び前条の規定により車両の検査を行うときは、ボイラについて水圧試験を行わなければならない。 ただし、第二十六条第一項の規定により、改造し、又は修繕した車両の検査を行うときは、ボイラに重要な改造又は修繕をした場合に限る。
2 前項の試験は、ボイラの最高使用圧力の一・三五倍以上の水圧を使用し、これを少なくとも五分間持続させて行うものとする。
(絶縁耐力試験)
第三十一条絶縁耐力試験
第三十一条 第二十六条第一項及び第二十九条の規定により車両の検査を行うとき(蒸気機関車については、第二十六条第一項の規定により検査を行う場合に限る。)は、電気回路の機器及び電線について絶縁耐力試験を行わなければならない。 ただし、第二十六条第一項の規定により、改造し、又は修繕した車両の検査を行うときは、電気回路の機器及び電線に重要な改造又は修繕をした場合に限る。
2 前項の試験は、電気回路の使用電圧が直流七百五十ボルト又は交流三百ボルトを超える場合には、最大使用電圧の一・六五倍以上の電圧を使用し、これを少なくとも一分間持続させて行うものとする。
(絶縁抵抗試験)
第三十二条絶縁抵抗試験
第三十二条 第二十六条第一項及び第二十七条から第二十九条までの規定により車両の検査を行うとき(蒸気機関車については、第二十六条第一項及び第二十九条第一項の規定により検査を行う場合に限る。)は、電気回路の機器及び電線について絶縁抵抗試験を行わなければならない。
(使用を休止した車両等の検査に関する特例)
第三十三条使用を休止した車両等の検査に関する特例
第三十三条 使用を休止した車両(使用を休止した期間中に発生するおそれのある腐食、変形、電気的絶縁の劣化等車両の強度及び機能の低下を防止するために必要な措置を講じたものに限る。)についての第二十七条から第二十九条までの規定による検査に係る期間の計算については、その使用を休止した期間は、算入しない。 ただし、その算入しない期間は、次の各号に掲げる検査の種類に応じ、それぞれ当該各号に定める期間を限度とする。
一 第二十七条の規定による検査二月(蒸気機関車にあつては、四十日)
二 第二十八条の規定による検査二年(蒸気機関車にあつては、一年)
三 第二十九条の規定による検査四年
2 第二十七条から第二十九条までの規定により検査を行わなければならないこととされた時において現に使用を休止している車両については、これらの規定にかかわらず、当該車両の使用を休止している期間が終了するときまでは、検査を延期することができる。
第三十四条
第三十四条 第二十七条から第二十九条までの規定により検査を行わなければならないこととされた時において、災害その他やむを得ない事由により検査を行うことができない車両については、これらの規定にかかわらず、当該検査を行うことができない事情が終了するときまでは、検査を延期することができる。
(車両の検査及び試運転を行う者)
第三十五条車両の検査及び試運転を行う者
第三十五条 車両の検査及び試運転は、当該車両の所属する事業を経営する者が行うものとする。
(本線路を運転する車両の検査)
第三十六条本線路を運転する車両の検査
第三十六条 車両は、本線路を運転する場合には、その種類及び運行状況に応じ、その要部を検査しなければならない。
(消火用具の備付)
第三十七条消火用具の備付
第三十七条 車両(蒸気機関車を除く。)の運転室又は客扱若しくは荷扱のため乗務する係員の車室には、消火用具一個を備え付けなければならない。 但し、一車両を通じて一箇とすることができる。
(車両の検査の表記)
第三十八条車両の検査の表記
第三十八条 第二十九条の規定による検査をしたときは、その年月を当該車両に表記しなければならない。
(検査の記録)
第三十九条検査の記録
第三十九条 第二十六条から第二十九条までの規定により車両の検査を行つたときは、その年月日及び成績を記録し、その記録は、当該検査の後最初に行う第二十九条の規定による検査を終えるまで保存しなければならない。
(車両の表記)
第四十条車両の表記
第四十条 機関車には、番号を表記しなければならない。
2 客車、貨車、内燃動車及び電車には、次に掲げる事項を表記しなければならない。
一 記号番号
二 自重
三 旅客定員及び荷重
第四十一条から第四十四条まで
第四十一条から第四十四条まで 削除
第三章 運転
第一節 車両の運転
(連結運転)
第四十五条連結運転
第四十五条 車両を連結して運転するときは、連結器をもつて相互に連結し、且つ、貫通制動機を使用しなければならない。 但し、車両を入換し、故障となつた車両を収容し又は廻送する場合は、この限りでない。
(連結車両の長さ)
第四十六条連結車両の長さ
第四十六条 車両を連結して運転するときは、連結した車両の全長を三十メートル以内としなければならない。 但し、故障となつた車両を収容し、又は廻送する場合は、この限りでない。
(車両の操縦位置)
第四十七条車両の操縦位置
第四十七条 車両を運転するときは、車両に故障がある場合又は退行運転をする場合を除き、車両の最前部の運転室で操縦しなければならない。
(後位の運転室で操縦する場合の前途注視)
第四十八条後位の運転室で操縦する場合の前途注視
第四十八条 車両の最前部の運転室以外の運転室で操縦するときは、その最前部に前途を注視する者を配置しなければならない。
(車両の退行運転)
第四十九条車両の退行運転
第四十九条 車両は、左の各号の一に該当する場合であつて、退行する範囲の外方で後続車両を停止させる手配をしたときを除き、退行運転をしてはならない。
一 車両、線路又は電車線路に故障があるとき
二 工事車両、救援車両又は排雪車両を運転するとき
(車両の左側運転)
第五十条車両の左側運転
第五十条 複線区間においては、車両は、左側の線路を運転しなければならない。 但し、左の各号の一に該当する場合は、この限りでない。
一 退行運転をするとき
二 工事車両、救援車両又は排雪車両を運転するとき
三 停留場内を運転するとき
(転てつ器の支持)
第五十一条転てヽつヽ器の支持
第五十一条 本線路におけるさ錠されていない転てつ器を車両がこれに対向して通過するときは、その取柄を支持しなければならない。
(突放入換の禁止)
第五十二条突放入換の禁止
第五十二条 車両は、本線路上において及び本線路を支障する虞がある場合には、突放入換を行つてはならない。
(車両の最高及び平均速度)
第五十三条車両の最高及び平均速度
第五十三条 車両の運転速度は、動力制動機を備えたものにあつては、最高速度は毎時四十キロメートル以下、平均速度は毎時三十キロメートル以下とし、その他のものにあつては、最高速度は毎時二十五キロメートル以下、平均速度は毎時十六キロメートル以下とする。
(後位の運転室で操縦する場合の運転速度)
第五十四条後位の運転室で操縦する場合の運転速度
第五十四条 車両の最前部の運転室以外の運転室で操縦する場合の運転速度は、毎時十五キロメートル以下とする。
(退行運転の場合の運転速度)
第五十五条退行運転の場合の運転速度
第五十五条 退行運転をする場合の運転速度は、毎時十五キロメートル以下とする。
(入換運転の場合の運転速度)
第五十六条入換運転の場合の運転速度
第五十六条 入換運転をする場合の運転速度は、毎時十五キロメートル以下とする。
(転てつ器通過の場合の運転速度)
第五十七条転てヽつヽ器通過の場合の運転速度
第五十七条 さ錠されていない転てつ器を対向して通過する場合の運転速度は、毎時十五キロメートル以下とする。
(追従する場合の運転速度)
第五十八条追従する場合の運転速度
第五十八条 車両が他の車両に追従する場合であつて、先行車両との距離が百メートル以下となつたときの運転速度は、毎時十五キロメートル以下とする。
(曲線の速度制限)
第五十九条曲線の速度制限
第五十九条 車両が曲線を通過する場合の制限速度は、車両の安定度に応じて定めなければならない。
2 車両が曲線を通過する場合は、前項の制限速度を超えて運転してはならない。
(下りこう配線の速度制限)
第六十条下りこヽうヽ配線の速度制限
第六十条 車両が下りこう配線を通過する場合の制限速度は、車両の制動距離に応じて定めなければならない。
2 車両が下りこう配線を通過する場合は、前項の制限速度を超えて運転してはならない。
(追従する場合の車両間の距離)
第六十一条追従する場合の車両間の距離
第六十一条 車両が他の車両に追従する場合において、先行車両が停止したときは、三メートル以上の距離を置いて、一旦停止しなければならない。
(留置車両の転動防止)
第六十二条留置車両の転動防止
第六十二条 車両を留置するときは、その転動を防止するために必要な措置をしておかなければならない。
2 動力のある動力車を留置するときは、その自動を防止するために必要な措置をして、これを看守しなければならない。
(停留場以外の客貨取扱の禁止)
第六十三条停留場以外の客貨取扱の禁止
第六十三条 車両は、停留場内の乗降場及び貨物積卸場以外の本線路の途中で、旅客又は貨物を取り扱うために停止してはならない。
(行先の明示)
第六十四条行先の明示
第六十四条 車両を運転するときは、その外側の見易い場所に運転系統又は行先を明示しなければならない。
(開扉運転の禁止)
第六十五条開扉運転の禁止
第六十五条 車両を運転するときは、乗客の転落を防止するために扉を閉じ又はその他必要な措置を講じなければならない。
第二節 運転保安
(保安方式)
第六十六条保安方式
第六十六条 単線区間における本線路にあつては、保安区間を設け通票式を施行し、事故のためこれを行うことができないときは、保安区間を設け指導法を施行しなければならない。 但し、左の各号の一に該当する場合は、この限りでない。
一 全線を通じて二箇以上の車両を運転しない軌道又は線区
二 全線を通じて最高速度毎時二十五キロメートル以下で平均速度毎時十六キロメートル以下の運転をする軌道又は線区
2 複線区間において事故又は工事のため一時単線運転をするときは、当該区間について臨時に保安区間を設け、これに通票式又は指導法を施行しなければならない。
(保安方式等の変更等の指令)
第六十七条保安方式等の変更等の指令
第六十七条 保安区間若しくは保安方式を臨時に変更するとき、前条第二項の規定により臨時に保安方式を施行するとき若しくはこれらを所定に復するとき又は保安区間若しくは保安方式を変更するときは、その都度運輸長又はその指定する者の指令によつて行わなければならない。
(通票式の条件)
第六十八条通票式の条件
第六十八条 通票式にあつては、保安区間ごとに一箇の通票を備えなければならない。
2 隣接する保安区間の通票は、相互に形又は色により明瞭に識別されるものでなければならない。
3 通票には、その保安区間の両端の停留場名を記入しなければならない。
(通票の携帯及び続行標の掲出)
第六十九条通票の携帯及び続行標の掲出
第六十九条 通票式を施行する保安区間にあつては、当該保安区間の通票を携帯する車両でなければ運転してはならない。 但し、同一の保安区間において同一の方向に二以上の車両を続けて運転する場合であつて、最後の車両が通票を携帯し、これ以外の車両が続行標を掲出するときは、この限りでない。
(続行標の掲出方法等)
第七十条続行標の掲出方法等
第七十条 続行標は、車両の前面に掲出するものとし、昼間は赤色縁の黄色円板、夜間は黄色灯を使用するものとする。
(続行標掲出車両の取扱)
第七十一条続行標掲出車両の取扱
第七十一条 続行標の掲出は、運輸長の指定した者が当該区間の通票を確認した後、しなければならない。
2 第六十九条但書の場合において車両が先行車両に続いて出発するときは、先行車両との距離を百メートル以上隔てなければならない。
3 続行標を掲出した車両が行違停留場を出発するときは、運転しようとする保安区間の通票を確認した後でなければならない。
(指導法の条件)
第七十二条指導法の条件
第七十二条 指導法にあつては、保安区間ごとに一人の指導者を、運輸長又はその指定する者が定めなければならない。
2 指導者には、腕章を着けさせなければならない。
(指導者の同乗及び指導券の携帯)
第七十三条指導者の同乗及び指導券の携帯
第七十三条 指導法を施行する保安区間にあつては、当該区間の指導者が同乗する車両でなければ運転してはならない。 但し、同一の保安区間において、二以上の車両を同一方向に続いて運転する場合であつて、最後の車両に指導者が同乗し、これ以外の車両が当該指導者から直接渡された指導券を携帯するときは、この限りでない。
(指導券の記入事項と再使用の禁止)
第七十四条指導券の記入事項と再使用の禁止
第七十四条 指導券には、これを使用する区間、使用の年月日及びこれを携帯する車両番号を記載しなければならない。
2 指導券は、一回に限りこれに車両番号を記載した車両について使用することができる。
第三節 軌道信号
(軌道信号と運転との関係)
第七十五条軌道信号と運転との関係
第七十五条 車両は、軌道信号が現示し、又は表示する条件に従つて運転しなければならない。
(軌道信号の種別)
第七十六条軌道信号の種別
第七十六条 軌道信号の種別は、左の通りとする。
一 信号(形、色、音等により車両に対して運転するときの条件を現示するもの)
二 合図(形、色、音等により軌道係員相互間でその相手者に対して合図者の意志を表示するもの)
三 標識(形、色等により物の位置、方向、条件等を表示するもの)
(天候等による方式の変更)
第七十七条天候等による方式の変更
第七十七条 天候の状況、その他の事由により相当距離の位置から昼間における軌道信号の現示又は表示が認識し難いときは、夜間における現示又は表示の方式によらなければならない。
(停止信号の現示)
第七十八条停止信号の現示
第七十八条 車両は、停止信号の現示があつたときは、その現示箇所又は信号機の防護区域の外方に停止しなければならない。 但し、信号の現示箇所又は信号機の防護区域の始端までに停止することができない距離において停止信号の現示があつたときは、すみやかに停止しなければならない。
2 前項の規定により停止した車両は、進行を指示する信号の現示又はその他の指示があるまで進行してはならない。
(信号現示の不正確)
第七十九条信号現示の不正確
第七十九条 信号を現示すべき場所に所定の信号の現示がないとき又はその現示が正確でないときは、車両の運転に最大の制限を与える信号の現示があるものとして車両の運転にあたらなければならない。
(信号の兼用禁止)
第八十条信号の兼用禁止
第八十条 信号は、二以上の線路に兼用してはならない。 但し、進路表示機を附設した信号機の信号は、この限りでない。
(信号機の種別)
第八十一条信号機の種別
第八十一条 信号機は、常置信号機及び臨時信号機の二種とする。
2 常置信号機は、これを一定の場所に常置して信号を現示するものとする。
3 臨時信号機は、線路の故障その他の事由により車両が所定の速度で運転することができないときに臨時に設けて信号を現示するものとする。
(常置信号機の信号現示)
第八十二条常置信号機の信号現示
第八十二条 常置信号機による信号現示は、左の方式によらなければならない。
| 方式 | 色灯式 | |
| 信号の種類 | 停止信号 | 赤色の×印灯 |
| 進行信号 | 黄色の矢印灯 | |
2 常置信号機による入換のための信号現示は、前項の規定にかかわらず、左の方式によることができる。
| 方式 | 灯列式 | |
| 信号の種類 | 停止信号 | 白色灯列水平 |
| 進行信号 | 白色灯列左下向四十五度 | |
(進路表示機)
第八十三条進路表示機
第八十三条 進路表示機は、常置信号機の信号を前途二以上に分岐する線路に共用するとき当該信号機に附属して車両の進路を現示するものとする。
(常置信号機の信号現示の定位)
第八十四条常置信号機の信号現示の定位
第八十四条 常置信号機の信号現示の定位は、あらかじめ定めておかなければならない。
(臨時信号機の信号現示の方式)
第八十五条臨時信号機の信号現示の方式
第八十五条 臨時信号機による信号現示の方式は、あらかじめ定めておかなければならない。
(手信号の使用)
第八十六条手信号の使用
第八十六条 手信号は、信号機を使用することができないとき又はこれを設けてないときに、旗、灯等により信号を現示するものとする。
(手信号の現示方式)
第八十七条手信号の現示方式
第八十七条 手信号による信号現示は、左の方式によらなければならない。
| 昼夜間別 | 昼間 | 夜間 | |
| 信号の種類 | 停止信号 | 赤色旗を提示する。但し、やむを得ないときは、両腕を高くあげ又は緑色物以外の任意の物体を急激に振り廻してこれにかえることができる。 | 赤色灯を提示する。但し、やむを得ないときは、緑色灯以外の灯を急激に振り廻してこれにかえることができる。 |
| 徐行信号 | 赤色旗及び緑色旗を絞つて手に持つたまま頭上に高く交さする。但し、やむをえないときは、両腕を左右に延ばした後、ゆるやかに上下に動かしてこれにかえることができる。 | 明滅する緑色灯を提示する。 | |
| 進行信号 | 緑色旗を提示する。但し、やむを得ないときは、片腕を高くあげてこれにかえることができる。 | 緑色灯を提示する。 | |
(車両標識)
第八十八条車両標識
第八十八条 車両には、夜間本線路を運転するにあたつては、左の車両標識を掲出しなければならない。
一 前部標識車両の最前部に白色灯一箇以上
二 後部標識車両の最後部に赤色灯一箇以上
(車両標識以外の標識)
第八十九条車両標識以外の標識
第八十九条 車両標識以外の標識を必要とするときは、その表示方式を定めて用いなければならない。
(出発合図)
第九十条出発合図
第九十条 車両を出発させるには、車掌の出発合図によらなければならない。 但し、特に車掌を省略することができる設備をした車両については、この限りでない。
(入換合図)
第九十一条入換合図
第九十一条 本線路を支障して車両の入換を行うときは、合図を行わなければならない。
(合図の方式)
第九十二条合図の方式
第九十二条 出発合図、入換合図その他の合図は、その方式を定めて用いなければならない。
別表
| 検査の周期 | 時期 |
| 一年以上 | 検査基準日の前後四十五日以内 |
| 六月以上一年未満 | 検査基準日の前後三十日以内 |
| 六月未満 | 検査基準日の前後十四日以内 |
| 備考 この表において「検査基準日」とは、検査の周期の初日をいう。 | |