予防接種法
第一章 総則
(目的)
第一条目的
第一条 この法律は、伝染のおそれがある疾病の発生及びまん延を予防するために公衆衛生の見地から予防接種の実施その他必要な措置を講ずることにより、国民の健康の保持に寄与するとともに、予防接種による健康被害の迅速な救済を図ることを目的とする。
(定義)
第二条定義
第二条 この法律において「予防接種」とは、疾病に対して免疫の効果を得させるため、疾病の予防に有効であることが確認されているワクチンを、人体に注射し、又は接種することをいう。
2 この法律において「A類疾病」とは、次に掲げる疾病をいう。
一 ジフテリア
二 百日せき
三 急性灰白髄炎
四 麻しん
五 風しん
六 日本脳炎
七 破傷風
八 結核
九 Hib感染症
十 肺炎球菌感染症(小児がかかるものに限る。)
十一 ヒトパピローマウイルス感染症
十二 新型インフルエンザ等感染症(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号。以下「感染症法」という。)第六条第七項に規定する新型インフルエンザ等感染症をいう。次項第二号及び第五十三条第一項第一号において同じ。)、指定感染症(感染症法第六条第八項に規定する指定感染症をいう。次項第二号及び第五十三条第一項第二号において同じ。)又は新感染症(感染症法第六条第九項に規定する新感染症をいう。次項第二号及び第五十三条第一項第三号において同じ。)であって、その全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められる疾病として政令で定める疾病
十三 前各号に掲げる疾病のほか、人から人に伝染することによるその発生及びまん延を予防するため、又はかかった場合の病状の程度が重篤になり、若しくは重篤になるおそれがあることからその発生及びまん延を予防するため特に予防接種を行う必要があると認められる疾病として政令で定める疾病
3 この法律において「B類疾病」とは、次に掲げる疾病をいう。
一 インフルエンザ
二 新型インフルエンザ等感染症、指定感染症又は新感染症であって政令で定める疾病
三 前二号に掲げる疾病のほか、個人の発病又はその重症化を防止し、併せてこれによりそのまん延の予防に資するため特に予防接種を行う必要があると認められる疾病として政令で定める疾病
4 この法律において「定期の予防接種」とは、第五条第一項の規定による予防接種をいう。
5 この法律において「臨時の予防接種」とは、第六条第一項から第三項までの規定による予防接種をいう。
6 この法律において「定期の予防接種等」とは、定期の予防接種又は臨時の予防接種をいう。
7 この法律において「保護者」とは、親権を行う者又は後見人をいう。
第二章 予防接種基本計画等
(予防接種基本計画)
第三条予防接種基本計画
第三条 厚生労働大臣は、予防接種に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、予防接種に関する基本的な計画(以下この章及び第四十八条第二号において「予防接種基本計画」という。)を定めなければならない。
2 予防接種基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 予防接種に関する施策の総合的かつ計画的な推進に関する基本的な方向
二 国、地方公共団体その他関係者の予防接種に関する役割分担に関する事項
三 予防接種に関する施策の総合的かつ計画的な推進に係る目標に関する事項
四 予防接種の適正な実施に関する施策を推進するための基本的事項
五 予防接種の研究開発の推進及びワクチンの供給の確保に関する施策を推進するための基本的事項
六 予防接種の有効性及び安全性の向上に関する施策を推進するための基本的事項
七 予防接種に関する国際的な連携に関する事項
八 その他予防接種に関する施策の総合的かつ計画的な推進に関する重要事項
3 厚生労働大臣は、少なくとも五年ごとに予防接種基本計画に再検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更するものとする。
4 厚生労働大臣は、予防接種基本計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなければならない。
5 厚生労働大臣は、予防接種基本計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
(個別予防接種推進指針)
第四条個別予防接種推進指針
第四条 厚生労働大臣は、A類疾病及びB類疾病のうち、特に総合的に予防接種を推進する必要があるものとして厚生労働省令で定めるものについて、当該疾病ごとに当該疾病に応じた予防接種の推進を図るための指針(以下この条及び第四十八条第二号において「個別予防接種推進指針」という。)を予防接種基本計画に即して定めなければならない。
2 個別予防接種推進指針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 当該疾病に係る予防接種の意義、有効性及び安全性に関する事項
二 当該疾病に係る予防接種に関する啓発及び知識の普及に関する事項
三 当該疾病に係る予防接種の適正な実施のための方策に関する事項
四 当該疾病に係る予防接種の研究開発の推進及びワクチンの供給の確保に関する事項
五 その他当該疾病に係る予防接種の推進に関する重要事項
3 当該疾病について感染症法第十一条第一項の規定により同項に規定する特定感染症予防指針が作成されるときは、個別予防接種推進指針は、当該特定感染症予防指針と一体のものとして定められなければならない。
4 厚生労働大臣は、個別予防接種推進指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
第三章 定期の予防接種等の実施
(市町村長が行う予防接種)
第五条市町村長が行う予防接種
第五条 市町村長は、A類疾病及びB類疾病のうち政令で定めるものについて、当該市町村の区域内に居住する者であって政令で定めるものに対し、保健所長(特別区及び地域保健法(昭和二十二年法律第百一号)第五条第一項の規定に基づく政令で定める市(第十条において「保健所を設置する市」という。)にあっては、都道府県知事)の指示を受け期日又は期間を指定して、予防接種を行わなければならない。
2 都道府県知事は、前項に規定する疾病のうち政令で定めるものについて、当該疾病の発生状況等を勘案して、当該都道府県の区域のうち当該疾病に係る予防接種を行う必要がないと認められる区域を指定することができる。
3 前項の規定による指定があったときは、その区域の全部が当該指定に係る区域に含まれる市町村の長は、第一項の規定にかかわらず、当該指定に係る疾病について予防接種を行うことを要しない。
(臨時に行う予防接種)
第六条臨時に行う予防接種
第六条 都道府県知事は、A類疾病及びB類疾病のうち厚生労働大臣が定めるもののまん延予防上緊急の必要があると認めるときは、その対象者及びその期日又は期間を指定して、臨時に予防接種を行い、又は市町村長に行うよう指示することができる。
2 厚生労働大臣は、前項に規定する疾病のまん延予防上緊急の必要があると認めるときは、その対象者及びその期日又は期間を指定して、都道府県知事に対し、又は都道府県知事を通じて市町村長に対し、臨時に予防接種を行うよう指示することができる。
3 厚生労働大臣は、A類疾病のうち当該疾病の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものとして厚生労働大臣が定めるもののまん延予防上緊急の必要があると認めるときは、その対象者及びその期日又は期間を指定して、都道府県知事に対し、又は都道府県知事を通じて市町村長に対し、臨時に予防接種を行うよう指示することができる。
4 市町村長が前二項の規定による予防接種を行う場合において、都道府県知事は、当該都道府県の区域内で円滑に当該予防接種が行われるよう、当該市町村長に対し、必要な協力をするものとする。
(電子対象者確認)
第六条の二電子対象者確認
第六条の二 市町村長又は都道府県知事は、定期の予防接種等を行うに当たっては、電子対象者確認の方法により、当該定期の予防接種等を受けようとする者が当該定期の予防接種等の対象者であることの確認を行うことができる。
2 前項の「電子対象者確認」とは、市町村長又は都道府県知事が、定期の予防接種等を受けようとする者の個人番号カード(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第二条第七項に規定する個人番号カードをいう。)に記録された利用者証明用電子証明書(電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(平成十四年法律第百五十三号)第二十二条第一項に規定する利用者証明用電子証明書をいう。)の提供を受ける方法その他の厚生労働省令で定める方法により、当該者が当該定期の予防接種等の対象者であることを確認することをいう。
(予防接種を行ってはならない場合)
第七条予防接種を行ってはならない場合
第七条 市町村長又は都道府県知事は、定期の予防接種等を行うに当たっては、当該定期の予防接種等を受けようとする者について、厚生労働省令で定める方法により健康状態を調べ、当該定期の予防接種等を受けることが適当でない者として厚生労働省令で定めるものに該当すると認めるときは、その者に対して当該定期の予防接種等を行ってはならない。
(予防接種済証)
第七条の二予防接種済証
第七条の二 市町村長又は都道府県知事は、定期の予防接種等を受けた者に対して、厚生労働省令で定めるところにより、予防接種済証を交付し、又はその内容を記録した電磁的記録(電磁的方式(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式をいう。)で作られる記録をいう。第九条の三及び第二十五条において同じ。)を提供しなければならない。
(予防接種の勧奨)
第八条予防接種の勧奨
第八条 市町村長又は都道府県知事は、定期の予防接種であってA類疾病に係るもの又は臨時の予防接種の対象者に対し、これらの予防接種を受けることを勧奨するものとする。
2 市町村長又は都道府県知事は、前項の対象者が十六歳未満の者又は成年被後見人であるときは、その保護者に対し、その者に定期の予防接種であってA類疾病に係るもの又は臨時の予防接種を受けさせることを勧奨するものとする。
(予防接種を受ける努力義務)
第九条予防接種を受ける努力義務
第九条 定期の予防接種であってA類疾病に係るもの又は臨時の予防接種(B類疾病のうち当該疾病にかかった場合の病状の程度を考慮して厚生労働大臣が定めるもの(第四十八条第六号及び第五十二条において「特定B類疾病」という。)に係るものを除く。次項及び次条において同じ。)の対象者は、これらの予防接種を受けるよう努めなければならない。
2 前項の対象者が十六歳未満の者又は成年被後見人であるときは、その保護者は、その者に定期の予防接種であってA類疾病に係るもの又は臨時の予防接種を受けさせるため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(予防接種の勧奨及び予防接種を受ける努力義務に関する規定の適用除外)
第九条の二予防接種の勧奨及び予防接種を受ける努力義務に関する規定の適用除外
第九条の二 臨時の予防接種については、前二条の規定は、その対象とする疾病のまん延の状況並びに当該疾病に係る予防接種の有効性及び安全性に関する情報その他の情報を踏まえ、政令で、当該規定ごとに対象者を指定して適用しないこととすることができる。
(記録)
第九条の三記録
第九条の三 市町村長又は都道府県知事は、定期の予防接種等を行ったときは、遅滞なく、厚生労働省令で定めるところにより、当該定期の予防接種等に関する記録を作成し、保存しなければならない。 定期の予防接種等に相当する予防接種を受けた者又は当該定期の予防接種等に相当する予防接種を行った者から当該定期の予防接種等に相当する予防接種に関する証明書の提出を受けた場合又はその内容を記録した電磁的記録の提供を受けた場合における当該定期の予防接種等に相当する予防接種についても、同様とする。
(資料の提供等)
第九条の四資料の提供等
第九条の四 市町村長又は都道府県知事は、定期の予防接種等の実施に関し必要があると認めるときは、官公署に対し、必要な書類の閲覧若しくは資料の提供を求め、又は病院若しくは診療所の開設者、医師その他の関係者に対し、必要な事項の報告を求めることができる。
(保健所長への委任)
第十条保健所長への委任
第十条 都道府県知事又は保健所を設置する市若しくは特別区の長は、定期の予防接種等の実施事務を保健所長に委任することができる。
(政令及び厚生労働省令への委任)
第十一条政令及び厚生労働省令への委任
第十一条 この章に規定するもののほか、予防接種の実施に係る公告及び周知に関して必要な事項は政令で、その他予防接種の実施に関して必要な事項は厚生労働省令で定める。
第四章 定期の予防接種等の適正な実施のための措置
(定期の予防接種等を受けたことによるものと疑われる症状の報告)
第十二条定期の予防接種等を受けたことによるものと疑われる症状の報告
第十二条 病院若しくは診療所の開設者又は医師は、定期の予防接種等を受けた者が、当該定期の予防接種等を受けたことによるものと疑われる症状として厚生労働省令で定めるものを呈していることを知ったときは、その旨を厚生労働省令で定めるところにより厚生労働大臣に報告しなければならない。
2 厚生労働大臣は、前項の規定による報告があったときは、遅滞なく、厚生労働省令で定めるところにより、その内容を当該定期の予防接種等を行った市町村長又は都道府県知事に通知するものとする。
(定期の予防接種等の適正な実施のための措置)
第十三条定期の予防接種等の適正な実施のための措置
第十三条 厚生労働大臣は、毎年度、前条第一項の規定による報告の状況について厚生科学審議会に報告し、必要があると認めるときは、その意見を聴いて、定期の予防接種等の安全性に関する情報の提供その他の定期の予防接種等の適正な実施のために必要な措置を講ずるものとする。
2 厚生科学審議会は、前項の規定による措置のほか、定期の予防接種等の安全性に関する情報の提供その他の定期の予防接種等の適正な実施のために必要な措置について、調査審議し、必要があると認めるときは、厚生労働大臣に意見を述べることができる。
3 厚生労働大臣は、第一項の規定による報告又は措置を行うに当たっては、前条第一項の規定による報告に係る情報の整理又は当該報告に関する調査を行うものとする。
4 厚生労働大臣は、定期の予防接種等の適正な実施のため必要があると認めるときは、地方公共団体、病院又は診療所の開設者、医師、ワクチン製造販売業者(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第十二条第一項の医薬品の製造販売業の許可を受けた者であって、ワクチンの製造販売(同法第二条第十三項に規定する製造販売をいう。以下この項において同じ。)について同法第十四条の承認を受けているもの(当該承認を受けようとするものを含む。)又は同法第十三条の三第一項の医薬品等外国製造業者の認定を受けた者であって、ワクチンの製造販売について同法第十九条の二第一項の承認を受けているもの(当該承認を受けようとするものを含む。)が同条第三項の規定により選任したものをいう。以下同じ。)、定期の予防接種等を受けた者又はその保護者その他の関係者に対して前項の規定による調査を実施するため必要な協力を求めることができる。
(機構による情報の整理及び調査)
第十四条機構による情報の整理及び調査
第十四条 厚生労働大臣は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下この条において「機構」という。)に、前条第三項に規定する情報の整理を行わせることができる。
2 厚生労働大臣は、前条第一項の規定による報告又は措置を行うため必要があると認めるときは、機構に、同条第三項の規定による調査を行わせることができる。
3 厚生労働大臣が第一項の規定により機構に情報の整理を行わせることとしたときは、第十二条第一項の規定による報告をしようとする者は、同項の規定にかかわらず、厚生労働省令で定めるところにより、機構に報告しなければならない。
4 機構は、第一項の規定による情報の整理又は第二項の規定による調査を行ったときは、遅滞なく、当該情報の整理又は調査の結果を厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に通知しなければならない。
第五章 定期の予防接種等による健康被害の救済措置
(健康被害の救済措置)
第十五条健康被害の救済措置
第十五条 市町村長は、当該市町村の区域内に居住する間に定期の予防接種等を受けた者が、疾病にかかり、障害の状態となり、又は死亡した場合において、当該疾病、障害又は死亡が当該定期の予防接種等を受けたことによるものであると厚生労働大臣が認定したときは、次条及び第十七条に定めるところにより、給付を行う。
2 厚生労働大臣は、前項の認定を行うに当たっては、審議会等(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条に規定する機関をいう。)で政令で定めるものの意見を聴かなければならない。
(給付の範囲)
第十六条給付の範囲
第十六条 A類疾病に係る定期の予防接種等又はB類疾病に係る臨時の予防接種を受けたことによる疾病、障害又は死亡について行う前条第一項の規定による給付は、次の各号に掲げるとおりとし、それぞれ当該各号に定める者に対して行う。
一 医療費及び医療手当予防接種を受けたことによる疾病について医療を受ける者
二 障害児養育年金予防接種を受けたことにより政令で定める程度の障害の状態にある十八歳未満の者を養育する者
三 障害年金予防接種を受けたことにより政令で定める程度の障害の状態にある十八歳以上の者
四 死亡一時金予防接種を受けたことにより死亡した者の政令で定める遺族
五 葬祭料予防接種を受けたことにより死亡した者の葬祭を行う者
2 B類疾病に係る定期の予防接種を受けたことによる疾病、障害又は死亡について行う前条第一項の規定による給付は、次の各号に掲げるとおりとし、それぞれ当該各号に定める者に対して行う。
一 医療費及び医療手当予防接種を受けたことによる疾病について政令で定める程度の医療を受ける者
二 障害児養育年金予防接種を受けたことにより政令で定める程度の障害の状態にある十八歳未満の者を養育する者
三 障害年金予防接種を受けたことにより政令で定める程度の障害の状態にある十八歳以上の者
四 遺族年金又は遺族一時金予防接種を受けたことにより死亡した者の政令で定める遺族
五 葬祭料予防接種を受けたことにより死亡した者の葬祭を行う者
(政令への委任等)
第十七条政令への委任等
第十七条 前条に定めるもののほか、第十五条第一項の規定による給付(以下「給付」という。)の額、支給方法その他給付に関して必要な事項は、政令で定める。
2 前条第二項第一号から第四号までの政令及び同項の規定による給付に係る前項の規定に基づく政令は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法(平成十四年法律第百九十二号)第十五条第一項第一号イに規定する副作用救済給付に係る同法第十六条第一項第一号から第四号までの政令及び同条第三項の規定に基づく政令の規定を参酌して定めるものとする。
(損害賠償との調整)
第十八条損害賠償との調整
第十八条 市町村長は、給付を受けるべき者が同一の事由について損害賠償を受けたときは、その価額の限度において、給付を行わないことができる。
2 市町村長は、給付を受けた者が同一の事由について損害賠償を受けたときは、その価額の限度において、その受けた給付の額に相当する金額を返還させることができる。
(不正利得の徴収)
第十九条不正利得の徴収
第十九条 市町村長は、偽りその他不正の手段により給付を受けた者があるときは、国税徴収の例により、その者から、その受けた給付の額に相当する金額の全部又は一部を徴収することができる。
2 前項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
(受給権の保護)
第二十条受給権の保護
第二十条 給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。
(公課の禁止)
第二十一条公課の禁止
第二十一条 租税その他の公課は、給付として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。
(保健福祉事業の推進)
第二十二条保健福祉事業の推進
第二十二条 国は、第十六条第一項第一号から第三号まで又は同条第二項第一号から第三号までに掲げる給付の支給に係る者であって居宅において介護を受けるものの医療、介護等に関し、その家庭からの相談に応ずる事業その他の保健福祉事業の推進を図るものとする。
第六章 予防接種の有効性及び安全性の向上に関する調査等
(予防接種の有効性及び安全性の向上に関する厚生労働大臣の調査等)
第二十三条予防接種の有効性及び安全性の向上に関する厚生労働大臣の調査等
第二十三条 厚生労働大臣は、定期の予防接種等による免疫の獲得の状況に関する調査、定期の予防接種等による健康被害の発生状況に関する調査その他定期の予防接種等の有効性及び安全性の向上を図るために必要な調査及び研究を行うものとする。
2 市町村長又は都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に対し、定期の予防接種等の実施状況に関する情報その他の前項の規定による調査及び研究の実施に必要な情報として厚生労働省令で定めるものを提供しなければならない。
3 厚生労働大臣は、第一項の規定による調査及び研究の実施に関し必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、地方公共団体、病院若しくは診療所の開設者、医師又はワクチン製造販売業者に対し、当該調査及び研究の実施に必要な情報を提供するよう求めることができる。
(国民保健の向上のための匿名予防接種等関連情報の利用又は提供)
第二十四条国民保健の向上のための匿名予防接種等関連情報の利用又は提供
第二十四条 厚生労働大臣は、国民保健の向上に資するため、匿名予防接種等関連情報(予防接種等関連情報(前条第二項及び第三項の規定により提供された情報並びに第十二条第一項の規定による報告に係る情報をいう。以下この項及び次条において同じ。)に係る特定の定期の予防接種等の対象者その他の厚生労働省令で定める者(次条において「本人」という。)を識別すること及びその作成に用いる予防接種等関連情報を復元することができないようにするために厚生労働省令で定める基準に従い加工した予防接種等関連情報をいう。以下同じ。)を利用し、又は厚生労働省令で定めるところにより、次の各号に掲げる者であって、匿名予防接種等関連情報の提供を受けて行うことについて相当の公益性を有すると認められる業務としてそれぞれ当該各号に定めるものを行うものに提供することができる。
一 国の他の行政機関及び地方公共団体適正な保健医療サービスの提供に資する施策の企画及び立案に関する調査
二 大学その他の研究機関疾病の原因並びに疾病の予防、診断及び治療の方法に関する研究その他の公衆衛生の向上及び増進に関する研究
三 民間事業者その他の厚生労働省令で定める者医療分野の研究開発に資する分析その他の厚生労働省令で定める業務(特定の商品又は役務の広告又は宣伝に利用するために行うものを除く。)
2 厚生労働大臣は、前項の規定による匿名予防接種等関連情報の利用又は提供を行う場合には、当該匿名予防接種等関連情報を高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)第十六条の二第一項に規定する匿名医療保険等関連情報、感染症法第五十六条の四十一第一項に規定する匿名感染症関連情報その他の厚生労働省令で定めるものと連結して利用し、又は連結して利用することができる状態で提供することができる。
(照合等の禁止)
第二十五条照合等の禁止
第二十五条 前条第一項の規定により匿名予防接種等関連情報の提供を受け、これを利用する者(以下「匿名予防接種等関連情報利用者」という。)は、匿名予防接種等関連情報を取り扱うに当たっては、当該匿名予防接種等関連情報の作成に用いられた予防接種等関連情報に係る本人を識別するために、当該予防接種等関連情報から削除された記述等(文書、図画若しくは電磁的記録に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項をいう。)若しくは匿名予防接種等関連情報の作成に用いられた加工の方法に関する情報を取得し、又は当該匿名予防接種等関連情報を他の情報と照合してはならない。
(消去)
第二十六条消去
第二十六条 匿名予防接種等関連情報利用者は、提供を受けた匿名予防接種等関連情報を利用する必要がなくなったときは、遅滞なく、当該匿名予防接種等関連情報を消去しなければならない。
(安全管理措置)
第二十七条安全管理措置
第二十七条 匿名予防接種等関連情報利用者は、匿名予防接種等関連情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の当該匿名予防接種等関連情報の安全管理のために必要かつ適切なものとして厚生労働省令で定める措置を講じなければならない。
(利用者の義務)
第二十八条利用者の義務
第二十八条 匿名予防接種等関連情報利用者又は匿名予防接種等関連情報利用者であった者は、匿名予防接種等関連情報の利用に関して知り得た匿名予防接種等関連情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。
(立入検査等)
第二十九条立入検査等
第二十九条 厚生労働大臣は、この章(第二十三条を除く。)の規定の施行に必要な限度において、匿名予防接種等関連情報利用者(国の他の行政機関を除く。以下この項及び次条において同じ。)に対し報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは匿名予防接種等関連情報利用者の事務所その他の事業所に立ち入り、匿名予防接種等関連情報利用者の帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定による質問又は立入検査を行う場合においては、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(是正命令)
第三十条是正命令
第三十条 厚生労働大臣は、匿名予防接種等関連情報利用者が第二十五条から第二十八条までの規定に違反していると認めるときは、その者に対し、当該違反を是正するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(支払基金等への委託)
第三十一条支払基金等への委託
第三十一条 厚生労働大臣は、第二十三条第一項の規定による調査及び研究並びに第二十四条第一項の規定による匿名予防接種等関連情報の利用又は提供に係る事務の全部又は一部を社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)による社会保険診療報酬支払基金(以下「支払基金」という。)、国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第四十五条第五項に規定する国民健康保険団体連合会(以下「連合会」という。)その他厚生労働省令で定める者(次条及び第五十七条第一項において「支払基金等」という。)に委託することができる。
(手数料)
第三十二条手数料
第三十二条 匿名予防接種等関連情報利用者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国(前条の規定により厚生労働大臣からの委託を受けて、支払基金等が第二十四条第一項の規定による匿名予防接種等関連情報の提供に係る事務の全部を行う場合にあっては、支払基金等)に納めなければならない。
2 厚生労働大臣は、前項の手数料を納めようとする者が都道府県その他の国民保健の向上のために特に重要な役割を果たす者として政令で定める者であるときは、政令で定めるところにより、当該手数料を減額し、又は免除することができる。
3 第一項の規定により支払基金等に納められた手数料は、支払基金等の収入とする。
第七章 社会保険診療報酬支払基金の業務
(支払基金の業務)
第三十三条支払基金の業務
第三十三条 支払基金は、社会保険診療報酬支払基金法第十五条に規定する業務のほか、第一条に規定する目的を達成するため、次に掲げる業務を行う。
一 第三十一条の規定により厚生労働大臣から委託を受けて行う第二十三条第一項の規定による調査及び研究並びに第二十四条第一項の規定による匿名予防接種等関連情報の利用又は提供に係る事務に関する業務
二 第五十七条第一項の規定により市町村長又は都道府県知事から委託を受けて行う同項第一号に掲げる事務に関する業務
三 前二号に掲げる業務に附帯する業務
(業務の委託)
第三十四条業務の委託
第三十四条 支払基金は、厚生労働大臣の認可を受けて、前条の規定により行う同条第一号に掲げる業務及びこれに附帯する業務(以下「支払基金予防接種調査等業務」という。)並びに同条の規定により行う同条第二号に掲げる業務及びこれに附帯する業務(以下「支払基金予防接種対象者情報収集等業務」という。)の全部又は一部を連合会その他厚生労働省令で定める者に委託することができる。
(業務方法書)
第三十五条業務方法書
第三十五条 支払基金は、支払基金予防接種調査等業務及び支払基金予防接種対象者情報収集等業務に関し、これらの業務の開始前に、業務方法書を作成し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。 これを変更するときも、同様とする。
2 前項の業務方法書に記載すべき事項は、厚生労働省令で定める。
(区分経理)
第三十六条区分経理
第三十六条 支払基金は、支払基金予防接種調査等業務及び支払基金予防接種対象者情報収集等業務に係る経理については、その他の業務に係る経理と区分して、特別の会計を設けて行わなければならない。
(予算等の認可)
第三十七条予算等の認可
第三十七条 支払基金は、支払基金予防接種調査等業務及び支払基金予防接種対象者情報収集等業務に関し、毎事業年度、予算、事業計画及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。 これを変更するときも、同様とする。
(財務諸表等)
第三十八条財務諸表等
第三十八条 支払基金は、支払基金予防接種調査等業務及び支払基金予防接種対象者情報収集等業務に関し、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「財務諸表」という。)を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
2 支払基金は、前項の規定により財務諸表を厚生労働大臣に提出するときは、厚生労働省令で定めるところにより、これに当該事業年度の事業報告書及び予算の区分に従い作成した決算報告書並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見書を添付しなければならない。
3 支払基金は、第一項の規定による厚生労働大臣の承認を受けたときは、遅滞なく、財務諸表又はその要旨を官報に公告し、かつ、財務諸表及び附属明細書並びに前項の事業報告書、決算報告書及び監事の意見書を、主たる事務所に備えて置き、厚生労働省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。
(余裕金の運用)
第三十九条余裕金の運用
第三十九条 支払基金は、次の方法によるほか、支払基金予防接種調査等業務及び支払基金予防接種対象者情報収集等業務に係る業務上の余裕金を運用してはならない。
一 国債その他厚生労働大臣が指定する有価証券の保有
二 銀行その他厚生労働大臣が指定する金融機関への預金
三 信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)への金銭信託
2 厚生労働大臣は、前項第一号又は第二号の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。
(報告の徴収等)
第四十条報告の徴収等
第四十条 厚生労働大臣又は都道府県知事は、支払基金又は第三十四条の規定による委託を受けた者(以下「支払基金業務受託者」という。)について、支払基金予防接種調査等業務及び支払基金予防接種対象者情報収集等業務に関し必要があると認めるときは、その業務又は財産の状況に関する報告をさせ、又は当該職員に実地にその状況を検査させることができる。 ただし、支払基金業務受託者に対しては、当該受託業務の範囲内に限る。
2 第二十九条第二項の規定は前項の規定による検査について、同条第三項の規定は前項の規定による権限について、それぞれ準用する。
3 都道府県知事は、支払基金につき支払基金予防接種調査等業務及び支払基金予防接種対象者情報収集等業務に関し社会保険診療報酬支払基金法第二十九条の規定による処分が行われる必要があると認めるとき、又は支払基金の理事長、理事若しくは監事につき支払基金予防接種調査等業務及び支払基金予防接種対象者情報収集等業務に関し同法第十一条第二項若しくは第三項の規定による処分が行われる必要があると認めるときは、理由を付して、その旨を厚生労働大臣に通知しなければならない。
(社会保険診療報酬支払基金法の適用の特例)
第四十一条社会保険診療報酬支払基金法の適用の特例
第四十一条 支払基金予防接種調査等業務及び支払基金予防接種対象者情報収集等業務は、社会保険診療報酬支払基金法第三十二条第二項の規定の適用については、同法第十五条に規定する業務とみなす。
(厚生労働省令への委任)
第四十二条厚生労働省令への委任
第四十二条 この章に規定するもののほか、支払基金予防接種調査等業務及び支払基金予防接種対象者情報収集等業務に係る支払基金の財務及び会計に関し必要な事項は厚生労働省令で定める。
第八章 国民健康保険団体連合会の業務
(連合会の業務)
第四十三条連合会の業務
第四十三条 連合会は、国民健康保険法第八十五条の三に規定する業務のほか、第一条に規定する目的を達成するため、次に掲げる業務を行う。
一 第三十一条の規定により厚生労働大臣から委託を受けて行う第二十三条第一項の規定による調査及び研究並びに第二十四条第一項の規定による匿名予防接種等関連情報の利用又は提供に係る事務に関する業務
二 第五十七条第一項の規定により市町村長又は都道府県知事から委託を受けて行う同項各号に掲げる事務に関する業務
三 前二号に掲げる業務に附帯する業務
(業務の委託)
第四十四条業務の委託
第四十四条 連合会は、前条の規定により行う同条第一号に掲げる業務及びこれに附帯する業務(以下「連合会予防接種調査等業務」という。)並びに同条の規定により行う同条第二号に掲げる業務及びこれに附帯する業務(以下「連合会予防接種対象者情報収集等業務」という。)の全部又は一部を支払基金その他厚生労働省令で定める者に委託することができる。
(区分経理)
第四十五条区分経理
第四十五条 連合会は、連合会予防接種調査等業務及び連合会予防接種対象者情報収集等業務に係る経理については、その他の経理と区分して整理しなければならない。
(報告の徴収等)
第四十六条報告の徴収等
第四十六条 厚生労働大臣又は都道府県知事は、連合会又は第四十四条の規定による委託を受けた者(以下「連合会業務受託者」という。)について、連合会予防接種調査等業務及び連合会予防接種対象者情報収集等業務に関し必要があると認めるときは、その業務又は財産の状況に関する報告をさせ、又は当該職員に実地にその状況を検査させることができる。 ただし、連合会業務受託者に対しては、当該受託業務の範囲内に限る。
2 第二十九条第二項の規定は前項の規定による検査について、同条第三項の規定は前項の規定による権限について、それぞれ準用する。
第九章 雑則
(国等の責務)
第四十七条国等の責務
第四十七条 国は、国民が正しい理解の下に予防接種を受けるよう、予防接種に関する啓発及び知識の普及を図るものとする。
2 国は、予防接種の円滑かつ適正な実施を確保するため、予防接種の研究開発の推進及びワクチンの供給の確保等必要な措置を講ずるものとする。
3 国は、予防接種による健康被害の発生を予防するため、予防接種事業に従事する者に対する研修の実施等必要な措置を講ずるものとする。
4 国は、第二十三条第一項に定めるもののほか、予防接種による免疫の獲得の状況に関する調査、予防接種による健康被害の発生状況に関する調査その他予防接種の有効性及び安全性の向上を図るために必要な調査及び研究を行うものとする。
5 病院又は診療所の開設者、医師、ワクチン製造販売業者、予防接種を受けた者又はその保護者その他の関係者は、前各項の国の責務の遂行に必要な協力をするよう努めるものとする。
(厚生科学審議会の意見の聴取)
第四十八条厚生科学審議会の意見の聴取
第四十八条 厚生労働大臣は、次に掲げる場合には、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴かなければならない。
一 第二条第二項第十二号及び第十三号並びに第三項第二号及び第三号、第五条第一項及び第二項並びに第九条の二の政令の制定又は改廃の立案をしようとするとき。
二 予防接種基本計画及び個別予防接種推進指針を定め、又は変更しようとするとき。
三 第六条第一項及び第三項に規定する疾病を定めようとするとき。
四 第六条第二項及び第三項の規定による指示をしようとするとき。
五 第七条の定期の予防接種等を受けることが適当でない者を定める厚生労働省令、第十一条の厚生労働省令(医学的知見に基づき定めるべき事項に限る。)及び第十二条第一項の定期の予防接種等を受けたことによるものと疑われる症状を定める厚生労働省令を制定し、又は改廃しようとするとき。
六 特定B類疾病を定めようとするとき。
七 第二十四条第一項の規定により匿名予防接種等関連情報を提供しようとするとき。
(予防接種等に要する費用の支弁)
第四十九条予防接種等に要する費用の支弁
第四十九条 この法律の定めるところにより予防接種を行うために要する費用は、定期の予防接種については市町村、臨時の予防接種については都道府県又は市町村の支弁とする。
2 給付に要する費用は、市町村の支弁とする。
(都道府県の負担)
第五十条都道府県の負担
第五十条 都道府県は、政令の定めるところにより、前条第一項の規定により市町村の支弁する額(第六条第一項の規定による予防接種に係るものに限る。)の三分の二を負担する。
2 都道府県は、政令の定めるところにより、前条第一項の規定により市町村の支弁する額(第六条第二項の規定による予防接種に係るものに限る。)及び前条第二項の規定により市町村の支弁する額の四分の三を負担する。
(国庫の負担)
第五十一条国庫の負担
第五十一条 国庫は、政令の定めるところにより、第四十九条第一項の規定により都道府県の支弁する額(第六条第一項及び第二項の規定による予防接種に係るものに限る。)及び前条第一項の規定により都道府県の負担する額の二分の一を負担する。
2 国庫は、政令の定めるところにより、第四十九条第一項の規定により都道府県又は市町村の支弁する額(第六条第三項の規定による予防接種に係るものに限る。)の全額を負担する。
3 国庫は、前条第二項の規定により都道府県の負担する額の三分の二を負担する。
(実費の徴収)
第五十二条実費の徴収
第五十二条 定期の予防接種又は臨時の予防接種(特定B類疾病に係るものに限る。)を行った者は、予防接種を受けた者又はその保護者から、政令の定めるところにより、実費を徴収することができる。 ただし、これらの者が、経済的理由により、その費用を負担することができないと認めるときはこの限りでない。
(損失補償契約)
第五十三条損失補償契約
第五十三条 政府は、次の各号に掲げる疾病に係るワクチンについて、世界的規模で需給が著しくひっ迫し、又はひっ迫するおそれがあり、これを早急に確保しなければ当該疾病の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるときは、それぞれ当該各号に定める期間を限り、次項又は第三項の規定による閣議の決定をし、かつ、第四項の規定による国会の承認を得た上で、厚生労働大臣が当該疾病に係るワクチンの供給に関する契約を締結する当該疾病に係るワクチン製造販売業者又はそれ以外の当該疾病に係るワクチンの開発若しくは製造に関係する者を相手方として、当該契約に係るワクチンを使用する予防接種による健康被害に係る損害を賠償することにより生ずる損失その他当該契約に係るワクチンの性質等を踏まえ国が補償することが必要な損失を政府が補償することを約する契約(以下この項及び次項において「損失補償契約」という。)を締結することができる。 ただし、緊急の必要がある場合には、国会の承認を得ないで当該損失補償契約(第四項の規定による国会の承認を受けることをその効力の発生の条件とするものに限る。)を締結することができる。
一 新型インフルエンザ等感染症感染症法第四十四条の二第一項の規定による公表が行われたときから同条第三項の規定による公表が行われるまでの間
二 指定感染症(当該指定感染症にかかった場合の病状の程度が重篤であり、かつ、全国的かつ急速なまん延のおそれのあるものと厚生労働大臣が認めたものに限る。)感染症法第四十四条の七第一項の規定による公表が行われたときから同条第三項の規定による公表が行われるまでの間
三 新感染症感染症法第四十四条の十第一項の規定による公表が行われたときから感染症法第五十三条第一項の政令の廃止が行われるまでの間
2 厚生労働大臣は、損失補償契約を締結する必要があると認めるときは、当該損失補償契約に係るワクチンに係る疾病、当該損失補償契約を締結することができる期間その他補償の範囲に係る事項につき閣議の決定を求めなければならない。
3 前項の規定による閣議の決定後、その変更の必要が生じたときは、閣議において、当該閣議の決定の変更を決定しなければならない。
4 政府は、前二項の規定による閣議の決定があったときは、当該閣議の決定に係る事項につき、速やかに、国会の承認を求めなければならない。
(対象者番号等の利用制限等)
第五十四条対象者番号等の利用制限等
第五十四条 厚生労働大臣、都道府県知事、市町村長その他の定期の予防接種等の実施事務及びこれに関連する事務(以下この条及び第五十七条第一項各号において「定期の予防接種等の実施事務等」という。)の遂行のため対象者番号等(市町村等番号(厚生労働大臣が定期の予防接種等の実施事務等において市町村及び都道府県を識別するための番号として、市町村及び都道府県ごとに定めるものをいう。)及び対象者番号(市町村長及び都道府県知事が定期の予防接種等の対象者に係る情報を管理するための番号として、当該対象者ごとに定めるものをいう。)をいう。以下この条において同じ。)を利用する者として厚生労働省令で定める者(以下この条において「厚生労働大臣等」という。)は、当該定期の予防接種等の実施事務等の遂行のため必要がある場合を除き、何人に対しても、その者又はその者以外の者に係る対象者番号等を告知することを求めてはならない。
2 厚生労働大臣等以外の者は、定期の予防接種等の実施事務等の遂行のため対象者番号等の利用が特に必要な場合として厚生労働省令で定める場合を除き、何人に対しても、その者又はその者以外の者に係る対象者番号等を告知することを求めてはならない。
3 何人も、次に掲げる場合を除き、その者が業として行う行為に関し、その者に対し売買、貸借、雇用その他の契約(以下この項において「契約」という。)の申込みをしようとする者若しくは申込みをする者又はその者と契約の締結をした者に対し、当該者又は当該者以外の者に係る対象者番号等を告知することを求めてはならない。
一 厚生労働大臣等が、第一項に規定する場合に、対象者番号等を告知することを求めるとき。
二 厚生労働大臣等以外の者が、前項に規定する厚生労働省令で定める場合に、対象者番号等を告知することを求めるとき。
4 何人も、次に掲げる場合を除き、業として、対象者番号等の記録されたデータベース(その者以外の者に係る対象者番号等を含む情報の集合物であって、それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。)であって、当該データベースに記録された情報が他に提供されることが予定されているもの(以下この項において「提供データベース」という。)を構成してはならない。
一 厚生労働大臣等が、第一項に規定する場合に、提供データベースを構成するとき。
二 厚生労働大臣等以外の者が、第二項に規定する厚生労働省令で定める場合に、提供データベースを構成するとき。
5 厚生労働大臣は、前二項の規定に違反する行為が行われた場合において、当該行為をした者が更に反復してこれらの規定に違反する行為をするおそれがあると認めるときは、当該行為をした者に対し、当該行為を中止することを勧告し、又は当該行為が中止されることを確保するために必要な措置を講ずることを勧告することができる。
6 厚生労働大臣は、前項の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、その者に対し、期限を定めて、当該勧告に従うべきことを命ずることができる。
(報告及び検査)
第五十五条報告及び検査
第五十五条 厚生労働大臣は、前条第五項及び第六項の規定による措置に関し必要があると認めるときは、その必要と認められる範囲内において、同条第三項若しくは第四項の規定に違反していると認めるに足りる相当の理由がある者に対し、必要な事項に関し報告を求め、又は当該職員に当該者の事務所若しくは事業所に立ち入って質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 第二十九条第二項の規定は前項の規定による質問又は検査について、同条第三項の規定は前項の規定による権限について、それぞれ準用する。
(事務の区分)
第五十六条事務の区分
第五十六条 第六条、第六条の二第一項(臨時の予防接種に係る部分に限る。以下同じ。)、第七条の二(臨時の予防接種に係る部分に限る。以下同じ。)、第九条の三(臨時の予防接種に係る部分に限る。以下同じ。)及び第九条の四(臨時の予防接種に係る部分に限る。以下同じ。)の規定により都道府県が処理することとされている事務並びに第六条第一項から第三項まで、第六条の二第一項、第七条の二、第九条の三、第九条の四、第十五条第一項、第十八条及び第十九条第一項の規定により市町村が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
(支払基金等への事務の委託)
第五十七条支払基金等への事務の委託
第五十七条 市町村長及び都道府県知事は、次に掲げる事務の全部又は一部を支払基金等に委託することができる。
一 定期の予防接種等の実施事務等に係る当該定期の予防接種等の対象者又はその保護者に係る情報の収集若しくは整理又は利用若しくは提供に関する事務
二 当該市町村長又は都道府県知事から定期の予防接種等の実施事務等の委託を受けた者に対する当該定期の予防接種等の実施事務等の処理に要する費用の支払に関する事務
2 市町村長又は都道府県知事は、前項の規定により同項第一号に掲げる事務を委託する場合は、他の市町村長又は都道府県知事、社会保険診療報酬支払基金法第一条に規定する保険者、法令の規定により医療に関する給付その他の事務を行う者であって厚生労働省令で定めるもの並びに介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第三条の規定により介護保険を行う市町村及び特別区と共同して委託するものとする。
第十章 罰則
第五十八条
第五十八条 支払基金若しくは連合会の役員若しくは職員若しくはこれらの職にあった者又は支払基金業務受託者若しくは連合会業務受託者(これらの者が法人である場合にあっては、その役員)若しくはこれらの職員その他の当該受託業務に従事する者若しくはこれらの者であった者が、正当な理由がないのに、支払基金予防接種調査等業務若しくは支払基金予防接種対象者情報収集等業務又は連合会予防接種調査等業務若しくは連合会予防接種対象者情報収集等業務に関して知り得た秘密を漏らしたときは、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
第五十九条
第五十九条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第二十八条の規定に違反して、匿名予防接種等関連情報の利用に関して知り得た匿名予防接種等関連情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用したとき。
二 第三十条の規定による命令に違反したとき。
第六十条
第六十条 第五十四条第六項の規定による命令に違反したときは、当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
第六十一条
第六十一条 第二十九条第一項の規定による報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示をせず、若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の帳簿書類の提出若しくは提示をし、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したときは、当該違反行為をした者は、五十万円以下の罰金に処する。
第六十二条
第六十二条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした支払基金若しくは支払基金業務受託者の役員若しくは職員又は連合会若しくは連合会業務受託者の役員若しくは職員は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第四十条第一項の規定により報告を求められて、これに従わず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
二 第四十六条第一項の規定により報告を求められて、これに従わず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
第六十三条
第六十三条 正当な理由がなくて第五十五条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による質問に対して、正当な理由がなくて答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは正当な理由がなくて同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したときは、当該違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。
第六十四条
第六十四条 第五十九条の罪は、日本国外において同条の罪を犯した者にも適用する。
第六十五条
第六十五条 法人(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるもの(以下この条において「人格のない社団等」という。)を含む。以下この項において同じ。)の代表者(人格のない社団等の管理人を含む。)又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第五十九条から第六十一条まで又は第六十三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
2 人格のない社団等について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につき当該人格のない社団等を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
第六十六条
第六十六条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした支払基金の役員は、二十万円以下の過料に処する。
一 この法律の規定により厚生労働大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかったとき。
二 第三十九条第一項の規定に違反して支払基金予防接種調査等業務又は支払基金予防接種対象者情報収集等業務に係る業務上の余裕金を運用したとき。