第一章 総則
(目的)第一条 この法律は、地球温暖化(地球温暖化対策の推進に関する法律(平成十年法律第百十七号)第二条第一項に規定する地球温暖化をいう。)その他の気候の変動(以下「気候変動」という。)に起因して、生活、社会、経済及び自然環境における気候変動影響が生じていること並びにこれが長期にわたり拡大するおそれがあることに鑑み、気候変動適応に関する計画の策定、気候変動影響及び気候変動適応に関する情報の提供、熱中症対策の推進その他必要な措置を講ずることにより、気候変動適応を推進し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
(定義)第二条 この法律において「気候変動影響」とは、気候変動に起因して、人の健康又は生活環境の悪化、生物の多様性の低下その他の生活、社会、経済又は自然環境において生ずる影響をいう。
2 この法律において「気候変動適応」とは、気候変動影響に対応して、これによる被害の防止又は軽減その他生活の安定、社会若しくは経済の健全な発展又は自然環境の保全を図ることをいう。 3 この法律において「熱中症対策」とは、気候変動適応のうち、熱中症による人の健康に係る被害の発生を防止するために国若しくは地方公共団体が講ずる施策又は事業者若しくは国民が行う取組をいう。 (国の責務)第三条 国は、気候変動、気候変動影響及び気候変動適応(以下「気候変動等」という。)に関する科学的知見の充実及びその効率的かつ効果的な活用を図るとともに、気候変動適応に関する施策を総合的に策定し、及び推進するものとする。
2 国は、気候変動適応に関する施策の推進を図るため、並びに地方公共団体の気候変動適応に関する施策の促進並びに事業者、国民又はこれらの者の組織する民間の団体(以下「事業者等」という。)の気候変動適応及び気候変動適応に資する事業活動の促進を図るため、気候変動等に関する情報の収集、整理、分析及び提供を行う体制の確保その他の措置を講ずるよう努めるものとする。 (地方公共団体の責務)第四条 地方公共団体は、その区域における自然的経済的社会的状況に応じた気候変動適応に関する施策を推進するよう努めるものとする。
2 地方公共団体は、その区域における事業者等の気候変動適応及び気候変動適応に資する事業活動の促進を図るため、前項に規定する施策に関する情報の提供その他の措置を講ずるよう努めるものとする。 (事業者の努力)第五条 事業者は、自らの事業活動を円滑に実施するため、その事業活動の内容に即した気候変動適応に努めるとともに、国及び地方公共団体の気候変動適応に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(国民の努力)第六条 国民は、気候変動適応の重要性に対する関心と理解を深めるとともに、国及び地方公共団体の気候変動適応に関する施策に協力するよう努めるものとする。
第二章 気候変動適応計画
(気候変動適応計画の策定)第七条 政府は、気候変動適応に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、気候変動適応に関する計画(以下「気候変動適応計画」という。)を定めなければならない。
2 気候変動適応計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。一 計画期間
二 気候変動適応に関する施策の基本的方向
三 気候変動等に関する科学的知見の充実及びその活用に関する事項
四 気候変動等に関する情報の収集、整理、分析及び提供を行う体制の確保に関する事項
五 気候変動適応の推進に関して国立研究開発法人国立環境研究所(以下「研究所」という。)が果たすべき役割に関する事項
六 地方公共団体の気候変動適応に関する施策の促進に関する事項
七 事業者等の気候変動適応及び気候変動適応に資する事業活動の促進に関する事項
八 気候変動等に関する国際連携の確保及び国際協力の推進に関する事項
九 気候変動適応に関する施策の推進に当たっての関係行政機関相互の連携協力の確保に関する事項
十 第十六条第一項に規定する熱中症対策実行計画に関する基本的事項
十一 前各号に掲げるもののほか、気候変動適応に関する重要事項
3 環境大臣は、気候変動適応計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。 4 環境大臣は、気候変動適応計画の案を作成しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長と協議しなければならない。 5 環境大臣は、第三項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、気候変動適応計画を公表しなければならない。 (気候変動適応計画の変更)第八条 政府は、最新の第十条第一項に規定する気候変動影響の総合的な評価その他の事情を勘案して、気候変動適応計画について検討を加え、必要があると認めるときは、速やかに、これを変更しなければならない。
2 前条第三項から第五項までの規定は、気候変動適応計画の変更について準用する。 (評価手法等の開発)第九条 政府は、前条第一項の規定による検討に資するため、気候変動適応計画の実施による気候変動適応の進展の状況をより的確に把握し、及び評価する手法を開発するよう努めるものとする。
(気候変動影響の評価)第十条 環境大臣は、気候変動及び多様な分野における気候変動影響の観測、監視、予測及び評価に関する最新の科学的知見を踏まえ、おおむね五年ごとに、中央環境審議会の意見を聴いて、気候変動影響の総合的な評価についての報告書を作成し、これを公表しなければならない。 ただし、科学的知見の充実その他の事情により必要があると認めるときは、その期間を経過しない時においても、これを行うことができる。
2 前項の報告書を作成しようとするときは、環境大臣は、あらかじめ、その案を作成し、関係行政機関の長と協議しなければならない。第三章 気候変動適応の推進
第一節 気候変動影響及び気候変動適応に関する情報の提供等
(研究所による気候変動適応の推進に関する業務)第十一条 研究所は、気候変動適応計画に従って、次の業務を行う。
一 気候変動影響及び気候変動適応に関する情報の収集、整理、分析及び提供(第二十条第一項の規定による調査に係るものを除く。)
二 都道府県又は市町村(特別区を含む。以下同じ。)に対する次条に規定する地域気候変動適応計画の策定又は推進に係る技術的助言その他の技術的援助
三 第十三条第一項に規定する地域気候変動適応センターに対する技術的助言その他の技術的援助
四 前三号の業務に附帯する業務
2 研究所は、国民一人一人が日常生活において得る気候変動影響に関する情報の有用性に留意するとともに、気候変動等に関する調査研究又は技術開発を行う国の機関又は独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)(第十四条第二項において「調査研究等機関」という。)と連携するよう努めるものとする。 3 環境大臣は、研究所に対し、第一項各号に掲げる業務に関し必要な助言を行うことができる。 (地域気候変動適応計画)第十二条 都道府県及び市町村は、その区域における自然的経済的社会的状況に応じた気候変動適応に関する施策の推進を図るため、単独で又は共同して、気候変動適応計画を勘案し、地域気候変動適応計画(その区域における自然的経済的社会的状況に応じた気候変動適応に関する計画をいう。)を策定するよう努めるものとする。
(地域気候変動適応センター)第十三条 都道府県及び市町村は、その区域における気候変動適応を推進するため、気候変動影響及び気候変動適応に関する情報の収集、整理、分析及び提供並びに技術的助言を行う拠点(次項及び次条第一項において「地域気候変動適応センター」という。)としての機能を担う体制を、単独で又は共同して、確保するよう努めるものとする。
2 地域気候変動適応センターは、研究所との間で、収集した情報並びにこれを整理及び分析した結果の共有を図るものとする。 (気候変動適応広域協議会)第十四条 地方環境事務所その他国の地方行政機関、都道府県、市町村、地域気候変動適応センター、事業者等その他の気候変動適応に関係を有する者は、広域的な連携による気候変動適応に関し必要な協議を行うため、気候変動適応広域協議会(以下この条において「協議会」という。)を組織することができる。
2 協議会は、必要があると認めるときは、研究所又は調査研究等機関に対して、資料の提供、意見の開陳、これらの説明その他の協力を求めることができる。 3 協議会において協議が調った事項については、協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならない。 4 協議会の庶務は、地方環境事務所において処理する。 5 前各項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める。 (関連する施策との連携)第十五条 国及び地方公共団体は、気候変動適応に関する施策の推進に当たっては、防災に関する施策、農林水産業の振興に関する施策、生物の多様性の保全に関する施策その他の関連する施策との連携を図るよう努めるものとする。
第二節 熱中症対策の推進
(熱中症対策実行計画の策定)第十六条 政府は、気候変動適応計画に即して、熱中症対策の集中的かつ計画的な推進を図るため、熱中症対策の実行に関する計画(以下この条及び次条において「熱中症対策実行計画」という。)を定めなければならない。
2 熱中症対策実行計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。一 計画期間
二 熱中症対策の推進に関する目標
三 前号の目標を達成するために必要な国及び地方公共団体の施策に関する事項
四 事業者及び国民による熱中症対策に係る取組の内容に関する事項
五 熱中症対策に関して独立行政法人環境再生保全機構が果たすべき役割に関する事項
六 その他熱中症対策実行計画の実施に関し必要な事項
3 第七条第三項から第五項までの規定は、熱中症対策実行計画の策定について準用する。 (熱中症対策実行計画の変更)第十七条 政府は、熱中症による人の健康に係る被害の状況その他の事情を勘案して、熱中症対策実行計画について検討を加え、必要があると認めるときは、速やかに、これを変更しなければならない。
2 第七条第三項から第五項までの規定は、熱中症対策実行計画の変更について準用する。 (熱中症警戒情報)第十八条 環境大臣は、気温が著しく高くなることにより熱中症による人の健康に係る被害が生ずるおそれがある場合として環境省令で定める場合に該当すると認めるときは、期間及び地域を明らかにして、当該被害の発生を警戒すべき旨の情報(第二十条において「熱中症警戒情報」という。)を発表し、必要に応じ放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関(次条第一項において「報道機関」という。)の協力を求めて、これを一般に周知させなければならない。
(熱中症特別警戒情報)第十九条 環境大臣は、気温が特に著しく高くなることにより熱中症による人の健康に係る重大な被害が生ずるおそれがある場合として環境省令で定める場合に該当すると認めるときは、期間、地域その他環境省令で定める事項を明らかにして、当該被害の発生を特に警戒すべき旨の情報(以下この節において「熱中症特別警戒情報」という。)を発表し、関係都道府県知事に通知するとともに、必要に応じ報道機関の協力を求めて、これを一般に周知させなければならない。
2 都道府県知事は、前項の規定による通知を受けたときは、関係市町村長(特別区の区長を含む。)にその旨を通知しなければならない。 3 市町村長(特別区の区長を含む。以下この節において同じ。)は、前項の規定による通知を受けたときは、当該通知に係る事項を住民及び関係のある公私の団体に伝達しなければならない。 (調査及び協力)第二十条 環境大臣は、気象に関する情報、熱中症による人の健康に係る被害に関する情報その他の情報を活用しつつ、熱中症警戒情報又は熱中症特別警戒情報を的確かつ迅速に発表するための調査を行うものとする。
2 気象庁長官は、熱中症警戒情報又は熱中症特別警戒情報の的確かつ迅速な発表に資するよう、環境大臣に対し、気象に関する情報の提供その他の必要な協力を行うものとする。 (指定暑熱避難施設)第二十一条 市町村長は、熱中症による人の健康に係る被害の発生を防止するため、当該市町村の区域内に存する施設であって次に掲げる基準に適合するものを指定暑熱避難施設として指定することができる。
一 当該施設が、適当な冷房設備を有すること。
二 当該施設の存する区域に係る熱中症特別警戒情報が発表されたときは、当該施設を住民その他の者に開放することができることその他当該施設の管理方法が環境省令で定める基準に適合するものであること。
2 市町村長は、前項の規定により当該市町村以外の者が管理する施設を指定暑熱避難施設として指定しようとするときは、当該施設の管理者の同意を得なければならない。 3 市町村長は、第一項の規定により当該市町村以外の者が管理する施設を指定暑熱避難施設として指定したときは、当該指定暑熱避難施設の管理者との間において、次に掲げる事項を定めた協定を締結するものとする。一 協定の目的となる指定暑熱避難施設(次号、第三号及び次条第一項第三号において「協定指定暑熱避難施設」という。)
二 協定指定暑熱避難施設を開放することができる日及び時間帯(次項及び第五項において「開放可能日等」という。)
三 協定指定暑熱避難施設の開放により受け入れることが可能であると見込まれる人数
四 その他環境省令で定める事項
4 市町村長は、第一項の規定により当該市町村が管理する施設を指定暑熱避難施設として指定したとき、及び前項の規定により協定を締結したときは、指定暑熱避難施設の名称、所在地、開放可能日等及び開放により受け入れることが可能であると見込まれる人数を公表しなければならない。 5 指定暑熱避難施設の管理者は、当該指定暑熱避難施設の存する区域に係る熱中症特別警戒情報が発表されたときは、当該熱中症特別警戒情報に係る第十九条第一項の期間のうち前項の規定により公表された開放可能日等において、当該指定暑熱避難施設を開放しなければならない。 6 第四項の規定は、同項の規定により公表した事項の変更について準用する。第二十二条 市町村長は、次の各号のいずれかに該当するときは、前条第一項の規定による指定を取り消すものとする。
一 指定暑熱避難施設が廃止されたとき。
二 指定暑熱避難施設が前条第一項各号に掲げる基準に適合しなくなったと認めるとき。
三 協定指定暑熱避難施設について前条第三項の協定が廃止されたとき。
2 市町村長は、前項に規定する場合のほか、指定暑熱避難施設として指定する必要がないと認めるに至ったときは、前条第一項の規定による指定を取り消すことができる。 3 市町村長は、前二項の規定による指定の取消しをしたときは、その旨を公表しなければならない。 (熱中症対策普及団体)第二十三条 市町村長は、一般社団法人又は一般財団法人、特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項に規定する特定非営利活動法人その他環境省令で定める法人であって、第三項各号に掲げる事業(以下この条において「熱中症対策普及事業」という。)に関し次に掲げる基準に適合すると認められるものを、その申請により、熱中症対策普及団体(以下この条及び次条において「普及団体」という。)として指定することができる。
一 職員、業務の方法その他の事項についての熱中症対策普及事業の実施に関する計画が適正なものであり、かつ、その計画を確実に遂行するに足りる経理的及び技術的な基礎を有すると認められること。
二 個人に関する情報の適正な取扱いを確保するための措置その他熱中症対策普及事業を適正かつ確実に実施するために必要な措置として環境省令で定める措置が講じられていること。
三 熱中症対策普及事業以外の事業を行っている場合には、その事業を行うことによって熱中症対策普及事業の適正かつ確実な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
四 前三号に定めるもののほか、熱中症対策普及事業を適正かつ確実に実施することができると認められること。
2 市町村長は、前項の申請をした者が、次の各号のいずれかに該当するときは、同項の規定による指定をしてはならない。一 第六項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者であること。
二 その役員のうちに、この法律に規定する罪を犯して刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けなくなった日から二年を経過しない者があること。
3 普及団体は、次に掲げる事業を行うものとする。一 熱中症対策について、当該市町村の区域に所在する事業者及び当該市町村の住民に対する啓発活動及び広報活動を行うこと。
二 熱中症対策について、当該市町村の住民からの相談に応じ、及び必要な助言を行うこと。
三 前二号に掲げるもののほか、当該市町村の区域における熱中症対策の推進を図るために必要な業務を行うこと。
4 市町村長は、熱中症対策普及事業の適正かつ確実な実施を確保するために必要があると認めるときは、普及団体に対し、その熱中症対策普及事業に関し報告をさせることができる。 5 市町村長は、普及団体の熱中症対策普及事業の運営に関し改善が必要であると認めるときは、当該普及団体に対し、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 6 市町村長は、普及団体が次の各号のいずれかに該当するときは、第一項の規定による指定を取り消すことができる。一 熱中症対策普及事業を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。
二 前項の規定による命令に違反したとき。
7 普及団体の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、第三項第二号に掲げる事業に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。 8 第一項の規定による指定の手続その他普及団体に関し必要な事項は、環境省令で定める。第二十四条 環境大臣及び関係地方公共団体は、普及団体に対し、その事業の実施に必要な情報の提供又は指導若しくは助言をするものとする。
第四章 補則
(観測等の推進)第二十五条 国は、科学的知見に基づき気候変動適応を推進するため、気候変動及び多様な分野における気候変動影響の観測、監視、予測及び評価並びにこれらの調査研究並びに気候変動適応に関する技術開発を推進するよう努めるものとする。
(事業者及び国民の理解の増進)第二十六条 国は、第二十四条に定めるもののほか、広報活動、啓発活動その他の気候変動適応の重要性に対する事業者及び国民の関心と理解を深めるための措置を講ずるよう努めるものとする。
(国際協力の推進)第二十七条 国は、気候変動等に関する情報の国際間における共有体制を整備するとともに、開発途上地域に対する気候変動適応に関する技術協力その他の国際協力を推進するよう努めるものとする。
(国の援助)第二十八条 国は、地方公共団体の気候変動適応に関する施策並びに事業者等の気候変動適応及び気候変動適応に資する事業活動の促進を図るため、情報の提供その他の援助を行うよう努めるものとする。
(関係行政機関等の協力)第二十九条 環境大臣は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係行政機関又は地方公共団体の長に対し、資料の提供、意見の開陳その他の協力を求めることができる。
第五章 罰則
第三十条 第二十三条第七項の規定に違反した者は、三十万円以下の罰金に処する。
附則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次条の規定は、公布の日から施行する。
(施行前の準備)
第二条 政府は、この法律の施行前においても、第七条の規定の例により、気候変動適応計画を定めることができる。 この場合において、環境大臣は、この法律の施行前においても、同条の規定の例により、これを公表することができる。 前項の規定により定められた気候変動適応計画は、この法律の施行の日において第七条の規定により定められたものとみなす。 環境大臣は、この法律の施行前においても、第十条の規定の例により、気候変動影響の総合的な評価についての報告書を作成し、これを公表することができる。 前項の規定により作成された報告書は、この法律の施行の日において第十条の規定により作成されたものとみなす。
(検討)
第五条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則(令和五年五月一二日法律第二三号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(準備行為)
第二条 政府は、前条第二号に掲げる規定の施行の日(以下この条において「第二号施行日」という。)前においても、第一条の規定(同号に掲げる改正規定に限る。)による改正後の気候変動適応法(以下この条において「新気候変動適応法」という。)第七条第二項及び第八条の規定の例により、気候変動適応計画を変更することができる。 この場合において、環境大臣は、第二号施行日前においても、同条第二項において準用する新気候変動適応法第七条第五項の規定の例により、これを公表することができる。 政府は、第二号施行日前においても、新気候変動適応法第十六条の規定の例により、熱中症対策実行計画を定めることができる。 この場合において、環境大臣は、第二号施行日前においても、同条第三項において準用する新気候変動適応法第七条第五項の規定の例により、これを公表することができる。 第一項の規定により変更された気候変動適応計画及び前項の規定により定められた熱中症対策実行計画は、第二号施行日においてそれぞれ新気候変動適応法第八条及び第十六条の規定により変更され、及び定められたものとみなす。
(罰則に関する経過措置)
第三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第四条 前二条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第五条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律による改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。