第一章 総則
(社会福祉連携推進法人会計の基準)第一条 社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号。以下「法」という。)第百二十五条の認定(以下「社会福祉連携推進認定」という。)を受けた一般社団法人(以下「社会福祉連携推進法人」という。)は、この省令で定めるところに従い、会計処理を行い、会計帳簿(法第百三十八条第二項において読み替えて適用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第百二十条第一項に規定する会計帳簿をいう。以下同じ。)、計算書類(法第百三十八条第二項において読み替えて適用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第百二十三条第一項に規定する貸借対照表並びに同条第二項に規定する貸借対照表及び損益計算書をいう。以下同じ。)、その附属明細書及び財産目録(法第百三十八条第一項において読み替えて準用する法第四十五条の三十四第一項第一号に規定する財産目録をいう。以下同じ。)を作成しなればならない。
2 社会福祉連携推進法人は、この省令に定めるもののほか、一般に公正妥当と認められる社会福祉連携推進法人会計の慣行を斟酌しなければならない。 (会計原則)第二条 社会福祉連携推進法人は、次に掲げる原則に従って、会計処理を行い、計算書類及びその附属明細書(以下「計算関係書類」という。)並びに財産目録を作成しなければならない。
一 計算書類は、資産、負債及び純資産の状態並びに純資産の増減の状況に関する真実な内容を明瞭に表示すること。
二 計算書類は、正規の簿記の原則に従って正しく記帳された会計帳簿に基づいて作成すること。
三 採用する会計処理の原則及び手続並びに計算書類の表示方法については、毎会計年度継続して適用し、みだりにこれを変更しないこと。
四 重要性の乏しいものについては、会計処理の原則及び手続並びに計算書類の表示方法の適用に際して、本来の厳密な方法によらず、他の簡便な方法によることができること。
(総額表示)第三条 計算関係書類及び財産目録に記載する金額は、原則として総額をもって表示しなければならない。
(金額の表示の単位)第四条 計算関係書類及び財産目録に記載する金額は、一円単位をもって表示するものとする。
第二章 会計帳簿
(会計帳簿の作成)第五条 会計帳簿に付すべき資産、負債及び純資産の価額その他会計帳簿の作成に関する事項については、この章の定めるところによる。
2 会計帳簿は、書面又は電磁的記録をもって作成しなければならない。 (資産の評価)第六条 資産については、次項から第六項までの場合を除き、会計帳簿にその取得価額を付さなければならない。 ただし、受贈又は交換によって取得した資産については、その取得時における公正な評価額を付すものとする。
2 有形固定資産及び無形固定資産については、会計年度の末日(会計年度の末日以外の日において評価すべき場合にあっては、その日。以下この条及び次条第二項において同じ。)において、相当の償却をしなければならない。 3 会計年度の末日における時価がその時の取得原価より著しく低い資産については、当該資産の時価がその時の取得原価まで回復すると認められる場合を除き、時価を付さなければならない。 ただし、使用価値を算定することができる有形固定資産又は無形固定資産であって、当該資産の使用価値が時価を超えるものについては、取得価額から減価償却累計額を控除した価額を超えない限りにおいて、使用価値を付すことができる。 4 受取手形、事業未収金、貸付金等の債権については、回収不能のおそれがあるときは、会計年度の末日においてその時に回収することができないと見込まれる額を控除しなければならない。 5 満期保有目的の債券(満期まで所有する意図をもって保有する債券をいう。第二十条第一項第八号において同じ。)以外の有価証券のうち市場価格のあるものについては、会計年度の末日においてその時の時価を付さなければならない。 6 棚卸資産については、会計年度の末日における時価がその時の取得原価より低いときは、時価を付さなければならない。 (負債の評価)第七条 負債については、次項の場合を除き、会計帳簿に債務額を付さなければならない。
2 次に掲げるもののほか、引当金については、会計年度の末日において、将来の費用の発生に備えて、その合理的な見積額のうち当該会計年度の負担に属する金額を費用として繰り入れることにより計上した額を付さなければならない。一 賞与引当金
二 退職給付引当金
三 役員退職慰労引当金
(純資産)第八条 基金には、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第百三十一条の規定に基づく基金(同法第百四十一条の規定に基づき返還された金額を除く。)の金額を計上するものとする。
2 代替基金には、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第百四十四条の規定に基づく代替基金の金額を計上するものとする。 3 積立金には、将来の特定の目的の費用又は損失の発生に備えるため、社会福祉連携推進法人が理事会の議決に基づき積立金として積み立てた額を計上するものとする。第三章 計算関係書類
第一節 総則
(社会福祉連携推進認定を受けた日の貸借対照表)第九条 法第百三十八条第二項において読み替えて適用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第百二十三条第一項の規定により作成する貸借対照表は、社会福祉連携推進認定を受けた日における会計帳簿に基づき作成される次条第一項第一号に掲げるものとする。
(各会計年度に係る計算書類)第十条 各会計年度に係る計算書類は、当該会計年度に係る会計帳簿に基づき作成される次に掲げるものとする。
一 貸借対照表
二 損益計算書(損益計算書内訳表を含む。以下同じ。)
(会計の区分)第十一条 計算書類の会計の区分は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に定める内容とする。
一 社会福祉連携推進業務会計 法第百二十五条に規定する社会福祉連携推進業務に関する会計
二 その他の業務会計 法第百三十二条第三項に規定する社会福祉連携推進業務以外の業務に関する会計
三 法人会計 前二号に掲げるもの以外に関する会計
2 社会福祉連携推進業務会計は、法第百二十五条各号に掲げる業務の種類ごとに区分するものとする。第二節 貸借対照表
(貸借対照表の内容)第十二条 貸借対照表は、当該会計年度末現在における全ての資産、負債及び純資産の状態を明瞭に表示するものでなければならない。
(貸借対照表の区分)第十三条 貸借対照表は、資産の部、負債の部及び純資産の部に区分し、更に資産の部は流動資産及び固定資産に、負債の部は流動負債及び固定負債に区分しなければならない。
2 純資産の部は、基金、代替基金、積立金及び次期繰越活動増減差額に区分するものとする。 (貸借対照表の様式)第十四条 貸借対照表の様式は、第一号様式のとおりとする。
第三節 損益計算書
(損益計算書の内容)第十五条 損益計算書は、当該会計年度における全ての純資産の増減の内容を明瞭に表示するものでなければならない。
(損益計算の方法)第十六条 損益計算は、当該会計年度における純資産の増減に基づいて行うものとする。
2 損益計算を行うに当たっては、複数の業務に共通する収益及び費用を合理的な基準に基づいて当該業務に配分するものとする。 (損益計算書の区分)第十七条 損益計算書は、次に掲げる部に区分するものとする。
一 サービス活動増減の部
二 サービス活動外増減の部
三 特別増減の部
四 純資産増減の部
(損益計算書の構成)第十八条 前条第一号に掲げる部には、サービス活動による収益及び費用を記載し、同号に掲げる部の収益から費用を控除した額をサービス活動増減差額として記載するものとする。
2 前条第二号に掲げる部には、受取利息配当金、支払利息、有価証券売却益、有価証券売却損その他サービス活動以外の原因による収益及び費用であって経常的に発生するものを記載し、同号に掲げる部の収益から費用を控除した額をサービス活動外増減差額として記載するものとする。 3 損益計算書には、第一項のサービス活動増減差額に前項のサービス活動外増減差額を加算した額を経常増減差額として記載するものとする。 4 前条第三号に掲げる部には、固定資産売却等に係る損益その他の臨時的な損益(金額が僅少なものを除く。)を記載し、同号に掲げる部の収益から費用を控除した額を特別増減差額として記載するものとする。 5 損益計算書には、第三項の経常増減差額に前項の特別増減差額を加算した額を税引前当期活動増減差額として記載し、当該税引前当期活動増減差額から法人税その他利益に関連する金額を課税標準として課される租税の負担額を控除した額を当期活動増減差額として記載するものとする。 6 前条第四号に掲げる部には、基金、代替基金、積立金並びに繰越活動増減差額の増減及び残高を記載し、前項の当期活動増減差額にこれらの額を加減した額を当期末純資産残高として記載するものとする。 (損益計算書の様式)第十九条 損益計算書の様式は、第二号第一様式及び第二様式のとおりとする。
第四節 計算書類の注記
第二十条 計算書類には、次に掲げる事項を注記しなければならない。
一 会計年度の末日において、社会福祉連携推進法人が将来にわたって事業を継続するとの前提(以下この号において「継続事業の前提」という。)に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在する場合であって、当該事象又は状況を解消し、又は改善するための対応をしてもなお継続事業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合には、継続事業の前提に関する事項
二 資産の評価基準及び評価方法、固定資産の減価償却方法、引当金の計上基準等計算書類の作成に関する重要な会計方針
三 重要な会計方針を変更した場合には、その旨、変更の理由及び当該変更による影響額
四 社会福祉連携推進法人で採用する退職給付制度
五 固定資産について減価償却累計額を直接控除した残額のみを記載した場合には、当該資産の取得価額、減価償却累計額及び当期末残高
六 債権について貸倒引当金を直接控除した残額のみを記載した場合には、当該債権の金額、貸倒引当金の当期末残高及び当該債権の当期末残高
七 法第百四十六条第二項に規定する社会福祉連携推進目的取得財産残額
八 満期保有目的の債券の内訳並びに帳簿価額、時価及び評価損益
九 関連当事者との取引に関する事項
十 重要な偶発債務
十一 重要な後発事象
十二 社員との取引の内容
十三 基金及び代替基金の内容
十四 前各号に掲げるもののほか、社会福祉連携推進法人の資産、負債及び純資産の状態並びに純資産の増減の状況を明らかにするために必要な事項
2 前項第九号の「関連当事者」とは、次に掲げる者をいう。一 当該社会福祉連携推進法人の常勤の役員として報酬を受けている者
二 前号に掲げる者の近親者
三 前二号に掲げる者が議決権の過半数を有している法人
四 支配法人(当該社会福祉連携推進法人の財務及び営業又は事業の方針の決定を支配している他の法人をいう。第六号において同じ。)
五 被支配法人(当該社会福祉連携推進法人が財務及び営業又は事業の方針の決定を支配している他の法人をいう。)
六 当該社会福祉連携推進法人と同一の支配法人をもつ法人
3 前項第四号及び第五号の「財務及び営業又は事業の方針の決定を支配している」とは、社員総会等の意思決定機関の総数に対する次に掲げる者の数の割合が百分の五十を超えることをいう。一 一の法人の役員(理事、監事、取締役、会計参与、監査役、執行役その他これらに準ずる者をいう。)
二 一の法人の職員
4 第一項各号に掲げる事項を注記する場合に用いる様式は、厚生労働省社会・援護局長(以下「社会・援護局長」という。)が定める。第五節 附属明細書
第二十一条 各会計年度に係る計算書類の附属明細書は、当該会計年度に係る会計帳簿に基づき作成される次に掲げるものとする。
一 固定資産明細書
二 引当金明細書
三 資金収支明細書
四 社会福祉連携推進業務貸付金(借入金)明細書
2 附属明細書は、当該会計年度における計算書類の内容を補足する重要な事項を表示しなければならない。 3 第一項各号に掲げる附属明細書の様式は、社会・援護局長が定める。第四章 財産目録
(財産目録の内容)第二十二条 財産目録は、当該会計年度末現在(社会福祉連携推進認定を受けた日における財産目録にあっては、当該日)における全ての資産及び負債につき、その名称、数量、金額等を詳細に表示するものとする。
(財産目録の区分)第二十三条 財産目録は、貸借対照表の区分に準じて資産の部と負債の部とに区分して純資産の額を表示するものとする。
(財産目録の金額)第二十四条 財産目録の金額は、貸借対照表に記載した金額と同一とする。
(財産目録の様式)第二十五条 財産目録の様式は、社会・援護局長が定める。
附則
この省令は、地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律(令和二年法律第五十二号)附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日(令和四年四月一日)から施行する。第一号様式
(第十四条関係)[PDF]
第二号第一様式
(第十九条関係)[PDF]
第二号第二様式
(第十九条関係)[PDF][PDF][PDF]