第一条 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(以下「法」という。)第十三条第二項の主務省令で定める基準は、次の各号に掲げる基準に応じ、それぞれ当該各号に定める規定による基準とする。
一 法第十三条第一項の規定により、同条第二項第一号に掲げる事項について都道府県(指定都市等所在施設(法第三条第一項に規定する指定都市等所在施設をいう。次項において同じ。)である幼保連携型認定こども園(都道府県が設置するものを除く。)については、当該指定都市等(法第三条第一項に規定する指定都市等をいう。次項において同じ。)。以下同じ。)が条例を定めるに当たって従うべき基準
第四条、第五条及び第十三条第二項(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和二十三年厚生省令第六十三号)第八条第二項の規定を読み替えて準用する部分に限る。)並びに附則第二条第一項、第三条及び第五条から第九条までの規定による基準
二 法第十三条第一項の規定により、同条第二項第二号に掲げる事項について都道府県が条例を定めるに当たって従うべき基準
第六条、第七条第一項から第六項まで、第十三条第一項(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第三十二条第八号の規定を読み替えて準用する部分に限る。)及び第二項(同令第八条第二項の規定を読み替えて準用する部分に限る。)並びに第十四条並びに附則第二条第二項及び第四条の規定による基準
三 法第十三条第一項の規定により、同条第二項第三号に掲げる事項について都道府県が条例を定めるに当たって従うべき基準
第九条第一項(第一号及び第二号に係る部分に限る。)、第十二条及び第十三条第一項(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第九条、第九条の二、第十一条(第四項ただし書を除く。)、第十四条の二及び第三十二条の二(後段を除く。)の規定を読み替えて準用する部分に限る。)の規定による基準
四 法第十三条第一項の規定により、同条第二項各号に掲げる事項以外の事項について都道府県が条例を定めるに当たって参酌すべき基準
この命令に定める基準のうち、前三号に定める規定による基準以外のもの
第二条 法第十三条第一項の規定により都道府県が条例で定める基準(次条において「設備運営基準」という。)は、都道府県知事の監督に属する幼保連携型認定こども園の園児が、明るくて、衛生的な環境において、素養があり、かつ、適切な養成又は訓練を受けた職員の指導により、心身ともに健やかに育成されることを保障するものとする。
(設備運営基準の向上)第三条 都道府県知事は、その管理に属する法第二十五条に規定する審議会その他の合議制の機関の意見を聴き、その監督に属する幼保連携型認定こども園に対し、設備運営基準を超えて、その設備及び運営を向上させるように勧告することができる。
2 都道府県は、設備運営基準を常に向上させるように努めるものとする。 (学級の編制の基準)第四条 満三歳以上の園児については、教育課程に基づく教育を行うため、学級を編制するものとする。
2 一学級の園児数は、三十五人以下を原則とする。 3 学級は、学年の初めの日の前日において同じ年齢にある園児で編制することを原則とする。 (職員の数等)第五条 幼保連携型認定こども園には、各学級ごとに担当する専任の主幹保育教諭、指導保育教諭又は保育教諭(次項において「保育教諭等」という。)を一人以上置かなければならない。
2 特別の事情があるときは、保育教諭等は、専任の副園長若しくは教頭が兼ね、又は当該幼保連携型認定こども園の学級数の三分の一の範囲内で、専任の助保育教諭若しくは講師をもって代えることができる。 3 幼保連携型認定こども園に置く園児の教育及び保育(満三歳未満の園児については、その保育。以下同じ。)に直接従事する職員の数は、次の表の上欄に掲げる園児の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に定める員数以上とする。 4 幼保連携型認定こども園には、調理員を置かなければならない。 5 幼保連携型認定こども園には、次に掲げる職員を置くよう努めなければならない。一 副園長又は教頭
二 主幹養護教諭、養護教諭又は養護助教諭
三 事務職員
(園舎及び園庭)第六条 幼保連携型認定こども園には、園舎及び園庭を備えなければならない。
2 園舎は、二階建以下を原則とする。 3 乳児室、ほふく室、保育室、遊戯室又は便所(以下この項及び次項において「保育室等」という。)は一階に設けるものとする。 4 前項ただし書の場合において、三階以上の階に設けられる保育室等は、原則として、満三歳未満の園児の保育の用に供するものでなければならない。 5 園舎及び園庭は、同一の敷地内又は隣接する位置に設けることを原則とする。 6 園舎の面積は、次に掲げる面積を合算した面積以上とする。一 次の表の上欄に掲げる学級数に応じ、それぞれ同表の下欄に定める面積
二 満三歳未満の園児数に応じ、次条第六項の規定により算定した面積
7 園庭の面積は、次に掲げる面積を合算した面積以上とする。一 次に掲げる面積のうちいずれか大きい面積 イ 次の表の上欄に掲げる学級数に応じ、それぞれ同表の下欄に定める面積
ロ 三・三平方メートルに満三歳以上の園児数を乗じて得た面積
二 三・三平方メートルに満二歳以上満三歳未満の園児数を乗じて得た面積
(園舎に備えるべき設備)第七条 園舎には、次に掲げる設備(第二号に掲げる設備については、満二歳未満の保育を必要とする子どもを入園させる場合に限る。)を備えなければならない。
一 職員室
二 乳児室又はほふく室
三 保育室
四 遊戯室
五 保健室
六 調理室
七 便所
八 飲料水用設備、手洗用設備及び足洗用設備
2 保育室(満三歳以上の園児に係るものに限る。)の数は、学級数を下ってはならない。 3 満三歳以上の園児に対する食事の提供について、第十三条第一項において読み替えて準用する児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第三十二条の二に規定する方法により行う幼保連携型認定こども園にあっては、第一項の規定にかかわらず、調理室を備えないことができる。 4 園児に対する食事の提供について、幼保連携型認定こども園内で調理する方法により行う園児数が二十人に満たない場合においては、当該食事の提供を行う幼保連携型認定こども園は、第一項の規定にかかわらず、調理室を備えないことができる。 5 飲料水用設備は、手洗用設備又は足洗用設備と区別して備えなければならない。 6 次の各号に掲げる設備の面積は、当該各号に定める面積以上とする。一 乳児室
一・六五平方メートルに満二歳未満の園児のうちほふくしないものの数を乗じて得た面積
二 ほふく室
三・三平方メートルに満二歳未満の園児のうちほふくするものの数を乗じて得た面積
三 保育室又は遊戯室
一・九八平方メートルに満二歳以上の園児数を乗じて得た面積
一 放送聴取設備
二 映写設備
三 水遊び場
四 園児清浄用設備
五 図書室
六 会議室
(園具及び教具)第八条 幼保連携型認定こども園には、学級数及び園児数に応じ、教育上及び保育上、保健衛生上並びに安全上必要な種類及び数の園具及び教具を備えなければならない。
2 前項の園具及び教具は、常に改善し、補充しなければならない。 (教育及び保育を行う期間及び時間)第九条 幼保連携型認定こども園における教育及び保育を行う期間及び時間は、次に掲げる要件を満たすものでなければならない。
一 毎学年の教育週数は、特別の事情のある場合を除き、三十九週を下ってはならないこと。
二 教育に係る標準的な一日当たりの時間(次号において「教育時間」という。)は、四時間とし、園児の心身の発達の程度、季節等に適切に配慮すること。
三 保育を必要とする子どもに該当する園児に対する教育及び保育の時間(満三歳以上の保育を必要とする子どもに該当する園児については、教育時間を含む。)は、一日につき八時間を原則とすること。
2 前項第三号の時間については、その地方における園児の保護者の労働時間その他家庭の状況等を考慮して、園長がこれを定めるものとする。 (子育て支援事業の内容)第十条 幼保連携型認定こども園における保護者に対する子育ての支援は、保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本認識の下に、子育てを自ら実践する力の向上を積極的に支援することを旨として、教育及び保育に関する専門性を十分に活用し、子育て支援事業のうち、その所在する地域における教育及び保育に対する需要に照らし当該地域において実施することが必要と認められるものを、保護者の要請に応じ適切に提供し得る体制の下で行うものとする。
(掲示)第十一条 幼保連携型認定こども園は、その建物又は敷地の公衆の見やすい場所に、当該施設が幼保連携型認定こども園である旨を掲示しなければならない。
(学校教育法施行規則の準用)第十二条 学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)第五十四条の規定は、幼保連携型認定こども園について準用する。
(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の準用)第十三条 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第四条、第五条第一項、第二項及び第四項、第七条の二、第九条から第九条の三まで、第十一条(第四項ただし書を除く。)、第十四条の二、第十四条の三第一項、第三項及び第四項、第三十二条第八号、第三十二条の二(後段を除く。)並びに第三十六条の規定は、幼保連携型認定こども園について準用する。
2 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第八条の規定は、幼保連携型認定こども園の職員及び設備について準用する。 (幼稚園設置基準の準用)第十四条 幼稚園設置基準(昭和三十一年文部省令第三十二号)第七条の規定は、幼保連携型認定こども園について準用する。
附則
(施行期日)
第一条 この命令は、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律(平成二十四年法律第六十六号。以下「一部改正法」という。)の施行の日(以下「施行日」という。)から施行する。
(みなし幼保連携型認定こども園に関する経過措置)
第二条 施行日から起算して五年間は、第五条第三項の規定にかかわらず、みなし幼保連携型認定こども園(一部改正法附則第三条第一項の規定により法第十七条第一項の設置の認可があったものとみなされた旧幼保連携型認定こども園(一部改正法による改正前の法第七条第一項に規定する認定こども園である同法第三条第三項に規定する幼保連携施設(幼稚園及び保育所で構成されるものに限る。)をいう。)をいう。以下この条において同じ。)の職員配置については、なお従前の例によることができる。 みなし幼保連携型認定こども園の設備については、第六条から第八条までの規定にかかわらず、当分の間、なお従前の例によることができる。
(幼保連携型認定こども園の職員配置に係る特例)
第三条 施行日から起算して十年間は、副園長又は教頭を置く幼保連携型認定こども園についての第五条第三項の規定の適用については、同項の表備考第一号中「かつ、」とあるのは、「又は」とすることができる。
(幼保連携型認定こども園の設置に係る特例)
第四条 施行日の前日において現に幼稚園(その運営の実績その他により適正な運営が確保されていると認められるものに限る。以下この条において同じ。)を設置している者が、当該幼稚園を廃止し、当該幼稚園と同一の所在場所において、当該幼稚園の設備を用いて幼保連携型認定こども園を設置する場合における当該幼保連携型認定こども園に係る第六条第三項及び第七項並びに第七条第六項の規定の適用については、当分の間、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 施行日の前日において現に保育所(その運営の実績その他により適正な運営が確保されていると認められるものに限る。以下この条において同じ。)を設置している者が、当該保育所を廃止し、当該保育所と同一の所在場所において、当該保育所の設備を用いて幼保連携型認定こども園を設置する場合における当該幼保連携型認定こども園に係る第六条第三項、第六項及び第七項の規定の適用については、当分の間、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。 施行日の前日において現に幼稚園又は保育所を設置している者が、当該幼稚園又は保育所を廃止し、当該幼稚園又は保育所と同一の所在場所において、当該幼稚園又は保育所の設備を用いて幼保連携型認定こども園を設置する場合における当該幼保連携型認定こども園であって、当該幼保連携型認定こども園の園舎と同一の敷地内又は隣接する位置に園庭(第六条第七項第一号の面積以上の面積のものに限る。)を設けるものは、当分の間、同条第五項の規定にかかわらず、次に掲げる要件の全てを満たす場所に園庭を設けることができる。 この場合において、当該幼保連携型認定こども園は、満三歳以上の園児の教育及び保育に支障がないようにしなければならない。
(幼保連携型認定こども園の職員の数等に係る特例)
第五条 園児の登園又は降園の時間帯その他の園児が少数である時間帯において、第五条第三項本文の規定により必要となる園児の教育及び保育に直接従事する職員(以下「職員」という。)の数が一人となる場合には、当分の間、同項の規定により置かなければならない職員のうち一人は、同項の表備考第一号の規定にかかわらず、都道府県知事が保育教諭と同等の知識及び経験を有すると認める者とすることができる。
第六条 第五条第三項の表備考第一号に定める者については、当分の間、小学校教諭又は養護教諭の普通免許状を有する者(現に当該施設において主幹養護教諭及び養護教諭として従事している者を除く。以下「小学校教諭等免許状所持者」という。)をもって代えることができる。 この場合において、当該小学校教諭等免許状所持者は補助者として従事する場合を除き、教育課程に基づく教育に従事してはならない。
第七条 一日につき八時間を超えて開所する幼保連携型認定こども園において、開所時間を通じて必要となる職員の総数が、利用定員に応じて置かなければならない職員の数を超える場合における第五条第三項の表備考第一号に定める者については、当分の間、開所時間を通じて必要となる職員の総数から、利用定員に応じて置かなければならない職員の数を差し引いて得た数の範囲で、都道府県知事が保育教諭と同等の知識及び経験を有すると認める者をもって代えることができる。 この場合において、当該者は補助者として従事する場合を除き、教育課程に基づく教育に従事してはならない。
第八条 第五条第三項の表備考第一号に定める者については、当分の間、一人に限って、当該幼保連携型認定こども園に勤務する保健師、看護師又は准看護師(以下「看護師等」という。)をもって代えることができる。 ただし、満一歳未満の園児の数が四人未満である幼保連携型認定こども園については、子育てに関する知識と経験を有する看護師等を配置し、かつ、当該看護師等が保育を行うに当たって第五条第三項の表備考第一号に定める者による支援を受けることができる体制を確保しなければならない。 前項の場合において、当該看護師等は補助者として従事する場合を除き、教育課程に基づく教育に従事してはならない。
第九条 前三条の規定により第五条第三項の表備考第一号に定める者を小学校教諭等免許状所持者、都道府県知事が保育教諭と同等の知識及び経験を有すると認める者又は看護師等をもって代える場合においては、当該小学校教諭等免許状所持者、都道府県知事が保育教諭と同等の知識及び経験を有すると認める者並びに看護師等の総数は、同項の規定により置かなければならない職員の数の三分の一を超えてはならない。