第一章 総則
(目的)第一条 地方公共団体情報システム機構は、国及び地方公共団体が共同して運営する組織として、住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)、電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(平成十四年法律第百五十三号)及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)の規定による事務並びにその他の地方公共団体の情報システムに関する事務を地方公共団体に代わって行うとともに、地方公共団体に対してその情報システムに関する支援を行い、もって情報通信技術を用いた本人確認の手段の円滑な提供を確保するとともに、地方公共団体の行政事務の合理化及び住民の福祉の増進に寄与することを目的とする。
(法人格及び住所)第二条 地方公共団体情報システム機構(以下「機構」という。)は、法人とする。
2 機構の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。 (数)第三条 機構は、一を限り、設立されるものとする。
(資本金)第四条 機構の資本金は、附則第五条第二項の規定により地方公共団体から出資されたものとされる金額とする。
2 機構は、必要があるときは、その資本金を増加することができる。 3 地方公共団体以外の者は、機構に出資することができない。 (定款)第五条 機構は、定款をもって、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 目的
二 名称
三 事務所の所在地
四 資本金、出資及び資産に関する事項
五 代表者会議の委員の定数及び任期、議決の方法その他の代表者会議に関する事項
六 役員の定数、任期、職務の分担その他の役員に関する事項
七 業務及びその執行に関する事項
八 経営審議委員会の委員の定数その他の経営審議委員会に関する事項
九 財務及び会計に関する事項
十 定款の変更に関する事項
十一 第三十三条の規定による地方公共団体の費用の負担に関する事項
十二 公告及び公表の方法
2 機構の定款の変更は、内閣総理大臣及び総務大臣(以下「主務大臣」という。)の認可を受けなければ、その効力を生じない。 (登記)第六条 機構は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。
2 前項の規定により登記をしなければならない事項は、登記後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。 (名称)第七条 機構は、その名称中に地方公共団体情報システム機構という文字を用いなければならない。
2 機構でない者は、その名称中に地方公共団体情報システム機構という文字を用いてはならない。第二章 代表者会議
(代表者会議の設置及び組織)第八条 機構に、機構の財務及び業務の方針を決定する機関として代表者会議を置く。
2 代表者会議は、第一号に掲げる委員、第二号に掲げる委員及び第三号に掲げる委員各同数をもって組織する。一 主務大臣又はその指名する職員
二 都道府県知事、市長又は町村長のうちから、都道府県知事、市長又は町村長の全国的連合組織(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百六十三条の三第一項に規定する全国的連合組織で同項の規定による届出をしたものをいう。以下同じ。)がそれぞれ選定する者
三 都道府県知事、市長及び町村長以外の者で地方行財政、法律又は情報システムに関して高い識見を有するもののうちから、主務大臣と都道府県知事、市長又は町村長の全国的連合組織とが共同して選定する者
3 委員の定数は、九人以上十二人以内において定款で定める。 4 委員の任期は、三年以内において定款で定める期間とする。 ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。 5 委員は、再任されることができる。 6 第二項第一号に掲げる委員が主務大臣若しくはその指名する職員でなくなったとき、又は同項第二号に掲げる委員が都道府県知事、市長若しくは町村長でなくなったときは、それぞれその職を失うものとする。 (代表者会議の権限)第九条 次に掲げる事項は、代表者会議の議決を経なければならない。
一 定款の変更
二 業務方法書の作成又は変更
三 予算及び事業計画の作成又は変更
四 決算
五 役員の報酬及び退職金
六 その他代表者会議が特に必要と認めた事項
2 代表者会議は、機構の業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、理事長に対し、機構の業務並びに資産及び債務の状況に関し報告をさせることができる。 3 代表者会議は、役員又は職員の行為がこの法律、他の法令又は定款に違反し、又は違反するおそれがあると認めるときは、理事長に対し、当該行為の是正のため必要な措置を講ずることを命ずることができる。 (代表者会議の議長)第十条 代表者会議に議長を置き、委員の互選によりこれを定める。
2 議長は、会務を総理し、代表者会議を代表する。 3 議長に事故があるとき、又は議長が欠けたときは、議長のあらかじめ指定する委員がその職務を行う。第三章 役員及び職員
(役員)第十一条 機構に、役員として、理事長、副理事長、理事及び監事を置く。
(役員の職務及び権限)第十二条 理事長は、機構を代表し、その業務を総理する。
2 副理事長は、定款で定めるところにより、機構を代表し、理事長を補佐して機構の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠けたときはその職務を行う。 3 理事は、定款で定めるところにより、理事長及び副理事長を補佐して機構の業務を掌理し、理事長及び副理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長及び副理事長が欠けたときはその職務を行う。 4 監事は、機構の業務を監査する。 5 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、代表者会議、理事長又は総務大臣に意見を提出することができる。 6 理事長は、代表者会議に出席し、意見を述べることができる。 (役員の任命)第十三条 理事長及び監事は、代表者会議が主務大臣の認可を受けて任命する。
2 副理事長及び理事は、理事長が代表者会議の同意を得て任命する。 3 理事長が役員を任命したときは、遅滞なく、その氏名及び住所を主務大臣に届け出なければならない。 (役員の任期)第十四条 役員の任期は、三年以内において定款で定める期間とする。 ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 役員は、再任されることができる。 (役員の欠格条項)第十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。
一 政府又は地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)
二 代表者会議の委員
(役員の解任)第十六条 代表者会議又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条各号に掲げる者となったときは、その役員を解任しなければならない。
2 代表者会議は、その任命に係る役員が次の各号のいずれかに該当するときは、主務大臣の認可を受けて、その役員を解任することができる。一 刑事事件により有罪の言渡しを受けたとき。
二 破産手続開始の決定を受けたとき。
三 心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認められるとき。
四 職務上の義務違反があるとき。
3 理事長は、その任命に係る役員が前項各号のいずれかに該当するときは、その役員を解任することができる。 4 理事長は、前項の規定により副理事長又は理事を解任しようとするときは、代表者会議の同意を得なければならない。 5 理事長が役員を解任したときは、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。 (役員の兼職禁止)第十七条 役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。 ただし、代表者会議の承認を受けたときは、この限りでない。
(代表者の行為についての損害賠償責任)第十八条 機構は、理事長又は副理事長がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。
(代表権の制限)第十九条 機構と理事長又は副理事長との利益が相反する事項については、理事長及び副理事長は、代表権を有しない。 この場合においては、監事が機構を代表する。
(職員の任命)第二十条 機構の職員は、理事長が任命する。
(役員及び職員の公務員たる性質)第二十一条 機構の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第四章 業務
(業務の範囲)第二十二条 機構は、第一条に掲げる目的を達成するため、次に掲げる業務を行う。
一 住民基本台帳法の規定により処理することとされている事務を行うこと。
二 電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律の規定により処理することとされている事務を行うこと。
三 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の規定により処理することとされている事務を行うこと。
四 地方公共団体の情報システムの開発及び運用
五 地方公共団体の職員に対する地方公共団体の情報システムに関する教育及び研修
六 地方公共団体の情報システムに関する調査研究
七 地方公共団体の情報システムに関する事務の受託
八 地方公共団体に対する地方公共団体の情報システムに関する情報の提供、助言その他の支援
九 前各号に掲げる業務に附帯する業務
(業務方法書)第二十三条 機構は、業務開始の際、業務方法書を作成し、これを総務大臣に届け出なければならない。 これを変更したときも、同様とする。
2 前項の業務方法書には、役員(監事を除く。)の職務の執行がこの法律、他の法令又は定款に適合することを確保するための体制その他機構の業務の適正を確保するための体制の整備に関する事項その他総務省令で定める事項を記載しなければならない。 3 機構は、第一項の規定による届出をしたときは、遅滞なく、その業務方法書を公表しなければならない。 (経営審議委員会)第二十四条 機構に、経営審議委員会を置く。
2 経営審議委員会は、定款で定める数の委員をもって組織する。 3 委員は、地方行財政、法律又は情報システムに関して高い識見を有する者その他の学識経験のある者のうちから、代表者会議が任命する。 4 委員は、代表者会議の委員又は機構の役員と兼ねることができない。 5 理事長は、次に掲げる事項について、経営審議委員会の意見を聴かなければならない。一 第九条第一項第二号から第四号までに掲げる事項
二 その他定款で定める事項
6 理事長は、前項第一号に掲げる事項について代表者会議の議決を求めるときは、経営審議委員会が当該事項について同項の規定により述べた意見を報告しなければならない。 7 経営審議委員会は、第五項に定めるもののほか、機構の業務について、理事長の諮問に応じ、又は自ら必要と認める事項について、理事長に対し建議を行うことができる。 この場合において、経営審議委員会が当該建議のため必要と認めるときは、理事長に対し報告を求めることができる。 8 理事長は、第五項及び前項の規定により経営審議委員会が述べた意見を尊重しなければならない。 (本人確認情報保護委員会の設置)第二十五条 機構に、本人確認情報保護委員会を置く。
2 本人確認情報保護委員会は、理事長の諮問に応じ、住民基本台帳法第三十条の七第一項の規定による通知に係る同法第三十条の六第一項に規定する本人確認情報及び同法第三十条の四十二第一項の規定による通知に係る同法第三十条の四十一第一項に規定する附票本人確認情報の保護に関する事項を調査審議し、並びにこれらに関し必要と認める意見を理事長に述べることができる。 3 本人確認情報保護委員会の委員は、学識経験を有する者のうちから、理事長が任命する。 4 前二項に定めるもののほか、本人確認情報保護委員会の委員の定数その他の本人確認情報保護委員会に関する事項は、機構が定める。 (認証業務情報保護委員会の設置)第二十六条 機構に、認証業務情報保護委員会を置く。
2 認証業務情報保護委員会は、理事長の諮問に応じ、電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律第四十四条第一項に規定する認証業務情報の保護に関する事項を調査審議し、及びこれに関し必要と認める意見を理事長に述べることができる。 3 認証業務情報保護委員会の委員は、学識経験を有する者のうちから、理事長が任命する。 4 前二項に定めるもののほか、認証業務情報保護委員会の委員の定数その他の認証業務情報保護委員会に関する事項は、機構が定める。 (機構処理事務特定個人情報等保護委員会の設置)第二十七条 機構に、機構処理事務特定個人情報等保護委員会を置く。
2 機構処理事務特定個人情報等保護委員会は、理事長の諮問に応じ、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第三十八条の三第一項に規定する機構処理事務特定個人情報等の保護に関する事項を調査審議し、及びこれに関し必要と認める意見を理事長に述べることができる。 3 機構処理事務特定個人情報等保護委員会の委員は、学識経験を有する者のうちから、理事長が任命する。 4 前二項に定めるもののほか、機構処理事務特定個人情報等保護委員会の委員の定数その他の機構処理事務特定個人情報等保護委員会に関する事項は、機構が定める。第五章 財務及び会計
(事業年度)第二十八条 機構の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。
(予算等)第二十九条 機構は、毎事業年度、予算及び事業計画(以下この条において「予算等」という。)を作成しなければならない。
2 機構は、予算等を作成し、又は変更したときは、遅滞なく、これを総務大臣に届け出なければならない。 3 機構は、前項の規定による届出をしたときは、遅滞なく、その予算等を公表しなければならない。 (企業会計原則)第三十条 機構の会計は、総務省令で定めるところにより、原則として企業会計原則によるものとする。
(財務諸表等)第三十一条 機構は、毎事業年度、貸借対照表、損益計算書、利益の処分又は損失の処理に関する書類その他総務省令で定める書類及びこれらの附属明細書(以下「財務諸表」という。)を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に総務大臣に提出しなければならない。
2 機構は、前項の規定により財務諸表を提出するときは、これに当該事業年度の事業報告書及び予算の区分に従い作成した決算報告書を添え、並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見書を添付しなければならない。 3 機構は、第一項の規定により財務諸表を提出したときは、遅滞なく、当該財務諸表を官報に公告し、かつ、当該財務諸表、前項に規定する事業報告書、決算報告書及び監事の意見書並びに業務並びに資産及び債務の状況に関する事項として総務省令で定めるものを記載した説明書類を、各事務所に備え置き、総務省令で定める期間、公衆の縦覧に供しなければならない。 4 前項に規定する説明書類は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして総務省令で定めるものをいう。次項において同じ。)をもって作成することができる。 5 第三項に規定する説明書類が電磁的記録をもって作成されているときは、機構の事務所において、当該電磁的記録に記録された情報を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって総務省令で定めるものをいう。)により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置として総務省令で定めるものをとることができる。 この場合においては、同項に規定する説明書類を、同項の規定により備え置き、公衆の縦覧に供したものとみなす。 6 機構は、前三項に規定するもののほか、機構の業務並びに資産及び債務の状況に関し参考となるべき事項の開示に努めなければならない。 (会計規程)第三十二条 機構は、業務の開始の際、会計に関する事項について規程を定め、これを総務大臣に届け出なければならない。 これを変更したときも、同様とする。
(費用の負担)第三十三条 機構の運営に要する費用は、定款で定めるところにより、地方公共団体が負担する。
(総務省令への委任)第三十四条 この法律及びこの法律に基づく政令に規定するもののほか、機構の財務及び会計に関し必要な事項は、総務省令で定める。
第六章 雑則
(報告及び立入検査)第三十五条 総務大臣は、機構がこの法律若しくはこの法律に基づく命令又は定款に違反し、又は違反するおそれがあると認めるときは、機構に対し、その業務並びに資産及び債務の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、機構の事務所に立ち入り、その業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。 (違法行為等の是正)第三十六条 総務大臣は、機構又はその役員若しくは職員若しくは代表者会議の委員の行為がこの法律若しくはこの法律に基づく命令又は定款に違反し、又は違反するおそれがあると認めるときは、機構に対し、当該行為の是正のため必要な措置を講ずることを求めることができる。
2 機構は、前項の規定による総務大臣の求めがあったときは、速やかに当該行為の是正その他の必要と認める措置を講ずるとともに、当該措置の内容を総務大臣に報告しなければならない。 (解散)第三十七条 機構の解散については、別に法律で定める。
第七章 罰則
第三十八条 第三十五条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした機構の役員又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。
第三十九条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした機構の役員は、二十万円以下の過料に処する。
一 第五条第二項の規定に違反して定款の変更の認可を受けなかったとき。
二 第六条第一項の規定に違反して登記をすることを怠ったとき。
三 第十三条第三項、第十六条第五項、第二十三条第一項、第二十九条第二項又は第三十二条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
四 第二十二条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
五 第二十三条第三項又は第二十九条第三項の規定による公表をせず、又は虚偽の公表をしたとき。
六 第三十一条第一項又は第二項の規定に違反して、これらの規定に規定する書類の提出をせず、又はこれらの書類に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をしてこれらの書類を提出したとき。
七 第三十一条第三項の規定に違反して、財務諸表の公告をせず、又は同項に規定する書類を備え置かず、若しくは縦覧に供しなかったとき。
八 第三十六条第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
第四十条 第七条第二項の規定に違反した者は、十万円以下の過料に処する。
附則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(設立委員)
第二条 都道府県知事、市長及び町村長の全国的連合組織は、平成二十六年二月二十日までに、それぞれ一人の機構の設立委員を選任しなければならない。
(設立の認可等)
第三条 設立委員は、平成二十六年三月十五日までに、第五条第一項各号に掲げる事項につき定款を定め、並びに機構の最初の事業年度の事業計画及び予算を作成し、その定款、事業計画及び予算について総務大臣の認可を申請しなければならない。 総務大臣は、前項の認可をしたときは、直ちにその旨を告示するものとする。 機構は、前項の規定による告示があったときは、平成二十六年四月一日に成立する。 この場合において、機構は、遅滞なく、その定款を公告しなければならない。 設立委員は、機構の理事長となるべき者を指名する。 前項の規定により指名された機構の理事長となるべき者は、機構の成立の時において機構の理事長となるものとし、その任期は、機構の成立後最初に開催される代表者会議において理事長が任命されるまでの間とする。 設立委員は、機構が成立したときは、遅滞なく、その事務を機構の理事長に引き継がなければならない。 機構の行う設立の登記は、平成二十六年四月一日から二週間以内に、主たる事務所の所在地においてしなければならない。
(名称の使用制限に関する経過措置)
第四条 この法律の施行の際現に地方公共団体情報システム機構という名称を使用している者については、第七条第二項の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
(財団法人地方自治情報センターの解散並びに権利及び義務の承継等)
第五条 昭和四十五年五月一日に設立された財団法人地方自治情報センター(以下「地方自治情報センター」という。)は、平成二十六年四月一日に解散し、その一切の権利及び義務は、解散時において機構が承継する。 この場合においては、他の法令中法人の解散及び清算に関する規定は、適用しない。 前項の規定により機構が地方自治情報センターの権利及び義務を承継したときは、地方自治情報センターの解散の日の前日において地方自治情報センターに対して地方公共団体により拠出をされている金額に相当する金額は、機構の設立に際し、地方公共団体から機構に対し出資されたものとする。 第一項の規定により機構が地方自治情報センターの権利及び義務を承継したときは、地方自治情報センターの解散時において住民基本台帳法第三十条の十三第三項及び第三十条の十四第三項に規定する届出があったものとみなして、同法第三十条の十三第三項及び第三十条の十四第三項の規定をそれぞれ適用する。 第一項の規定により地方自治情報センターが解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
(機構が地方自治情報センターの権利及び義務を承継したことに伴う住民基本台帳法の適用の特例)
第六条 平成二十六年四月一日から行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行の日の前日までの間は、機構について、住民基本台帳法第三十条の十第二項、第三十条の十二、第三十条の十六、第三十条の十七第三項、第三十条の十九、第三十条の二十四及び第三十条の二十五の規定は、適用しない。
(財団法人自治体衛星通信機構の権利及び義務の承継)
第七条 機構が成立した時において、平成二年二月十九日に設立された財団法人自治体衛星通信機構(以下「自治体衛星通信機構」という。)が有する権利及び義務であって、電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律の規定により自治体衛星通信機構が同法第三十四条第一項に規定する指定認証機関として処理することとされている事務(当該事務に附帯する事務を含む。)に係るものは、機構が成立した時において、権利及び義務の承継に関し必要な事項を定めた承継計画書において定めるところに従い、機構が承継する。 前項の規定により機構が自治体衛星通信機構の権利及び義務を承継したときは、機構が成立した時において電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律第三十七条第三項及び第三十八条第三項に規定する届出があったものとみなして、同法第三十七条第三項及び第三十八条第三項の規定をそれぞれ適用する。
(機構が自治体衛星通信機構の権利及び義務を承継したことに伴う電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律の適用の特例)
第八条 平成二十六年四月一日から行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律附則第三号に掲げる規定の施行の日の前日までの間は、機構について、電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律第三十四条第二項、第三十六条、第四十条、第四十一条第三項、第四十三条、第四十八条及び第四十九条の規定は、適用しない。
(機構の業務の範囲等に係る経過措置)
第九条 この法律の施行の日から行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行の日の前日までの間におけるこの法律の規定の適用については、第二十二条第一号中「処理することとされている事務」とあるのは、「同法第三十条の十第一項に規定する指定情報処理機関が処理することとされている事務」とする。 この法律の施行の日から行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律附則第三号に掲げる規定の施行の日の前日までの間におけるこの法律の規定の適用については、第二十二条第二号中「処理することとされている事務」とあるのは、「同法第三十四条第一項に規定する指定認証機関が処理することとされている事務」とする。
(デジタル基盤改革支援基金)
第九条の二 機構は、令和八年三月三十一日までの間に限り、次の各号のいずれにも該当する業務及びこれに附帯する業務に要する費用に充てるためにデジタル基盤改革支援基金(以下この条及び次条において「基金」という。)を設け、次項の規定により交付を受けた補助金をもってこれに充てるものとする。 政府は、予算の範囲内において、機構に対し、基金に充てる資金を補助することができる。 機構は、第一項の規定により基金を設けた場合には、当該基金に係る業務については、特別の勘定を設けて経理しなければならない。 独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第四十七条及び第六十七条(第七号に係る部分に限る。)の規定は、基金の運用について準用する。 この場合において、同法第四十七条第三号中「金銭信託」とあるのは、「金銭信託で元本補塡の契約があるもの」と読み替えるものとする。 機構は、基金を廃止する場合において、当該基金に残余があるときは、政令で定めるところにより、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の準用)
第九条の三 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)の規定(罰則を含む。)は、基金に係る業務として機構が交付する補助金について準用する。 この場合において、同法(第二条第七項を除く。)中「各省各庁」とあるのは「地方公共団体情報システム機構」と、「各省各庁の長」とあるのは「地方公共団体情報システム機構の理事長」と、同法第二条第一項及び第四項第一号、第七条第二項、第十九条第一項及び第二項、第二十四条並びに第三十三条中「国」とあるのは「地方公共団体情報システム機構」と、同法第十四条中「国の会計年度」とあるのは「地方公共団体情報システム機構の事業年度」と読み替えるものとする。
(政令への委任)
第十条 附則第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則(平成二五年五月三一日法律第二八号)
この法律は、番号利用法の施行の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。一及び二略
三 第四条、第七条、第八条、第十条から第十二条まで、第十四条、第十五条、第十九条、第二十条、第二十四条、第二十五条、第二十九条(行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律別表の改正規定のうち同表電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律(平成十四年法律第百五十三号)の項中「電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律」を「電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律」に、「第三条第二項(第十条第二項において準用する場合を含む。)」を「第十条第二項において準用する第三条第二項及び第二十九条第二項において準用する第二十二条第二項」に改める部分に限る。)、第三十一条、第三十二条及び第四十三条の規定 番号利用法附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日
附則(平成二七年九月九日法律第六五号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則(平成二九年五月二四日法律第三六号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次条の規定は、公布の日から施行する。
(政令への委任)
第二条 この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律の一部改正に伴う調整規定)
第四条 この法律の施行の日が個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律(平成二十七年法律第六十五号)附則第一条第五号に掲げる規定の施行の日以後である場合には、第一条のうち地方公共団体情報システム機構法第四章中第二十六条の次に一条を加える改正規定中「第四十一条の三第一項」とあるのは、「第三十八条の三第一項」とする。 前三項の場合において、前条の規定は、適用しない。
附則(令和元年五月三一日法律第一六号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則(令和三年五月一九日法律第三七号)
(施行期日)
第一条 この法律は、令和三年九月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(第五十七条の規定の施行に伴う経過措置)
第十二条 この法律の施行の際現に第五十七条の規定による改正前の地方公共団体情報システム機構法(以下この条において「旧機構法」という。)第八条第二項第二号に掲げる委員である者は、施行日に、第五十七条の規定による改正後の地方公共団体情報システム機構法(次項において「新機構法」という。)第八条第二項第三号に掲げる委員として選定されたものとみなす。 この場合において、その選定されたものとみなされる者の任期は、同条第四項の規定にかかわらず、施行日における旧機構法第八条第二項第二号に掲げる委員としての任期の残任期間と同一の期間とする。 この法律の施行の際現に旧機構法第十三条第一項の規定により任命された理事長又は監事である者は、それぞれ、施行日に、新機構法第十三条第一項の規定により理事長又は監事として任命されたものとみなす。 この場合において、その任命されたものとみなされる者の任期は、新機構法第十四条第一項の規定にかかわらず、施行日における旧機構法第十三条第一項の規定により任命された理事長又は監事としてのそれぞれの任期の残任期間と同一の期間とする。
(罰則に関する経過措置)
第七十一条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第七十二条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
(検討)
第七十三条 政府は、行政機関等に係る申請、届出、処分の通知その他の手続において、個人の氏名を平仮名又は片仮名で表記したものを利用して当該個人を識別できるようにするため、個人の氏名を平仮名又は片仮名で表記したものを戸籍の記載事項とすることを含め、この法律の公布後一年以内を目途としてその具体的な方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。