日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律
(目的)
第一条目的
第一条 この法律は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(以下「協定」という。)を実施するため、関税法(昭和二十九年法律第六十一号)、関税定率法(明治四十三年法律第五十四号)、とん税法(昭和三十二年法律第三十七号)、特別とん税法(昭和三十二年法律第三十八号)、消費税法(昭和六十三年法律第百八号)、酒税法(昭和二十八年法律第六号)、たばこ税法(昭和五十九年法律第七十二号)、揮発油税法(昭和三十二年法律第五十五号)、地方揮発油税法(昭和三十年法律第百四号)、石油ガス税法(昭和四十年法律第百五十六号)、石油石炭税法(昭和五十三年法律第二十五号)及び輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律(昭和三十年法律第三十七号)の特例を設けることを目的とする。
(定義)
第二条定義
第二条 この法律において「合衆国」とは、アメリカ合衆国をいう。
2 この法律において「合衆国軍隊」とは、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国にある合衆国の陸軍、空軍及び海軍をいう。
3 この法律において「合衆国軍隊の構成員」、「軍属」又は「家族」とは、協定第一条に規定する合衆国軍隊の構成員、軍属又は家族をいう。
4 この法律において「契約者等」とは、協定第十四条第一項に規定する人(法人を除く。)及び同項に規定する被用者をいう。
5 この法律において「軍人用販売機関等」とは、協定第十五条第一項(a)に規定する諸機関をいう。
(とん税等の免除)
第三条とん税等の免除
第三条 合衆国政府が所有し、又は全部用船契約により用船している船舶で、合衆国により、合衆国のために又は合衆国の管理の下に、公の目的をもつて運航されているもの(以下「公用船」という。)については、とん税及び特別とん税を免除する。 但し、当該船舶が第六条の規定の適用を受けない物品を積載しているときは、当該物品の重量が全積載物品の重量に対して有する割合をとん税法第三条第一号及び特別とん税法第三条第一号に規定する税率により算出した当該船舶のとん税及び特別とん税相当額に乗じて得た額のとん税及び特別とん税を課する。
(とん税等の免除手続)
第四条とん税等の免除手続
第四条 前条の規定によりとん税及び特別とん税の免除を受けようとする公用船の船長は、政令で定める手続により、当該船舶が公用船である旨を税関に証明しなければならない。
(入出港手続の免除)
第五条入出港手続の免除
第五条 公用船又は合衆国政府が所有し、若しくは借り上げている航空機で、合衆国により、合衆国のために若しくは合衆国の管理の下に、公の目的をもつて運航されているもの(以下「公用機」という。)には、関税法第十五条から第十九条まで、第二十条第三項及び第四項、第二十条の二(第三項を除く。)、第二十一条から第二十三条まで並びに第二十五条の規定は、適用しない。 ただし、同法第十五条第三項及び第十一項に規定する入港届(同条第一項及び第九項の規定により報告すべき事項のうち積荷に関するものを記載した書面(次項において「積荷目録」という。)を含む。)並びに同法第十七条第一項に規定する出港届は、提出しなければならない。
2 前項ただし書の場合において、当該公用船又は公用機が第九条の規定による税関の検査を免除される物品を積載しているときは、同項ただし書に規定する積荷目録のうち当該物品に係る部分については、同項ただし書に規定する当該積荷目録にその積載している旨を記載すれば足りる。
3 第一項ただし書の規定により公用船の船長又は公用機の機長が入港届を提出した場合において、税関長は、関税法の実施を確保するため必要があると認めるときは、当該船長又は機長に対し、旅客氏名表又は乗組員氏名表の提出を求めることができる。
4 合衆国の安全を保持するためその他これに類する事由により、第一項ただし書及び前項並びに関税法第二十条第一項及び第二項並びに第二十条の二第三項の規定により難いときは、これらの規定は、適用しない。
(関税の免除)
第六条関税の免除
第六条 左に掲げる物品については、関税を免除する。
一 合衆国軍隊又は合衆国軍隊の公認調達機関が合衆国軍隊の公用に供するために輸入する物品で、当該軍隊又は機関が合衆国軍隊の公用に供するために輸入する物品であることにつき合衆国軍隊の権限ある官憲による証明のされたもの
二 軍人用販売機関等が合衆国軍隊の構成員、軍属若しくはこれらの者の家族又は契約者等の用に供するために輸入する物品で、当該機関がこれらの者の用に供するために輸入する物品であることにつき合衆国軍隊の権限ある官憲による証明のされたもの
三 合衆国軍隊、合衆国軍隊の公認調達機関及び軍人用販売機関等以外の者が、合衆国軍隊の専用に供するため又は合衆国軍隊が使用する施設若しくは物品に附合、混和若しくは加工するために輸入する物品で、当該物品がこれらの目的のために輸入する物品であることにつき合衆国軍隊の権限ある官憲による証明のされたもの
四 合衆国軍隊の構成員、軍属若しくはこれらの者の家族又は契約者等の引越荷物及び携帯品
五 合衆国軍隊の構成員若しくは軍属が自己若しくはその家族の私用に供するため又は契約者等が自己の私用に供するために輸入する自動車(自動自転車を含む。)及びその部品
六 合衆国軍隊の構成員、軍属若しくはこれらの者の家族又は契約者等の私用に供するために合衆国軍事郵便局を通じて日本国に郵送される通常且つ相当量の衣類及び家庭用品
(内国消費税の免除)
第七条内国消費税の免除
第七条 前条の規定の適用を受ける物品については、消費税、酒税、たばこ税、揮発油税及び地方揮発油税、石油ガス税並びに石油石炭税(以下「内国消費税」という。)を免除する。 ただし、保税工場(関税法第六十一条の五第二項の規定により同法第五十六条第一項の許可を受けたものとみなされる場所を含む。)又は総合保税地域において製造され、又は自動車用の石油ガス容器に充てんされた物品及び内国消費税の免除を受けて輸出された物品で、前条第二号に掲げる物品に該当するものは、この限りでない。
(関税及び内国消費税の徴収)
第八条関税及び内国消費税の徴収
第八条 第六条の規定の適用を受けた同条第三号に掲げる物品で、税関長の指定した期間内に、合衆国軍隊に引き渡され、又は合衆国軍隊が使用する施設若しくは物品に附合、混和若しくは加工されたことについて、合衆国軍隊の権限ある官憲による証明がされないものについては、当該輸入物品を輸入した者から関税及び内国消費税を直ちに徴収する。 但し、当該輸入物品が天災その他やむを得ない事由により滅失したことにつき税関長の承認を受けた場合は、この限りでない。
(税関検査の免除等)
第九条税関検査の免除等
第九条 次に掲げる物品については、関税法第六十七条の規定による検査を行わない。
一 合衆国軍隊の命令により日本国に入国し、又は日本国から出国する合衆国軍隊の部隊の携行品
二 合衆国軍隊の公用の封印がある公文書
三 合衆国政府の船荷証券により船積されている合衆国軍隊に仕向けられた軍事貨物
四 合衆国軍事郵便線路上にある公用郵便物
2 合衆国軍事郵便線路上にある郵便物については、関税法第三十条第一項本文、第六十三条の九及び第七十六条第三項の規定は適用しない。
(関税免除物品の製造等)
第十条関税免除物品の製造等
第十条 第六条第三号の規定の適用を受けた輸入物品を合衆国軍隊に引き渡し、又は合衆国軍隊が使用する施設若しくは物品に附合、混和若しくは加工する前に、当該輸入物品の改装、仕分若しくはその他の手入をし、当該輸入物品に加工し、当該輸入物品と他の物品とを混合し、又は当該輸入物品を原料として他の物品を製造しようとする場合には、当該手入、加工、混合又は製造は、税関長が期間を指定して承認した倉庫又は工場において行わなければならない。
2 関税法第三十五条、第百条第二号並びに第百五条第一項第五号、第三項及び第四項の規定は、前項に規定する物品又は倉庫若しくは工場について準用する。
(関税免除物品の譲渡の制限)
第十一条関税免除物品の譲渡の制限
第十一条 合衆国軍隊の構成員、軍属、これらの者の家族若しくは契約者等又はこれらの者であつた者が、日本国内において、合衆国軍隊、合衆国軍隊の公認調達機関、軍人用販売機関等、合衆国軍隊の構成員、軍属、これらの者の家族及び契約者等以外の者(以下次条において「合衆国軍隊等以外の者」という。)に対し、第六条の規定の適用を受けた物品の譲渡(譲渡のためその委託を受けた者、又は媒介をする者に所持させることを含む。以下本条及び次条第三項において同じ。)をしようとするときは、政令で定めるところにより、税関長に申告し、当該物品につき必要な検査を経て、譲渡の許可を受けなければならない。
2 前項の規定による許可を受けないで物品の譲渡をし、又はしようとした者については、関税法第百十一条の規定を準用する。 この場合において、同条中「輸入」とあるのは、「譲渡」と読み替えるものとする。
3 関税法第百十九条から第百四十九条までの規定は、前項の違反嫌疑事件の調査及び処分について準用する。
(免税物品の譲受の際の関税の徴収等)
第十二条免税物品の譲受の際の関税の徴収等
第十二条 合衆国軍隊等以外の者が、合衆国軍隊、合衆国軍隊の公認調達機関、軍人用販売機関等、合衆国軍隊の構成員、軍属、これらの者の家族若しくは契約者等又はこれらの者であつた者から、第六条の規定の適用を受けた物品(当該物品を使用して製造された物品及びその副産物を含む。)の譲受(譲渡又は譲受の委託を受けて、又はこれらの媒介のため所持することを含む。以下本条において同じ。)を日本国内においてしようとするときは、当該譲受を輸入とみなし、関税法、関税定率法及び輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律並びに酒税法第四十五条及び第九章中同条に係る部分の規定を適用する。
2 前項の場合において、同項の規定の適用を受ける物品に対する関税額の確定は、関税法第六条の二第一項第二号に規定する賦課課税方式によるものとする。
3 第一項の規定により適用することとされる関税法第六十七条に規定する輸入の許可を受けないで同項に規定する物品の譲受け(同法第七十条第三項又は第七十一条第一項の規定により輸入を許可しない物品の譲受けを除く。)をした者(以下この条において「無許可譲受人」という。)があつた場合において、当該許可を受けないで譲受けをした物品(以下この条において「無許可譲受物品」という。)のうち自動車その他政令で定めるものにつきその関税及び内国消費税の完納前に更に譲受をした者があるときは、その者は、その関税及び内国消費税につき当該無許可譲受人と連帯して納付する義務を負う。 その他の無許可譲受物品でその性質、形状等により明らかに外国産品であると認められるものにつきその関税及び内国消費税の完納前に更に譲受をした者がその譲受又は譲渡を営業とする者であるときも、また同様とする。
4 前項に規定する輸入を許可しない物品を所有し、若しくは所持している者がある場合又は無許可譲受人若しくは前項の規定の適用を受ける者が無許可譲受物品若しくは前項の規定の適用を受ける物品を所有し、若しくは所持している場合においては、税関長は、これらの者に対し、政令で定めるところにより、期限を指定してこれらの物品を保税地域(関税法第三十条第一項第二号の規定により税関長が指定した場所を含む。次項において同じ。)に入れることを命ずることができる。 この場合において、無許可譲受物品又は前項の規定の適用を受ける物品の関税及び内国消費税につき納税の告知がされていないときは、税関長は、速やかに納税の告知をしなければならない。
5 前項の場合において、同項の物品がその指定された期限までに保税地域に入れられなかつたときは、税関長は、当該物品を保税地域に入れ、その運搬及び保管の費用を、当該物品につき同項前段の命令を受けた者から徴収することができる。
6 第一項の規定の適用を受ける物品は、関税法の適用については、同法の外国貨物とみなす。 この場合において、無許可譲受物品につき関税及び内国消費税を徴収したときは、当該物品は、同項の規定により適用することとされる関税法第六十七条の規定による輸入の許可があつた貨物とみなす。
7 前条第一項の規定及び第一項の規定により適用することとされる関税法第六十七条の規定による申告及び検査並びに許可は、政令で定めるところにより、一括して行うことができる。
8 第三項の規定により納付すべき関税については、関税法第百十条の規定は、適用しない。
(課税価格)
第十二条の二課税価格
第十二条の二 前条第一項の場合において、譲受けに係る物品が価格を課税標準として関税を課する物品であるときは、その課税価格は、同項の規定により適用することとされる関税定率法第四条から第四条の九までの規定にかかわらず、関税法第四条の規定による課税物件確定の時における当該物品と同種又は類似の物品の本邦における通常の取引価格から関税その他の公課及び通常の取引の費用(通常の利潤を含む。)を控除した額に当該物品の性質及び取引方法の差異による価格の相違を勘案し合理的に必要と認められる調整を加えた額とする。
2 前項の規定による課税価格は、関税法、関税定率法その他の法令の規定の適用については、関税定率法第四条から第四条の九までの規定による課税価格とみなす。
(国税徴収法の準用)
第十三条国税徴収法の準用
第十三条 第十二条第五項の規定により徴収する費用の徴収については、国税徴収の例による。 この場合において、当該費用は、関税に先だつて徴収する。
(差押物件等の引渡し)
第十四条差押物件等の引渡し
第十四条 合衆国軍隊の所有する物品を関税法の規定によつて収容し、又は留置したときは、税関長は、速やかに当該物品を合衆国軍隊に引き渡さなければならない。
2 合衆国軍隊の所有する物品を関税法又はこの法律の規定によつて領置、差押え又は記録命令付差押えをした場合において、当該領置、差押え又は記録命令付差押えの事由が消滅したときは、税関長は、速やかに当該物品を領置、差押え又は記録命令付差押えをした事由を記載した文書とともに、当該物品を合衆国軍隊に引き渡さなければならない。