第一条 出入国管理及び難民認定法(以下「法」という。)第二条の五第一項の法務省令で定める基準のうち雇用関係に関する事項に係るものは、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)その他の労働に関する法令の規定に適合していることのほか、次のとおりとする。
一 出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄に規定する産業上の分野等を定める省令(平成三十一年法務省令第六号)で定める分野に属する同令で定める相当程度の知識若しくは経験を必要とする技能を要する業務又は当該分野に属する同令で定める熟練した技能を要する業務に外国人を従事させるものであること。
二 外国人の所定労働時間が、特定技能所属機関に雇用される通常の労働者の所定労働時間と同等であること。
三 外国人に対する報酬の額が日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であること。
四 外国人であることを理由として、報酬の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、差別的な取扱いをしていないこと。
五 外国人が一時帰国を希望した場合には、必要な有給休暇を取得させるものとしていること。
六 外国人を労働者派遣等(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号。以下「労働者派遣法」という。)第二条第一号に規定する労働者派遣及び船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)第六条第十一項に規定する船員派遣をいう。以下同じ。)の対象とする場合にあっては、当該外国人が労働者派遣等をされることとなる本邦の公私の機関の氏名又は名称及び住所並びにその派遣の期間が定められていること。
七 前各号に掲げるもののほか、法務大臣が告示で定める特定の産業上の分野に係るものにあっては、当該産業上の分野を所管する関係行政機関の長が、法務大臣と協議の上、当該産業上の分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準に適合すること。
2 法第二条の五第一項の法務省令で定める基準のうち外国人の適正な在留に資するために必要な事項に係るものは、次のとおりとする。一 外国人が特定技能雇用契約の終了後の帰国に要する旅費を負担することができないときは、当該特定技能雇用契約の相手方である特定技能所属機関が、当該旅費を負担するとともに、当該特定技能雇用契約の終了後の出国が円滑になされるよう必要な措置を講ずることとしていること。
二 特定技能所属機関が外国人の健康の状況その他の生活の状況を把握するために必要な措置を講ずることとしていること。
三 前各号に掲げるもののほか、法務大臣が告示で定める特定の産業上の分野に係るものにあっては、当該産業上の分野を所管する関係行政機関の長が、法務大臣と協議の上、当該産業上の分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準に適合すること。
(特定技能雇用契約の相手方となる本邦の公私の機関の基準)第二条 法第二条の五第三項の法務省令で定める基準のうち適合特定技能雇用契約の適正な履行の確保に係るものは、次のとおりとする。
一 労働、社会保険及び租税に関する法令の規定を遵守していること。
二 特定技能雇用契約の締結の日前一年以内又はその締結の日以後に、当該特定技能雇用契約において外国人が従事することとされている業務と同種の業務に従事していた労働者(次に掲げる者を除く。)を離職させていないこと。 イ 定年その他これに準ずる理由により退職した者
ロ 自己の責めに帰すべき重大な理由により解雇された者
ハ 期間の定めのある労働契約(以下「有期労働契約」という。)の期間満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了(労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該有期労働契約の期間満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって、当該有期労働契約の相手方である特定技能所属機関が当該労働者の責めに帰すべき重大な理由その他正当な理由により当該申込みを拒絶することにより当該有期労働契約を終了させる場合に限る。)された者
ニ 自発的に離職した者
三 特定技能雇用契約の締結の日前一年以内又はその締結の日以後に、当該特定技能雇用契約の相手方である特定技能所属機関の責めに帰すべき事由により外国人の行方不明者を発生させていないこと。
四 次のいずれにも該当しないこと。 イ 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者
ロ 次に掲げる規定又はこれらの規定に基づく命令の規定により、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者
ハ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)の規定(同法第五十条(第二号に係る部分に限る。)及び第五十二条の規定を除く。)により、又は刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者
ニ 健康保険法(大正十一年法律第七十号)第二百八条、第二百十三条の二若しくは第二百十四条第一項、船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)第百五十六条、第百五十九条若しくは第百六十条第一項、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)第五十一条前段若しくは第五十四条第一項(同法第五十一条前段の規定に係る部分に限る。)、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第百二条、第百三条の二若しくは第百四条第一項(同法第百二条又は第百三条の二の規定に係る部分に限る。)、労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和四十四年法律第八十四号)第四十六条前段若しくは第四十八条第一項(同法第四十六条前段の規定に係る部分に限る。)又は雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第八十三条若しくは第八十六条(同法第八十三条の規定に係る部分に限る。)の規定により、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者
ホ 精神の機能の障害により特定技能雇用契約の履行を適正に行うに当たっての必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者
ヘ 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
ト 技能実習法第十六条第一項の規定により実習認定を取り消され、当該取消しの日から起算して五年を経過しない者
チ 技能実習法第十六条第一項の規定により実習認定を取り消された者が法人である場合(同項第三号の規定により実習認定を取り消された場合については、当該法人がロ又はニに規定する者に該当することとなったことによる場合に限る。)において、当該取消しの処分を受ける原因となった事項が発生した当時現に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。ヲにおいて同じ。)であった者で、当該取消しの日から起算して五年を経過しないもの
リ 特定技能雇用契約の締結の日前五年以内又はその締結の日以後に、次に掲げる行為その他の出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をした者
ヌ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規定する暴力団員(以下「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者(以下「暴力団員等」という。)
ル 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であって、その法定代理人がイからヌまで又はヲのいずれかに該当するもの
ヲ 法人であって、その役員のうちにイからルまでのいずれかに該当する者があるもの
ワ 暴力団員等がその事業活動を支配する者
五 特定技能雇用契約に係る外国人の活動の内容に係る文書を作成し、当該外国人に当該特定技能雇用契約に基づく活動をさせる事業所に当該特定技能雇用契約の終了の日から一年以上備えて置くこととしていること。
六 特定技能雇用契約を締結するに当たり、外国人又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該外国人と社会生活において密接な関係を有する者が、当該特定技能雇用契約に基づく当該外国人の本邦における活動に関連して、他の者に、保証金の徴収その他名目のいかんを問わず金銭その他の財産の管理をされている場合、又は、他の者との間で、当該特定技能雇用契約の不履行について違約金を定める契約その他の不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約を締結している場合にあっては、そのことを認識して当該特定技能雇用契約を締結していないこと。
七 他の者との間で、特定技能雇用契約に基づく当該外国人の本邦における活動に関連して、当該特定技能雇用契約の不履行について違約金を定める契約その他の不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約を締結していないこと。
八 法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄第一号に掲げる活動を行おうとする外国人と特定技能雇用契約を締結しようとする本邦の公私の機関にあっては、一号特定技能外国人支援に要する費用について、直接又は間接に当該外国人に負担させないこととしていること。
九 外国人を労働者派遣等の対象としようとする本邦の公私の機関にあっては、次のいずれにも該当すること。 イ 外国人を労働者派遣等の対象としようとする本邦の公私の機関が、次のいずれかに該当し、かつ、外国人が派遣先において従事する業務の属する特定産業分野を所管する関係行政機関の長と協議の上で適当であると認められる者であること。
ロ 外国人を労働者派遣等の対象としようとする本邦の公私の機関が、第一号から第四号までのいずれにも該当する者に当該外国人に係る労働者派遣等をすることとしていること。
十 事業に関する労働者災害補償保険法による労働者災害補償保険に係る保険関係の成立の届出その他これに類する措置を講じていること。
十一 特定技能雇用契約を継続して履行する体制が適切に整備されていること。
十二 特定技能雇用契約に基づく外国人の報酬を、当該外国人の指定する銀行その他の金融機関に対する当該外国人の預金口座若しくは貯金口座への振込み又は当該外国人に現実に支払われた額を確認することができる方法によって支払われることとしており、かつ、当該預金口座又は貯金口座への振込み以外の方法によって報酬の支払をした場合には、出入国在留管理庁長官に対しその支払の事実を裏付ける客観的な資料を提出し、出入国在留管理庁長官の確認を受けることとしていること。
十三 前各号に掲げるもののほか、法務大臣が告示で定める特定の産業上の分野に係るものにあっては、当該産業上の分野を所管する関係行政機関の長が、法務大臣と協議の上、当該産業上の分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準に適合すること。
2 法第二条の五第三項の法務省令で定める基準のうち適合一号特定技能外国人支援計画の適正な実施の確保に係るものは、次のとおりとする。一 次のいずれかに該当すること。 イ 過去二年間に法別表第一の一の表、二の表及び五の表の上欄の在留資格(収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行うことができる在留資格に限る。ロにおいて同じ。)をもって在留する中長期在留者の受入れ又は管理を適正に行った実績があり、かつ、役員又は職員の中から、適合一号特定技能外国人支援計画の実施に関する責任者(以下「支援責任者」という。)及び外国人に特定技能雇用契約に基づく活動をさせる事業所ごとに一名以上の適合一号特定技能外国人支援計画に基づく支援を担当する者(以下「支援担当者」という。)を選任していること(ただし、支援責任者は支援担当者を兼ねることができる。以下同じ。)。
ロ 役員又は職員であって過去二年間に法別表第一の一の表、二の表及び五の表の上欄の在留資格をもって在留する中長期在留者の生活相談業務に従事した経験を有するものの中から、支援責任者及び外国人に特定技能雇用契約に基づく活動をさせる事業所ごとに一名以上の支援担当者を選任していること。
ハ イ又はロの基準に適合する者のほか、これらの者と同程度に支援業務を適正に実施することができる者として認めたもので、役員又は職員の中から、支援責任者及び外国人に特定技能雇用契約に基づく活動をさせる事業所ごとに一名以上の支援担当者を選任していること。
二 特定技能雇用契約の当事者である外国人に係る一号特定技能外国人支援計画に基づく職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援を当該外国人が十分に理解することができる言語によって行うことができる体制を有していること。
三 一号特定技能外国人支援の状況に係る文書を作成し、当該一号特定技能外国人支援を行う事業所に特定技能雇用契約の終了の日から一年以上備えて置くこととしていること。
四 支援責任者及び支援担当者が、外国人を監督する立場にない者その他の一号特定技能外国人支援計画の中立な実施を行うことができる立場の者であり、かつ、第一項第四号イからルまでのいずれにも該当しない者であること。
五 特定技能雇用契約の締結の日前五年以内又はその締結の日以後に、法第十九条の二十二第一項の規定に反して適合一号特定技能外国人支援計画に基づいた一号特定技能外国人支援を怠ったことがないこと。
六 支援責任者又は支援担当者が特定技能雇用契約の当事者である外国人及びその監督をする立場にある者と定期的な面談を実施することができる体制を有していること。
七 前各号に掲げるもののほか、法務大臣が告示で定める特定の産業上の分野に係るものにあっては、当該産業上の分野を所管する関係行政機関の長が、法務大臣と協議の上、当該産業上の分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準に適合すること。
(一号特定技能外国人支援計画の内容等)第三条 法第二条の五第六項の一号特定技能外国人支援計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 次に掲げる事項を含む職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援の内容 イ 法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄第一号に掲げる活動を行おうとする外国人に係る在留資格認定証明書の交付の申請前(当該外国人が他の在留資格をもって本邦に在留している場合にあっては、在留資格の変更の申請前)に、当該外国人に対し、特定技能雇用契約の内容、当該外国人が本邦において行うことができる活動の内容、上陸及び在留のための条件その他の当該外国人が本邦に上陸し在留するに当たって留意すべき事項に関する情報の提供を実施すること。
ロ 当該外国人が出入国しようとする港又は飛行場において当該外国人の送迎をすること。
ハ 当該外国人が締結する賃貸借契約に基づく当該外国人の債務についての保証人となることその他の当該外国人のための適切な住居の確保に係る支援をすることのほか、銀行その他の金融機関における預金口座又は貯金口座の開設及び携帯電話の利用に関する契約その他の生活に必要な契約に係る支援をすること。
ニ 当該外国人が本邦に入国した後(当該外国人が他の在留資格をもって本邦に在留している者である場合にあっては、在留資格の変更を受けた後)、次に掲げる事項に関する情報の提供を実施すること。
ホ 当該外国人がニ(2)に掲げる届出その他の手続を履行するに当たり、必要に応じ、関係機関への同行その他の必要な支援をすること。
ヘ 本邦での生活に必要な日本語を学習する機会を提供すること。
ト 当該外国人から職業生活、日常生活又は社会生活に関し、相談又は苦情の申出を受けたときは、遅滞なく、当該相談又は苦情に適切に応じるとともに、当該外国人への助言、指導その他の必要な措置を講ずること。
チ 当該外国人と日本人との交流の促進に係る支援をすること。
リ 当該外国人が、その責めに帰すべき事由によらないで特定技能雇用契約を解除される場合においては、公共職業安定所その他の職業安定機関又は職業紹介事業者等の紹介その他の他の本邦の公私の機関との特定技能雇用契約に基づいて法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄第一号に掲げる活動を行うことができるようにするための支援をすること。
ヌ 支援責任者又は支援担当者が当該外国人及びその監督をする立場にある者と定期的な面談を実施し、労働基準法その他の労働に関する法令の規定に違反していることその他の問題の発生を知ったときは、その旨を労働基準監督署その他の関係行政機関に通報すること。
二 適合一号特定技能外国人支援計画の全部の実施を契約により登録支援機関に委託する場合にあっては、当該登録支援機関に係る登録支援機関登録簿に登録された事項及び当該契約の内容
三 一号特定技能外国人支援の実施を契約により他の者に委託する場合にあっては、当該他の者の氏名又は名称及び住所並びに当該契約の内容
四 支援責任者及び支援担当者の氏名及び役職名
五 前各号に掲げるもののほか、法務大臣が告示で定める特定の産業上の分野に係るものにあっては、当該産業上の分野を所管する関係行政機関の長が、法務大臣と協議の上、当該産業上の分野に特有の事情に鑑みて告示で定める事項
2 一号特定技能外国人支援計画は、特定技能所属機関が、日本語及び当該一号特定技能外国人支援計画に係る外国人が十分に理解することができる言語により作成し、当該外国人にその写しを交付しなければならない。 (一号特定技能外国人支援計画の基準)第四条 法第二条の五第八項の法務省令で定める基準は、次のとおりとする。
一 法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄第一号に掲げる活動を行おうとする外国人に対する職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援の内容が、当該外国人の適正な在留に資するものであって、かつ、特定技能所属機関(契約により他の者に一号特定技能外国人支援の全部の実施を委託した特定技能所属機関を除く。)及び特定技能所属機関から契約により一号特定技能外国人支援の全部又は一部の実施の委託を受けた者において適切に実施することができるものであること。
二 前条第一項第一号イに掲げる支援が、対面により又はテレビ電話装置その他の方法により実施されることとされていること。
三 前条第一項第一号イ、ニ、ト及びヌ(外国人との定期的な面談の実施の場合に限る。)に掲げる支援が、外国人が十分に理解することができる言語により実施されることとされていること。
四 一号特定技能外国人支援の一部の実施を契約により他の者に委託する場合にあっては、その委託の範囲が明示されていること。
五 前各号に掲げるもののほか、法務大臣が告示で定める特定の産業上の分野に係るものにあっては、当該産業上の分野を所管する関係行政機関の長が、法務大臣と協議の上、当該産業上の分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準に適合すること。