第一条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 PFOI等
化学物質の審査及び製造の規制に関する法律施行令(昭和四十九年政令第二百二号)第一条第一項第三十五号イ及びロに規定する化学物質をいう。
二 許可製造業者
PFOI等の製造の事業を営むことについて化学物質の審査及び製造の規制に関する法律(次号において「法」という。)第十七条第一項の許可を受けた者をいう。
三 届出使用者
業としてPFOI等を使用することについて法第二十六条第一項の規定による届出をした者をいう。
四 PFOI等取扱事業者
業としてPFOI等を取り扱う者(許可製造業者及びPFOI等又は汚染物を入れた保管容器の保管又は運送に係る業務の委託を受けた者を除く。)をいう。
五 汚染物
PFOI等を含む廃液又はPFOI等が付着している布その他の不要物をいう。
六 保管容器
PFOI等又は汚染物を保管する容器をいう。
七 移替え
PFOI等を他の設備、保管容器等へ移す作業をいう。
八 使用設備
PFOI等の使用の用に供する設備であって、PFOI等が投入される設備からPFOI等の使用によって得られる化学物質を保管する容器に充塡する設備までの各設備のうち、PFOI等が通る設備をいう。
第二条 PFOI等取扱事業者は、移替えを行うときは、次の各号に定めるところにより行わなければならない。
一 コンクリート造の床面若しくは合成樹脂等により被覆した床面の屋内において、又は密閉式の機器を用いて行うこと。
二 PFOI等が飛散又は流出する可能性のある箇所には、受皿を設ける措置その他PFOI等の飛散又は流出の拡大を防止するための措置を講ずること。
三 PFOI等が飛散又は流出した場合に備えて、布等を準備すること。
四 移替えに使用した機器については、洗浄し、又は布等でふき取り、PFOI等が残留しないよう努めること。
五 前号の洗浄に用いた液体又はふき取りに用いた布等は、保管容器に入れて保管すること。
(使用設備)第三条 PFOI等取扱事業者は、使用設備について次の各号に掲げる基準を満たさなければならない。
一 使用設備は、常用の圧力又は常用の温度において発生する最大の応力に対して、十分な強度を有するものであること。
二 使用設備は、PFOI等が漏出するおそれがないよう、腐食しにくい材料を用いたもの又は有効な腐食防止のための措置を講じたものであること。
三 使用設備は、PFOI等が漏出した場合に地下に浸透することがないよう、コンクリート造の床面又は合成樹脂等により被覆した床面に設置すること。
四 使用設備は、PFOI等の使用の用にのみ供する設備であること。
五 使用設備の開口した箇所には、局所排気装置を設置する措置、受皿を設ける措置その他PFOI等の飛散及び流出の拡大を防止するための措置を講ずること。
六 使用設備から排出する気体及び液体に含まれるPFOI等の量を低減するため、集じん装置、スクラバーその他これらと同等の機能を有する装置を設置すること。
七 使用設備の見やすい箇所に、当該使用設備がPFOI等を使用するものである旨を表示すること。
八 前各号に掲げるもののほか、使用設備からのPFOI等の漏出等を防止するために必要な措置を講ずること。
(排出量の把握)第四条 PFOI等取扱事業者は、事業所ごとに、毎年一回、当該事業所から排出する気体及び液体につき、PFOI等の排出量を把握するのに適したサンプリング及び分析を行うことにより、PFOI等の排出量を把握しなければならない。
2 PFOI等取扱事業者は、前項のサンプリング及び分析又は推定の結果を踏まえて、PFOI等の排出量の削減に係る措置を講ずるよう努めなければならない。 3 PFOI等取扱事業者は、第一項のサンプリング及び分析又は推定を行ったときは、その結果を記載した帳簿を作成しなければならない。 4 前項の帳簿は、事業所ごとに備え、これを当該事業所の閉鎖の日から起算して五年間保存しなければならない。 (保管)第五条 PFOI等取扱事業者は、PFOI等又は汚染物を入れた保管容器を保管するときは、次の各号に定めるところにより保管しなければならない。
一 保管容器は、PFOI等又は汚染物が漏出する又はこぼれるおそれがなく、かつ、転倒した場合の衝撃に耐える密閉式の構造の堅固な容器であって、浸透しにくい材料を用いて製作されたものであること。
二 保管容器は、コンクリート造の床面又は合成樹脂等により被覆した床面の屋内に設置すること。
三 保管容器は、関係者以外の者が容易に立ち入ることができない場所に保管すること。
四 保管容器及びその保管場所の見やすい箇所に、PFOI等又は汚染物を保管している旨を表示すること。
2 PFOI等取扱事業者(届出使用者を除く。)は、事業所ごとに、PFOI等又は汚染物の保管数量を記載した帳簿を作成しなければならない。 3 前項の帳簿は、事業所ごとに備え、これを当該事業所の閉鎖の日から起算して五年間保存しなければならない。 (点検)第六条 PFOI等取扱事業者は、使用設備及び保管容器並びにその設置する床面について、次の各号に掲げる事項を定期的に点検しなければならない。
一 使用設備及び保管容器からPFOI等又は汚染物が漏出又は飛散していないこと。
二 使用設備及び保管容器に損傷又は腐食が生じていないこと。
三 使用設備及び保管容器を設置する床面にひび割れがないこと。
四 前三号に掲げるもののほか、使用設備及び保管容器並びにその設置する床面に異常が認められないこと。
2 PFOI等取扱事業者は、前項に規定する点検の結果において使用設備及び保管容器並びにその設置する床面に異常が認められた場合は、速やかに補修その他の必要な措置を講じなければならない。 3 PFOI等取扱事業者は、第一項の点検の結果の記録を作成し、これを作成の日から起算して五年間保存しなければならない。 (運送)第七条 PFOI等取扱事業者は、PFOI等又は汚染物を入れた保管容器を運送するときは、当該保管容器の転倒を防止する措置を講じなければならない。
(漏出時の措置)第八条 PFOI等取扱事業者は、PFOI等又は汚染物が漏出したときは、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。
一 速やかに漏出の拡大の防止のために必要な応急措置を講ずること。
二 漏出したPFOI等又は汚染物について回収するよう努めること。
三 回収したPFOI等又は汚染物及び回収に伴って生じた汚染物を、保管容器に入れて保管すること。
(委託先の監督)第九条 PFOI等取扱事業者は、PFOI等又は汚染物を入れた保管容器の保管又は運送に係る業務を委託する場合は、当該委託した業務が第五条から前条までの基準に適合する方法により行われるよう、委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行うこと。
(管理責任者)第十条 PFOI等取扱事業者は、次の各号に掲げる業務の管理について知識を有する者のうちから管理責任者を選任し、その者に当該業務を管理させなければならない。
一 移替えに関すること。
二 使用設備に関すること。
三 PFOI等の排出量の把握に関すること。
四 PFOI等又は汚染物を入れた保管容器の保管に関すること。
五 使用設備及び保管容器並びにその設置する床面の点検に関すること。
六 PFOI等又は汚染物を入れた保管容器の運送に関すること。
七 PFOI等又は汚染物が漏出した場合の措置に関すること。