第一条 この省令において使用する用語は、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律(令和五年法律第三十二号。以下「法」という。)において使用する用語の例による。
(経理原則)第二条 機構は、機構の財政状態及び経営成績を明らかにするため、財産の増減及び異動並びに収益及び費用をその発生の事実に基づいて経理しなければならない。
(勘定区分)第三条 機構の会計においては、法第六十三条の規定により経理を区分し、それぞれについて貸借対照表勘定及び損益勘定を設け、貸借対照表勘定においては資産、負債及び純資産を計算し、損益勘定においては収益及び費用を計算するものとする。
2 機構は、経理をすべき事項が当該経理に係る勘定以外の勘定において経理をすべき事項と共通の事項であるため、当該勘定に係る部分を区別して経理をすることが困難なときは、当該事項については、あらかじめ経済産業大臣に提出する基準に従って、事業年度の期間中一括して経理をし、当該事業年度の末日現在において各勘定に配分することにより経理することができる。 (予算の内容)第四条 機構の予算は、予算総則及び収入支出予算とする。
(予算総則)第五条 予算総則には、収入支出予算に関する総括的規定を設けるほか、次に掲げる事項に関する規定を設けるものとする。
一 第九条の規定による債務を負担する行為について、事項ごとにその負担する債務の限度額、その行為に基づいて支出すべき年限及びその必要な理由
二 第十条第二項の規定による経費の指定
三 前二号に掲げる事項のほか、予算の実施に関し必要な事項
(収入支出予算)第六条 収入支出予算は、法第六十三条の規定により設けた勘定ごとに、収入にあってはその性質、支出にあってはその目的に従って区分するものとする。
(予算の添付書類)第七条 機構は、法第六十一条第一項前段の予算の認可を受けようとするときは、予算に次に掲げる書類を添付して経済産業大臣に提出しなければならない。
一 前事業年度の予定貸借対照表及び予定損益計算書
二 当該事業年度の予定貸借対照表及び予定損益計算書
三 前二号に掲げるもののほか、当該予算の参考となる書類
2 機構は、法第六十一条第一項後段の予算の変更の認可を受けようとするときは、変更後の予算に次に掲げる事項を記載した書類を添付して経済産業大臣に提出しなければならない。一 変更しようとする事項
二 変更を必要とする理由
(予備費)第八条 機構は、予見することができない理由による支出予算の不足を補うため、収入支出予算に予備費を設けることができる。
(債務を負担する行為)第九条 機構は、支出予算の金額の範囲内におけるもののほか、その業務を行うために必要があるときは、毎事業年度、予算をもって経済産業大臣の認可を受けた金額の範囲内において、債務を負担する行為をすることができる。
(予算の流用等)第十条 機構は、支出予算については、当該予算に定める目的の外に使用してはならない。
2 機構は、予算総則で指定する経費の金額については、経済産業大臣の承認を受けなければ、それらの経費の間若しくは他の経費との間に相互流用し、又はこれに予備費を使用することができない。 3 機構は、前項の承認を受けようとするときは、その理由、金額及び積算の基礎を明らかにした書類を経済産業大臣に提出しなければならない。 (事業計画)第十一条 法第六十一条第一項の事業計画には、法第五十四条第一項各号に掲げる業務及び同条第二項に掲げる業務に関する計画を記載しなければならない。
(資金計画)第十二条 法第六十一条第一項の資金計画には、次に掲げる事項に関する計画を記載しなければならない。
一 資金の調達方法
二 資金の使途
三 その他必要な事項
2 機構は、法第六十一条第一項後段の資金計画の変更の認可を受けようとするときは、変更しようとする事項及びその理由を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。 (財務諸表)第十三条 法第六十二条第一項に規定する書類は、純資産変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書とする。
(附属明細書)第十四条 機構が法第六十二条第一項の規定により毎事業年度作成する附属明細書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 機構に対する出資に関する事項 イ 出資者及び出資額の明細(出資者ごとの前事業年度末からの増減を含む。)
ロ 法令上の根拠
ハ 政府の出資に係る国の会計区分
二 主な資産及び負債の明細に関する事項 イ 借入金の明細(借入先及び借入先ごとの前事業年度末からの増減を含む。)
ロ 機構債の明細(銘柄(政府保証債を発行している場合にはその旨)及び銘柄ごとの前事業年度末からの増減を含む。)
ハ 引当金の明細(引当金の種類ごとの前事業年度末からの増減を含む。)
ニ 機構が行った出資額の明細
ホ 現金及び預金、未収収益その他の主な資産及び負債の明細
三 固定資産の取得及び処分並びに減価償却費の明細
四 主な費用及び収益に関する事項 イ 当該事業年度末までに受け入れた国の補助金その他これに準ずるもの(以下「国庫補助金等」という。)の明細(当該事業年度に受け入れた国庫補助金等の名称、国庫補助金等に係る国の会計区分並びに国庫補助金等と貸借対照表及び損益計算書における関連科目との関係についての説明を含む。)
ロ 役員及び職員の給与の明細
ハ その他機構の事業の特性を踏まえ、重要と認められる費用及び収益の明細
第十五条 機構は、四半期ごとに、収入及び支出については合計残高試算表により、第九条の規定により負担した債務については事項ごとに金額を明らかにした報告書により、当該四半期経過後一月以内に、経済産業大臣に報告しなければならない。
(事業報告書)第十六条 機構が法第六十二条第二項の規定により毎事業年度作成する事業報告書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 機構の概要 イ 事業内容
ロ 事務所(従たる事務所を含む。)の所在地
ハ 資本金の額及び政府の出資額(前事業年度末からのそれぞれの増減を含む。)
ニ 役員の定数、氏名、役職、任期及び経歴
ホ 職員の定数(前事業年度末からの増減を含む。)
ヘ 機構の沿革(設立の根拠が法である旨を含む。)
ト 運営委員会に関する事項その他の機構の概要
二 当該事業年度末までの事業の実施状況
三 事業計画の実施の結果
四 資金計画の実施の結果
五 当該事業年度末までの借入金の借入先、借入れに係る目的及び借入金額
六 機構が受け入れた国庫補助金等の名称、目的及び金額
七 機構が対処すべき課題
(決算報告書)第十七条 法第六十二条第二項の決算報告書は、収入支出決算書及び債務に関する計算書とする。
2 前項の決算報告書には、第五条の規定により予算総則に規定した事項に係る予算の実施の結果を示さなければならない。 (収入支出決算書等)第十八条 前条第一項の収入支出決算書は、収入支出予算と同一の区分により作成し、かつ、これに次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める事項を記載しなければならない。
一 収入
次に掲げる事項
イ 収入予算額
ロ 収入決定済額
ハ 収入予算額と収入決定済額の差額
二 支出
次に掲げる事項
イ 支出予算額
ロ 予備費の使用の金額及びその理由
ハ 流用の金額及びその理由
ニ 支出予算現額
ホ 支出決定済額
ヘ 不用額
第十九条 法第六十二条第三項の期間は、五年とする。
(積立金等の処分に係る申請書類)第二十条 脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律施行令(令和五年政令第三百七十九号)第三条第二項の書類は、中間事業年度(法第六十四条第四項に規定する中間事業年度をいう。以下この条において同じ。)末の貸借対照表及び中間事業年度の損益計算書とする。
(借入金の認可の申請)第二十一条 機構は、法第六十五条第一項の資金の借入れ(借換えを含む。)の認可を受けようとするときは、次に掲げる事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。
一 借入れを必要とする理由
二 借入金の額
三 借入先
四 借入金の利率
五 借入金の償還の方法及び期限
六 利息の支払の方法及び期限
七 前各号に掲げるもののほか、借入れに関し必要な事項
(余裕金の運用方法)第二十二条 法第六十七条第三号の方法は、金銭の信託(元本の損失を補てんする契約があるものに限る。)とする。
(会計規程)第二十三条 機構は、その財務及び会計に関し、会計規程を定めなければならない。
2 前項の会計規程を定めるときは、あらかじめ、経済産業大臣の承認を受けなければならない。