第一条 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号。以下「法」という。)第三十四条の二十二第三項の内閣府令で定める基準(以下この条において「一時保護委託者登録等基準」という。)は、次の各号に掲げる基準に応じ、それぞれ当該各号に定める規定による基準とする。
一 法第三十四条の二十二第二項の規定により、同条第三項第一号に掲げる事項について都道府県が条例を定めるに当たって従うべき基準
第十三条及び第十五条第二項(入所している児童の保護に直接従事する職員に係る部分に限る。)の規定による基準
二 法第三十四条の二十二第二項の規定により、同条第三項第二号に掲げる事項について都道府県が条例を定めるに当たって従うべき基準
第十二条第二号及び第八号並びに第十五条第二項(入所している児童の居室及び法第三十三条第一項に規定する登録一時保護委託者(以下「登録一時保護委託者」という。)が一時保護を行う施設(以下「登録一時保護委託施設」という。)に特有の設備に係る部分に限る。)の規定による基準
三 法第三十四条の二十二第二項の規定により、同条第三項第三号に掲げる事項について都道府県が条例を定めるに当たって従うべき基準
第四条から第七条まで、第九条、第十条、第十七条、第二十条第三項及び第二十三条の規定による基準
四 法第三十四条の二十二第二項の規定により、同条第三項各号に掲げる事項以外の事項について都道府県が条例を定めるに当たって参酌すべき基準
この府令に定める基準のうち、前三号に定める規定による基準以外のもの
第二条 法第三十四条の二十二第二項の規定により都道府県が条例で定める基準(次項において「最低基準」という。)は、登録一時保護委託施設に入所している児童が、明るくて、衛生的な環境において、心身ともに健やかにして、安全な生活を送ることを保障するものとする。
2 都道府県は、最低基準を常に向上させるように努めるものとする。 (登録一時保護委託者の一般原則)第三条 登録一時保護委託者は、入所している児童の権利に十分配慮するとともに、一人一人の人格を尊重して、その運営を行わなければならない。
2 登録一時保護委託者は、入所している児童の国籍、信条、社会的身分等によって、差別的取扱いをしてはならない。 3 登録一時保護委託者は、法第三十三条第一項又は第二項に規定する一時保護の目的を達成するために必要な設備を設けなければならない。 (児童の権利の制限)第四条 登録一時保護委託者は、正当な理由なく、児童の権利を制限してはならない。
2 登録一時保護委託者は、前項に規定する正当な理由があり、やむを得ず児童の権利を制限する場合は、その理由について十分な説明を行い、児童の理解を得るよう努めなければならない。 (児童の行動の制限)第五条 登録一時保護委託者は、施錠等により児童の行動を制限してはならない。
(虐待等の禁止)第六条 登録一時保護委託者の職員は、入所中の児童に対し、法第三十三条の十第一項各号に掲げる行為その他当該児童の心身に有害な影響を与える行為をしてはならない。
(児童対象性暴力等の防止)第七条 登録一時保護委託者は、法第三十四条の二十二第六項において準用する法第二十一条の五の十八第四項の規定に基づき、児童対象性暴力等(学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律(令和六年法律第六十九号)第二条第二項に規定する児童対象性暴力等をいう。以下この条において同じ。)を防止し、及び児童対象性暴力等が行われた場合に児童を適切に保護するため、児童等対象業務従事者(児童と接する業務に従事する者のうち、支配性、継続性及び閉鎖性のある環境の下で当該児童に接するものをいう。)に係る犯罪事実確認(同法第四条第一項に規定する犯罪事実確認をいう。)その他の必要な措置を講じなければならない。
(非常災害対策)第八条 登録一時保護委託者は、登録一時保護委託施設において、軽便消火器等の消火用具、非常口その他非常災害に必要な設備を設けなければならない。
2 登録一時保護委託者は、非常災害に対する具体的計画を立て、これに対する不断の注意と訓練に努める体制を整備しなければならない。 3 登録一時保護委託者は、前項の訓練のうち、避難及び消火に対する訓練は、少なくとも毎月一回、これを行う体制を整備しなければならない。 (自動車を運行する場合の所在の確認)第九条 登録一時保護委託者は、児童の登録一時保護委託施設外での活動、取組等のための移動その他の児童の移動のために自動車を運行するときは、児童の乗車及び降車の際に、点呼その他の児童の所在を確実に把握することができる方法により、児童の所在を確認する体制を整備しなければならない。
(児童の権利擁護)第十条 登録一時保護委託者は、入所する児童に対し、その意見又は意向(法第三十三条の三の三の規定に基づき児童相談所長又は都道府県知事が行う意見聴取等措置において表明された意見又は意向を含む。)を尊重した支援を行う体制を整備しなければならない。
(児童の所持品等)第十一条 登録一時保護委託者は、入所する児童の所持品等の取扱いについて、次の各号に掲げる要件を満たす体制を整備しなければならない。
一 合理的な理由なく、児童の所持する物の持込みを禁止しないこと。
二 前号に規定する合理的な理由があり、やむを得ず児童の所持する物の持込みを禁止する場合は、児童又は他人の生命等に関わる緊急の場合を除き、あらかじめ児童相談所長又は都道府県知事に相談すること。
三 第一号に規定する合理的な理由があり、やむを得ず児童の所持する物の持込みを禁止する場合は、児童相談所長又は都道府県知事が、児童に対して、その理由について十分な説明を行い、児童の理解を得るために、児童相談所長又は都道府県知事に協力するよう努めること。
四 児童の所持する物を保管する場合は、紛失、盗難、き損等が生じないような設備に保管すること。
(設備の基準)第十二条 登録一時保護委託施設の構造設備は、次に掲げる要件を満たさなければならない。
一 採光、換気等児童の保健衛生及びこれらの児童に対する危害防止に十分な考慮を払って設けること。
二 児童の居室、食事をする場、浴室及び便所を設けること。
三 児童の居室は、児童が穏やかに過ごすことができ、安心して暮らすことができる環境を整えること。
四 入所している児童の年齢等に応じ、男子と女子の居室を別にすること。
五 浴室及び便所は、男子用と女子用とを別にすること。
六 居室、浴室及び便所を設けるに当たっては、入所する児童の年齢、性別、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律(令和五年法律第六十八号)第二条第一項に規定する性的指向及び同条第二項に規定するジェンダーアイデンティティ等に配慮すること。
七 三十人以上を入所させる施設には、医務室及び静養室を設けること。
八 児童の生活の場は、児童のプライバシーの保護に十分に配慮した環境を整えること。
(登録一時保護委託者における職員の一般的要件)第十三条 登録一時保護委託者は、登録一時保護委託施設に入所する児童の保護に従事する職員について、健全な心身を有し、豊かな人間性と倫理観を備え、児童福祉事業に熱意のある者であって、できる限り児童福祉事業の理論及び実際について訓練を受けた者となるよう、体制を整備しなければならない。
(夜間の職員配置)第十四条 登録一時保護委託者は、登録一時保護委託施設において、夜間、少なくとも職員一人以上を置く体制を整備しなければならない。
(他の社会福祉施設を併せて設置するときの設備及び職員の基準)第十五条 登録一時保護委託者は、登録一時保護委託施設を他の社会福祉施設と併せて設置するときは、必要に応じ当該登録一時保護委託施設の設備及び職員の一部を併せて設置する社会福祉施設の設備及び職員に兼ねることができる。
2 前項の規定は、入所する児童の居室及び登録一時保護委託施設に特有の設備並びに入所する児童の保護に直接従事する職員については、適用しない。 (衛生管理等)第十六条 登録一時保護委託施設の衛生管理は、次に掲げる要件を満たさなければならない。
一 入所する児童の使用する設備、食器等又は飲用に供する水については、衛生的な管理に努め、又は衛生上必要な措置を講ずること。
二 当該登録一時保護委託施設において感染症又は食中毒が発生し、又はまん延しないよう努めること。
三 入所する児童の希望等を勘案し、清潔を維持することができるよう適切に、入所する児童を入浴させ、又は清拭しなければならないこと。
四 入所する児童に対し清潔な衣服を提供しなければならないこと。
五 必要な医薬品その他の医療品を備えるとともに、それらの管理を適正に行わなければならないこと。
(食事)第十七条 登録一時保護委託施設における入所する児童の食事の提供は、次に掲げる要件を満たさなければならない。
一 入所する児童に食事を提供するときは、栄養及び入所する児童の身体的状況を考慮したものでなければならないこと。
二 児童の健康な生活の基本としての食を営む力の育成に努めなければならないこと。
(入所した児童及び職員の健康状態の把握等)第十八条 児童相談所長又は都道府県知事は、入所した児童の健康状態を把握するために、当該児童の状況等に応じ、医師又は歯科医師による診察その他の必要な措置を講じなければならない。
2 前項の措置の実施により児童の健康状態を把握した医師又は歯科医師は、その結果必要な事項を入所した児童の健康を記録する表に記入するとともに、必要に応じ一時保護の解除及び医療上の措置等必要な手続をとることを、児童相談所長又は都道府県知事に勧告しなければならない。 3 登録一時保護委託者は、登録一時保護委託施設に入所する児童の保護に従事する職員の健康状態の把握に当たっては、特に入所している児童の食事を調理する者につき、綿密な注意を払わなければならない。 (養護)第十九条 登録一時保護委託者は、登録一時保護委託施設における養護について、児童に対して安定した生活環境を整えるとともに、生活支援及び教育を行いつつ児童を養育することにより、児童の心身の健やかな成長を支援することを目的として行う体制を整備しなければならない。
(生活支援、教育及び親子関係再構築支援等)第二十条 登録一時保護委託者は、登録一時保護委託施設における生活支援について、児童の自主性を尊重しつつ、基本的生活習慣を確立するとともに豊かな人間性及び社会性を養うことができるように行う体制を整備しなければならない。
2 登録一時保護委託者は、登録一時保護委託施設における教育について、児童がその適性、能力等に応じた学習を行うことができるよう、適切な相談、助言、情報の提供等の支援により行う体制を整備しなければならない。 3 登録一時保護委託者は、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校(幼稚園を除く。)に在籍している児童が適切な教育を受けられるよう、当該児童の希望を尊重しつつ、その置かれている環境その他の事情を勘案し、通学の支援その他の教育に必要な支援に関して、児童相談所と協力をして行うよう努める体制を整備しなければならない。 4 登録一時保護委託者は、児童の家庭の状況に応じ、親子関係の再構築等が図られるよう、必要な支援等に関して、児童相談所と協力をして行うよう努める体制を整備しなければならない。 5 登録一時保護委託者は、児童が適切な支援を受けられるよう、一時保護の解除後も当該解除を行った児童相談所に必要な協力をするよう努める体制を整備しなければならない。 (登録一時保護委託者内部の規程)第二十一条 登録一時保護委託者は、次に掲げる事項のうち必要な事項につき規程を設けなければならない。
一 入所する児童の支援に関する事項
二 その他施設の管理についての重要事項
(登録一時保護委託者における記録)第二十二条 登録一時保護委託者は、入所する児童の処遇の状況について、児童相談所から求められた場合に、その情報を提示することができるように記録する体制を整備しなければならない。
(秘密保持等)第二十三条 登録一時保護委託者の職員は、正当な理由がなく、その業務上知り得た児童又はその家族の秘密を漏らしてはならない。
2 登録一時保護委託者は、登録一時保護委託者の職員であった者が、正当な理由なく、その業務上知り得た児童又はその家族の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。 (苦情への対応)第二十四条 都道府県知事は、登録一時保護委託施設に入所している児童又はその保護者等からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならない。
2 都道府県知事は、前項の必要な措置として、苦情の公正な解決を図るために、苦情の解決に当たって当該登録一時保護委託者の職員以外の者を関与させなければならない。 (電磁的記録)第二十五条 登録一時保護委託者の職員は、記録、作成その他これらに類するもののうち、この府令の規定において書面(書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本その他文字、図形等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。以下この条において同じ。)で行うことが規定されている又は想定されるものについては、書面に代えて、当該書面に係る電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)により行うことができる。
(大都市等の特例)第二十六条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下この項において「指定都市」という。)にあっては、第一条第一項及び第二条中「都道府県」とあるのは「指定都市」と、第十条、第十一条第二号及び第三号、第十八条第一項及び第二項並びに第二十四条中「都道府県知事」とあるのは「指定都市の市長」と読み替えるものとする。
2 法第五十九条の四第一項の児童相談所設置市(以下この項において「児童相談所設置市」という。)にあっては、第一条第一項及び第二条中「都道府県」とあるのは「児童相談所設置市」と、第十条、第十一条第二号及び第三号、第十八条第一項及び第二項並びに第二十四条中「都道府県知事」とあるのは「児童相談所設置市の市長」と読み替えるものとする。