第一条 この省令において使用する用語は電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号。以下「法」という。)、電気事業会計規則(昭和四十年通商産業省令第五十七号。以下「会計規則」という。)、電気設備に関する技術基準を定める省令(平成九年通商産業省令第五十二号)、一般送配電事業者間における振替供給に係る費用の算定に関する省令(平成十六年経済産業省令第百十八号)、電源線に係る費用に関する省令(平成十六年経済産業省令第百十九号)、及び一般送配電事業託送供給等約款料金算定規則(平成二十八年経済産業省令第二十二号)において使用する用語の例による。
2 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。一 「第一区分費用」とは、一般送配電事業等(一般送配電事業及び発電事業(一般送配電事業の用に供するための電気を発電し、又は放電するものに限る。)をいう。以下同じ。)の運営に係る費用のうち、主に人件費であって、一般送配電事業者が第三条第一項の規定により算定する費用をいう。
二 「第二区分費用」とは、一般送配電事業等の運営に係る費用のうち、主に設備関連の費用であって、一般送配電事業者が第四条第一項及び第六項の規定により算定する費用をいう。
三 「第三区分費用」とは、一般送配電事業等の運営に係る費用のうち、第一区分費用及び第二区分費用以外の費用であって、一般送配電事業者が第五条第一項の規定により算定する費用をいう。
四 「連系線」とは、一般送配電事業者の供給区域間を常時接続する二百五十キロボルト以上の交流送電線、二百キロボルト以上の直流送電線及び交直変換設備をいう。
五 「基幹系統」とは、発電等設備、送電設備及び変電設備で構成される電力系統のうち、供給区域における最上位電圧から二階級(供給区域内の最上位電圧が二百五十キロボルト未満のときは最上位電圧をいう。)の発電等設備、送電設備及び変電設備で構成される電力系統をいう。
六 「ローカル系統」とは、発電等設備、送電設備及び変電設備で構成される電力系統のうち、連系線及び基幹系統以外の電力系統をいう。
七 「配電系統」とは、発電所、蓄電所又は配電用の変電所から、需要家及び発電等設備を有する者を結び、以下に掲げる設備で構成される電力系統をいう。 イ 七キロボルト以下の配電設備
ロ 計器など需要家屋内装置
八 「事業計画」とは、一般送配電事業者が、法第十七条の二第二項に規定する指針(以下単に「指針」という。)に基づき、その供給区域における託送供給及び電力量調整供給(以下「託送供給等」という。)の業務を能率的かつ適正に運営するために作成したものをいう。
(託送供給等に係る収入の見通しの算定)第二条 一般送配電事業者は、法第十七条の二第一項に規定する経済産業省令で定める期間(以下「規制期間」という。)ごとに、その供給区域における託送供給等の業務に係る料金の算定の基礎とするため、その業務を能率的かつ適正に運営するために通常必要と見込まれる収入(以下「収入の見通し」という。)として、規制期間において一般送配電事業等を運営するに当たって必要であると見込まれる収入の額を、次項に定めるところにより、算定しなければならない。
2 収入の見通しは、第一区分費用、第二区分費用、第三区分費用、第六条の規定により算定される制御不能費用、第七条の規定により算定される事後検証費用、第八条の規定により算定される次世代投資費用、第九条の規定により算定される事業報酬及び第十条の規定により算定される追加事業報酬の合計額から第十一条の規定により算定される控除収益の額を控除して得た額とする。 (第一区分費用の算定)第三条 一般送配電事業者は、第一区分費用項目として、役員給与、給料手当、給料手当振替額(貸方)、退職給与金(第六条に規定するものを除く。以下この条において同じ。)、厚生費、委託検針費、委託集金費、雑給、消耗品費、損害保険料、養成費、研究費、建設分担関連費振替額(貸方)、附帯事業営業費用分担関連費振替額(貸方)、修繕費(発電等設備、送電設備、変電設備及び配電設備の巡視及び点検に係る費用に限る。以下この条において同じ。)、委託費(次条及び第五条に規定するものを除く。以下この条において同じ。)、普及開発関係費(専ら公益を図る目的を有する情報提供に係る費用に限る。以下この条において同じ。)、諸費(次条及び第六条に規定するものを除く。以下この条において同じ。)及び電気事業雑収益(会計規則附則第四項に規定する吸収分割会社又は吸収分割承継会社との間における役務の提供に係る取引収益のうち、主に人件費、消耗品費、委託費及び諸費の請求に係る収益に限る。以下この条において同じ。)であって一般送配電事業等に係るものの額を算定し、その合計額(離島等供給に係る費用(送配電等業務に係る費用及び第九条に規定するものを除く。以下同じ。)を除く。)として第一区分費用を算定しなければならない。
2 一般送配電事業者は、前項に規定する第一区分費用項目について、様式第一第一表により収入の見通し総括表を、様式第二第一表により第一区分費用明細表を作成しなければならない。 3 第一項に規定する第一区分費用項目の額は、別表第一第一表により分類し、実績値、供給計画及び事業計画等を基に算定した額の規制期間における合計額とする。 (第二区分費用の算定)第四条 一般送配電事業者は、発電等設備、送電設備、変電設備及び配電設備に係る第二区分費用項目として、修繕費(取替修繕費であって配電設備に係るもの及び修繕費であって配電設備の建設及び撤去に付随して発生するものに限る。)、減価償却費(規制期間において新たに貸借対照表に計上される固定資産(発電等設備、送電設備、変電設備及び配電設備のうち、第六項に規定するもの以外のものに限る。)に対する減価償却費に限り、電源線に係る費用を除く。)及び固定資産税(規制期間において新たに貸借対照表に計上される固定資産(発電等設備、送電設備、変電設備及び配電設備のうち、第六項に規定するもの以外のものに限る。)に対する税額に限る。)であって一般送配電事業等に係るものの額を算定し、その合計額(離島等供給に係る費用を除く。)として発電等設備、送電設備、変電設備及び配電設備に係る第二区分費用を算定しなければならない。
2 一般送配電事業者は、前項に規定する第二区分費用項目について、電力系統ごとに様式第一第一表により収入の見通し総括表を、様式第二第二表により第二区分費用明細表を作成しなければならない。 3 次の各号に掲げる連系線及び基幹系統に係る第二区分費用項目の額は、別表第一第一表により分類し、それぞれ当該各号に定める方法により算定した額とする。一 減価償却費
広域系統整備計画、供給計画及び事業計画等を基に、原則として、電気事業固定資産(共用固定資産(附帯事業に係るものに限る。)、貸付設備その他の電気事業固定資産の設備のうち適当でないもの及び工事費負担金(貸方)を除く。)の帳簿価額及び帳簿原価について、それぞれ定額法(主として法人税法施行令(昭和四十年政令第九十七号)に定める耐用年数及び残存価額を用いるものとする。以下同じ。)により算定した額(取替資産の減価償却費にあっては、その取替資産の帳簿原価の百分の五十に達するまで、定額法により算定した額)の規制期間における合計額
二 固定資産税
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)その他の税に関する法律の定めるところにより算定した額の規制期間における合計額
一 減価償却費
推進機関が定める送配電等業務指針並びにガイドライン、供給計画及び事業計画等を基に、原則として、電気事業固定資産(共用固定資産(附帯事業に係るものに限る。)、貸付設備その他の電気事業固定資産の設備のうち適当でないもの及び工事費負担金(貸方)を除く。)の帳簿価額及び帳簿原価について、それぞれ定額法により算定した額(取替資産の減価償却費にあっては、その取替資産の帳簿原価の百分の五十に達するまで、定額法により算定した額)の規制期間における合計額
二 固定資産税
地方税法その他の税に関する法律の定めるところにより算定した額の規制期間における合計額
一 修繕費(取替修繕費であって配電設備に係るもの及び修繕費であって配電設備の建設及び撤去に付随して発生するものに限る。)
実績値、供給計画及び事業計画等を基に算定した額の規制期間における合計額
二 減価償却費
推進機関が定める送配電等業務指針並びにガイドライン、無電柱化推進計画、供給計画及び事業計画等を基に、原則として、電気事業固定資産(共用固定資産(附帯事業に係るものに限る。)、貸付設備その他の電気事業固定資産の設備のうち適当でないもの及び工事費負担金(貸方)を除く。)の帳簿価額及び帳簿原価について、それぞれ定額法により算定した額(取替資産の減価償却費にあっては、その取替資産の帳簿原価の百分の五十に達するまで、定額法により算定した額)の規制期間における合計額
三 固定資産税
地方税法その他の税に関する法律の定めるところにより算定した額の規制期間における合計額
第五条 一般送配電事業者は、第三区分費用項目として、修繕費(前二条に規定するものを除く。以下この条において同じ。)、委託費(支障木の伐採の委託に係る費用に限る。以下この条において同じ。)、賃借料(次条に規定するものを除く。以下この条において同じ。)、託送料(第七条に規定するもの及び電源線に係る費用を除く。以下この条において同じ。)、固定資産除却費、共有設備費等分担額、共有設備費等分担額(貸方)、他社購入送電費、地帯間購入送電費、一般送配電事業等に係る電力料(一般送配電事業等を行うために当該一般送配電事業者が使用する電気に係る費用のことをいう。以下同じ。)、需給調整市場手数料(需給調整市場(一般送配電事業者及び配電事業者たる会員が必要とする調整力を取引する市場をいう。以下同じ。)における取引に係る売買手数料をいう。以下同じ。)、電力費振替勘定(貸方)、開発費、株式交付費、社債発行費、開発費償却、株式交付費償却、社債発行費償却、廃炉等負担金、離島等供給に係る費用及び離島等供給に係る収益(送配電等業務に係る収益を除く。以下同じ。)であって一般送配電事業等に係るものの額を算定し、その合計額として第三区分費用を算定しなければならない。
2 一般送配電事業者は、前項に規定する第三区分費用項目について、様式第一第一表により収入の見通し総括表を、様式第二第三表により第三区分費用明細表を、様式第二第四表により離島等供給に係る費用明細表を、様式第二第五表により離島等供給に係る収益明細表を作成しなければならない。 3 第一項に規定する第三区分費用項目の額は、別表第一第一表により分類し、実績値、供給計画及び事業計画等を基に算定した額の規制期間における合計額とする。 (制御不能費用の算定)第六条 一般送配電事業者は、制御不能費用項目として、減価償却費(規制期間初年度の前年度三月三十一日時点で貸借対照表に計上される見込みの固定資産に対する減価償却費に限り、電源線に係る費用を除く。以下この条において同じ。)、退職給与金(規制期間初年度の前々年度三月三十一日時点で発生している数理計算上の差異に対する償却額に限る。以下この条において同じ。)、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理等に係る費用、賃借料(道路占用料、水面使用料、線路使用料、共架料、電柱敷地料、線下補償料、河敷料、占用関係借地料その他の法令及び国のガイドラインに準じて単価が設定される費用に限る。以下この条において同じ。)、諸費(受益者負担金、推進機関の会費(特別会費を含む。)及び災害等扶助拠出金(法第二十八条の四十第二項第一号の規定により災害等からの復旧に関する費用の一部に充てるための交付に係る拠出金をいう。以下同じ。)に限る。以下この条において同じ。)、貸倒損、振替損失調整額(一般送配電事業者の供給区域内において小売電気事業、一般送配電事業及び特定送配電事業の用に供するための電気並びに法第二条第一項第五号ロに掲げる接続供給に係る電気であって、当該一般送配電事業者の供給区域以外の地域において維持し、及び運用されている発電等用電気工作物の発電又は放電に係るものを当該一般送配電事業者が受電する場合に発生する振替損失電力量の調整に要する費用をいう。以下同じ。)、インバランス収支過不足額(電気事業託送供給等収支計算規則(平成十八年経済産業省令第二号)第二条第一項の規定に基づき作成されたインバランス等収支計算書におけるインバランス等取引利益又はインバランス等取引損失をいう。以下同じ。)、電源開発促進税、事業税、雑税、法人税等、賠償負担金相当金、廃炉円滑化負担金相当金、固定資産税(規制期間初年度の前年度三月三十一日時点で貸借対照表に計上される見込みの固定資産に対する税額に限る。以下この条において同じ。)、調整力の確保に要する費用(法第二十八条の四十第一項第五号に規定する推進機関の業務に応じて供給能力を確保するため及び供給能力の確保を促進するために要する費用(将来の一定期間における電気の需要に応ずるために必要と見込まれる供給能力が不足することが明らかになった場合に推進機関が実施する入札等に係る費用を除く。)、その発電等設備以外の発電等設備の発電又は放電に係る電気を受電することなく発電し、又は放電することができる発電等設備等の調達に係る費用、電気の電圧の値の維持の用に供するための発電等設備等の調達に係る費用及び最終保障供給に係る利益又は損失をいう。以下この条において同じ。)及び再給電に要する費用(一般送配電事業者の供給区域内の送電設備の送電容量等の制限により電力の受渡しができないと見込まれる場合に、当該一般送配電事業者が調整電源等(一般送配電事業託送供給等約款料金算定規則第二十七条第一項第一号に規定する調整電源等をいう。以下同じ。)の一般送配電事業託送供給等約款料金算定規則第二十七条第一項第一号に規定する上げ調整指令及び下げ調整指令により、当該制限を解消するのに要する費用をいう。以下同じ。)であって一般送配電事業等に係るものの額を算定し、その合計額(離島等供給に係る費用を除く。)として制御不能費用を算定しなければならない。
2 一般送配電事業者は、前項に規定する制御不能費用項目について、様式第一第一表により、収入の見通し総括表を、様式第二第六表により、制御不能費用明細表を作成しなければならない。 3 次の各号に掲げる制御不能費用項目の額は、別表第一第一表により分類し、それぞれ当該各号に定める方法により算定した額とする。一 減価償却費
供給計画及び事業計画等を基に、原則として、電気事業固定資産(共用固定資産(附帯事業に係るものに限る。)、貸付設備その他の電気事業固定資産の設備のうち適当でないもの及び工事費負担金(貸方)を除く。)の帳簿価額及び帳簿原価について、それぞれ定額法により算定した額(取替資産の減価償却費にあっては、その取替資産の帳簿原価の百分の五十に達するまで、定額法により算定した額)の規制期間における合計額
二 退職給与金
既に発生している数理計算上の差異の未償却残高及び残存償却年数を基に算定した規制期間における償却額の合計額
三 ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理等に係る費用、賃借料、諸費、貸倒損、振替損失調整額及びインバランス収支過不足額
実績値、供給計画及び事業計画等を基に算定した額の規制期間における合計額
四 電源開発促進税、事業税及び雑税
実績値、供給計画、事業計画等及び地方税法、電源開発促進税法(昭和四十九年法律第七十九号)その他の税に関する法律の定めるところにより算定した額の規制期間における合計額
五 法人税等
実績値、法人税法(昭和四十年法律第三十四号)、地方法人税法(平成二十六年法律第十一号)及び地方税法(道府県民税及び市町村民税の法人税割に限る。)の定めるところにより算定した額の規制期間における合計額
六 賠償負担金相当金及び廃炉円滑化負担金相当金
電気事業法施行規則(平成七年通商産業省令第七十七号)第四十五条の二十一の十及び第四十五条の二十一の十三による通知を基に算定した額の規制期間における合計額
七 固定資産税
地方税法その他の税に関する法律の定めるところにより算定した額の規制期間における合計額
八 調整力の確保に要する費用
実績値及び規制期間に係る約定数値を基に算定した規制期間における合計額
九 再給電に要する費用
実績値等を基に算定した額の規制期間における合計額
第七条 一般送配電事業者は、事後検証費用項目として、託送料(連系線の増強等に係る費用に限る。以下この条において同じ。)、補償費、事業者間精算費、震災、風水害、火災その他の災害の復旧に係る費用(災害等扶助交付金を含む。)、調整力の確保に要する費用(一般送配電事業者が、調整電源等を公募により調達するのに要する費用、一般送配電事業者が、調整電源等に対し上げ調整指令及び下げ調整指令を行うのに要する費用(前二条に規定するものを除く。以下この条において同じ。)、一般送配電事業者が、調整電源等(再生可能エネルギー電気特措法第二条第五項に規定する認定発電設備(同条第三項第一号に掲げる太陽光及び同項第二号に掲げる風力を電気に変換するものに限る。)から供出される電力量について、翌日市場(一般社団法人日本卸電力取引所の業務規程に規定する翌日取引を行うための卸電力取引市場をいう。)の売買取引が行われる日の午前六時における一般送配電事業者による予測値と当該売買取引に係る電力の受渡しを行う一時間前における当該一般送配電事業者による予測値との差を調整するための調整電源等を除く。)を需給調整市場における売買取引により調達するのに要する費用等をいう。以下この条において同じ。)及び発電抑制(送配電線1回線、変圧器1台又は発電機1台その他の電力設備の単一故障の発生時に保護継電器により行われる速やかな発電抑制をいう。以下同じ)に要する費用であって一般送配電事業等に係るものの額を算定し、その合計額(離島等供給に係る費用を除く。)として事後検証費用を算定しなければならない。
2 一般送配電事業者は、前項に規定する事後検証費用項目について、様式第一第一表により、収入の見通し総括表を、様式第二第七表により、事後検証費用明細表を作成しなければならない。 3 次の各号に掲げる事後検証費用項目の額は、別表第一第一表により分類し、それぞれ当該各号に定める方法により算定した額とする。一 託送料、事業者間精算費及び発電抑制に要する費用
実績値、供給計画及び事業計画等を基に算定した額の規制期間における合計額
二 補償費
実績値を基に算定した額の規制期間における合計額
三 震災、風水害、火災その他の災害の復旧に係る費用
実績値等を基に算定した額の規制期間における合計額
四 調整力の確保に要する費用
実績値、国のガイドライン及び推進機関における検討状況等を基に算定した額の規制期間における合計額
第八条 一般送配電事業者は、先進的なもので費用に比してその効果が高いと認められる取組に要する費用については、第三条から前条までの規定にかかわらず、次世代投資費用として、実績値、供給計画及び事業計画等を基に一般送配電事業等に係るものの額の合計額を算定しなければならない。
2 一般送配電事業者は、前項に規定する次世代投資費用について様式第一第一表により収入の見通し総括表を、様式第二第八表により次世代投資費用明細表を作成しなければならない。 (事業報酬の算定)第九条 一般送配電事業者は、事業報酬の額を算定し、様式第一第一表により収入の見通し総括表を、様式第二第九表により事業報酬明細表を作成しなければならない。
2 事業報酬の額は、別表第一第一表により分類し、特定固定資産、建設中の資産、特定投資、運転資本及び繰延償却資産であって一般送配電事業等に係るもの(以下「レートベース」という。)の額の合計額に、第四項の規定により算定される報酬率を乗じて得た額とする。 3 次の各号に掲げるレートベースの額は、別表第一第二表により分類し、それぞれ当該各号に定める方法により算定した額とする。一 特定固定資産
電気事業固定資産(共用固定資産(附帯事業に係るものに限る。)、貸付設備その他の電気事業固定資産の設備のうち適当でないもの、工事費負担金(貸方)及び電源線に係るものを除く。)であって一般送配電事業等に係るものの事業年度における平均帳簿価額を基に算定した額の規制期間における合計額
二 建設中の資産
建設仮勘定であって一般送配電事業等に係るものの事業年度における平均帳簿価額(資産除去債務相当資産及び電源線に係るものを除く。)から建設中利子相当額及び工事費負担金相当額であって一般送配電事業等に係るものを控除して得た額に百分の五十を乗じて得た額の規制期間における合計額
三 特定投資
長期投資(エネルギーの安定的確保を図るための研究開発等を目的とした投資であって、一般送配電事業等の能率的な経営のために必要かつ有効であると認められるものに限る。)の事業年度における平均帳簿価額を基に算定した額の規制期間における合計額
四 運転資本
営業資本の額(第三条から前条までに規定する項目の額の合計額から、退職給与金のうちの引当金純増額、諸費(国内における地球温暖化対策のための排出削減・吸収量認証制度に基づいて認証された温室効果ガス排出削減・吸収量の自社使用に係る償却額に限る。)、貸倒損のうちの引当金純増額、固定資産税、雑税、減価償却費(リース資産及び資産除去債務相当資産に係るものを除く。)、固定資産除却費のうちの除却損、電源開発促進税、事業税、開発費償却、株式交付費償却、社債発行費償却、法人税等、廃炉等負担金、インバランス収支過不足額、賠償負担金相当金及び廃炉円滑化負担金相当金であって一般送配電事業等に係るもの、並びに第十一条第一項に規定する控除収益を控除して得た額に、十二分の一・五を乗じて得た額をいう。)及び貯蔵品の額(火力燃料貯蔵品、新エネルギー等貯蔵品その他の貯蔵品であって一般送配電事業等に係るものの年間払出額に、原則として十二分の一・五を乗じて得た額をいう。)を基に算定した額の規制期間における合計額
五 繰延償却資産
繰延資産(株式交付費、社債発行費及び開発費であって一般送配電事業等に係るものに限る。)の事業年度における平均帳簿価額を基に算定した額の規制期間における合計額
一 自己資本報酬率
全ての一般送配電事業者たる法人(当該法人を子会社(会社法第二条第三号に規定する子会社をいう。)とする会社がある場合にあっては、当該会社を含む。以下この項において同じ。)を除く全産業の自己資本利益率の実績率に相当する値を上限として算定した値及び国債、地方債等公社債の利回りの実績率を下限として算定した値(全ての一般送配電事業者たる法人を除く全産業の自己資本利益率の実績率に相当する値が国債、地方債等公社債の利回りの実績率を下回る場合にあっては、当該国債、地方債等公社債の利回りの実績率)を基に算定した値
二 他人資本報酬率
直近の一定期間における国債、地方債等公社債の利回りの実績率に、過去の一定期間における全ての一般送配電事業者たる法人の有利子負債額の実績額に応じて当該有利子負債額の実績額に係る利子率の実績率から当該期間における国債、地方債等公社債の利回りの実績率を控除して得た値を加重平均して算定した値を加えて得た値
第十条 一般送配電事業者は、追加事業報酬の額を算定し、様式第一第一表により収入の見通し総括表を、様式第二第十表により追加事業報酬明細表を作成しなければならない。
2 一般送配電事業者は、追加事業報酬対象額(レートベースのうち、原則として、推進機関により令和五年三月三十一日までに広域系統整備計画が策定される連系線及び連系線の設置に伴い設置される設備(以下「関連周辺設備」という。)の規制期間における平均帳簿価額を基に算定した額(建設中のものにあっては、その建設仮勘定の規制期間における平均帳簿価額から建設中利子相当額及び工事費負担金相当額を控除して得た額に百分の五十を乗じて得た額)の合計額をいう。以下同じ。)を算定し、様式第二第十一表により、追加事業報酬対象額明細表を作成しなければならない。 3 追加事業報酬額は、前項の規定により算定された追加事業報酬対象額に前条第四項の規定により算定された報酬率を乗じて得た額に百分の五十を乗じて得た額とする。 (控除収益の算定)第十一条 一般送配電事業者は、控除収益項目として、地帯間販売送電料、地帯間販売電源料、他社販売送電料、他社販売電源料、託送収益(接続供給託送収益及び電源線に係る収益を除く。)、事業者間精算収益、電気事業雑収益(第三条に規定するもの、災害等扶助交付金及び電源線に係る収益を除く。)及び預金利息であって一般送配電事業等に係るものの額を算定し、その合計額として控除収益を算定しなければならない。
2 一般送配電事業者は、前項に規定する控除収益項目について、様式第一第一表により収入の見通し総括表を、様式第二第十二表により控除収益明細表を作成しなければならない。 3 第一項に規定する控除収益項目の額は、別表第一第一表により分類し、実績値、供給計画及び事業計画等を基に算定した額の規制期間における合計額(第八条に規定するものを除く。)とする。 (第二区分費用等の調整について)第十二条 一般送配電事業者は、法第十七条の二第一項の承認を受けた収入の見通し(以下単に「承認を受けた収入の見通し」という。)の算定時における第三区分費用、制御不能費用、事後検証費用及び控除収益の想定値を規制期間の実績値が上回った場合の乖離値(第三区分費用については、離島等供給に係る収益のうち、電灯料及び電力料等の料金収入の単価の変動に係る乖離値に限る。)を、当該乖離値が妥当と認められる場合には、翌規制期間における収入の見通しに算入しなければならない。
2 一般送配電事業者は、承認を受けた収入の見通しの算定時における第二区分費用(第十七条に規定するものを除く。以下この項及び次条において同じ。)、事業報酬及び追加事業報酬の想定値を規制期間の実績値が上回った場合の乖離値(事業報酬及び追加事業報酬については、第二区分費用の想定値を規制期間の実績値が上回った場合に、それに伴って変動する特定固定資産及び建設中の資産に係る乖離値に限る。)を、次の各号のいずれかに該当する場合には、翌規制期間における収入の見通しに算入しなければならない。一 事業計画に記載した再生可能エネルギー接続量及び需要量が変動したとき
二 無電柱化推進計画が策定又は変更されたとき
三 広域系統整備計画が策定又は変更されたとき
四 前三号に掲げるもののほか、一般送配電事業等を能率的かつ適正に運営するため特に必要があると認められるとき
第十三条 一般送配電事業者は、承認を受けた収入の見通しの算定時における第二区分費用、第三区分費用、制御不能費用、事後検証費用、次世代投資費用、事業報酬、追加事業報酬及び控除収益の想定値を規制期間の実績値が下回った場合の乖離値(第三区分費用については、離島等供給に係る収益のうち、電灯料及び電力料等の料金収入の単価の変動に係る乖離値に限り、事業報酬及び追加事業報酬については、第二区分費用の想定値を規制期間の実績値が下回った場合に、それに伴って変動する特定固定資産及び建設中の資産に係る乖離値に限る。)を、当該乖離値が妥当と認められる場合には、翌規制期間における収入の見通しに算入しなければならない。
第十四条 一般送配電事業者は、承認を受けた収入の見通しの算定時における制御不能費用の想定値を規制期間における実績値が上回った場合又は上回ることが見込まれる場合の乖離値を、次の各号のいずれかに該当する場合には、承認を受けた収入の見通しに当該規制期間中に算入することができる。
一 当該収入の見通しのうち制御不能費用の想定値と、期間中における制御不能費用の実績値の累積乖離値が、当該収入の見通しに百分の五を乗じた額に達したとき
二 固定資産税、雑税、電源開発促進税、事業税又は法人税等の税率変更が行われたとき
三 原子力発電事業者が申請した賠償負担金及び廃炉円滑化負担金が経済産業大臣により承認された場合であって、一般送配電事業者がこれらの負担金として回収するべき額を経済産業大臣より通知されたとき
四 前三号に掲げるもののほか、一般送配電事業等を能率的かつ適正に運営するため特に必要があると認められるとき
2 一般送配電事業者は、承認を受けた収入の見通しの算定時における制御不能費用の想定値を規制期間における実績値が下回った場合又は下回ることが見込まれる場合の乖離値について、前項各号のいずれかに該当する場合には、当該乖離値を承認を受けた収入の見通しに当該規制期間中に算入しなければならない。 (エネルギー政策の変更等を踏まえた調整について)第十五条 一般送配電事業者は、承認を受けた収入の見通しの算定時における想定値と規制期間における実績値の乖離値について、前三条に規定する場合のほかエネルギー政策の変更及びエネルギー情勢の著しい変化並びに一般送配電事業者が単独で又は他の事業者と共同して行う脱炭素化の達成に資する新たな技術の導入に向けた取組その他これらに準ずるものに起因すると認められる場合には、当該乖離値を承認を受けた収入の見通しに当該規制期間中に算入し、又は翌規制期間における収入の見通しに算入しなければならない。
(目標達成の状況を踏まえた調整について)第十六条 一般送配電事業者は、指針に定める一般送配電事業等を能率的かつ適正に運営するに当たり達成すべき目標の達成状況に応じて、指針に定めるところにより、翌規制期間における収入の見通しを算定しなければならない。
(経営の効率化等を踏まえた調整について)第十七条 一般送配電事業者は、承認を受けた収入の見通しの算定時における想定値と規制期間における実績値の乖離値(一般送配電事業者又は配電事業者の取組による規制期間中における一般送配電事業等の運営に伴うものであって、第一区分費用、第二区分費用及び第三区分費用(廃炉等負担金を除く。)に係るものをいう。)について、経営の効率化等に起因すると認められる場合には、当該乖離値に百分の五十を乗じた額を翌規制期間における収入の見通しに算入しなければならない。
(需要の変動を踏まえた調整について)第十八条 一般送配電事業者は、承認を受けた収入の見通しと規制期間における需要変動に起因する収入実績の乖離値を、翌規制期間における収入の見通しに算入しなければならない。
附則
この省令は、強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律(令和二年法律第四十九号)附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日から施行する。附則(令和五年三月二八日経済産業省令第一一号)
(施行期日)
第一条 この省令は、安定的なエネルギー需給構造の確立を図るためのエネルギーの使用の合理化等に関する法律等の一部を改正する法律の施行の日(令和五年四月一日。以下「施行日」という。)から施行する。
附則(令和五年一一月六日経済産業省令第四八号)
(施行期日)
第一条 この省令は、令和五年十一月十三日から施行する。
附則(令和六年三月二九日経済産業省令第二一号)
(施行期日)
第一条 この省令は、令和六年四月一日から施行する。
別表第1 (第3条から第9条、第11条関係)
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様式第1
(第3条から第11条まで関係)[PDF]
様式第2
(第3条から第11条まで関係)[PDF]