第二編 経過措置
第一章 通則
(罰則の適用等に関する経過措置)第四百四十一条 刑法等の一部を改正する法律(令和四年法律第六十七号。以下「刑法等一部改正法」という。)及びこの法律(以下「刑法等一部改正法等」という。)の施行前にした行為の処罰については、次章に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。
2 刑法等一部改正法等の施行後にした行為に対して、他の法律の規定によりなお従前の例によることとされ、なお効力を有することとされ又は改正前若しくは廃止前の法律の規定の例によることとされる罰則を適用する場合において、当該罰則に定める刑(刑法施行法第十九条第一項の規定又は第八十二条の規定による改正後の沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律第二十五条第四項の規定の適用後のものを含む。)に刑法等一部改正法第二条の規定による改正前の刑法(明治四十年法律第四十五号。以下この項において「旧刑法」という。)第十二条に規定する懲役(以下「懲役」という。)、旧刑法第十三条に規定する禁錮(以下「禁錮」という。)又は旧刑法第十六条に規定する拘留(以下「旧拘留」という。)が含まれるときは、当該刑のうち無期の懲役又は禁錮はそれぞれ無期拘禁刑と、有期の懲役又は禁錮はそれぞれその刑と長期及び短期(刑法施行法第二十条の規定の適用後のものを含む。)を同じくする有期拘禁刑と、旧拘留は長期及び短期(刑法施行法第二十条の規定の適用後のものを含む。)を同じくする拘留とする。
第四百四十二条 懲役、禁錮及び旧拘留の確定裁判の効力並びにその執行については、次章に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。
(人の資格に関する経過措置)第四百四十三条 懲役、禁錮又は旧拘留に処せられた者に係る人の資格に関する法令の規定の適用については、無期の懲役又は禁錮に処せられた者はそれぞれ無期拘禁刑に処せられた者と、有期の懲役又は禁錮に処せられた者はそれぞれ刑期を同じくする有期拘禁刑に処せられた者と、旧拘留に処せられた者は拘留に処せられた者とみなす。
2 拘禁刑又は拘留に処せられた者に係る他の法律の規定によりなお従前の例によることとされ、なお効力を有することとされ又は改正前若しくは廃止前の法律の規定の例によることとされる人の資格に関する法令の規定の適用については、無期拘禁刑に処せられた者は無期禁錮に処せられた者と、有期拘禁刑に処せられた者は刑期を同じくする有期禁錮に処せられた者と、拘留に処せられた者は刑期を同じくする旧拘留に処せられた者とみなす。
第二章 刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置
第一節 刑法の一部改正に伴う経過措置
(新旧の刑の軽重)
第四百四十四条
懲役、禁錮、旧拘留及び刑法等一部改正法第二条の規定による改正後の刑法(以下「新刑法」という。)第九条に規定する主刑の軽重は、死刑、懲役、拘禁刑、禁錮、罰金、拘留、旧拘留及び科料の順序による。 ただし、無期の拘禁刑又は禁錮と有期懲役とでは拘禁刑又は禁錮を重い刑とし、無期禁錮と有期拘禁刑とでは禁錮を重い刑とし、有期拘禁刑の長期が有期懲役の長期を超えるときは拘禁刑を重い刑とし、有期禁錮の長期が有期の懲役又は拘禁刑の長期の二倍を超えるときは禁錮を重い刑とし、旧拘留の長期が拘留の長期の二倍を超えるときは旧拘留を重い刑とする。
(有期刑の加減の限度に関する経過措置)
第四百四十五条
新刑法第十四条の規定は、次に掲げる場合において、無期の懲役若しくは禁錮を減軽するとき、又は有期の懲役若しくは禁錮を加重し若しくは減軽するときにも、適用する。 この場合において、同条第一項中「無期拘禁刑」とあるのは「無期の刑法等の一部を改正する法律(令和四年法律第六十七号)第二条の規定による改正前の第十二条に規定する懲役(以下「懲役」という。)若しくは同法第二条の規定による改正前の第十三条に規定する禁錮(以下「禁錮」という。)」と、同条中「有期拘禁刑」とあるのは「有期の懲役又は禁錮」とする。
一 併合罪として処断すべき罪に刑法等一部改正法の施行前に犯したものと施行後に犯したものがあるとき。
二 一個の行為が二個以上の罪名に触れる場合又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れる場合において、これらの罪名に触れる行為に刑法等一部改正法の施行前のものと施行後のものがあるとき。
(拘留に関する経過措置)
第四百四十六条
新刑法第十六条第二項の規定は、刑法等一部改正法の施行後に犯した罪に係る拘留について、適用する。
(刑の執行猶予に関する経過措置)
第四百四十七条
新刑法第二十五条、第二十六条から第二十六条の三まで、第二十七条の二、第二十七条の四及び第二十七条の六並びに刑法第二十五条の二、第二十七条の三及び第二十七条の五(薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律(平成二十五年法律第五十号)第五条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定は、懲役又は禁錮の全部の執行猶予の言渡し又は一部の執行猶予の言渡し及びこれらの取消し、当該取消しの場合における他の刑の執行猶予の言渡しの取消し並びに懲役又は禁錮の全部の執行猶予の言渡し又は一部の執行猶予の言渡しに係る猶予の期間中の保護観察についても、適用する。
2 当分の間、新刑法第二十五条、第二十六条、第二十六条の二(第三号に係る部分に限る。)、第二十六条の三、第二十七条の二第一項及び第三項、第二十七条の四並びに第二十七条の六(これらの規定を前項の規定により適用する場合を含む。)の規定の適用については、次の表の上欄に掲げる新刑法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
(刑の執行猶予の猶予期間経過の効果に関する経過措置)
第四百四十八条
新刑法第二十七条第二項から第六項まで及び第二十七条の七第二項から第六項までの規定は、新刑法第二十五条又は第二十七条の二(これらの規定を前条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による刑の全部の執行猶予の言渡し又は刑の一部の執行猶予の言渡しが刑法等一部改正法の施行の日(以下「刑法等一部改正法施行日」という。)以後にされた場合について、適用する。
2 新刑法第二十七条第四項若しくは第五項の規定により同条第二項後段の規定による刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消した場合又は新刑法第二十七条の七第四項若しくは第五項の規定により同条第二項後段の規定による刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消した場合において、執行猶予中の他の懲役又は禁錮があるときにおける新刑法第二十七条第六項又は第二十七条の七第六項の規定の適用については、新刑法第二十七条第六項中「についても」とあるのは「又は刑法等の一部を改正する法律(令和四年法律第六十七号)第二条の規定による改正前の第十二条に規定する懲役(以下「懲役」という。)若しくは同法第二条の規定による改正前の第十三条に規定する禁錮(以下「禁錮」という。)(いずれも第二項後段又は第二十七条の七第二項後段の規定によりその執行を猶予されているものを除く。)についても」と、新刑法第二十七条の七第六項中「についても」とあるのは「又は懲役若しくは禁錮(いずれも第二十七条第二項後段又はこの条第二項後段の規定によりその執行を猶予されているものを除く。)についても」とする。
(仮釈放の取消しに関する経過措置)
第四百四十九条
刑法第二十九条の規定は、懲役又は禁錮に係る仮釈放の処分の取消しについても、適用する。
2 当分の間、刑法第二十九条第一項(第四号を除き、前項の規定により適用する場合を含む。)の規定の適用については、同条第一項第一号中「刑に」とあるのは「刑(刑法等の一部を改正する法律(令和四年法律第六十七号)第二条の規定による改正前の第十二条に規定する懲役(以下「懲役」という。)及び同法第二条の規定による改正前の第十三条に規定する禁錮(以下「禁錮」という。)を含む。)に」と、同項第二号及び第三号中「刑に」とあるのは「刑(懲役及び禁錮を含む。)に」とする。
(刑の消滅に関する経過措置)
第四百五十条
新刑法第三十四条の二第一項の規定は、懲役、禁錮及び旧拘留に係る刑の消滅についても、適用する。
2 当分の間、新刑法第三十四条の二第一項(前項の規定により適用する場合を含む。)及び刑法第三十四条の二第二項の規定の適用については、次の表の上欄に掲げる新刑法又は刑法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
(併合罪に係る規定の適用に関する経過措置)
第四百五十一条
新刑法第四十五条の規定は、確定裁判を経ていない二個以上の罪がある場合において、それらの罪に刑法等一部改正法の施行前に犯したものと施行後に犯したものがあるときにも、適用する。 この場合において、懲役又は禁錮に処する確定裁判があったときにおける同条後段の規定の適用については、同条後段中「刑に」とあるのは、「刑又は刑法等の一部を改正する法律(令和四年法律第六十七号)第二条の規定による改正前の第十二条に規定する懲役若しくは同法第二条の規定による改正前の第十三条に規定する禁錮に」とする。
2 刑法第四十六条第一項、第四十八条第一項、第四十九条第一項、第五十条並びに第五十三条第一項及び第二項(科料に係る部分を除く。)並びに新刑法第四十六条第二項及び第四十七条の規定は、第四百四十五条第一号に掲げる場合にも、適用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる刑法又は新刑法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
(併合罪に係る二個以上の刑の執行に関する経過措置)
第四百五十二条
新刑法第五十一条の規定は、併合罪について二個以上の裁判があった場合において、それらのうちに懲役、禁錮又は旧拘留を言い渡したものがあったときにおける刑の執行についても、適用する。 この場合において、同条第一項ただし書中「刑を執行せず」とあるのは「刑(刑法等の一部を改正する法律(令和四年法律第六十七号)第二条の規定による改正前の第十二条に規定する懲役(以下「懲役」という。)、同法第二条の規定による改正前の第十三条に規定する禁錮(以下「禁錮」という。)及び同法第二条の規定による改正前の第十六条に規定する拘留(以下「旧拘留」という。)を含む。)を執行せず」と、「無期拘禁刑」とあるのは「無期の拘禁刑、懲役又は禁錮」と、「刑を執行しない」とあるのは「刑(懲役、禁錮及び旧拘留を含む。)を執行しない」と、同条第二項中「有期拘禁刑」とあるのは「有期の拘禁刑、懲役又は禁錮」とする。
(再犯に関する経過措置)
第四百五十三条
新刑法第五十六条及び第五十七条の規定は、第四百四十五条第二号に掲げる場合において、同号に規定する行為について有期懲役に処するときにおける再犯加重についても、適用する。
2 当分の間、新刑法第五十六条及び第五十七条(これらの規定を前項の規定により適用する場合を含む。)の規定の適用については、次の表の上欄に掲げる新刑法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
(法律上の減軽の方法に関する経過措置)
第四百五十四条
新刑法第六十八条(第四号及び第六号を除く。)及び第七十条の規定は、第四百四十五条第二号に掲げる場合において、死刑(刑法等一部改正法の施行前にした行為に係る罪により処せられるものに限る。)、懲役、禁錮又は旧拘留を減軽すべき一個又は二個以上の事由があるときにおける法律上の減軽についても、適用する。 この場合において、次の表の上欄に掲げる新刑法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
(酌量減軽の方法に関する経過措置)
第四百五十五条
第四百四十五条各号に掲げる場合において、死刑(刑法等一部改正法の施行前にした行為に係る罪により処せられるものに限る。)、懲役、禁錮又は旧拘留の酌量減軽をするときは、前条の規定により読み替えて適用する新刑法第六十八条(第四号及び第六号を除く。)及び第七十条の例による。
(犯人蔵匿等に関する経過措置)
第四百五十六条
懲役又は禁錮に当たる罪を犯した者を蔵匿し、又は隠避させた者に係る新刑法第百三条の規定の適用については、懲役又は禁錮に当たる罪を犯した者は、それぞれ拘禁刑に当たる罪を犯した者とみなす。
(平成十六年一部改正法の施行前にした行為等に係る併合罪の処理に関する経過措置)
第四百五十七条
併合罪として処断すべき罪に刑法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第百五十六号。以下この項及び第三項において「平成十六年一部改正法」という。)の施行前に犯したものと刑法等一部改正法の施行後に犯したものがある場合において、第四百五十一条第二項の規定により読み替えて適用する新刑法第四十七条の規定により併合罪として有期の拘禁刑、懲役又は禁錮の加重をするときは、平成十六年一部改正法附則第四条の規定及び第四百四十五条の規定にかかわらず、平成十六年一部改正法第一条の規定による改正前の刑法(次項において「平成十六年旧刑法」という。)第十四条の規定を適用する。 ただし、当該併合罪として処断すべき罪のうち平成十六年一部改正法の施行後に犯したもののみについて新刑法第十四条第二項の規定を適用して処断することとした場合の刑が、この項本文の場合の刑より重い刑となるときは、その重い刑をもって処断する。
2 前項本文の場合において、有期拘禁刑を加重するときにおける平成十六年旧刑法第十四条の規定の適用については、同条中「有期の懲役又は禁錮」とあるのは、「有期の刑法等の一部を改正する法律(令和四年法律第六十七号)第二条の規定による改正後の第十二条に規定する拘禁刑」とする。
3 第一項ただし書の場合において、当該併合罪として処断すべき罪のうち平成十六年一部改正法の施行後に犯したもののみについて新刑法第十四条第二項の規定を適用して処断することとするときにおける同項の規定の適用については、同項中「有期拘禁刑」とあるのは、「有期の拘禁刑、刑法等の一部を改正する法律(令和四年法律第六十七号)第二条の規定による改正前の第十二条に規定する懲役又は同法第二条の規定による改正前の第十三条に規定する禁錮」とする。
第二節 刑事訴訟法の一部改正に伴う経過措置
第四百五十八条
刑法等一部改正法等の施行前にした行為に係る罪の事件に関しては、刑法等一部改正法第三条の規定による改正後の刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号。以下「新刑事訴訟法」という。)第三十七条の五の規定の適用については、無期の懲役又は禁錮に当たる事件はそれぞれ無期拘禁刑に当たる事件とみなし、刑事訴訟法第六十条第三項及び新刑事訴訟法第二百八十五条第一項の規定の適用については、旧拘留に当たる事件は拘留に当たる事件とみなし、同条第二項の規定の適用については、有期の懲役又は禁錮に当たる事件はそれぞれその事件に係る罪について定めた刑と長期及び短期を同じくする有期拘禁刑に当たる事件とみなし、新刑事訴訟法第二百八十九条第一項、第二百九十一条の二ただし書及び第三百五十条の十六第一項ただし書の規定の適用については、無期の懲役又は禁錮に当たる事件はそれぞれ無期拘禁刑に当たる事件と、有期の懲役又は禁錮に当たる事件はそれぞれその事件に係る罪について定めた刑と長期及び短期を同じくする有期拘禁刑に当たる事件とみなす。
2 刑法等一部改正法等の施行前にした行為に係る罪に関しては、新刑事訴訟法第八十九条(第一号及び第三号に係る部分に限る。)、第二百十条第一項及び第三百一条の二第一項(第一号及び第二号に係る部分に限り、同条第三項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、無期の懲役又は禁錮に当たる罪はそれぞれ無期拘禁刑に当たる罪と、有期の懲役又は禁錮に当たる罪はそれぞれその罪について定めた刑と長期及び短期を同じくする有期拘禁刑に当たる罪とみなし、刑事訴訟法第百九十九条第一項及び第二百十七条の規定の適用については、旧拘留に当たる罪は拘留に当たる罪とみなし、新刑事訴訟法第二百五十条第一項(第三号に係る部分を除く。)及び第二項(第一号に係る部分を除く。)の規定の適用については、無期の懲役又は禁錮に当たる罪はそれぞれ無期拘禁刑に当たる罪と、有期の懲役又は禁錮に当たる罪はそれぞれその罪について定めた刑と長期及び短期を同じくする有期拘禁刑に当たる罪と、旧拘留に当たる罪は拘留に当たる罪とみなす。
3 懲役又は禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがある者に係る新刑事訴訟法第八十九条(第二号に係る部分に限る。)の規定の適用については、無期の懲役又は禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがある者はそれぞれ無期拘禁刑に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがある者と、有期の懲役又は禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがある者はそれぞれ有期拘禁刑に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがある者とみなす。
4 懲役又は禁錮に処する判決に関しては、新刑事訴訟法第三百四十三条及び第三百四十四条の規定の適用については、懲役又は禁錮に処する判決はそれぞれ拘禁刑に処する判決とみなし、新刑事訴訟法第三百六十条の二の規定の適用については、無期の懲役又は禁錮に処する判決はそれぞれ無期拘禁刑に処する判決とみなす。
5 当分の間、新刑事訴訟法第三百五十条の二第二項に規定する特定犯罪に係る新刑事訴訟法の規定の適用については、同項中「無期拘禁刑」とあるのは、「無期の拘禁刑若しくは刑法等の一部を改正する法律(令和四年法律第六十七号)第二条の規定による改正前の刑法(以下この項において「旧刑法」という。)第十二条に規定する懲役若しくは旧刑法第十三条に規定する禁錮」とする。
6 即決裁判手続において懲役又は禁錮の言渡しをする場合における新刑事訴訟法第三百五十条の二十九の規定の適用については、懲役又は禁錮の言渡しは、それぞれ拘禁刑の言渡しとみなす。
7 懲役、禁錮又は旧拘留の言渡しを受けた者に係る新刑事訴訟法第四百八十条、第四百八十二条、第四百八十四条、第四百八十五条及び第四百八十六条第一項の規定の適用については、懲役又は禁錮の言渡しはそれぞれ拘禁刑の言渡しと、旧拘留の言渡しは拘留の言渡しとみなす。
第三節 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律の一部改正に伴う経過措置
(受刑者に関する経過措置)
第四百五十九条
当分の間、刑法等一部改正法第五条の規定による改正後の刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成十七年法律第五十号。以下この節において「新刑事収容施設法」という。)第二条第四号の受刑者には、懲役の刑(第五十三条の規定による改正前の国際受刑者移送法(以下「旧国際受刑者移送法」という。)第十六条第一項第一号の共助刑を含む。)の執行のため拘置されている者(以下「懲役受刑者」という。)、禁錮の刑(同項第二号の共助刑を含む。)の執行のため拘置されている者(以下「禁錮受刑者」という。)及び旧拘留の刑の執行のため拘置されている者(以下この節において「旧拘留受刑者」という。)を含むものとする。
(懲役受刑者の作業に関する経過措置)
第四百六十条
懲役受刑者の作業については、新刑事収容施設法第九十三条及び第九十五条第一項の規定は適用せず、刑法等一部改正法第五条の規定による改正前の刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(以下この節において「旧刑事収容施設法」という。)第九十二条及び第九十五条第一項の規定は、なおその効力を有する。
(禁錮受刑者及び旧拘留受刑者の作業に関する経過措置)
第四百六十一条
禁錮受刑者及び旧拘留受刑者の作業については、新刑事収容施設法第九十三条の規定は適用せず、旧刑事収容施設法第九十三条の規定は、なおその効力を有する。
(懲罰に関する経過措置)
第四百六十二条
禁錮受刑者及び旧拘留受刑者に科する懲罰については、新刑事収容施設法第百五十一条第一項及び第二項の規定は適用せず、旧刑事収容施設法第百五十一条第一項及び第二項の規定は、なおその効力を有する。
(新刑事収容施設法の適用関係)
第四百六十三条
当分の間、次の表の上欄に掲げる新刑事収容施設法の規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
第四節 更生保護法の一部改正に伴う経過措置
(遵守事項及び指導監督に関する経過措置)
第四百六十四条
刑法等一部改正法第六条の規定による改正後の更生保護法(平成十九年法律第八十八号。以下「第二号改正後更生保護法」という。)第五十条第一項(第二号ハに係る部分に限る。)、第五十一条第二項(第七号に係る部分に限る。)及び第五十七条第一項(第四号に係る部分に限る。)の規定は、次に掲げる者に対する保護観察については、適用しない。
一 刑法等一部改正法第六条の規定の施行前に次に掲げる決定又は言渡しを受け、これにより保護観察に付されている者
イ 少年法第二十四条第一項第一号又は第六十四条第一項第一号若しくは第二号の保護処分の決定
ロ 少年院からの仮退院を許す旨の決定
ハ 仮釈放を許す旨の決定
ニ 刑法第二十五条の二第一項若しくは第二十七条の三第一項又は薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律第四条第一項の規定による保護観察に付する旨の言渡し
二 刑法等一部改正法第六条の規定の施行前に刑法第二十七条の三第一項又は薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律第四条第一項の規定による保護観察に付する旨の言渡しを受けた後、刑法等一部改正法附則第一項第二号に掲げる規定の施行の日(以下「刑法等一部改正法第二号施行日」という。)から新刑法第二十七条の二の規定による猶予の期間の開始の時までに前号ハの決定を受け、同決定により保護観察に付されている者
2 刑法等一部改正法第二号施行日から刑法等一部改正法施行日の前日までの間における前項の規定の適用については、同項第二号中「新刑法第二十七条の二」とあるのは、「刑法第二十七条の二」とする。
(仮解除及び仮解除の取消しに関する経過措置)
第四百六十五条
刑法等一部改正法第六条の規定の施行前に刑法第二十五条の二第一項若しくは第二十七条の三第一項又は薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律第四条第一項の規定による保護観察に付する旨の言渡しを受けた保護観察付執行猶予者に対する刑法第二十五条の二第二項又は第二十七条の三第二項(薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律第四条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による保護観察を仮に解除する処分については、刑法等一部改正法第六条の規定による改正前の更生保護法(以下この条において「第二号改正前更生保護法」という。)第八十一条第一項の規定により保護観察所の長がした申出であって地方更生保護委員会が同項の決定をしていないものは、刑法等一部改正法第六条の規定の施行後は、当該申出がされていないものとみなして、第二号改正後更生保護法第八十一条第一項の規定を適用する。
2 刑法等一部改正法第六条の規定の施行前に刑法第二十五条の二第二項又は第二十七条の三第二項の規定による保護観察を仮に解除する処分を受けた保護観察付執行猶予者の当該処分の取消しについては、第二号改正前更生保護法第八十一条第五項の規定により保護観察所の長がした申出であって地方更生保護委員会が同項の決定をしていないものは、刑法等一部改正法第六条の規定の施行後は、当該申出がされていないものとみなして、第二号改正後更生保護法第八十一条第五項の規定を適用する。
3 刑法等一部改正法第六条の規定の施行前に刑法第二十五条の二第二項又は第二十七条の三第二項の規定による保護観察を仮に解除する処分を受けた保護観察付執行猶予者に対する第二号改正前更生保護法第八十一条第五項の規定による当該処分の取消しに係る審査請求については、なお従前の例による。
(再保護観察付執行猶予者に関する特則に関する経過措置)
第四百六十六条
刑法等一部改正法第六条の規定の施行前に刑法第二十五条の二第一項の規定により保護観察に付され、その期間中であって刑法等一部改正法の施行後に更に同項の規定により保護観察に付された保護観察付執行猶予者について、更生保護法第五十二条第五項又は第六項の規定により、第二号改正後更生保護法第五十一条第二項第七号に規定する援助を受けることを特別遵守事項として定める場合においては、刑法等一部改正法第七条の規定による改正後の更生保護法(以下「新更生保護法」という。)第八十一条の四第二項の規定は、適用しない。
(刑事施設の長又は少年院の長の通告、申出又は遵守事項の通知に関する経過措置)
第四百六十七条
懲役、禁錮又は旧拘留の刑の執行のために刑事施設又は少年院に収容されている者に係る新更生保護法第三十三条、第三十四条、第五十四条第二項及び第五十五条第二項の規定の適用については、新更生保護法第三十三条中「拘禁刑」とあるのは「刑法等の一部を改正する法律(令和四年法律第六十七号)第二条の規定による改正前の刑法第十二条に規定する懲役(以下「懲役」という。)又は同法第十三条に規定する禁錮(以下「禁錮」という。)の刑」と、新更生保護法第三十四条第一項中「拘禁刑」とあるのは「懲役又は禁錮の刑」と、同条第二項中「拘留」とあるのは「刑法等の一部を改正する法律第二条の規定による改正前の刑法第十六条に規定する拘留」と、新更生保護法第五十四条第二項中「拘禁刑の」とあるのは「懲役若しくは禁錮の刑の」と、「拘禁刑が」とあるのは「懲役又は禁錮の刑が」と、新更生保護法第五十五条第二項中「拘禁刑」とあるのは「懲役若しくは禁錮の刑」とする。
(更生緊急保護等に関する経過措置)
第四百六十八条
新更生保護法第五章及び第八十八条の二の規定の適用については、懲役、禁錮又は旧拘留の刑の執行を終わった者は新更生保護法第八十五条第一項第一号に掲げる者と、懲役、禁錮又は旧拘留の刑の執行の免除を得た者は同項第二号に掲げる者と、懲役又は禁錮につき刑の全部の執行猶予の言渡しを受け、その裁判が確定するまでの者は同項第三号に掲げる者と、懲役又は禁錮につき刑の全部の執行猶予の言渡しを受け、保護観察に付されなかった者(その裁判が確定するまでの者を除く。)は同項第四号に掲げる者と、懲役又は禁錮につき刑の一部の執行猶予の言渡しを受け、その猶予の期間中保護観察に付されなかった者であって、その刑のうち執行が猶予されなかった部分の期間の執行を終わったものは同項第五号に掲げる者とみなす。
第五節 更生保護事業法の一部改正に伴う経過措置
(更生保護事業を行う者の認可等に関する経過措置)
第四百六十九条
刑法等一部改正法第八条の規定の施行の際現に同条の規定による改正前の更生保護事業法(平成七年法律第八十六号。以下この条において「第二号改正前更生保護事業法」という。)第四十五条の継続保護事業の認可を受けている者は、刑法等一部改正法第八条の規定による改正後の更生保護事業法(以下この条において「第二号改正後更生保護事業法」という。)第四十五条の宿泊型保護事業の認可を受けたものとみなす。
2 刑法等一部改正法第八条の規定の施行の際現に第二号改正前更生保護事業法第四十七条の二の一時保護事業又は連絡助成事業の届出をしている者は、それぞれ第二号改正後更生保護事業法第四十七条の二の通所・訪問型保護事業又は地域連携・助成事業の届出をしたものとみなす。
3 前二項に定めるもののほか、刑法等一部改正法第八条の規定の施行前に第二号改正前更生保護事業法の規定によりした認可その他の処分又は申請その他の手続で第二号改正後更生保護事業法に相当の規定があるものは、第二号改正後更生保護事業法の相当の規定によりした認可その他の処分又は申請その他の手続とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第四百七十条
刑法等一部改正法第八条の規定の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(更生保護事業の対象者に関する経過措置)
第四百七十一条
更生保護事業の対象者については、懲役、禁錮又は旧拘留につき、刑の執行を終わり、その執行の免除を得、又はその執行を停止されている者は刑法等一部改正法第九条の規定による改正後の更生保護事業法(以下この条において「新更生保護事業法」という。)第二条第二項第二号に掲げる者と、懲役又は禁錮につき刑の全部の執行猶予の言渡しを受け、刑事上の手続による身体の拘束を解かれた者(保護観察に付されている者を除く。)は同項第三号に掲げる者と、懲役又は禁錮につき刑の一部の執行猶予の言渡しを受け、その猶予の期間中の者(保護観察に付されている者を除く。)は同項第四号に掲げる者と、旧国際受刑者移送法第十六条第一項第一号若しくは第二号の共助刑の執行を終わり、若しくは旧国際受刑者移送法第二十五条第二項の規定によりその執行を受けることがなくなり、又は旧国際受刑者移送法第二十一条の規定により適用される刑法等一部改正法第三条の規定による改正前の刑事訴訟法第四百八十条若しくは第四百八十二条の規定によりその執行を停止されている者は新更生保護事業法第二条第二項第九号に掲げる者とみなす。
第六節 少年院法の一部改正に伴う経過措置
第四百七十二条
当分の間、刑法等一部改正法第十条の規定による改正後の少年院法(平成二十六年法律第五十八号。次項において「新少年院法」という。)第二条第三号の受刑在院者には、第四百七十七条第四項の規定によりなお従前の例によることとされる第十四条の規定による改正前の少年法(以下「旧少年法」という。)第五十六条第三項の規定による懲役又は禁錮の刑の執行を受けるため少年院に収容されている者及び第四百九十一条第七項の規定によりみなして適用される第十四条の規定による改正後の少年法(以下「新少年法」という。)第五十六条第三項の規定により旧国際受刑者移送法第十六条第一項各号の共助刑の執行を受けるため少年院に収容されている者を含むものとする。
2 当分の間、次の表の上欄に掲げる新少年院法の規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
第七節 少年鑑別所法の一部改正に伴う経過措置
第四百七十三条
当分の間、刑法等一部改正法第十二条の規定による改正後の少年鑑別所法(平成二十六年法律第五十九号。次項において「新少年鑑別所法」という。)第十七条第一項第三号に掲げる者には、懲役又は禁錮の刑の執行を受ける者を含むものとする。
2 当分の間、新少年鑑別所法第十七条第一項第四号に掲げる者には、第四百九十一条第七項の規定によりみなして適用される更生保護法第四十条の規定により保護観察に付されている者を含むものとする。
第四章 その他
(経過措置の政令への委任)第五百九条 この編に定めるもののほか、刑法等一部改正法等の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附則
この法律は、刑法等一部改正法施行日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。一 第五百九条の規定 公布の日
二 第二十九条、第五十二条、第四百六十四条、第四百六十五条、第四百六十九条、第四百七十条、第四百八十四条第一項並びに第四百九十一条第一項及び第四項の規定 刑法等一部改正法第二号施行日
附則(令和四年五月二五日法律第五二号)
(施行期日)
第一条 この法律は、令和六年四月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則(令和五年五月一七日法律第二八号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して五年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
第四十条 第二号施行日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則(令和七年五月二三日法律第三九号)
(施行期日)
第一条 この法律は、令和九年三月三十一日までの間において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(政令への委任)
第三十九条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。