第一条 この省令において使用する用語は、株式会社国際協力銀行法(以下「法」という。)及び株式会社国際協力銀行法施行令(平成二十三年政令第二百二十一号。以下「令」という。)において使用する用語の例によるほか、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 貸付債権等
貸付債権、法第二条第十一号に規定する公社債等その他の金銭債権をいう。
二 クレジットデリバティブ取引
当事者の一方が金銭を支払い、これに対して当事者があらかじめ定めた者の信用状態に係る事由が発生した場合において、相手方が金銭を支払うことを約する取引(当該事由が発生した場合において、相手方が貸付債権等を移転することを約するものを含む。)又はこれに類似する取引をいう。
第二条 法第二条第四号の財務省令で定める法人は、次に掲げる法人とする。
一 一連の行為として、有価証券の発行又は資金の借入れにより得られる金銭をもって貸付債権等を取得し、当該貸付債権等の管理及び処分により得られる金銭をもって、当該有価証券又は資金の借入れに係る債務の履行を専ら行うことを目的とする者(資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第二条第三項に規定する特定目的会社を除く。)
二 一連の行為として、有価証券の発行又は資金の借入れにより得られる金銭をもってクレジットデリバティブ取引を行い、当該クレジットデリバティブ取引により得られる金銭をもって、当該有価証券又は資金の借入れに係る債務の履行を専ら行うことを目的とする者
(新規企業者等から除かれる法人等)第三条 法第二条第七号イの財務省令で定める法人等は、中小企業者等(外国におけるこれに相当する者を含む。)以外の法人等の子会社等(会社法(平成十七年法律第八十六号)第二条第三号の二に規定する子会社等をいう。)とする。
(特定外国法人が行う事業)第四条 法第二条第十号イの財務省令で定める事業は、次に掲げるものとする。
一 次に掲げる事業のうち、我が国の法人等又は出資外国法人等が調達する物資の供給網の強化に必要なもの イ 我が国にとって重要な資源の開発に関する事業
ロ 再生可能エネルギー源(永続的に利用することができると認められるエネルギー源をいう。)による発電に必要な設備並びにその部分品及び附属品の製造に関する事業
ハ 蓄電池の製造に関する事業
ニ 船舶及び航空機の部分品及び附属品の製造に関する事業
ホ 医療機器の開発及び製造に関する事業
ヘ 医薬品の開発及び製造に関する事業
ト 電動機の製造に関する事業
チ 半導体素子、半導体集積回路及び半導体物質(これらの製造に必要な原材料及び装置を含む。)の製造に関する事業
リ 食料の生産(農業を含む。)に必要な肥料、農機具その他の物資の開発及び製造に関する事業
ヌ ガス、セメント製品その他の多様な事業に使用される素材であって、その製造に伴う温室効果ガスの排出量が当該素材の製造に通常利用される製法よりも大幅に抑制される製法により製造されるものの製造に関する事業
二 次に掲げる事業のうち、我が国の法人等又は出資外国法人等が利用する技術の提供の促進に必要なもの イ 人工知能関連技術(人工的な方法による学習、推論、判断等の知的な機能の実現及び人工的な方法により実現した当該機能の活用に関する技術をいう。)の開発に関する事業
ロ 量子計算機その他の量子の特性を利用した装置に関する技術の開発に関する事業
ハ バイオテクノロジーに関する技術の開発に関する事業
ニ ブロックチェーン技術の開発に関する事業
一 再生可能エネルギー源(永続的に利用することができると認められるエネルギー源をいう。)を変換して得られる電気の供給に必要な発電、送電その他の基盤の整備に関する事業
二 情報通信技術を活用するための基盤の整備(情報通信に係る人工衛星の打上げ、追跡及び運用を含む。)に関する事業
三 医療に関する事業
(法第二条第十六号の財務省令で定める貸付けと同様の経済的性質を有するもの)第五条 法第二条第十六号の財務省令で定める貸付けと同様の経済的性質を有するものは、宗教上の規律の制約により利息を受領することが禁じられている者を考慮して行われる取引のうち貸付けと同視すべきものとする。
(法第十二条第一項第一号の財務省令で定める利子と同様の経済的性質を有するもの)第六条 法第十二条第一項第一号の財務省令で定める利子と同様の経済的性質を有するものは、宗教上の規律の制約により利息を受領することが禁じられている者を考慮して行われる取引において授受する金銭のうち利子と同視すべきものとする。
(法第十三条第一項第二号の財務省令で定める貸付金と同様の経済的性質を有するもの)第七条 法第十三条第一項第二号の財務省令で定める貸付金と同様の経済的性質を有するものは、宗教上の規律の制約により利息を受領することが禁じられている者を考慮して行われる取引において授受する金銭のうち貸付金と同視すべきものとする。
(法第十三条第一項第二号の財務省令で定める利率と同様の経済的性質を有するもの)第八条 法第十三条第一項第二号の財務省令で定める利率と同様の経済的性質を有するものは、宗教上の規律の制約により利息を受領することが禁じられている者を考慮して行われる取引において授受する金銭に係る割合のうち利率と同視すべきものとする。
(特別業務基本方針)第九条 法第十三条の三第一項の財務省令で定める事項は、次のとおりとする。
一 特別業務(法第十三条の二第一項に規定する特別業務をいう。以下この条において同じ。)の実施体制に関する事項
二 特別業務の実施方法に関する事項
三 特別業務に関する財務の適正な管理に関する事項
四 特別業務に係る一般の金融機関が行う金融の補完に関する事項
五 法第十三条の二第二項第四号の体制による特別業務の実施状況に係る評価及び監視に関する事項
六 財務大臣に対する特別業務の実施状況の報告に関する事項
七 その他特別業務の適確な実施を確保するために必要な事項
2 会社は、法第十三条の三第一項前段の規定により同項に規定する特別業務基本方針(以下この項及び次項において「特別業務基本方針」という。)の認可を受けようとするときは、申請書に当該認可に係る特別業務基本方針を添えて、財務大臣に提出しなければならない。 3 会社は、法第十三条の三第一項後段の規定により特別業務基本方針の変更の認可を受けようとするときは、変更しようとする事項及び変更の理由を記載した申請書に変更後の特別業務基本方針を添えて、財務大臣に提出しなければならない。 (法第十四条第一項の財務省令で定める金融機関その他の法人)第十条 法第十四条第一項の財務省令で定める金融機関その他の法人は、次に掲げるものとする。
一 次に掲げる金融機関 イ 銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行
ロ 長期信用銀行法(昭和二十七年法律第百八十七号)第二条に規定する長期信用銀行
ハ 信用金庫及び信用金庫連合会
ニ 信用協同組合及び信用協同組合連合会(中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第九条の九第一項第一号の事業を行う協同組合連合会をいう。)
ホ 労働金庫及び労働金庫連合会
ヘ 農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第十条第一項第二号及び第三号の事業を併せ行う農業協同組合並びに都道府県の区域を地区とする農業協同組合連合会又は同項第十号の事業を行う全国の区域を地区とする農業協同組合連合会
ト 水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第十一条第一項第三号及び第四号の事業を併せ行う漁業協同組合並びに同法第八十七条第一項第三号及び第四号の事業を併せ行う漁業協同組合連合会
チ 農林中央金庫
リ 保険会社
ヌ 株式会社商工組合中央金庫
ル 株式会社日本政策投資銀行
ヲ 地方公共団体金融機構
ワ 株式会社日本政策金融公庫
カ 外国金融機関等
二 債権管理回収業に関する特別措置法(平成十年法律第百二十六号)第二条第三項に規定する債権回収会社(以下「債権回収会社」という。)及び外国の法令に準拠して外国において債権管理回収業に類似する業務を営む者(債権回収会社を除く。)
三 法第十二条第九項第三号に規定する金銭債権を譲渡した我が国の法人等又は出資外国法人等
四 次に掲げる要件を満たす法人 イ 農林漁業者の行う事業の振興に必要な長期資金を供給する者であること。
ロ 貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)第二条第二項に規定する貸金業者(以下「貸金業者」という。)であること。
ハ 資本金の額が五億円以上であること。
五 次に掲げる要件を満たす法人 イ 中小企業者の行う事業の振興に必要な長期資金を供給する者であること。
ロ 貸金業者であること。
ハ 資本金の額が五億円以上であること。
第十一条 法第十六条第二項の財務省令で定める利息と同様の経済的性質を有するものは、宗教上の規律の制約により利息を受領することが禁じられている者を考慮して行われる取引において授受する金銭のうち利息と同視すべきものとする。
(法第十六条第二項の財務省令で定める借入金と同様の経済的性質を有するもの)第十二条 法第十六条第二項の財務省令で定める借入金と同様の経済的性質を有するものは、宗教上の規律の制約により利息を受領することが禁じられている者を考慮して行われる取引において授受する金銭のうち借入金と同視すべきものとする。
(決算報告書等の閲覧期間)第十三条 法第二十七条第三項に規定する財務省令で定める期間は、五年間とする。
(予算の繰越し)第十四条 法第三十条第二項の規定により支出予算の繰越しについての財務大臣の承認を受けようとするときは、翌事業年度の四月三十日までに、繰越計算書を財務大臣に送付しなければならない。
2 前項の繰越計算書は、法第二十条第一項の規定により通知された支出予算と同一の区分により作成し、かつ、これに次に掲げる事項を記載しなければならない。一 繰越しを必要とする経費の予算現額及び科目並びに繰越しを必要とする事由
二 前号の経費の予算現額のうち支払済みとなった額及び当該事業年度内に支払うべき額
三 第一号の経費の予算現額のうち翌事業年度に繰越しを必要とする額
四 第一号の経費の予算現額のうち不用となるべき額
3 第一項の繰越計算書には、参考となる書類を添付しなければならない。 (法第三十三条第一項の財務省令で定める借入れと同様の経済的性質を有するもの)第十五条 法第三十三条第一項の財務省令で定める借入れと同様の経済的性質を有するものは、宗教上の規律の制約により利息を受領することが禁じられている者を考慮して行われる取引のうち借入れと同視すべきものとする。
(法第三十三条第一項の財務省令で定める短期借入金と同様の経済的性質を有するもの)第十六条 法第三十三条第一項の財務省令で定める短期借入金と同様の経済的性質を有するものは、宗教上の規律の制約により利息を受領することが禁じられている者を考慮して行われる取引において授受する金銭のうち短期借入金と同視すべきものとする。
(法第三十三条第二項の財務省令で定める借換えと同様の経済的性質を有するもの)第十七条 法第三十三条第二項の財務省令で定める借換えと同様の経済的性質を有するものは、宗教上の規律の制約により利息を受領することが禁じられている者を考慮して行われる取引のうち借換えと同視すべきものとする。
(余裕金の運用)第十八条 法第三十六条第七号の財務省令で定める方法は、法第三十三条に規定する借入金のうち外貨資金の借入れ、令第十一条に規定する国外社債の発行又は外貨通貨を対価とする本邦通貨の売却により調達した資金に係る業務上の余裕金については、次に掲げるものとする。
一 外国政府の発行する有価証券で外国通貨をもって表示されるもの
二 宗教上の規律の制約により利息を受領することが禁じられている者を考慮して行われる取引のうち預金と同視すべきもの
附則
この省令は、平成二十四年四月一日から施行する。附則(平成二八年五月一八日財務省令第四九号)
(施行期日)
第一条 この省令は、公布の日から施行する。
(貸付金及び利率の定義に関する経過措置)
第二条 この省令の施行の日から株式会社国際協力銀行法の一部を改正する法律(平成二十八年法律第四十一号)附則第一条ただし書に規定する規定の施行の日までの間におけるこの省令による改正後の株式会社国際協力銀行法施行規則(以下「新施行規則」という。)第二条の四及び第二条の五の規定の適用については、新施行規則第二条の四及び第二条の五(いずれも見出しを含む。)中「法第十三条第一項第二号」とあるのは「法第十三条第二項」とする。