第一章 総則
(目的)第一条 この法律は、電話が即時に隔地者間の意思疎通を行う手段として重要な役割を担っていることに鑑み、聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関し、国等の責務、総務大臣による基本方針の策定、電話リレーサービス提供機関の指定、電話リレーサービスの提供の業務に要する費用に充てるための交付金の交付等について定めることにより、聴覚障害者等の自立した日常生活及び社会生活の確保に寄与し、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。
(定義)第二条 この法律において「聴覚障害者等」とは、聴覚、言語機能又は音声機能の障害のため、音声言語により意思疎通を図ることに支障がある者をいう。
2 この法律において「電話リレーサービス」とは、次の各号のいずれにも該当するものをいう。一 聴覚障害者等からの電気通信回線を通じた求めに応じ、当該聴覚障害者等が指定した者に電話をかけ、手話その他総務省令で定める方法により、当該聴覚障害者等と当該電話を受けた者の意思疎通を仲介すること。
二 聴覚障害者等宛ての電話を受けて、当該聴覚障害者等に電気通信回線を通じてその旨を連絡し、手話その他総務省令で定める方法により、当該電話をかけた者と当該聴覚障害者等の意思疎通を仲介すること。
3 この法律において「電話リレーサービス提供機関」とは、第八条第一項の規定による指定を受けた者をいう。 4 この法律において「電話リレーサービス提供業務」とは、第九条各号に掲げる業務をいう。 5 この法律において「電話リレーサービス支援機関」とは、第二十条の規定による指定を受けた者をいう。 6 この法律において「電話リレーサービス支援業務」とは、第二十一条各号に掲げる業務をいう。 (国の責務)第三条 国は、聴覚障害者等、地方公共団体、電話提供事業者(電話の役務を提供する電気通信事業者(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第五号に規定する電気通信事業者をいう。)であって、同法第五十条の二第一項又は第五十条の十一の指定を受けた者をいう。第五条及び次章第二節において同じ。)その他の関係者と協力して、第七条第一項に規定する基本方針及びこれに基づく聴覚障害者等による電話の利用の円滑化のための施策の内容について、聴覚障害者等による電話の利用の円滑化の進展の状況等を勘案しつつ、適時に、かつ、適切な方法により検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
2 国は、教育活動、広報活動等を通じて、聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する国民の理解を深めるとともに、その実施に関する国民の協力を求めるよう努めなければならない。 (地方公共団体の責務)第四条 地方公共団体は、国の施策に準じて、聴覚障害者等による電話の利用の円滑化のために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(電話提供事業者の責務)第五条 電話提供事業者は、聴覚障害者等による電話の利用の円滑化において自らが果たす役割の重要性に鑑み、情報通信技術その他の技術を活用し、聴覚障害者等による電話の利用の円滑化のために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(国民の責務)第六条 国民は、聴覚障害者等による電話の利用の円滑化の重要性について理解を深めるとともに、聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に必要な協力をするよう努めなければならない。
(基本方針)第七条 総務大臣は、聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する基本的な方針(以下この条及び次章第一節において「基本方針」という。)を定めなければならない。
2 基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。一 聴覚障害者等による電話の利用の円滑化の意義に関する事項
二 聴覚障害者等による電話の利用の円滑化のための施策に関する基本的な事項
三 電話リレーサービス提供業務の実施方法及び電話リレーサービスの利用に係る料金に関する事項その他電話リレーサービス提供業務に関する基本的な事項
四 前三号に掲げるもののほか、聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する重要事項
3 総務大臣は、基本方針を定めようとするときは、あらかじめ、聴覚障害者等その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるとともに、厚生労働大臣に協議しなければならない。 4 総務大臣は、基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。 5 前二項の規定は、基本方針の変更について準用する。第二章 指定法人
第一節 電話リレーサービス提供機関
(電話リレーサービス提供機関の指定等)第八条 総務大臣は、一般社団法人又は一般財団法人であって、電話リレーサービス提供業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、全国を通じて一個に限り、電話リレーサービス提供機関として指定することができる。
2 総務大臣は、前項の申請をした者が次の各号のいずれかに該当するときは、同項の規定による指定(以下この節において単に「指定」という。)をしてはならない。一 第十九条第一項又は第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者
二 その役員のうちに、次のいずれかに該当する者がある者
イ 禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
ロ 第十四条第二項の規定による命令により解任され、その解任の日から五年を経過しない者
ハ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者(次号において「暴力団員等」という。)
三 暴力団員等がその事業活動を支配する者
3 総務大臣は、指定をしたときは、当該指定を受けた電話リレーサービス提供機関の名称及び住所、電話リレーサービス提供業務を行う事務所の所在地並びに電話リレーサービス提供業務の開始の日を公示しなければならない。 4 電話リレーサービス提供機関は、その名称若しくは住所又は電話リレーサービス提供業務を行う事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を総務大臣に届け出なければならない。 5 総務大臣は、前項の規定による届出があったときは、その旨を公示しなければならない。 (業務)第九条 電話リレーサービス提供機関は、基本方針に従って、次に掲げる業務を行うものとする。
一 電話リレーサービスを提供すること。
二 前号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
(電話リレーサービス提供業務規程)第十条 電話リレーサービス提供機関は、電話リレーサービス提供業務を行うときは、その開始前に、電話リレーサービス提供業務の実施方法及び電話リレーサービスの利用に係る料金に関する事項その他の総務省令で定める事項に関する規程(以下この節において「電話リレーサービス提供業務規程」という。)を定め、総務大臣の認可を受けなければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。
2 総務大臣は、前項の認可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、当該認可をしなければならない。一 基本方針に適合し、かつ、電話リレーサービス提供業務の実施方法及び電話リレーサービスの利用に係る料金に関する事項が適正かつ明確に定められていること。
二 特定の者に対し不当な差別的取扱いをするものでないこと。
三 電話リレーサービスの利用者の利益を不当に害するおそれがあるものでないこと。
3 総務大臣は、第一項の認可をした電話リレーサービス提供業務規程が電話リレーサービス提供業務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、電話リレーサービス提供機関に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。 4 電話リレーサービス提供機関は、第一項の認可を受けたときは、遅滞なく、当該認可を受けた電話リレーサービス提供業務規程を公表しなければならない。 (事業計画等)第十一条 電話リレーサービス提供機関は、毎事業年度、総務省令で定めるところにより、電話リレーサービス提供業務に関し事業計画書及び収支予算書を作成し、当該事業年度の開始前に(指定を受けた日の属する事業年度にあっては、当該指定を受けた後遅滞なく)、総務大臣の認可を受けなければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。
2 電話リレーサービス提供機関は、前項の認可を受けたときは、遅滞なく、当該認可を受けた事業計画書及び収支予算書を公表しなければならない。 3 電話リレーサービス提供機関は、毎事業年度、総務省令で定めるところにより、電話リレーサービス提供業務に関し事業報告書及び収支決算書を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に総務大臣に提出するとともに、これを公表しなければならない。 (業務の休廃止)第十二条 電話リレーサービス提供機関は、総務大臣の許可を受けなければ、電話リレーサービス提供業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
(区分経理)第十三条 電話リレーサービス提供機関は、電話リレーサービス提供業務以外の業務を行っている場合には、当該業務に係る経理と電話リレーサービス提供業務に係る経理とを区分して整理しなければならない。
(役員の選任及び解任)第十四条 電話リレーサービス提供機関の電話リレーサービス提供業務に従事する役員の選任及び解任は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 総務大臣は、電話リレーサービス提供機関の電話リレーサービス提供業務に従事する役員が、この法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分に違反したとき、第十条第一項の認可を受けた電話リレーサービス提供業務規程に違反する行為をしたとき、又は電話リレーサービス提供業務に関し著しく不適当な行為をしたときは、電話リレーサービス提供機関に対し、当該役員を解任すべきことを命ずることができる。 (秘密保持義務)第十五条 電話リレーサービス提供機関の電話リレーサービス提供業務に従事する役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、正当な理由がなく、電話リレーサービス提供業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(帳簿の備付け等)第十六条 電話リレーサービス提供機関は、総務省令で定めるところにより、帳簿(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次条第一項及び第三十三条第二号において同じ。)を備え付け、電話リレーサービス提供業務に関する事項で総務省令で定めるものを記載し、又は記録し、及びこれを保存しなければならない。
(報告徴収及び立入検査)第十七条 総務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、電話リレーサービス提供機関に対し、電話リレーサービス提供業務に関し報告をさせ、又はその職員に、電話リレーサービス提供機関の事務所に立ち入り、電話リレーサービス提供業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 (監督命令)第十八条 総務大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、電話リレーサービス提供機関に対し、電話リレーサービス提供業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(指定の取消し等)第十九条 総務大臣は、電話リレーサービス提供機関が第八条第二項第二号又は第三号に該当するに至ったときは、その指定を取り消さなければならない。
2 総務大臣は、電話リレーサービス提供機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて電話リレーサービス提供業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。一 電話リレーサービス提供業務を適正かつ確実に行うことができないと認められるとき。
二 指定に関し不正の行為があったとき。
三 この法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分に違反したとき、又は第十条第一項の認可を受けた電話リレーサービス提供業務規程によらないで電話リレーサービス提供業務を行ったとき。
3 総務大臣は、第一項若しくは前項の規定により指定を取り消し、又は同項の規定により電話リレーサービス提供業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を公示しなければならない。 4 第一項又は第二項の規定による指定の取消しが行われた場合において、電話リレーサービス支援機関が当該指定の取消しに係る法人に交付した交付金(第二十一条第一号に規定する交付金をいう。以下この条において同じ。)がなお存するときは、当該法人は、電話リレーサービス支援機関に当該交付金を速やかに返還しなければならない。 5 前項に定めるもののほか、総務大臣が、第一項又は第二項の規定により指定を取り消した場合における交付金の取扱いその他の必要な事項は、総務省令で定める。第二節 電話リレーサービス支援機関
(電話リレーサービス支援機関の指定)第二十条 総務大臣は、一般社団法人又は一般財団法人であって、電話リレーサービス支援業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、全国を通じて一個に限り、電話リレーサービス支援機関として指定することができる。
(業務)第二十一条 電話リレーサービス支援機関は、次に掲げる業務を行うものとする。
一 電話リレーサービス提供業務に要する費用に充てるための交付金を交付すること。
二 電話リレーサービス支援業務に要する費用に充てるための負担金を徴収すること。
三 前二号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
(電話リレーサービス支援業務規程)第二十二条 電話リレーサービス支援機関は、電話リレーサービス支援業務を行うときは、その開始前に、電話リレーサービス支援業務の実施方法その他の総務省令で定める事項に関する規程(第三項及び第四項において「電話リレーサービス支援業務規程」という。)を定め、総務大臣の認可を受けなければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。
2 総務大臣は、前項の認可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、当該認可をしなければならない。一 電話リレーサービス支援業務の実施方法が適正かつ明確に定められていること。
二 特定の者に対し不当な差別的取扱いをするものでないこと。
三 聴覚障害者等及び電話提供事業者の利益を不当に害するおそれがあるものでないこと。
3 総務大臣は、第一項の認可をした電話リレーサービス支援業務規程が電話リレーサービス支援業務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、電話リレーサービス支援機関に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。 4 電話リレーサービス支援機関は、第一項の認可を受けたときは、遅滞なく、当該認可を受けた電話リレーサービス支援業務規程を公表しなければならない。 (事業計画等)第二十三条 電話リレーサービス支援機関は、毎事業年度、総務省令で定めるところにより、電話リレーサービス支援業務に関し事業計画書及び収支予算書を作成し、当該事業年度の開始前に(第二十条の規定による指定を受けた日の属する事業年度にあっては、当該指定を受けた後遅滞なく)、総務大臣の認可を受けなければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。
2 電話リレーサービス支援機関は、前項の認可を受けたときは、遅滞なく、当該認可を受けた事業計画書及び収支予算書を公表しなければならない。 3 電話リレーサービス支援機関は、毎事業年度、総務省令で定めるところにより、電話リレーサービス支援業務に関し事業報告書及び収支決算書を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に総務大臣に提出するとともに、これを公表しなければならない。 (交付金の交付)第二十四条 電話リレーサービス支援機関は、毎年度(毎年四月一日から翌年三月三十一日までをいう。以下この条及び次条において同じ。)、総務省令で定めるところにより、電話リレーサービス提供機関に対して、第二十一条第一号に規定する交付金(以下この条及び第二十八条第二項において単に「交付金」という。)を交付しなければならない。
2 電話リレーサービス支援機関は、毎年度、総務省令で定める方法により交付金の額を算定し、電話リレーサービス支援業務諮問委員会の議を経て、当該年度の開始前に(第二十条の規定による指定を受けた日の属する年度にあっては、当該指定を受けた後遅滞なく)、総務省令で定めるところにより、交付金の額及び交付方法について総務大臣の認可を受けなければならない。 3 電話リレーサービス支援機関は、前項の認可を受けたときは、総務省令で定めるところにより、当該認可を受けた交付金の額を公表しなければならない。 4 電話リレーサービス提供機関は、毎年度、総務省令で定めるところにより、電話リレーサービス支援機関が交付金の額の算定をするための資料として、当該算定に係る年度における電話リレーサービス提供業務に要する費用の額の予想額及び電話リレーサービス提供業務により生ずる収益の額の予想額その他総務省令で定める事項を電話リレーサービス支援機関に届け出なければならない。 (負担金の徴収)第二十五条 電話リレーサービス支援機関は、毎年度、電話提供事業者であって、その事業の規模が総務省令で定める基準を超えるもの(以下この条及び次条において「特定電話提供事業者」という。)から、第二十一条第二号に規定する負担金(以下この節において単に「負担金」という。)を徴収しなければならない。
2 電話リレーサービス支援機関は、毎年度、総務省令で定める方法により負担金の額を算定し、電話リレーサービス支援業務諮問委員会の議を経て、当該年度の開始前に(第二十条の規定による指定を受けた日の属する年度にあっては、当該指定を受けた後遅滞なく)、総務省令で定めるところにより、負担金の額及び徴収方法について総務大臣の認可を受けなければならない。 3 電話リレーサービス支援機関は、前項の認可を受けたときは、遅滞なく、総務省令で定めるところにより、納付すべき負担金の額、納付期限及び納付方法を特定電話提供事業者に通知しなければならない。 4 特定電話提供事業者は、前項の規定による通知に従い、電話リレーサービス支援機関に対し、負担金を納付する義務を負う。 (負担金の納付の督促等)第二十六条 電話リレーサービス支援機関は、前条第三項の規定による通知を受けた特定電話提供事業者がその納付期限までに当該通知に係る負担金を納付しないときは、督促状により期限を指定してその納付を督促しなければならない。
2 電話リレーサービス支援機関は、前項の規定による督促をしたときは、当該督促に係る負担金の額に納付期限の翌日からその納付の日までの日数に応じ年十四・五パーセントの割合を乗じて計算した金額の延滞金を徴収することができる。 3 電話リレーサービス支援機関は、第一項の規定による督促を受けた特定電話提供事業者が同項の規定により指定された期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、直ちに、その旨を総務大臣に報告しなければならない。 4 総務大臣は、前項の規定による報告を受けたときは、直ちに、当該報告に係る特定電話提供事業者の氏名又は名称及び当該特定電話提供事業者が第一項の規定により指定された期限までにその納付すべき金額を納付していない旨を公表しなければならない。 (資料の交付又は閲覧)第二十七条 電話リレーサービス支援機関は、電話リレーサービス支援業務を行うために必要があるときは、電話提供事業者に対し、資料の提出を求めることができる。
2 前項の規定により資料の提出を求められた電話提供事業者は、遅滞なく、当該資料を電話リレーサービス支援機関に提出しなければならない。 3 総務大臣は、電話リレーサービス支援機関から要請があった場合において、電話リレーサービス支援業務を行うために特に必要があると認めるときは、電話リレーサービス支援機関に対し、必要な資料を交付し、又は閲覧させることができる。 (電話リレーサービス支援業務諮問委員会)第二十八条 電話リレーサービス支援機関には、電話リレーサービス支援業務諮問委員会を置かなければならない。
2 電話リレーサービス支援業務諮問委員会は、電話リレーサービス支援機関の代表者の諮問に応じ、交付金の額及び交付方法、負担金の額及び徴収方法その他電話リレーサービス支援業務の実施に関する重要事項を調査審議し、及びこれらに関し必要と認める意見を電話リレーサービス支援機関の代表者に述べることができる。 3 電話リレーサービス支援業務諮問委員会の委員は、電話提供事業者及び聴覚障害者等の福祉に関して高い識見を有する者その他の学識経験のある者のうちから、総務大臣の認可を受けて、電話リレーサービス支援機関の代表者が任命する。 (準用)第二十九条 第八条第二項から第五項まで及び第十二条から第十九条までの規定は、電話リレーサービス支援機関及び電話リレーサービス支援業務について準用する。 この場合において、第八条第二項中「前項」とあるのは「第二十条」と、「同項」とあるのは「同条」と、第十四条第二項及び第十九条第二項第三号中「第十条第一項」とあるのは「第二十二条第一項」と、「電話リレーサービス提供業務規程」とあるのは「同項に規定する電話リレーサービス支援業務規程」と、同条第四項中「電話リレーサービス支援機関が」とあるのは「第二十五条第一項に規定する特定電話提供事業者が」と、「交付した」とあるのは「納付した」と、「交付金」とあるのは「負担金」と、「第二十一条第一号」とあるのは「第二十一条第二号」と、「法人は、」とあるのは「法人は、総務大臣が次条の規定により新たに指定する」と、「返還しなければ」とあるのは「引き渡さなければ」と、同条第五項中「交付金の取扱い」とあるのは「電話リレーサービス支援業務の引継ぎ」と読み替えるものとする。
第三章 雑則
(連絡及び協力)第三十条 総務大臣及び厚生労働大臣は、この法律の施行に当たっては、聴覚障害者等の福祉の増進に関する事項について、相互に緊密に連絡し、及び協力しなければならない。
(総務省令への委任)第三十一条 この法律に定めるもののほか、第八条第一項の規定による電話リレーサービス提供機関の指定及び第二十条の規定による電話リレーサービス支援機関の指定に関する申請の手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、総務省令で定める。
第四章 罰則
第三十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第十五条(第二十九条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、電話リレーサービス提供業務又は電話リレーサービス支援業務に関し知り得た秘密を漏らした者
二 第十九条第二項(第二十九条において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による業務の全部又は一部の停止の命令に違反した場合におけるその違反行為をした電話リレーサービス提供機関又は電話リレーサービス支援機関の役員又は職員
第三十三条 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした電話リレーサービス提供機関又は電話リレーサービス支援機関の役員又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第十二条(第二十九条において準用する場合を含む。)の規定による許可を受けないで業務の全部又は一部を休止し、又は廃止したとき。
二 第十六条(第二十九条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、帳簿を備え付けず、帳簿に記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、又は帳簿を保存しなかったとき。
三 第十七条第一項(第二十九条において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。
附則
この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。附則(令和四年六月一七日法律第六八号)
この法律は、刑法等一部改正法施行日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。一 第五百九条の規定 公布の日