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令和二年法律第二十二号
家畜遺伝資源に係る不正競争の防止に関する法律

施行日:

出典:e-Gov 法令検索 [XML]

第一章 総則

(目的)

第一条 この法律は、家畜遺伝資源の生産事業者間の公正な競争を確保するため、家畜遺伝資源に係る不正競争の防止及び不正競争に係る損害賠償に関する措置等を講じ、もって畜産業の発展に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条 この法律において「家畜遺伝資源」とは、家畜遺伝資源生産事業者が業として譲渡し、又は引き渡す特定家畜人工授精用精液等(家畜改良増殖法(昭和二十五年法律第二百九号)第三十二条の二第一項に規定する特定家畜人工授精用精液等をいう。)であって、当該家畜遺伝資源生産事業者が契約その他農林水産省令で定める行為によりその使用する者の範囲又はその使用の目的に関する制限を明示したものをいう。

2 この法律において「家畜遺伝資源生産事業者」とは、家畜遺伝資源の生産の事業を行う者をいう。

3 この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。

人を欺き、人に暴行を加え、若しくは人を脅迫し、若しくは窃取する行為により家畜遺伝資源を取得する行為(以下「不正取得行為」という。)又はその管理の委託を受けて業務上自己の占有する他人の家畜遺伝資源を領得する行為(以下「不正領得行為」という。)

不正取得行為又は不正領得行為により取得し、又は領得した家畜遺伝資源を使用し、譲渡し、引き渡し、又は輸出する行為

その家畜遺伝資源について不正取得行為又は不正領得行為が介在したことを知って、又は重大な過失により知らないで、家畜遺伝資源を取得し、又はその取得した家畜遺伝資源を使用し、譲渡し、引き渡し、若しくは輸出する行為

その譲渡又は引渡しを受けた後に不正の利益を得る目的で、又は家畜遺伝資源生産事業者に損害を加える目的で、当該譲渡又は引渡しに係る契約により明示された使用する者の範囲又は使用の目的に関する制限を超えて家畜遺伝資源を使用し、譲渡し、引き渡し、又は輸出する行為

その家畜遺伝資源の譲渡若しくは引渡しが前号に掲げる行為(家畜遺伝資源を譲渡し、又は引き渡す行為に限る。以下この号において「契約外不正譲渡等行為」という。)に該当することを知って、若しくは重大な過失により知らないで、譲渡若しくは引渡しを受けて家畜遺伝資源を取得し、若しくはその家畜遺伝資源について契約外不正譲渡等行為が介在したことを知って、若しくは重大な過失により知らないで、家畜遺伝資源を取得し、又はこれらの行為により取得した家畜遺伝資源を使用し、譲渡し、引き渡し、若しくは輸出する行為

自己の第二号から前号までに掲げる行為(家畜遺伝資源を使用する行為に限る。以下この項において「不正使用行為」という。)により生じた家畜を家畜若しくは家畜の精液若しくは受精卵(以下「家畜等」という。)の生産の用に供し、譲渡し、引き渡し、又は輸出する行為

その家畜が他人の不正使用行為により生じたものであることを知って、又は重大な過失により知らないで、家畜を取得し、又はその取得した家畜を家畜等の生産の用に供し、譲渡し、引き渡し、若しくは輸出する行為

自己の前二号に掲げる行為(家畜を家畜等の生産の用に供する行為に限る。次号において同じ。)により生じた家畜等を譲渡し、引き渡し、又は輸出する行為

その家畜等が他人の第六号又は第七号に掲げる行為により生じたものであることを知って、又は重大な過失により知らないで、家畜等を取得し、又はその取得した家畜等を譲渡し、引き渡し、若しくは輸出する行為

自己の不正使用行為により生じた受精卵を使用し、譲渡し、引き渡し、又は輸出する行為

十一 その受精卵が他人の不正使用行為により生じたものであることを知って、又は重大な過失により知らないで、受精卵を取得し、又はその取得した受精卵を使用し、譲渡し、引き渡し、若しくは輸出する行為

十二 自己の前二号に掲げる行為(受精卵を使用する行為に限る。次号において同じ。)により生じた家畜を譲渡し、引き渡し、又は輸出する行為

十三 その家畜が他人の第十号又は第十一号に掲げる行為により生じたものであることを知って、又は重大な過失により知らないで、家畜を取得し、又はその取得した家畜を譲渡し、引き渡し、若しくは輸出する行為

第二章 民事上の措置

第一節 差止請求、損害賠償等

(差止請求権)

第三条 不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある家畜遺伝資源生産事業者は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。

2 不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある家畜遺伝資源生産事業者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した家畜等(侵害の行為により生じた家畜等を含む。)の廃棄その他の侵害の停止又は予防に必要な行為を請求することができる。

(損害賠償)

第四条 不正競争を行って他人の営業上の利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。 ただし、第十六条の規定により同条に規定する権利が消滅した後に家畜を家畜等の生産の用に供する行為によって生じた損害については、この限りでない。

(損害の額の推定)

第五条 不正競争によって営業上の利益を侵害された家畜遺伝資源生産事業者(以下この条において「被侵害者」という。)が不正競争によって自己の営業上の利益を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その侵害の行為が家畜等の譲渡であるときは、その譲渡した家畜等の数量(以下この項において「譲渡数量」という。)に、当該家畜等に係る家畜遺伝資源についてのその封入される容器一個当たりの利益の額を乗じて得た額を、被侵害者の当該家畜遺伝資源に係る販売その他の行為を行う能力に応じた額を超えない限度において、被侵害者が受けた損害の額とすることができる。 ただし、譲渡数量の全部又は一部に相当する数量の容器に封入された家畜遺伝資源を被侵害者が販売することができないとする事情があるときは、当該事情に相当する数量に応じた額を控除するものとする。

2 被侵害者が不正競争によって自己の営業上の利益を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為により利益を受けているときは、その利益の額は、当該被侵害者が受けた損害の額と推定する。

(家畜遺伝資源を取得した者の当該家畜遺伝資源を使用する行為等の推定)

第六条 家畜遺伝資源について第二条第三項第一号に掲げる行為又は同項第三号若しくは第五号に掲げる行為(家畜遺伝資源を取得する行為に限る。)があった場合において、これらの行為をした者が当該家畜遺伝資源を使用する行為により生ずる家畜又は受精卵の生産をしたときは、その者は、それぞれ同項第二号、第三号又は第五号に掲げる行為(家畜遺伝資源を使用する行為に限る。)として当該生産をしたものと推定する。

第二節 不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴訟

(具体的態様の明示義務)

第七条 不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴訟において、不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがあると主張する家畜遺伝資源生産事業者が侵害の行為を組成したものとして主張する家畜等の具体的態様を相手方が否認するときは、当該相手方は、自己の行為の具体的態様を明らかにしなければならない。 ただし、当該相手方において明らかにすることができない相当の理由があるときは、この限りでない。

(書類の提出等)

第八条 裁判所は、不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴訟においては、当事者の申立てにより、当事者に対し、当該侵害の行為について立証するため、又は当該侵害の行為による損害の計算をするため必要な書類の提出を命ずることができる。 ただし、その書類の所持者においてその提出を拒むことについて正当な理由があるときは、この限りでない。

2 裁判所は、前項本文の申立てに係る書類が同項本文の書類に該当するかどうか又は同項ただし書に規定する正当な理由があるかどうかの判断をするため必要があると認めるときは、書類の所持者にその提示をさせることができる。 この場合においては、何人も、その提示された書類の開示を求めることができない。

3 裁判所は、前項の場合において、第一項本文の申立てに係る書類が同項本文の書類に該当するかどうか又は同項ただし書に規定する正当な理由があるかどうかについて前項後段の書類を開示してその意見を聴くことが必要であると認めるときは、当事者等(当事者(法人である場合にあっては、その代表者)又は当事者の代理人(訴訟代理人及び補佐人を除く。)、使用人その他の従業者をいう。以下同じ。)、訴訟代理人又は補佐人に対し、当該書類を開示することができる。

4 裁判所は、第二項の場合において、同項後段の書類を開示して専門的な知見に基づく説明を聴くことが必要であると認めるときは、当事者の同意を得て、民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第一編第五章第二節第一款に規定する専門委員に対し、当該書類を開示することができる。

5 前各項の規定は、不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴訟における当該侵害の行為について立証するため必要な検証の目的の提示について準用する。

(損害計算のための鑑定)

第九条 不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴訟において、当事者の申立てにより、裁判所が当該侵害の行為による損害の計算をするため必要な事項について鑑定を命じたときは、当事者は、鑑定人に対し、当該鑑定をするため必要な事項について説明しなければならない。

(相当な損害額の認定)

第十条 不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴訟において、損害が生じたことが認められる場合において、損害額を立証するために必要な事実を立証することが当該事実の性質上極めて困難であるときは、裁判所は、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができる。

(秘密保持命令)

第十一条 裁判所は、不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴訟において、その当事者が保有する営業秘密(不正競争防止法(平成五年法律第四十七号)第二条第六項に規定する営業秘密をいう。以下同じ。)について、次に掲げる事由のいずれにも該当することにつき疎明があった場合には、当事者の申立てにより、決定で、当事者等、訴訟代理人又は補佐人に対し、当該営業秘密を当該訴訟の追行の目的以外の目的で使用し、又は当該営業秘密に係るこの項の規定による命令を受けた者以外の者に開示してはならない旨を命ずることができる。 ただし、その申立ての時までに当事者等、訴訟代理人又は補佐人が第一号に規定する準備書面の閲読又は同号に規定する証拠の取調べ若しくは開示以外の方法により当該営業秘密を取得し、又は保有していた場合は、この限りでない。

既に提出され若しくは提出されるべき準備書面に当事者の保有する営業秘密が記載され、又は既に取り調べられ若しくは取り調べられるべき証拠(第八条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定により開示された書類若しくは検証の目的又は第十四条第四項の規定により開示された書面を含む。)の内容に当事者の保有する営業秘密が含まれること。

前号の営業秘密が当該訴訟の追行の目的以外の目的で使用され、又は当該営業秘密が開示されることにより、当該営業秘密に基づく当事者の事業活動に支障を生ずるおそれがあり、これを防止するため当該営業秘密の使用又は開示を制限する必要があること。

2 前項の規定による命令(以下「秘密保持命令」という。)の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。

秘密保持命令を受けるべき者

秘密保持命令の対象となるべき営業秘密を特定するに足りる事実

前項各号に掲げる事由に該当する事実

3 秘密保持命令が発せられた場合には、その決定書を秘密保持命令を受けた者に送達しなければならない。

4 秘密保持命令は、秘密保持命令を受けた者に対する決定書の送達がされた時から、効力を生ずる。

5 秘密保持命令の申立てを却下した裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

(秘密保持命令の取消し)

第十二条 秘密保持命令の申立てをした者又は秘密保持命令を受けた者は、訴訟記録の存する裁判所(訴訟記録の存する裁判所がない場合にあっては、秘密保持命令を発した裁判所)に対し、前条第一項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、秘密保持命令の取消しの申立てをすることができる。

2 秘密保持命令の取消しの申立てについての裁判があった場合には、その決定書をその申立てをした者及び相手方に送達しなければならない。

3 秘密保持命令の取消しの申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

4 秘密保持命令を取り消す裁判は、確定しなければその効力を生じない。

5 裁判所は、秘密保持命令を取り消す裁判をした場合において、秘密保持命令の取消しの申立てをした者又は相手方以外に当該秘密保持命令が発せられた訴訟において当該営業秘密に係る秘密保持命令を受けている者があるときは、その者に対し、直ちに、秘密保持命令を取り消す裁判をした旨を通知しなければならない。

(訴訟記録の閲覧等の請求の通知等)

第十三条 秘密保持命令が発せられた訴訟(全ての秘密保持命令が取り消された訴訟を除く。)に係る訴訟記録につき、民事訴訟法第九十二条第一項の決定があった場合において、当事者から同項に規定する秘密記載部分の閲覧等の請求があり、かつ、その請求の手続を行った者が当該訴訟において秘密保持命令を受けていない者であるときは、裁判所書記官は、同項の申立てをした当事者(その請求をした者を除く。第三項において同じ。)に対し、その請求後直ちに、その請求があった旨を通知しなければならない。

2 前項の場合において、裁判所書記官は、同項の請求があった日から二週間を経過する日までの間(その請求の手続を行った者に対する秘密保持命令の申立てがその日までにされた場合にあっては、その申立てについての裁判が確定するまでの間)、その請求の手続を行った者に同項の秘密記載部分の閲覧等をさせてはならない。

3 前二項の規定は、第一項の請求をした者に同項の秘密記載部分の閲覧等をさせることについて民事訴訟法第九十二条第一項の申立てをした当事者の全ての同意があるときは、適用しない。

(当事者尋問等の公開停止)

第十四条 不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴訟における当事者等が、その侵害の有無についての判断の基礎となる事項であって当事者の保有する営業秘密に該当するものについて、当事者本人若しくは法定代理人又は証人として尋問を受ける場合においては、裁判所は、裁判官の全員一致により、その当事者等が公開の法廷で当該事項について陳述をすることにより当該営業秘密に基づく当事者の事業活動に著しい支障を生ずることが明らかであることから当該事項について十分な陳述をすることができず、かつ、当該陳述を欠くことにより他の証拠のみによっては当該事項を判断の基礎とすべき不正競争による営業上の利益の侵害の有無についての適正な裁判をすることができないと認めるときは、決定で、当該事項の尋問を公開しないで行うことができる。

2 裁判所は、前項の決定をするに当たっては、あらかじめ、当事者等の意見を聴かなければならない。

3 裁判所は、前項の場合において、必要があると認めるときは、当事者等にその陳述すべき事項の要領を記載した書面の提示をさせることができる。 この場合においては、何人も、その提示された書面の開示を求めることができない。

4 裁判所は、前項後段の書面を開示してその意見を聴くことが必要であると認めるときは、当事者等、訴訟代理人又は補佐人に対し、当該書面を開示することができる。

5 裁判所は、第一項の規定により当該事項の尋問を公開しないで行うときは、公衆を退廷させる前に、その旨を理由とともに言い渡さなければならない。 当該事項の尋問が終了したときは、再び公衆を入廷させなければならない。

(信用回復の措置)

第十五条 不正競争を行って家畜遺伝資源生産事業者の営業上の信用を害した者に対しては、裁判所は、当該家畜遺伝資源生産事業者の請求により、損害の賠償に代え、又は損害の賠償とともに、当該家畜遺伝資源生産事業者の営業上の信用を回復するのに必要な措置を命ずることができる。

第三節 雑則

(消滅時効)

第十六条 第二条第三項第六号及び第七号に掲げる不正競争のうち、家畜を家畜等の生産の用に供する行為に対する第三条第一項の規定による侵害の停止又は予防を請求する権利は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

その行為を行う者がその行為を継続する場合において、その行為により営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある家畜遺伝資源生産事業者がその事実及びその行為を行う者を知った時から三年間行わないとき。

その行為の開始の時から二十年を経過したとき。

(適用除外)

第十七条 前二節及び次章の規定は、前条の規定により同条に規定する権利が消滅した後に家畜を家畜等の生産の用に供する行為により生じた家畜等を取得し、譲渡し、引き渡し、又は輸出する行為については、適用しない。

第三章 罰則

第十八条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

不正の利益を得る目的で、又はその家畜遺伝資源生産事業者に損害を加える目的で、人を欺き、人に暴行を加え、若しくは人を脅迫し、又は窃取する行為により、家畜遺伝資源を取得したとき。

不正の利益を得る目的で、又はその家畜遺伝資源生産事業者に損害を加える目的で、その管理の委託を受けて業務上自己の占有する他人の家畜遺伝資源を領得したとき。

不正の利益を得る目的で、又はその家畜遺伝資源生産事業者に損害を加える目的で、前二号の罪に当たる行為により取得し、又は領得した家畜遺伝資源を使用し、譲渡し、引き渡し、又は輸出したとき。

不正の利益を得る目的で、又はその家畜遺伝資源生産事業者に損害を加える目的で、前号の罪又は第十号の罪に当たる譲渡又は引渡しを受けて家畜遺伝資源を取得して、その家畜遺伝資源を使用し、譲渡し、引き渡し、又は輸出したとき。

不正の利益を得る目的で、又はその家畜遺伝資源生産事業者に損害を加える目的で、前二号の罪又は第十号の罪に当たる譲渡又は引渡しが介在したことを知って家畜遺伝資源を取得して、その家畜遺伝資源を使用し、譲渡し、引き渡し、又は輸出したとき。

不正の利益を得る目的で、又はその家畜遺伝資源生産事業者に損害を加える目的で、自己又は他人の前三号(家畜遺伝資源の使用に係る部分に限る。)又は第十一号の罪に当たる行為(以下この号及び第八号において「違法使用行為」という。)により生じた家畜を家畜等の生産の用に供し、譲渡し、引き渡し、輸出し、又は輸入したとき(当該家畜が他人の違法使用行為により生じたものであることの情を知らないで譲渡又は引渡しを受け、当該家畜を家畜等の生産の用に供し、譲渡し、引き渡し、輸出し、又は輸入した場合を除く。)。

不正の利益を得る目的で、又はその家畜遺伝資源生産事業者に損害を加える目的で、自己又は他人の前号の罪(家畜を家畜等の生産の用に供する行為に係るものに限る。以下この号において同じ。)に当たる行為により生じた家畜等を譲渡し、引き渡し、又は輸出したとき(当該家畜等が他人の前号の罪に当たる行為により生じたものであることの情を知らないで譲渡又は引渡しを受け、当該家畜等を譲渡し、引き渡し、又は輸出した場合を除く。)。

不正の利益を得る目的で、又はその家畜遺伝資源生産事業者に損害を加える目的で、自己又は他人の違法使用行為により生じた受精卵を使用し、譲渡し、引き渡し、輸出し、又は輸入したとき(当該受精卵が他人の違法使用行為により生じたものであることの情を知らないで譲渡又は引渡しを受け、当該受精卵を使用し、譲渡し、引き渡し、輸出し、又は輸入した場合を除く。)。

不正の利益を得る目的で、又はその家畜遺伝資源生産事業者に損害を加える目的で、自己又は他人の前号の罪(受精卵を使用する行為に係るものに限る。以下この号において同じ。)に当たる行為により生じた家畜を譲渡し、引き渡し、又は輸出したとき(当該家畜が他人の前号の罪に当たる行為により生じたものであることの情を知らないで譲渡又は引渡しを受け、当該家畜を譲渡し、引き渡し、又は輸出した場合を除く。)。

相手方に日本国外において第四号の罪に当たる使用をする目的があることの情を知って、家畜遺伝資源を譲渡し、引き渡し、又は輸出したとき。

十一 日本国内において事業を行う家畜遺伝資源生産事業者の家畜遺伝資源について、日本国外において第三号から第五号までの罪に当たる使用をしたとき。

2 秘密保持命令に違反した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

3 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

4 第二項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。

5 第一項の規定は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用を妨げない。

第十九条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条第一項第一号、第三号(同項第一号に係る部分に限る。)若しくは第四号から第十一号まで又は第二項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して三億円以下の罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。

2 前項の場合において、当該行為者に対してした前条第二項の罪に係る同条第三項の告訴は、その法人又は人に対しても効力を生じ、その法人又は人に対してした告訴は、当該行為者に対しても効力を生ずるものとする。

3 第一項の規定により法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、同項に規定する規定の罪についての時効の期間による。

附則

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(経過措置)
第二条 第二章第一節及び第二節並びに第三章の規定は、次に掲げる行為であってこの法律の施行の日(以下この条において「施行日」という。)以後に行われるものについては、適用しない。

(検討)
第三条 政府は、この法律の施行後五年以内に、この法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

附則(令和四年五月二五日法律第四八号)

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して四年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

(政令への委任)
第百二十五条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

附則(令和四年六月一七日法律第六八号)

この法律は、刑法等一部改正法施行日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

第五百九条の規定 公布の日