第一条 この政令は、相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律(以下「法」という。)の規定による土地所有権の国庫への帰属の承認等に関し必要な事項を定めるものとする。
(承認申請をすることができない他人による使用が予定される土地)第二条 法第二条第三項第三号の政令で定める土地は、次に掲げる土地とする。
一 現に通路の用に供されている土地
二 墓地(墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年法律第四十八号)第二条第五項に規定する墓地をいう。)内の土地
三 境内地(宗教法人法(昭和二十六年法律第百二十六号)第三条に規定する境内地をいう。)
四 現に水道用地、用悪水路又はため池の用に供されている土地
(承認申請の手数料)第三条 法第三条第二項の規定により納付すべき手数料の額は、承認申請に係る土地の一筆ごとに一万四千円とする。
(承認をすることができない土地)第四条 法第五条第一項第一号の政令で定める基準は、勾配(傾斜がある部分の上端と下端とを含む面の水平面に対する角度をいう。)が三十度以上であり、かつ、その高さ(傾斜がある部分の上端と下端との垂直距離をいう。)が五メートル以上であることとする。
2 法第五条第一項第四号の政令で定める土地は、次に掲げる土地とする。一 民法(明治二十九年法律第八十九号)第二百十条第一項に規定する他の土地に囲まれて公道に通じない土地又は同条第二項に規定する事情のある土地であって、現に同条の規定による通行が妨げられているもの
二 前号に掲げるもののほか、所有権に基づく使用又は収益が現に妨害されている土地(その程度が軽微で土地の通常の管理又は処分を阻害しないと認められるものを除く。)
3 法第五条第一項第五号の政令で定める土地は、次に掲げる土地とする。一 土砂の崩壊、地割れ、陥没、水又は汚液の漏出その他の土地の状況に起因する災害が発生し、又は発生するおそれがある土地であって、その災害により当該土地又はその周辺の土地に存する人の生命若しくは身体又は財産に被害が生じ、又は生ずるおそれがあり、その被害の拡大又は発生を防止するために当該土地の現状に変更を加える措置(軽微なものを除く。)を講ずる必要があるもの
二 鳥獣、病害虫その他の動物が生息する土地であって、当該動物により当該土地又はその周辺の土地に存する人の生命若しくは身体、農産物又は樹木に被害が生じ、又は生ずるおそれがあるもの(その程度が軽微で土地の通常の管理又は処分を阻害しないと認められるものを除く。)
三 主に森林(森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第二条第一項に規定する森林をいう。次条第一項第三号及び第七条第二項において同じ。)として利用されている土地のうち、その土地が存する市町村の区域に係る市町村森林整備計画(同法第十条の五第一項に規定する市町村森林整備計画をいう。)に定められた同条第二項第三号及び第四号に掲げる事項に適合していないことにより、当該事項に適合させるために追加的に造林、間伐又は保育を実施する必要があると認められるもの
四 法第十一条第一項の規定により所有権が国庫に帰属した後に法令の規定に基づく処分により国が通常の管理に要する費用以外の費用に係る金銭債務を負担することが確実と認められる土地
五 法令の規定に基づく処分により承認申請者が所有者として金銭債務を負担する土地であって、法第十一条第一項の規定により所有権が国庫に帰属したことに伴い国が法令の規定により当該金銭債務を承継することとなるもの
(負担金の算定)第五条 法第十条第一項の政令で定めるところにより算定する金額は、次の各号に掲げる土地の区分に応じ、当該各号に定める金額とする。
一 宅地(その現況及び従前の使用状況に照らして直ちに建物の敷地の用に供することができると認められる土地をいう。)のうち、都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第七条第一項に規定する市街化区域の区域(同項に規定する区域区分に関する都市計画が定められていない都市計画区域にあっては、同法第八条第一項第一号に規定する用途地域が定められている土地の区域。次号において同じ。)内にあるもの
次の表の上欄に掲げる地積(平方メートルを単位とする。以下この項において同じ。)の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる金額
二 主に農地(農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第二条第一項に規定する農地をいう。)として利用されている土地のうち、都市計画法第七条第一項に規定する市街化区域の区域内、農業振興地域の整備に関する法律(昭和四十四年法律第五十八号)第八条第二項第一号に規定する農用地区域内又は土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)第二条第二項に規定する土地改良事業若しくはこれに準ずる事業として法務省令で定めるものが施行される区域内にあるもの
次の表の上欄に掲げる地積の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる金額
三 主に森林として利用されている土地
次の表の上欄に掲げる地積の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる金額
四 前三号に掲げる土地以外の土地
二十万円
第六条 承認申請者は、隣接する二筆以上の承認申請に係る土地のいずれもが前条第一項各号に掲げる土地の区分で同一のものに属するときは、法務大臣に対し、当該隣接する二筆以上の承認申請に係る土地を一筆の承認申請に係る土地とみなして負担金を算定すべき旨の申出をすることができる。
2 前項の申出は、当該隣接する二筆以上の承認申請に係る土地の所有者が異なる場合には、これらの者が共同してしなければならない。 3 法務大臣は、第一項の申出があった土地の全部又はその一部であって、隣接する二筆以上の土地について法第五条第一項の承認をしたときは、その隣接する全部又は一部の土地を一筆の承認申請に係る土地とみなして負担金を算定するものとする。 (農林水産大臣が管理する土地についての農地法施行令等の準用)第七条 法第十二条第一項の規定により農林水産大臣が管理する土地のうち主に農用地(農地法第二条第一項に規定する農地又は採草放牧地をいう。)として利用されているものの管理及び処分については、農地法施行令(昭和二十七年政令第四百四十五号)第三十条第一項、第三十一条及び第三十二条の規定を準用する。
2 法第十二条第一項の規定により農林水産大臣が管理する土地のうち主に森林として利用されているものの管理及び処分については、国有林野の管理経営に関する法律施行令(昭和二十九年政令第百二十一号)第四条から第六条までの規定を準用する。 (法務省令への委任)第八条 この政令に定めるもののほか、この政令の実施のため必要な手続その他の事項は、法務省令で定める。