第一章 総則
(目的)第一条 この法律は、生物の多様性の損失が地球全体の環境に深刻な影響を及ぼしている中で、我が国においても生物の多様性の損失が続いている状況に鑑み、この状況を改善する地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等の措置を講じ、もって豊かな生物の多様性を確保し、現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
(定義)第二条 この法律において「生物の多様性」とは、生物多様性基本法(平成二十年法律第五十八号)第二条第一項に規定する生物の多様性をいう。
2 この法律において「生物の多様性の増進」とは、生物の多様性を維持し、回復し、又は創出することをいう。 3 この法律において「地域生物多様性増進活動」とは、里地、里山その他の人の活動により形成された生態系の維持又は回復、生態系の重要な構成要素である在来生物(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成十六年法律第七十八号)第二条第一項に規定する在来生物をいう。)の生息地又は生育地の保護又は整備、生態系に被害を及ぼす外来生物(同項に規定する外来生物をいう。)の防除及び鳥獣の管理その他の地域における生物の多様性の増進のための活動をいう。 4 この法律において「連携地域生物多様性増進活動」とは、地域生物多様性増進活動のうち、地域の自然的社会的条件に応じ、市町村と地域における多様な主体が有機的に連携して行うものをいう。 (基本理念)第三条 生物の多様性の増進は、豊かな生物の多様性を確保することが人類の存続の基盤であることを踏まえ、生物の多様性その他の自然環境の保全と経済及び社会の持続的発展との両立が図られ、現在及び将来の国民が豊かな生物の多様性の恵沢を享受することができる、自然と共生する社会の実現を旨として、国及び地方公共団体並びに事業者、国民及びこれらの者の組織する民間の団体の密接な連携の下に行われなければならない。
(国の責務)第四条 国は、我が国における生物の多様性の状況の推移を把握するよう努めるとともに、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、生物の多様性の増進に関する施策を総合的に策定し、及び推進するものとする。
2 国は、地方公共団体又は事業者、国民若しくはこれらの者の組織する民間の団体(次条第二項において「事業者等」という。)による地域生物多様性増進活動の促進を図るため、必要な資金の確保、技術的な助言その他の措置を講ずるよう努めるものとする。 (地方公共団体の責務)第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、その区域の自然的社会的状況に応じた生物の多様性の増進に関する施策を推進するよう努めるものとする。
2 地方公共団体は、地域生物多様性増進活動を自ら実施するとともに、その区域の事業者等の地域生物多様性増進活動の促進を図るため、前項に規定する施策に関する情報の提供その他の措置を講ずるよう努めるものとする。 (事業者の努力)第六条 事業者は、基本理念にのっとり、自らの事業活動における生物の多様性の重要性に対する関心と理解を深め、その事業活動の内容に即した地域生物多様性増進活動を実施するよう努めるものとする。
(国民の努力)第七条 国民は、基本理念にのっとり、生物の多様性の重要性に対する関心と理解を深め、地域生物多様性増進活動を実施し、又は地域生物多様性増進活動に協力するよう努めるものとする。
第二章 基本方針
第八条 主務大臣は、地域生物多様性増進活動の促進に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めるものとする。
2 基本方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。一 地域生物多様性増進活動の促進の意義に関する事項
二 地域生物多様性増進活動の促進のための施策に関する基本的事項
三 次条第一項に規定する増進活動実施計画及び第十一条第一項に規定する連携増進活動実施計画の作成に関する基本的事項
四 農林漁業に係る生産活動との調和その他の地域生物多様性増進活動の促進に際し配慮すべき事項
五 前各号に掲げるもののほか、地域生物多様性増進活動の促進に関する重要事項
3 基本方針は、生物多様性基本法第十一条第一項に規定する生物多様性国家戦略、森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第四条第一項の規定によりたてられた全国森林計画、環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律(令和四年法律第三十七号)第十五条第一項に規定する基本方針及び都市緑地法(昭和四十八年法律第七十二号)第八十七条第一項に規定する緑地確保指針との調和が保たれたものでなければならない。 4 主務大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなければならない。 5 主務大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。第三章 地域生物多様性増進活動の促進等の措置
第一節 認定増進活動実施計画等
(増進活動実施計画の認定)第九条 地域生物多様性増進活動を行おうとする者(連携地域生物多様性増進活動を行おうとする市町村を除く。)は、単独で又は共同して、主務省令で定めるところにより、地域生物多様性増進活動の実施に関する計画(以下「増進活動実施計画」という。)を作成し、主務大臣の認定を申請することができる。
2 増進活動実施計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。一 地域生物多様性増進活動の内容及び実施時期
二 地域生物多様性増進活動の区域
三 地域生物多様性増進活動の目標
四 地域生物多様性増進活動の実施体制
五 計画期間
3 主務大臣は、第一項の規定による申請があった場合において、その申請に係る増進活動実施計画が次の各号のいずれにも適合すると認めるときは、その認定をするものとする。一 基本方針に照らして適切なものであり、かつ、当該地域生物多様性増進活動を確実に遂行するために適切なものであること。
二 当該地域生物多様性増進活動が前項第二号に掲げる区域(以下この条において「実施区域」という。)における生物の多様性の維持又は回復若しくは創出に資するものであること。
三 当該地域生物多様性増進活動に自然公園法(昭和三十二年法律第百六十一号)第二条第七号に規定する生態系維持回復事業(第五項第二号及び第十五条第三項において「自然公園生態系維持回復事業」という。)が含まれる場合には、同法第三十九条第二項の確認又は同条第三項の認定をすることができる場合に該当すること。
四 当該地域生物多様性増進活動に自然環境保全法(昭和四十七年法律第八十五号)第三十条の二第一項に規定する生態系維持回復事業(第十六条第三項において「自然環境生態系維持回復事業」という。)が含まれる場合には、同法第三十条の三第二項の確認又は同条第三項の認定をすることができる場合に該当すること。
五 当該地域生物多様性増進活動に絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成四年法律第七十五号)第六条第二項第六号に規定する保護増殖事業(第十七条第三項において「保護増殖事業」という。)が含まれる場合には、同法第四十六条第二項の確認又は同条第三項の認定をすることができる場合に該当すること。
六 当該地域生物多様性増進活動に特定外来生物(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律第二条第一項に規定する特定外来生物をいう。次項及び第十九条において同じ。)の防除が含まれる場合には、市町村が行う防除にあっては同法第十七条の四第一項の確認をすることができる場合に、地方公共団体以外の者が行う防除にあっては同法第十八条第一項の認定をすることができる場合に該当すること。
七 その他主務省令で定める基準に適合すること。
4 主務大臣は、第一項の認定をしようとする場合において、増進活動実施計画に特定外来生物の防除(都道府県が行うものを除く。)が記載されているときは、その旨を実施区域をその区域に含む都道府県知事に通知しなければならない。 この場合において、当該都道府県知事は、主務省令で定める期間内に、当該防除に関し、主務大臣に対し、意見を述べることができる。 5 主務大臣は、第一項の認定をしようとする場合において、増進活動実施計画に次の各号に掲げる事項が記載されているときは、当該事項について、あらかじめ、それぞれ当該各号に定める者に協議し、その同意を得なければならない。一 自然公園法第二条第三号に規定する国定公園(次号及び第十五条において「国定公園」という。)の区域内において行う行為であって、同法第二十条第三項、第二十一条第三項若しくは第二十二条第三項の許可又は同法第三十三条第一項の規定による届出を要するもの 都道府県知事
二 国定公園の区域内において行う行為であって、自然公園法第四十一条第二項の確認又は同条第三項の認定を要する自然公園生態系維持回復事業 都道府県知事
三 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成十四年法律第八十八号)第二十九条第七項に規定する都道府県指定特別保護地区の区域内において行う行為であって、同項の許可を要するもの 都道府県知事
四 森林法第十条の八第一項の規定による届出書の提出を要する行為 市町村長
五 都市緑地法第八条第一項の規定による届出又は同法第十四条第一項の許可を要する行為 都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)
6 主務大臣は、第一項の認定をしようとする場合において、増進活動実施計画に都市緑地法第八条第七項後段若しくは第十四条第四項の規定による通知又は同条第八項後段の規定による協議を要する行為が記載されているときは、当該行為について、あらかじめ、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)に協議しなければならない。 7 次の各号に掲げる地方公共団体が、その区域における増進活動実施計画を作成する場合には、当該各号に定める規定は、適用しない。一 都道府県 第五項(第一号から第三号まで及び第五号(実施区域が市の区域に含まれる場合を除く。)に係る部分に限る。)及び前項(実施区域が市の区域に含まれる場合を除く。)の規定
二 市 第五項(第四号及び第五号に係る部分に限る。)及び前項の規定
三 町村 第五項(第四号に係る部分に限る。)の規定
8 主務大臣は、第一項の認定をしたときは、遅滞なく、当該認定を受けた増進活動実施計画に係る実施区域をその区域に含む地方公共団体(当該認定を受けた地方公共団体を除く。)の長に、その旨を通知しなければならない。 次条第四項又は第五項の規定により第一項の認定を取り消したときも、同様とする。 9 市町村が作成するその区域における増進活動実施計画は、当該地域生物多様性増進活動に森林法第五条第一項の規定によりたてられた地域森林計画(第二十条第一項において「地域森林計画」という。)の対象となっている民有林(同法第五条第一項に規定する民有林をいう。第二十条第一項において同じ。)における森林の施業が含まれる場合には、当該森林の施業に係る部分について、同法第十条の五第一項の規定によりたてられた市町村森林整備計画に適合するものでなければならない。 10 前各項に定めるもののほか、第一項の認定に関し必要な事項は、主務省令で定める。 (増進活動実施計画の変更等)第十条 前条第一項の認定を受けた者(以下「認定増進活動実施者」という。)は、当該認定に係る増進活動実施計画を変更しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣の認定を受けなければならない。 ただし、主務省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
2 認定増進活動実施者は、前項ただし書の主務省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。 3 認定増進活動実施者は、その地域生物多様性増進活動を中止したとき、又はその地域生物多様性増進活動を前条第一項の認定を受けた増進活動実施計画(第一項の規定による変更の認定又は前項の規定による変更の届出があったときは、その変更後のもの。以下「認定増進活動実施計画」という。)に従って行うことができなくなったときは、その旨を主務大臣に通知しなければならない。 4 主務大臣は、前項の規定による通知があったときは、その通知に係る前条第一項の認定を取り消すものとする。 5 主務大臣は、認定増進活動実施者が認定増進活動実施計画に従って地域生物多様性増進活動を行っていないと認めるときは、その認定を取り消すことができる。 6 前条第三項から第十項までの規定は、第一項の認定について準用する。 (連携増進活動実施計画の認定)第十一条 連携地域生物多様性増進活動を行おうとする市町村は、単独で又は共同して、基本方針に基づき、主務省令で定めるところにより、当該市町村の区域における連携地域生物多様性増進活動の促進に関する計画(以下「連携増進活動実施計画」という。)を作成し、主務大臣の認定を申請することができる。
2 連携増進活動実施計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。一 連携地域生物多様性増進活動の内容及び実施時期
二 連携地域生物多様性増進活動の区域
三 連携地域生物多様性増進活動の目標
四 連携地域生物多様性増進活動の実施体制
五 前各号に掲げるもののほか、連携地域生物多様性増進活動の促進のために必要な事項
六 計画期間
3 連携増進活動実施計画に市町村と連携して連携地域生物多様性増進活動を行う者(第十三条第二項第二号及び第十五条第一項において「連携活動実施者」という。)が行う連携地域生物多様性増進活動に係る事項を記載しようとする市町村は、当該事項について、あらかじめ、当該連携活動実施者の同意を得なければならない。 4 連携地域生物多様性増進活動を行おうとする者は、当該連携地域生物多様性増進活動を行おうとする地域をその区域に含む市町村に対し、当該連携地域生物多様性増進活動に係る事項をその内容に含む連携増進活動実施計画の案の作成についての提案をすることができる。 この場合においては、基本方針に即して、当該提案に係る連携増進活動実施計画の素案を作成して、これを提示しなければならない。 5 前項の提案を受けた市町村は、当該提案を踏まえた連携増進活動実施計画の案を作成する必要がないと判断したときは、その旨及びその理由を、当該提案をした者に通知するよう努めなければならない。 6 市町村は、連携増進活動実施計画を作成しようとする場合において、第十三条第一項に規定する連携増進活動協議会が組織されているときは、当該連携増進活動実施計画に記載する事項について当該連携増進活動協議会における協議をしなければならない。 7 生物多様性基本法第十三条第一項に規定する生物多様性地域戦略を定めている市町村は、連携増進活動実施計画を作成するに当たっては、当該生物多様性地域戦略との調和を保つよう努めなければならない。 8 第九条第三項、第四項、第五項(第四号を除く。)、第六項及び第八項から第十項までの規定は、連携増進活動実施計画の認定について準用する。 この場合において、同条第三項(各号を除く。)、第四項、第五項(各号を除く。)、第六項及び第八項中「第一項」とあるのは「第十一条第一項」と、同条第三項各号(第七号を除く。)及び第九項中「地域生物多様性増進活動」とあるのは「連携地域生物多様性増進活動」と、同条第三項第二号中「前項第二号」とあるのは「第十一条第二項第二号」と、同条第五項第五号中「行為」とあるのは「行為(市の区域内において行うものを除く。)」と、同号及び同条第六項中「都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)」とあるのは「都道府県知事」と、同項中「行為が」とあるのは「行為(市の区域内において行うものを除く。)が」と、同条第八項中「次条第四項又は第五項」とあるのは「第十二条第三項において読み替えて準用する第十条第四項又は第五項」と、同条第十項中「前各項」とあるのは「第十一条各項」と、「第一項」とあるのは「同条第一項」と読み替えるものとする。 (連携増進活動実施計画の変更等)第十二条 前条第一項の認定を受けた市町村(以下「認定連携市町村」という。)は、当該認定に係る連携増進活動実施計画を変更しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣の認定を受けなければならない。 ただし、主務省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
2 認定連携市町村は、前項ただし書の主務省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。 3 第十条第三項から第五項までの規定は、前条第一項の認定を受けた連携増進活動実施計画(第一項の規定による変更の認定又は前項の規定による変更の届出があったときは、その変更後のもの。以下「認定連携増進活動実施計画」という。)について準用する。 この場合において、第十条第三項中「認定増進活動実施者」とあるのは「第十二条第一項に規定する認定連携市町村(第五項において単に「認定連携市町村」という。)」と、同項及び同条第五項中「地域生物多様性増進活動」とあるのは「連携地域生物多様性増進活動」と、同条第四項中「前条第一項」とあるのは「次条第一項」と、同条第五項中「認定増進活動実施者」とあるのは「認定連携市町村又は当該認定連携増進活動実施計画に係る次条第三項に規定する連携活動実施者」と読み替えるものとする。 4 前条第三項から第八項までの規定は、認定連携増進活動実施計画の変更の認定について準用する。 この場合において、同項中「第十一条第一項」とあるのは「第十二条第一項」と、「第十二条第三項において読み替えて準用する第十条第四項又は第五項」とあるのは「同条第三項において読み替えて準用する第十条第四項又は第五項」と、「第十一条各項」とあるのは「第十二条各項」と読み替えるものとする。 (連携増進活動協議会)第十三条 連携増進活動実施計画を作成しようとする市町村は、連携増進活動実施計画の作成に関する協議及び連携増進活動実施計画の実施に係る連絡調整を行うための協議会(以下この条において「連携増進活動協議会」という。)を組織することができる。
2 連携増進活動協議会は、次に掲げる者をもって構成する。一 連携増進活動実施計画を作成しようとする市町村
二 連携増進活動実施計画に記載しようとする連携活動実施者
三 前二号に掲げる者のほか、第二十八条第一項に規定する地域生物多様性増進活動支援センターとしての機能を担う者、関係住民、学識経験者、関係行政機関その他の市町村が必要と認める者
3 連携増進活動協議会は、必要があると認めるときは、その構成員以外の第二十八条第一項に規定する地域生物多様性増進活動支援センターとしての機能を担う者及び関係行政機関に対して、資料の提供、意見の表明、説明その他必要な協力を求めることができる。 4 第一項の協議を行うための会議において協議が調った事項については、連携増進活動協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならない。 5 前各項に定めるもののほか、連携増進活動協議会の運営に関し必要な事項は、連携増進活動協議会が定める。 (認定等に関する事務)第十四条 主務大臣は、第九条第一項及び第十一条第一項の認定並びに第十条第一項及び第十二条第一項又は第十条第二項及び第十二条第二項の規定による変更の認定又は届出に関する事務(申請の受付、申請に係る地域生物多様性増進活動又は連携地域生物多様性増進活動の区域の状況及び実施体制の確認その他これらに準ずるものとして主務省令で定めるものに限る。)を独立行政法人環境再生保全機構に行わせるものとする。
(自然公園法の特例)第十五条 認定増進活動実施者又は認定連携市町村及び当該認定連携増進活動実施計画に係る連携活動実施者(以下「認定連携活動実施者」という。)が自然公園法第二条第二号に規定する国立公園(以下この条において「国立公園」という。)又は国定公園の区域内において認定増進活動実施計画又は認定連携増進活動実施計画に従って同法第二十条第三項、第二十一条第三項又は第二十二条第三項の許可を要する行為に該当する行為を行う場合には、これらの許可があったものとみなす。
2 認定増進活動実施者又は認定連携市町村及び認定連携活動実施者(以下「認定連携市町村等」という。)が国立公園又は国定公園の区域内において認定増進活動実施計画又は認定連携増進活動実施計画に従って行う行為については、自然公園法第三十三条第一項及び第二項の規定は、適用しない。 3 認定増進活動実施計画に従って行われる地域生物多様性増進活動(以下「認定増進活動」という。)又は認定連携増進活動実施計画に従って行われる連携地域生物多様性増進活動(以下「認定連携増進活動」という。)に国立公園又は国定公園の区域内における自然公園生態系維持回復事業が含まれる場合における当該自然公園生態系維持回復事業についての自然公園法の規定の適用については、当該認定増進活動実施計画又は当該認定連携増進活動実施計画に係る認定があったことをもって、同法第三十九条第二項若しくは第四十一条第二項の確認又は同法第三十九条第三項若しくは第四十一条第三項の認定があったものとみなす。 (自然環境保全法の特例)第十六条 認定増進活動実施者又は認定連携市町村等が自然環境保全法第二十二条第一項の規定による自然環境保全地域(以下この条において「自然環境保全地域」という。)又は同法第三十五条の二第一項の規定による沖合海底自然環境保全地域(次項において「沖合海底自然環境保全地域」という。)の区域内において認定増進活動実施計画又は認定連携増進活動実施計画に従って同法第二十五条第四項、第二十七条第三項又は第三十五条の四第三項の許可を要する行為に該当する行為を行う場合には、これらの許可があったものとみなす。
2 認定増進活動実施者又は認定連携市町村等が自然環境保全地域又は沖合海底自然環境保全地域の区域内において認定増進活動実施計画又は認定連携増進活動実施計画に従って行う行為については、自然環境保全法第二十八条第一項及び第三十五条の五第一項の規定並びに同法第三十条及び第三十五条の七において読み替えて準用する同法第二十一条第一項後段(同法第二十五条第四項、第二十七条第三項又は第三十五条の四第三項に係る部分に限る。)及び同法第二十一条第二項(同法第二十八条第一項又は第三十五条の五第一項に係る部分に限る。)の規定は、適用しない。 3 認定増進活動又は認定連携増進活動に自然環境保全地域における自然環境生態系維持回復事業が含まれる場合における当該自然環境生態系維持回復事業についての自然環境保全法の規定の適用については、当該認定増進活動実施計画又は当該認定連携増進活動実施計画に係る認定があったことをもって、同法第三十条の三第二項の確認又は同条第三項の認定があったものとみなす。 (絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の特例)第十七条 認定増進活動実施者又は認定連携市町村等が絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律第三十六条第一項の規定による生息地等保護区(次項及び第二十七条第二項第二号において「生息地等保護区」という。)の区域内において認定増進活動実施計画又は認定連携増進活動実施計画に従って同法第三十七条第四項の許可を要する行為に該当する行為を行う場合には、当該許可があったものとみなす。
2 認定増進活動実施者又は認定連携市町村等が生息地等保護区の区域内において認定増進活動実施計画又は認定連携増進活動実施計画に従って行う行為については、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律第三十九条第一項、第五十四条第二項(同法第三十七条第四項に係る部分に限る。)及び第五十四条第三項(同法第三十九条第一項に係る部分に限る。)の規定は、適用しない。 3 認定増進活動又は認定連携増進活動に保護増殖事業が含まれる場合における当該保護増殖事業についての絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の規定の適用については、当該認定増進活動実施計画又は当該認定連携増進活動実施計画に係る認定があったことをもって、同法第四十六条第二項の確認又は同条第三項の認定があったものとみなす。 (鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律の特例)第十八条 認定増進活動実施者又は認定連携市町村等が鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第二十九条第一項の規定による特別保護地区の区域内において認定増進活動実施計画又は認定連携増進活動実施計画に従って同条第七項の許可を要する行為に該当する行為を行う場合には、当該許可があったものとみなす。
(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の特例)第十九条 認定増進活動又は認定連携増進活動に特定外来生物の防除が含まれる場合における当該防除についての特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の規定の適用については、当該認定増進活動実施計画又は当該認定連携増進活動実施計画に係る認定があったことをもって、同法第十七条の四第一項の確認又は同法第十八条第一項の認定があったものとみなす。
(森林法の特例)第二十条 認定増進活動実施者(その市町村の区域における認定増進活動実施計画を作成した市町村及び当該市町村と共同して当該認定増進活動実施計画を作成した者を除く。)が地域森林計画の対象となっている民有林(森林法第二十五条又は第二十五条の二の規定により指定された保安林及び同法第四十一条の規定により指定された保安施設地区の区域内の森林を除く。)において認定増進活動実施計画に従って行う立木の伐採については、同法第十条の八第一項本文の規定は適用せず、同条第二項中「森林所有者等」とあるのは「地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律(令和六年法律第十八号)第十五条第三項に規定する認定増進活動を行う者(その市町村の区域において当該認定増進活動を行う市町村及び当該市町村と共同して当該認定増進活動を行う者を除く。)」と、「前項の規定により提出された届出書」とあるのは「同法第十条第三項に規定する認定増進活動実施計画」と読み替えて、同項の規定を適用する。
2 認定増進活動実施者(その市町村の区域における認定増進活動実施計画を作成した市町村及び当該市町村と共同して当該認定増進活動実施計画を作成した者に限る。)又は認定連携市町村等が認定増進活動実施計画又は認定連携増進活動実施計画に従って行う立木の伐採については、森林法第十条の八第一項本文及び第二項の規定は、適用しない。 (都市緑地法の特例)第二十一条 認定増進活動実施者又は認定連携市町村等が都市緑地法第五条の規定による緑地保全地域又は同法第十二条第一項の規定による特別緑地保全地区(次項において「特別緑地保全地区」という。)の区域内において認定増進活動実施計画又は認定連携増進活動実施計画に従って行う行為については、同法第八条第一項、第二項及び第七項後段並びに第十四条第四項及び第八項後段の規定は、適用しない。
2 認定増進活動実施者又は認定連携市町村等が特別緑地保全地区の区域内において認定増進活動実施計画又は認定連携増進活動実施計画に従って都市緑地法第十四条第一項の許可を要する行為に該当する行為を行う場合には、当該許可があったものとみなす。第二節 生物多様性維持協定
(生物多様性維持協定の締結等)第二十二条 認定連携市町村は、認定連携増進活動実施計画の実施のため必要があると認めるときは、認定連携活動実施者及びその認定連携増進活動実施計画に係る第十一条第二項第二号に掲げる区域(海域を除き、生物の多様性が維持されている区域に限る。)内の土地又は木竹の所有者又は使用及び収益を目的とする権利(臨時設備その他一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。)を有する者(次項及び第二十六条において「土地の所有者等」と総称する。)と次に掲げる事項を定めた協定(以下「生物多様性維持協定」という。)を締結して、当該土地の区域内の連携地域生物多様性増進活動を行うことができる。
一 生物多様性維持協定の目的となる土地の区域(以下「生物多様性維持協定区域」という。)
二 生物多様性維持協定区域内の連携地域生物多様性増進活動に関する事項
三 生物多様性維持協定の有効期間
四 生物多様性維持協定に違反した場合の措置
2 生物多様性維持協定については、生物多様性維持協定区域内の土地の所有者等の全員の合意がなければならない。 3 生物多様性維持協定の内容は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。一 生物の多様性の維持を図るために有効かつ適切なものであること。
二 土地及び木竹の利用を不当に制限するものでないこと。
三 第一項各号に掲げる事項について主務省令で定める基準に適合するものであること。
(生物多様性維持協定の縦覧等)第二十三条 認定連携市町村は、生物多様性維持協定を締結しようとするときは、主務省令で定めるところにより、その旨を公告し、当該生物多様性維持協定を当該公告の日から二週間関係者の縦覧に供さなければならない。
2 前項の規定による公告があったときは、関係者は、同項の縦覧期間満了の日までに、当該生物多様性維持協定について、認定連携市町村に意見書を提出することができる。 (生物多様性維持協定の公告等)第二十四条 認定連携市町村は、生物多様性維持協定を締結したときは、主務省令で定めるところにより、その旨を公告し、かつ、当該生物多様性維持協定の写しを公衆の縦覧に供するとともに、生物多様性維持協定区域である旨を当該区域内に明示しなければならない。
(生物多様性維持協定の変更)第二十五条 第二十二条第二項及び第三項並びに前二条の規定は、生物多様性維持協定において定めた事項の変更について準用する。
(生物多様性維持協定の効力)第二十六条 第二十四条(前条において準用する場合を含む。)の規定による公告のあった生物多様性維持協定は、その公告のあった後において当該生物多様性維持協定区域内の土地の所有者等となった者に対しても、その効力があるものとする。
第三節 地域における生物の多様性の増進に関するその他の措置
(生物の多様性の増進上重要な土地の取得の促進等)第二十七条 国は、生物の多様性の増進を目的として国民又は民間の団体が行う生物の多様性の増進上重要な土地の取得が促進されるよう、これらの者に対し、情報の提供、助言その他の必要な援助を行うものとする。
2 環境大臣は、次に掲げる区域内の土地を国民、民間の団体又は事業者から寄附により取得したときは、当該土地における生物の多様性の増進について、当該寄附をした者の意見を聴くものとする。一 自然公園法第二十条第一項の規定による特別地域のうち、同法第二十一条第一項の規定による特別保護地区及びこれに準ずる区域として環境大臣が指定する区域
二 生息地等保護区のうち、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律第三十七条第一項の規定による管理地区及びこれに準ずる区域として環境大臣が指定する区域
三 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第二十八条の二第一項に規定する国指定鳥獣保護区のうち、同法第二十九条第七項に規定する国指定特別保護地区及びこれに準ずる区域として環境大臣が指定する区域
(地域生物多様性増進活動支援センター等)第二十八条 地方公共団体は、地域生物多様性増進活動を促進する国の取組と相まって、効果的に地域生物多様性増進活動を促進するため、地域生物多様性増進活動を行おうとする者、その所有する土地において地域生物多様性増進活動が行われることを希望する者、地域生物多様性増進活動に対して協力をしようとする者その他の関係者間における連携及び協力のあっせん並びに生物の多様性の増進に関する知識を有する者の紹介その他の必要な情報の収集、整理、分析及び提供並びに助言を行う拠点(次項において「地域生物多様性増進活動支援センター」という。)としての機能を担う体制を、単独で又は共同して、確保するよう努めるものとする。
2 国、地方公共団体及び地域生物多様性増進活動支援センターとしての機能を担う者は、地域生物多様性増進活動の円滑な実施が促進されるよう、必要な情報交換を行うなどして相互に連携を図りながら協力するよう努めるものとする。第四章 雑則
(関連する施策との連携)第二十九条 国及び地方公共団体は、地域生物多様性増進活動に関する施策の推進に当たっては、地球温暖化の防止を図るための施策、気候変動適応に関する施策、循環型社会の形成に関する施策、防災に関する施策、水循環に関する施策その他の関連する施策との連携を図るよう努めるものとする。
(科学的知見の充実のための措置)第三十条 国は、生物の多様性の増進に関する科学的知見の充実を図るため、これに関する情報の収集、整理及び分析並びに研究の推進その他必要な措置を講ずるものとする。
(国際協力の推進)第三十一条 国は、地域における生物の多様性の確保に関する国際的な連携の確保その他の生物の多様性の増進に関する国際協力を推進するよう努めるものとする。
(事業者及び国民の理解の増進等)第三十二条 国は、教育活動、広報活動等を通じて、地域生物多様性増進活動に関し、広く事業者及び国民の関心を高め、その理解と協力を得るとともに、地域生物多様性増進活動に対して協力をしようとする者の活動が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。
2 国は、事業者及び国民の理解の増進等に資するため、増進活動実施計画及び連携増進活動実施計画の実施による我が国における生物の多様性の状況の推移をより的確に把握し、及び評価する手法を開発するよう努めるものとする。 3 地方公共団体は、第一項の国の施策と相まって、地域生物多様性増進活動に関する事業者及び住民の関心を高め、その理解と協力を得るために必要な施策を推進するよう努めるものとする。 (関係行政機関等の協力)第三十三条 主務大臣は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長又は関係地方公共団体の長に対し、必要な資料又は情報の提供、意見の開陳その他の協力を求めることができる。
(報告の徴収)第三十四条 主務大臣は、認定増進活動実施者又は認定連携活動実施者に対し、認定増進活動実施計画又は認定連携増進活動実施計画の実施状況について報告を求めることができる。
2 主務大臣は、認定連携市町村に対し、認定連携増進活動実施計画の実施状況について報告を求めることができる。 (主務大臣等)第三十五条 この法律における主務大臣は、環境大臣、農林水産大臣及び国土交通大臣とする。
2 この法律における主務省令は、主務大臣の発する命令とする。 3 この法律に規定する主務大臣及び環境大臣の権限は、主務大臣の権限にあっては主務省令で定めるところにより、環境大臣の権限にあっては環境省令で定めるところにより、地方支分部局の長にそれぞれ委任することができる。 (主務省令への委任)第三十六条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、主務省令で定める。
第五章 罰則
第三十七条 第三十四条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたときは、当該違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。
2 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同項の刑を科する。 3 法人でない団体について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為について法人でない団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。附則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、附則第四条及び第五条の規定は、公布の日から施行する。
(地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律の廃止)
第二条 地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律(平成二十二年法律第七十二号)は、廃止する。
(地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律の廃止に伴う経過措置)
第三条 この法律の施行の際現に前条の規定による廃止前の地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律第四条第一項の規定により作成されている同項に規定する地域連携保全活動計画については、この法律の施行の日(次条第三項において「施行日」という。)から起算して三年を経過する日又は当該地域連携保全活動計画の計画期間の末日のいずれか早い日までの間は、なお従前の例による。
(準備行為)
第四条 主務大臣は、この法律の施行前においても、第八条第一項から第四項までの規定の例により、地域生物多様性増進活動の促進に関する基本的な方針を定めることができる。 主務大臣は、前項の基本的な方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。 第一項の規定により定められ、前項の規定により公表された地域生物多様性増進活動の促進に関する基本的な方針は、施行日において第八条第一項の規定により定められ、同条第五項の規定により公表されたものとみなす。
(政令への委任)
第五条 前二条に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第六条 政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。