農業委員会等に関する法律
第一章 総則
(この法律の目的)
第一条この法律の目的
第一条 この法律は、農業生産力の増進及び農業経営の合理化を図るため、農業委員会の組織及び運営並びに農業委員会ネットワーク機構の指定等について定め、もつて農業の健全な発展に寄与することを目的とする。
(交付金等)
第二条交付金等
第二条 国は、農業委員会の第六条第一項及び第二項に規定する事項に関する事務に要する経費であつて委員、農地利用最適化推進委員及び職員に要するものその他政令で定めるものの財源に充てるため、市町村に対して交付金を交付する都道府県に対し、交付金を交付する。
2 農林水産大臣は、前項の規定による都道府県への交付金の交付については、各都道府県の農業委員会の数、農業者の数及び農地(耕作(農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第四十三条第一項の規定により耕作に該当するものとみなされる農作物の栽培を含む。以下同じ。)の目的に供される土地をいう。以下同じ。)の面積(以下「農地面積」という。)を基礎とし、農地等(農地又は農地以外の土地で主として耕作若しくは養畜の事業のための採草若しくは家畜の放牧の目的に供されるものをいう。以下同じ。)の利用関係の調整の状況その他の各都道府県における農業委員会の運営に関する特別の事情を考慮して政令で定める基準に従つて決定しなければならない。
3 都道府県知事は、第一項の規定による都道府県への交付金の市町村への交付については、前項の政令で定める基準に準じて基準を定め、これに従つて決定しなければならない。
4 国は、第四十二条第一項の規定により都道府県知事の指定を受けた者が行う同項に規定する農業委員会ネットワーク業務(第四十三条第一項第七号に掲げるものであつて政令で定めるものに限る。)に要する経費を負担する。
5 前項に定めるもののほか、国は、毎年度予算の範囲内において、第四十二条第一項の規定により農林水産大臣又は都道府県知事の指定を受けた者が行う同項に規定する農業委員会ネットワーク業務に要する経費の一部を補助することができる。
第二章 農業委員会
(設置)
第三条設置
第三条 市町村に農業委員会を置く。 ただし、その区域内に農地のない市町村には、農業委員会を置かない。
2 その区域が著しく大きい市町村又はその区域内の農地面積が著しく大きい市町村で政令で定めるものにあつては、市町村長は、当該市町村の区域を二以上に分けてその各区域に農業委員会を置くことができる。
3 前項の規定によりその区域を二以上に分けてその各区域に農業委員会を置いた市町村にあつては、市町村長は、その全部又は一部の農業委員会の区域を変更することができる。
4 前項に規定する市町村にあつては、市町村長は、その全部又は一部の農業委員会を廃止して、その廃止された農業委員会の区域につき廃止された農業委員会の数を超えない数の農業委員会を置き、又はその廃止された農業委員会の区域を他の農業委員会の区域に含ませることができる。
5 その区域内の農地面積(都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第七条第一項の市街化区域と定められた区域(同法第二十三条第一項の規定による協議を要する場合にあつては、当該協議が調つたものに限る。)の区域内の農地面積(生産緑地法(昭和四十九年法律第六十八号)第三条第一項の生産緑地地区の区域内の農地面積を除く。)を除く。)が著しく小さい市町村で政令で定めるものにあつては、市町村長は、当該市町村に農業委員会を置かないことができる。
6 市町村長は、第二項の場合にあつては各農業委員会の名称及び区域を、第三項又は第四項の場合にあつてはその区域に変更があつた農業委員会又は新たに設置された農業委員会の名称及び区域を、前項の場合にあつては農業委員会を置かないこととした旨を公告するとともに、都道府県知事にこれを通知しなければならない。
(組織)
第四条組織
第四条 農業委員会は、委員をもつて組織する。
2 委員は、非常勤とする。
(会長)
第五条会長
第五条 農業委員会に会長を置く。
2 会長は、委員が互選した者をもつて充てる。
3 会長は、会務を総理し、委員会を代表する。
4 会長は、非常勤とする。
5 会長が欠けたとき又は事故があるときは、委員が互選した者がその職務を代理する。
6 会長は、委員としての任期が満了したときは、その地位を失う。
7 農業委員会は、その所掌事務を行うにつき会長を不適当と認めるときは、その決議によりこれを解任することができる。
(所掌事務)
第六条所掌事務
第六条 農業委員会は、その区域内の次に掲げる事項を処理する。
一 農地法その他の法令によりその権限に属させられた農地等の利用関係の調整に関する事項並びに特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律(平成五年法律第七十二号)、農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律(平成十九年法律第四十八号)及び農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律(平成二十五年法律第八十一号)によりその権限に属させられた事項
二 土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)その他の法令によりその権限に属させられた農地等の交換分合及びこれに付随する事項
三 前二号に掲げるもののほか、法令によりその権限に属させられた事項
2 農業委員会は、前項各号に掲げる事項を処理するほか、その区域内の農地等の利用の最適化の推進(農地等として利用すべき土地の農業上の利用の確保並びに農業経営の規模の拡大、耕作の事業に供される農地等の集団化、農業への新たに農業経営を営もうとする者の参入の促進等による農地等の利用の効率化及び高度化の促進をいう。以下同じ。)に関する事項に関する事務を行う。
3 農業委員会は、その区域内の次に掲げる事項に関する事務を行うことができる。
一 法人化その他農業経営の合理化に関する事項
二 農業一般に関する調査及び情報の提供
4 前二項の規定は、第二項に規定する農地等の利用の最適化の推進に関する事項及び前項各号に掲げる事項に関する市町村長その他の市町村の執行機関の法令(条例を含む。)の規定に基づく権限の行使を妨げない。
(農地等の利用の最適化の推進に関する指針)
第七条農地等の利用の最適化の推進に関する指針
第七条 農業委員会は、次に掲げる事項について、指針を定めなければならない。
一 その区域内における農地等の利用の最適化の推進に関する目標
二 その区域内における農地等の利用の最適化の推進の方法(その区域内の農地等について農業経営基盤強化促進法(昭和五十五年法律第六十五号)第十九条第一項に規定する地域計画が定められているときは、同条第二項第三号の目標を達成するためにとるべき具体的な措置に関して農業委員会が果たすべき役割に関する事項を含む。)
三 第一号の目標の達成状況の評価の方法
2 農業委員会は、その区域内における農地等の利用の最適化の推進の状況その他の事情を考慮して必要があると認めるときは、前項の指針を変更しなければならない。
3 農業委員会は、第一項の指針を定め、又はこれを変更しようとするときは、農地利用最適化推進委員の意見を聴かなければならない。
4 農業委員会は、第一項の指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
(委員の任命)
第八条委員の任命
第八条 委員は、農業に関する識見を有し、農地等の利用の最適化の推進に関する事項その他の農業委員会の所掌に属する事項に関しその職務を適切に行うことができる者のうちから、市町村長が、議会の同意を得て、任命する。
2 委員の定数は、農業委員会の区域内の農業者の数、農地面積その他の事情を考慮して政令で定める基準に従い、条例で定める。
3 前項の定数の変更は、委員の任期満了の場合でなければ、行うことができない。
4 次の各号のいずれかに該当する者は、委員となることができない。
一 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
二 拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
5 市町村長は、第一項の規定による委員の任命に当たつては、次に掲げる者が委員の過半数を占めるようにしなければならない。 ただし、その区域内における認定農業者(農業経営基盤強化促進法第十三条第一項に規定する認定農業者をいう。以下同じ。)が少ない場合その他の農林水産省令で定める場合は、この限りでない。
一 認定農業者である個人
二 認定農業者である法人の業務を執行する役員又は農林水産省令で定める使用人
6 前項に定めるもののほか、市町村長は、第一項の規定による委員の任命に当たつては、農業委員会の所掌に属する事項に関し利害関係を有しない者が含まれるようにしなければならない。
7 市町村長は、第一項の規定による委員の任命に当たつては、委員の年齢、性別等に著しい偏りが生じないように配慮しなければならない。
第九条
第九条 市町村長は、前条第一項の規定により委員を任命しようとするときは、農林水産省令で定めるところにより、あらかじめ、農業者、農業者が組織する団体その他の関係者(第十九条第一項において「農業者等」という。)に対し候補者の推薦を求めるとともに、委員になろうとする者の募集をしなければならない。
2 市町村長は、農林水産省令で定めるところにより、前項の規定による推薦を受けた者及び同項の規定による募集に応募した者に関する情報を整理し、これを公表しなければならない。
3 市町村長は、前条第一項の規定による委員の任命に当たつては、第一項の規定による推薦及び募集の結果を尊重しなければならない。
(委員の任期)
第十条委員の任期
第十条 委員の任期は、三年とする。 ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 委員は、その任期満了後も後任の委員が就任するまでは、なおその職務を行う。
3 委員は、再任されることができる。
(委員の罷免)
第十一条委員の罷免
第十一条 市町村長は、委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認める場合又は職務上の義務に違反した場合その他委員たるに適しない非行があると認める場合には、議会の同意を得て、これを罷免することができる。
2 委員は、前項の場合を除き、その意に反して罷免されることがない。
(委員の失職)
第十二条委員の失職
第十二条 委員は、第八条第四項各号のいずれかに該当するに至つた場合には、その職を失う。
(委員等の辞任)
第十三条委員等の辞任
第十三条 委員は、正当な事由があるときは、市町村長及び農業委員会の同意を得て委員を辞任することができる。
2 会長は、正当な事由があるときは、農業委員会の同意を得て会長を辞任することができる。
(委員の秘密保持義務)
第十四条委員の秘密保持義務
第十四条 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。 その職を退いた後も、同様とする。
(委員の報酬等)
第十五条委員の報酬等
第十五条 市町村は、委員に対し、報酬を支給し、及び職務を行うために要する費用を弁償しなければならない。
(部会の設置及び構成)
第十六条部会の設置及び構成
第十六条 農業委員会に、農林水産省令で定めるところにより、部会を置くことができる。
2 部会は、委員が互選した者をもつて構成する。
3 部会の委員の構成は、次の各号(当該農業委員会の区域内における認定農業者が少ない場合その他の農林水産省令で定める場合は、第二号)に掲げる基準に従わなければならない。
一 第八条第五項各号に掲げる者が部会の委員の過半数を占めること。
二 第八条第六項に規定する者が含まれること。
4 第二項の規定による互選に関し必要な事項は、政令で定める。
5 部会の委員の定数は、条例で定める。
6 部会に部会長を置く。
7 部会長は、部会の委員のうちから総会(第二十七条第一項に規定する総会をいう。以下この条において同じ。)で選任する。
8 部会長に事故があり、又は部会長が欠けたときは、部会の委員のうちから総会があらかじめ定める者がその職務を代理する。
9 農業委員会は、その所掌事務を遂行するにつき部会長を不適当と認めるときは、総会でこれを解任することができる。
(農地利用最適化推進委員の委嘱)
第十七条農地利用最適化推進委員の委嘱
第十七条 農業委員会は、農地等の利用の最適化の推進に熱意と識見を有する者のうちから、農地利用最適化推進委員(以下「推進委員」という。)を委嘱しなければならない。 ただし、次の各号のいずれかに該当する市町村の農業委員会は、推進委員を委嘱しないことができる。
一 第三条第五項の政令で定める市町村
二 農地等として利用すべき土地の農業上の利用並びに農地等の利用の効率化及び高度化が相当程度図られていることその他の事情を考慮して政令で定める基準に該当する市町村
2 農業委員会は、前項の規定により推進委員を委嘱しようとするときは、各推進委員が担当する区域を定めなければならない。
3 推進委員は、第七条第一項の指針に従つて、前項の規定により農業委員会が定めた区域内の農地等の利用の最適化の推進のための活動を行わなければならない。
4 推進委員は、その活動を行うに当たつては、農地中間管理機構(農地中間管理事業の推進に関する法律(平成二十五年法律第百一号)第二条第四項に規定する農地中間管理機構をいう。以下同じ。)との連携に努めなければならない。
5 第一項ただし書の規定により推進委員を委嘱しないこととした農業委員会は、第六条第二項に規定する事務について、各委員が担当する区域を定めなければならない。
第十八条
第十八条 推進委員は、非常勤とする。
2 推進委員の定数は、農地等として利用すべき土地の農業上の利用並びに農地等の利用の効率化及び高度化の状況その他の事情を考慮して政令で定める基準に従い、条例で定める。
3 前項の定数の変更は、推進委員の任期満了の場合でなければ、行うことができない。
4 第八条第四項各号のいずれかに該当する者は、推進委員となることができない。
5 推進委員は、委員と兼ねることができない。
第十九条
第十九条 農業委員会は、第十七条第一項の規定により推進委員を委嘱しようとするときは、農林水産省令で定めるところにより、あらかじめ、同条第二項の規定により農業委員会が定めた区域を単位として、農業者等に対し候補者の推薦を求めるとともに、推進委員になろうとする者の募集をしなければならない。
2 農業委員会は、農林水産省令で定めるところにより、前項の規定による推薦を受けた者及び同項の規定による募集に応募した者に関する情報を整理し、これを公表しなければならない。
3 農業委員会は、第十七条第一項の規定による推進委員の委嘱に当たつては、第一項の規定による推薦及び募集の結果を尊重しなければならない。
(推進委員の任期)
第二十条推進委員の任期
第二十条 推進委員は、委員の任期満了の日まで在任する。
2 推進委員は、その任期満了後も後任の推進委員が就任するまでは、なおその職務を行う。
3 推進委員は、再任されることができる。
(推進委員の解嘱)
第二十一条推進委員の解嘱
第二十一条 農業委員会は、推進委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認める場合又は職務上の義務に違反し、若しくはその職務を怠つた場合その他推進委員たるに適しない非行があると認める場合には、これを解嘱することができる。
2 推進委員は、前項の場合を除き、その意に反して解嘱されることがない。
(推進委員の失職)
第二十二条推進委員の失職
第二十二条 推進委員は、第八条第四項各号のいずれかに該当するに至つた場合には、その職を失う。
(推進委員の辞任)
第二十三条推進委員の辞任
第二十三条 推進委員は、正当な事由があるときは、農業委員会の同意を得て推進委員を辞任することができる。
(推進委員の秘密保持義務)
第二十四条推進委員の秘密保持義務
第二十四条 推進委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。 その職を退いた後も、同様とする。
(推進委員の報酬等)
第二十五条推進委員の報酬等
第二十五条 市町村は、推進委員に対し、報酬を支給し、及び職務を行うために要する費用を弁償しなければならない。
(職員)
第二十六条職員
第二十六条 農業委員会に職員を置く。
2 職員の定数は、条例で定める。
3 職員は、農業委員会が任免する。
4 職員は、会長の指揮を受け、農業委員会の事務に従事する。
5 農業委員会は、専任の職員の配置及び養成その他の措置を講じ、その事務に従事するために必要な知識及び経験を有する職員の確保及び資質の向上を図るように努めなければならない。 この場合において、市町村長は、農業委員会に対し、必要な協力をするように努めなければならない。
(総会)
第二十七条総会
第二十七条 農業委員会の委員の会議(以下この章において「総会」という。)は、会長が招集する。 ただし、会長及びその職務を代理する者に共に事故があり、若しくはこれらの者が共に欠けたときの総会又は委員の任期満了による任命の後最初に行われる総会は、市町村長が招集する。
2 会長は、現に在任する委員の三分の一以上の者から書面で総会に付議すべき事項を示して総会を招集すべき旨の要求があつたときは、総会を招集しなければならない。
3 総会は、現に在任する委員の過半数が出席しなければ、開くことができない。 ただし、第三十一条第一項の規定により総会を開くことができなくなるときは、この限りでない。
(部会の会議及び総会と部会との関係)
第二十八条部会の会議及び総会と部会との関係
第二十八条 第十六条第一項の規定により部会の所掌に属させられた事項については、部会の議決をもつて農業委員会の決定とする。
2 総会は、部会に対し、いつでも、その所掌に属する事項について報告を求めることができる。
3 部会の委員以外の委員は、部会長の許可を受けて、部会の会議に出席して意見を述べることができる。
4 前条第一項本文、第二項及び第三項の規定は、部会の会議について準用する。 この場合において、同条第一項本文及び第二項中「会長」とあるのは「部会長」と読み替えるものとする。
(総会及び部会と推進委員との関係)
第二十九条総会及び部会と推進委員との関係
第二十九条 総会又は部会は、推進委員に対し、いつでも、その活動について報告を求めることができる。
2 推進委員は、その担当する区域内における農地等の利用の最適化の推進について、総会又は部会の会議に出席して意見を述べることができる。
(議決の方法)
第三十条議決の方法
第三十条 総会及び部会の会議の議事は、出席委員の過半数で決し、 可否同数のときは、会長又は部会長の決するところによる。
(議事参与の制限)
第三十一条議事参与の制限
第三十一条 農業委員会の委員は、自己又は同居の親族若しくはその配偶者に関する事項については、その議事に参与することができない。
2 前項の規定は、部会に準用する。
(会議の公開)
第三十二条会議の公開
第三十二条 総会及び部会の会議は、公開する。
(議事録)
第三十三条議事録
第三十三条 会長は、農林水産省令で定めるところにより、議事録を作成し、これをインターネットの利用その他の適切な方法により公表しなければならない。
(会議の規則)
第三十四条会議の規則
第三十四条 総会又は部会の会議に関する事項は、法令に別段の定めがある場合を除き、それぞれ総会又は部会の会議で定める。
(報告、調査等)
第三十五条報告、調査等
第三十五条 農業委員会は、その所掌事務を遂行するため必要があるときは、農地等の所有者、農業者その他の関係者に対しその出頭を求め、若しくは必要な報告を徴し、又は委員、推進委員若しくは職員に農地等に立ち入らせて必要な調査をさせることができる。
2 前項の規定により立入調査をする委員、推進委員又は職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の要求があるときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
4 第一項の規定による農業委員会の求めにより出頭した者に対しては、条例の定めるところにより、旅費を支給しなければならない。
(公簿の閲覧等)
第三十六条公簿の閲覧等
第三十六条 農業委員会の委員、推進委員及び職員は、登記所又は市町村の事務所に対し、無償で、農業委員会の所掌事務を遂行するため必要な簿書の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本若しくは登記事項証明書の交付を求めることができる。
(情報の公表)
第三十七条情報の公表
第三十七条 農業委員会は、その運営の透明性を確保するため、農林水産省令で定めるところにより、農地等の利用の最適化の推進の状況その他農業委員会における事務の実施状況について、インターネットの利用その他の適切な方法により公表しなければならない。
(関係行政機関等に対する農業委員会の意見の提出)
第三十八条関係行政機関等に対する農業委員会の意見の提出
第三十八条 農業委員会は、その所掌事務の遂行を通じて得られた知見に基づき、農地等の利用の最適化の推進に関する事項に関する事務をより効率的かつ効果的に実施するため必要があると認めるときは、農地等の利用の最適化の推進に関する施策(以下「農地等利用最適化推進施策」という。)を企画立案し、又は実施する関係行政機関又は関係地方公共団体(以下「関係行政機関等」という。)に対し、農地等利用最適化推進施策の改善についての具体的な意見を提出しなければならない。
2 前項の関係行政機関等は、農地等利用最適化推進施策の企画立案又は実施に当たつては、同項の規定により提出された意見を考慮しなければならない。
(関係庁の協力)
第三十九条関係庁の協力
第三十九条 農林水産大臣は、農業委員会からその所掌事務に関して請求があつたときは、これに対し、助言を与え、資料を提示し、その他必要な協力をするように努めなければならない。
(抗告訴訟の取扱い)
第四十条抗告訴訟の取扱い
第四十条 農業委員会は、その処分(行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第三条第二項に規定する処分をいう。)又は裁決(同条第三項に規定する裁決をいう。)に係る同法第十一条第一項(同法第三十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定による市町村を被告とする訴訟について、当該市町村を代表する。
(特別区等の特例)
第四十一条特別区等の特例
第四十一条 この法律中市町村に関する規定は、特別区のある地にあつては特別区に、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)にあつては政令の定めるところにより区(総合区を含む。以下同じ。)に、これを適用する。
2 その区域内の農地面積が農林水産大臣の定める面積に満たないことその他農林水産大臣の定める特別の事情のある指定都市にあつては、指定都市の市長は、区ごとに農業委員会を置かないことができる。 この場合には、指定都市の市長は、その旨を公告するとともに、都道府県知事にこれを通知しなければならない。
3 第一項の規定は、前項の規定により区ごとに農業委員会を置かないこととされた指定都市には適用しない。
第三章 農業委員会ネットワーク機構
(指定)
第四十二条指定
第四十二条 農林水産大臣又は都道府県知事(以下「農林水産大臣等」という。)は、農業委員会相互の連絡調整、情報提供等によるネットワークの構築及び当該ネットワークを活用した業務の実施を通じて農業委員会の事務の効率的かつ効果的な実施に資することを目的とする一般社団法人又は一般財団法人であつて、次条第一項又は第二項に規定する業務(以下「農業委員会ネットワーク業務」という。)を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、全国又は都道府県にそれぞれ一を限つて、農業委員会ネットワーク機構として指定することができる。
2 農林水産大臣等は、前項の規定による指定(以下「指定」という。)をしたときは、農業委員会ネットワーク機構の名称、住所及び事務所の所在地を公告しなければならない。
3 農業委員会ネットワーク機構は、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨をその指定をした農林水産大臣等に届け出なければならない。
4 農林水産大臣等は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る事項を公告しなければならない。
(業務)
第四十三条業務
第四十三条 都道府県知事の指定を受けた農業委員会ネットワーク機構(以下「都道府県機構」という。)は、当該都道府県の区域内において、次に掲げる業務を行うものとする。
一 農業委員会相互の連絡調整並びにその事務を効率的かつ効果的に実施している農業委員会の取組に関する情報の公表、農業委員会の委員、推進委員及び職員に対する講習及び研修その他の農業委員会に対する支援を行うこと。
二 農地に関する情報の収集、整理及び提供を行うこと。
三 農業経営を営み、又は営もうとする者に対する関係農業委員会の紹介その他の支援を行うこと。
四 法人化の支援その他農業経営の合理化のために必要な支援を行うこと。
五 認定農業者その他の農業の担い手の組織化及びこれらの者の組織の運営の支援を行うこと。
六 農業一般に関する調査及び情報の提供を行うこと。
七 農地法その他の法令の規定により都道府県機構が行うものとされた業務を行うこと。
八 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
2 農林水産大臣の指定を受けた農業委員会ネットワーク機構は、次に掲げる業務を行うものとする。
一 都道府県機構相互の連絡調整並びに都道府県機構が行う農業委員会の委員、推進委員及び職員の講習及び研修への協力その他の都道府県機構に対する支援を行うこと。
二 前項第二号から第六号までに掲げる業務を行うこと。
三 前二号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
(業務規程)
第四十四条業務規程
第四十四条 農業委員会ネットワーク機構(以下「機構」という。)は、農業委員会ネットワーク業務を行うときは、その開始前に、農業委員会ネットワーク業務の実施方法その他の農林水産省令で定める事項について農業委員会ネットワーク業務に関する規程(以下「業務規程」という。)を定め、その指定をした農林水産大臣等の認可を受けなければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。
2 農林水産大臣等は、前項の認可をした業務規程が農業委員会ネットワーク業務の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
(事業計画等)
第四十五条事業計画等
第四十五条 機構は、毎事業年度、農林水産省令で定めるところにより、農業委員会ネットワーク業務に関し事業計画書及び収支予算書を作成し、その指定をした農林水産大臣等の認可を受けなければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。
2 機構は、農林水産省令で定めるところにより、毎事業年度終了後、農業委員会ネットワーク業務に関し事業報告書及び収支決算書を作成し、その指定をした農林水産大臣等に提出しなければならない。
(業務の休廃止)
第四十六条業務の休廃止
第四十六条 機構は、その指定をした農林水産大臣等の許可を受けなければ、農業委員会ネットワーク業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
2 農林水産大臣等は、前項の許可をしたときは、その旨を公告しなければならない。
(秘密保持義務)
第四十七条秘密保持義務
第四十七条 機構の役員又は職員は、当該機構の農業委員会ネットワーク業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。 これらの者が、その職を退いた後も、同様とする。
(報告及び立入検査)
第四十八条報告及び立入検査
第四十八条 農林水産大臣等は、農業委員会ネットワーク業務の適正な運営を確保するために必要な限度において、その指定に係る機構に対し、農業委員会ネットワーク業務若しくは資産の状況に関し必要な報告をさせ、又はその職員に、当該機構の事務所に立ち入り、農業委員会ネットワーク業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の要求があるときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(監督命令)
第四十九条監督命令
第四十九条 農林水産大臣等は、この法律を施行するために必要な限度において、その指定に係る機構に対し、農業委員会ネットワーク業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(指定の取消し等)
第五十条指定の取消し等
第五十条 農林水産大臣等は、その指定に係る機構が次の各号のいずれかに該当するときは、指定を取り消すことができる。
一 農業委員会ネットワーク業務を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。
二 指定に関し不正の行為があつたとき。
三 この法律若しくはこの法律に基づく命令若しくは処分に違反したとき、又は第四十四条第一項の認可を受けた業務規程によらないで農業委員会ネットワーク業務を行つたとき。
2 農林水産大臣等は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公告しなければならない。
(農地に関する情報の利用等)
第五十一条農地に関する情報の利用等
第五十一条 農業委員会(第三条第一項ただし書又は第五項の規定により農業委員会を置かない市町村にあつては、市町村長。第三項において同じ。)は、農業委員会ネットワーク業務の実施に必要な限度で、機構が農地に関する情報の提供を求めたときは、機構に対し、当該情報の提供を行わなければならない。
2 各機構は、農業委員会ネットワーク業務の実施に必要な限度で、その保有する農地に関する情報を、その保有に当たつて特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用し、又は相互に提供することができる。
3 機構は、農業委員会が農地に関する情報の提供を求めたときは、農業委員会に対し、当該情報の提供を行わなければならない。
第五十二条
第五十二条 機構は、農業経営を営み、又は営もうとする者の求めに応じ、これらの者に対し、前条第一項又は第二項の規定により得られた情報の提供を行うことができる。
2 機構は、前条第一項又は第二項の規定により得られた情報の整理を行い、関係行政機関等、農地中間管理機構その他農林水産省令で定める者の求めに応じ、これらの者に対し、当該情報の提供を行うことができる。
3 前項の規定により情報の提供を受けた農地中間管理機構その他同項の農林水産省令で定める者は、当該情報をその提供を受けた目的以外の目的のために利用し、又は提供してはならない。
(関係行政機関等に対する機構の意見の提出)
第五十三条関係行政機関等に対する機構の意見の提出
第五十三条 機構は、農業委員会ネットワーク業務の実施を通じて得られた知見に基づき、農業委員会が農地等の利用の最適化の推進に関する事項に関する事務をより効率的かつ効果的に実施するため必要があると認めるときは、農地等利用最適化推進施策を企画立案し、又は実施する関係行政機関等に対し、農地等利用最適化推進施策の改善についての具体的な意見を提出しなければならない。
2 前項の関係行政機関等は、農地等利用最適化推進施策の企画立案又は実施に当たつては、同項の規定により提出された意見を考慮しなければならない。
(業務への協力)
第五十四条業務への協力
第五十四条 地方公共団体その他の関係者は、農業委員会ネットワーク業務の実施に関し機構から必要な協力を求められた場合には、これに応ずるように努めなければならない。
第四章 雑則
第五十五条
第五十五条 この法律に定めるもののほか、市町村の廃置分合又は境界変更があつた場合におけるこの法律の規定の適用その他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
第五章 罰則
第五十六条
第五十六条 都道府県機構の役員又は職員が、第四十三条第一項第七号に掲げる業務(政令で定めるものに限る。)に係る職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、二年以下の拘禁刑に処する。
第五十七条
第五十七条 第十四条、第二十四条又は第四十七条の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
第五十八条
第五十八条 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした機構の役員又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第四十六条第一項の許可を受けないで、農業委員会ネットワーク業務の全部を廃止したとき。
二 第四十八条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
第五十九条
第五十九条 第五十二条第三項の規定に違反して、情報を同項に定める目的以外の目的のために利用し、又は提供した者は、三十万円以下の過料に処する。