第一章 総則
(趣旨)第一条 この政令は、公共施設等運営権及び公共施設等運営権を目的とする抵当権の登録に関し必要な事項を定めるものとする。
(定義)第二条 この政令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 登録記録 公共施設等運営権及び公共施設等運営権を目的とする抵当権の登録について、一の公共施設等運営権ごとに第九条の規定により作成される電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)をいう。
二 登録事項 この政令の規定により登録記録として登録すべき事項をいう。
三 登録名義人 登録記録に公共施設等運営権等(公共施設等運営権又は公共施設等運営権を目的とする抵当権をいう。以下同じ。)について権利者として記録されている者をいう。
四 登録権利者 登録をすることにより、登録上、直接に利益を受ける者をいい、間接に利益を受ける者を除く。
五 登録義務者 登録をすることにより、登録上、直接に不利益を受ける登録名義人をいい、間接に不利益を受ける登録名義人を除く。
六 変更の登録 登録事項に変更があった場合に当該登録事項を変更する登録をいう。
七 更正の登録 登録事項に錯誤又は遺漏があった場合に当該登録事項を訂正する登録をいう。
(管轄)第三条 第一条の登録は、内閣総理大臣が行う。
(権利の順位)第四条 同一の公共施設等運営権について登録した権利の順位は、法令に別段の定めがある場合を除き、登録の前後による。
2 付記登録(既にされた登録についてする登録であって、当該既にされた登録を変更し、若しくは更正し、又は公共施設等運営権を目的とする抵当権にあってはこれを移転し、若しくはこれを目的とする権利の設定等(設定、移転、変更、消滅又は処分の制限をいう。第五十七条第一号において同じ。)をするもので当該既にされた登録と一体のものとして公示する必要があるものをいう。以下この項及び第二十九条において同じ。)の順位は主登録(付記登録の対象となる既にされた登録をいう。以下この項において同じ。)の順位により、同一の主登録に係る付記登録の順位はその前後による。 (登録がないことを主張することができない第三者)第五条 詐欺又は強迫によって登録の申請を妨げた第三者は、その登録がないことを主張することができない。
2 他人のために登録を申請する義務を負う第三者は、その登録がないことを主張することができない。 ただし、その登録の登録原因(登録の原因となる事実又は法律行為をいう。以下同じ。)が自己の登録の登録原因の後に生じたときは、この限りでない。第二章 公共施設等運営権登録簿等
(公共施設等運営権登録簿)第六条 公共施設等運営権登録簿(以下「登録簿」という。)は、内閣府に備える。
(登録簿の調製)第七条 登録簿は、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む。)をもって調製する。
(登録)第八条 登録は、登録簿に登録事項を記録することによって行う。
(登録記録の作成)第九条 登録記録は、表題部及び権利部に区分して作成する。
(登録記録の滅失と回復)第十条 内閣総理大臣は、登録記録の全部又は一部が滅失したときは、当該登録記録の回復に必要な処分をすることができる。
(内閣府令への委任)第十一条 この章に定めるもののほか、登録簿及び登録記録の記録方法その他の登録の事務に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
第三章 登録手続
第一節 通則
(当事者の申請又は嘱託による登録)第十二条 登録は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の申請又は官庁若しくは公署の嘱託がなければ、することができない。
2 第五条及びこの章(この条、第二十二条第一項並びに第二項第一号、第三号から第六号まで及び第八号、第二十九条、第三十条、第三十三条、第三十六条、第三十八条から第四十条まで、第四十三条から第四十五条まで、第四十七条、第四十八条、第四十九条第二項、第五十二条、第五十三条、第五十八条、第六十条、第六十四条並びに第六十五条を除く。)の規定は、官庁又は公署の嘱託による登録の手続について準用する。 (申請の手続)第十三条 登録を申請する者(以下「申請人」という。)は、公共施設等運営権を識別するために必要な事項、申請人の氏名又は名称、登録の目的その他の登録の申請に必要な事項として内閣府令で定める事項を記載した申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
(受付)第十四条 内閣総理大臣は、前条の規定により申請書を受け取ったときは、内閣府令で定めるところにより、当該申請書に係る登録の申請の受付をしなければならない。
2 同一の公共施設等運営権に関し二以上の申請がされた場合において、その前後が明らかでないときは、これらの申請は、同時にされたものとみなす。 3 内閣総理大臣は、申請の受付をしたときは、当該申請に受付番号を付さなければならない。 この場合において、同一の公共施設等運営権に関し同時に二以上の申請がされたとき(前項の規定により同時にされたものとみなされるときを含む。)は、同一の受付番号を付するものとする。 (登録の順序)第十五条 内閣総理大臣は、同一の公共施設等運営権に関し登録の申請が二以上あったときは、これらの登録を受付番号の順序に従ってしなければならない。
(登録済証の交付)第十六条 内閣総理大臣は、その登録をすることによって申請人自らが登録名義人となる場合において、当該登録を完了したときは、内閣府令で定めるところにより、速やかに、当該申請人に対し、当該登録に係る登録済証を交付しなければならない。
(登録済証の提出)第十七条 登録権利者及び登録義務者が共同して登録の申請をする場合その他登録名義人が内閣府令で定める登録の申請をする場合には、申請人は、その申請書と併せて登録義務者(内閣府令で定める登録の申請にあっては、登録名義人。次条第一項及び第二項において同じ。)の登録済証を提出しなければならない。 ただし、申請人が登録済証を提供することができないことにつき正当な理由がある場合は、この限りでない。
(事前通知等)第十八条 内閣総理大臣は、申請人が前条に規定する申請をする場合において、同条ただし書の規定により登録済証を提出することができないときは、内閣府令で定める方法により、同条に規定する登録義務者に対し、当該申請があった旨及び当該申請の内容が真実であると思料するときは内閣府令で定める期間内に内閣府令で定めるところによりその旨の申出をすべき旨を通知しなければならない。 この場合において、内閣総理大臣は、当該期間内にあっては、当該申出がない限り、当該申請に係る登録をすることができない。
2 内閣総理大臣は、前項の登録の申請が公共施設等運営権に関するものである場合において、同項の登録義務者の住所について変更の登録がされているときは、内閣府令で定める場合を除き、同項の申請に基づいて登録をする前に、内閣府令で定める方法により、同項の規定による通知のほか、当該登録義務者の登録記録上の前の住所に宛てて、当該申請があった旨を通知しなければならない。 3 前二項の規定は、内閣総理大臣が第二十条(第九号を除く。)の規定により申請を却下すべき場合には、適用しない。 (本人確認)第十九条 内閣総理大臣は、登録の申請があった場合において、申請人となるべき者以外の者が申請していると疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、次条の規定により当該申請を却下すべき場合を除き、申請人又はその代表者若しくは代理人に対し、出頭を求め、質問をし、又は文書の提示その他必要な情報の提供を求める方法により、当該申請人の申請の権限の有無を調査しなければならない。
(申請の却下)第二十条 内閣総理大臣は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、登録の申請を却下しなければならない。 ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、内閣総理大臣が定めた相当の期間内に、申請人がこれを補正したときは、この限りでない。
一 申請が登録事項(他の法令の規定により登録記録として登録すべき事項を含む。)以外の事項の登録を目的とするとき。
二 申請に係る登録が既に登録されているとき。
三 申請の権限を有しない者の申請によるとき。
四 申請書又はその提出の方法がこの政令若しくはこの政令に基づく命令又はその他の法令の規定により定められた方式に適合しないとき。
五 申請書に記載した公共施設等運営権等が登録記録と合致しないとき。
六 申請書に記載した登録義務者(第二十八条、第三十七条、第四十二条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第四十六条又は第六十二条前段の場合にあっては、登録名義人)の氏名若しくは名称又は住所が登録記録と合致しないとき。
七 申請書に記載した事項が第二十四条に規定する登録原因を証する書面の内容と合致しないとき。
八 第十七条本文若しくは第二十四条の規定又はこの政令に基づく命令により申請書と併せて提出しなければならないものとされている書面が提出されないとき。
九 第十八条第一項に規定する期間内に同項の申出がないとき。
十 登録免許税を納付しないとき。
十一 前各号に掲げる場合のほか、登録すべきものでないときとして内閣府令で定めるとき。
(内閣府令への委任)第二十一条 第十二条から前条までに定めるもののほか、申請書の提出の方法並びに申請書と併せて提出することが必要な書面及びその提出の方法その他の登録申請の手続に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
(登録事項)第二十二条 表題部の登録事項は、次のとおりとする。
一 公共施設等の名称及び立地
二 公共施設等の運営等の内容
三 存続期間
四 公共施設等の管理者等の名称
五 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(以下「法」という。)第二十九条第一項の公共施設等運営権の行使の停止又はその停止の解除があったときは、その旨(行使の停止があった場合において停止期間があるときは、その旨及びその期間)
六 登録原因及びその日付
七 登録の年月日
八 前各号に掲げるもののほか、公共施設等運営権を識別するために必要な事項として内閣府令で定めるもの
2 権利部の登録事項は、次のとおりとする。一 登録の目的
二 申請の受付の年月日及び受付番号
三 登録原因及びその日付
四 公共施設等運営権等の権利者の氏名又は名称及び住所並びに公共施設等運営権を目的とする抵当権の登録名義人が二人以上である場合にあっては、当該抵当権の登録名義人ごとの持分
五 登録の目的である公共施設等運営権等の消滅に関する定めがあるときは、その定め
六 共有物分割禁止の定め(抵当権について民法(明治二十九年法律第八十九号)第二百六十四条において準用する同法第二百五十六条第一項ただし書の規定若しくは同法第九百八条第二項の規定により分割をしない旨の契約をした場合若しくは同条第一項の規定により被相続人が遺言で抵当権について分割を禁止した場合における抵当権の分割を禁止する定め又は同条第四項の規定により家庭裁判所が遺産である抵当権についてした分割を禁止する審判をいう。第二十八条において同じ。)があるときは、その定め
七 民法第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わって登録を申請した者(以下「代位者」という。)があるときは、当該代位者の氏名又は名称及び住所並びに代位原因
八 第二号に掲げるもののほか、権利の順位を明らかにするために必要な事項として内閣府令で定めるもの
(共同申請)第二十三条 登録の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登録権利者及び登録義務者が共同してしなければならない。
(登録原因を証する書面の提出)第二十四条 登録を申請する場合には、申請人は、法令に別段の定めがある場合を除き、その申請書と併せて登録原因を証する書面を提出しなければならない。
(一般承継人による申請)第二十五条 登録権利者、登録義務者又は登録名義人が登録の申請人となることができる場合において、当該登録権利者、登録義務者又は登録名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該登録を申請することができる。
(判決による登録等)第二十六条 第二十三条、第二十八条又は第四十二条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、これらの規定により申請を共同してしなければならない者の一方に登録手続をすべきことを命ずる確定判決による登録は、当該申請を共同してしなければならない者の他方が単独で申請することができる。
2 相続又は法人の合併による権利の移転の登録は、登録権利者が単独で申請することができる。 (登録名義人だけですることができる登録の申請)第二十七条 次に掲げる登録の申請は、登録名義人だけですることができる。
一 公共施設等の名称についての変更の登録
二 表題部の登録事項についての更正の登録
三 登録名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登録又は更正の登録
(共有物分割禁止の定めの登録)第二十八条 共有物分割禁止の定めに係る公共施設等運営権等の変更の登録の申請は、共有者である全ての登録名義人が共同してしなければならない。
(権利部の変更の登録又は更正の登録)第二十九条 権利部の登録事項についての変更の登録又は更正の登録は、登録上の利害関係を有する第三者の承諾がある場合及び当該第三者がない場合に限り、付記登録によってすることができる。
(登録の更正)第三十条 内閣総理大臣は、登録を完了した後その登録について錯誤又は遺漏があることを発見した場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、遅滞なく、職権でその登録を更正し、かつ、その旨を第一号に掲げる場合にあっては登録名義人に、第二号に掲げる場合にあっては登録権利者及び登録義務者(登録権利者及び登録義務者がない場合にあっては、登録名義人。次項において同じ。)に通知しなければならない。 ただし、登録権利者、登録義務者又は登録名義人がそれぞれ二人以上あるときは、その一人に対し通知すれば足りる。
一 錯誤又は遺漏が表題部の登録事項に関するものであるとき。
二 前号に掲げる場合を除くほか、錯誤又は遺漏が内閣総理大臣の過失に基づくものであるとき(登録上の利害関係を有する第三者がある場合にあっては、当該第三者の承諾があるときに限る。)。
2 前項の規定により登録を更正すべき場合を除き、内閣総理大臣は、登録を完了した後その登録について錯誤又は遺漏があることを発見したときは、遅滞なく、その旨を登録権利者及び登録義務者に通知しなければならない。 この場合においては、同項ただし書の規定を準用する。 3 第一項又は前項に規定する通知は、代位者にもしなければならない。 この場合においては、第一項ただし書の規定を準用する。 (登録の抹消)第三十一条 登録の抹消は、登録上の利害関係を有する第三者がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。
(除権決定による登録の抹消等)第三十二条 登録権利者は、共同して登録の抹消の申請をすべき者の所在が知れないためその者と共同して登録の抹消を申請することができないときは、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第九十九条に規定する公示催告の申立てをすることができる。
2 前項の登録が買戻しの特約に関する登録であり、かつ、登録された買戻しの期間が満了している場合において、相当の調査が行われたと認められるものとして内閣府令で定める方法により調査を行ってもなお共同して登録の抹消の申請をすべき者の所在が判明しないときは、その者の所在が知れないものとみなして、同項の規定を適用する。 3 前二項の場合において、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定があったときは、第二十三条の規定にかかわらず、当該登録権利者は、単独で第一項の登録の抹消を申請することができる。 4 第一項に規定する場合において、登録権利者が抵当権の被担保債権が消滅したことを証する書面として内閣府令で定めるものを提供したときは、第二十三条の規定にかかわらず、当該登録権利者は、単独で抵当権に関する登録の抹消を申請することができる。 同項に規定する場合において、被担保債権の弁済期から二十年を経過し、かつ、その期間を経過した後に当該被担保債権、その利息及び債務不履行により生じた損害の全額に相当する金銭が供託されたときも、同様とする。 (職権による登録の抹消)第三十三条 内閣総理大臣は、登録を完了した後に当該登録が第二十条第一号、第二号又は第十一号に該当することを発見したときは、登録権利者及び登録義務者並びに登録上の利害関係を有する第三者に対し、一月以内の期間を定め、当該登録の抹消について異議のある者がその期間内に書面で異議を述べないときは、当該登録を抹消する旨を通知しなければならない。
2 内閣総理大臣は、通知を受けるべき者の住所又は居所が知れないときは、内閣府令で定めるところにより、前項の通知に代えて、通知をすべき内容を公告しなければならない。 3 内閣総理大臣は、第一項の異議を述べた者がある場合において、当該異議に理由がないと認めるときは決定で当該異議を却下し、当該異議に理由があると認めるときは決定でその旨を宣言し、かつ、当該異議を述べた者に通知しなければならない。 4 内閣総理大臣は、第一項の異議を述べた者がないとき、又は前項の規定により当該異議を却下したときは、職権で、第一項に規定する登録を抹消しなければならない。 (抹消された登録の回復)第三十四条 抹消された登録の回復は、登録上の利害関係を有する第三者がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。
第二節 公共施設等運営権に関する登録
(公共施設等運営権の設定の登録)第三十五条 公共施設等運営権の設定の登録は、次に掲げる者以外の者は、申請することができない。
一 公共施設等運営権の設定を受けた者又はその者から法人の合併その他の一般承継により公共施設等運営権を取得した者
二 公共施設等運営権を有することが確定判決によって確認された者
(設定の登録がされていない公共施設等運営権について処分の制限の登録の嘱託があった場合の措置)第三十六条 内閣総理大臣は、設定の登録がされていない公共施設等運営権について、嘱託により公共施設等運営権の処分の制限の登録をし、又は申請若しくは嘱託により法第二十九条第一項の公共施設等運営権の行使の停止の登録をするときは、職権で、公共施設等運営権の設定の登録をしなければならない。
(公共施設等運営権の放棄による抹消の登録)第三十七条 公共施設等運営権の放棄による登録の抹消は、公共施設等運営権の登録名義人が単独で申請することができる。
(公共施設等運営権の行使の停止等による登録)第三十八条 公共施設等の管理者等は、次の各号のいずれかに該当するときは、公共施設等運営権の登録の抹消を内閣総理大臣に申請し、又は嘱託しなければならない。
一 存続期間が満了したとき。
二 法第二十九条第一項の規定により公共施設等運営権を取り消したとき。
三 法第二十九条第四項の規定により公共施設等運営権が消滅したとき。
2 公共施設等の管理者等は、法第二十九条第一項の公共施設等運営権の行使の停止又はその停止の解除を行ったときは、当該公共施設等運営権の行使の停止又はその停止の解除の登録を内閣総理大臣に申請し、又は嘱託しなければならない。第三節 抵当権等に関する登録
(抵当権の登録の登録事項)第三十九条 抵当権(根抵当権(民法第三百九十八条の二第一項の規定による抵当権をいう。以下同じ。)を除く。)の登録の登録事項は、第二十二条第二項各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
一 債権額(一定の金額を目的としない債権については、その価額)
二 債務者の氏名又は名称及び住所
三 抵当権を目的とするときは、当該抵当権
四 二以上の公共施設等運営権を目的とするときは、当該二以上の公共施設等運営権
五 外国通貨で第一号の債権額を指定した債権を担保する抵当権の登録にあっては、本邦通貨で表示した担保限度額
六 利息に関する定めがあるときは、その定め
七 民法第三百七十五条第二項に規定する損害の賠償額の定めがあるときは、その定め
八 債権に付した条件があるときは、その条件
2 根抵当権の登録の登録事項は、第二十二条第二項各号及び前項第二号から第五号までに掲げるもののほか、次のとおりとする。一 担保すべき債権の範囲及び極度額
二 担保すべき元本の確定すべき期日の定めがあるときは、その定め
三 民法第三百九十八条の十四第一項ただし書の定めがあるときは、その定め
3 内閣総理大臣は、第一項第四号に掲げる事項を明らかにするため、内閣府令で定めるところにより、共同担保目録を作成することができる。 (債権の一部譲渡による抵当権の移転の登録等の登録事項)第四十条 債権の一部について譲渡又は代位弁済がされた場合における抵当権の移転の登録の登録事項は、第二十二条第二項各号に掲げるもののほか、当該譲渡又は代位弁済の目的である債権の額とする。
(死亡又は解散による登録の抹消)第四十一条 抵当権が人の死亡又は法人の解散によって消滅する旨が登録されている場合において、当該抵当権がその死亡又は解散によって消滅したときは、第二十三条の規定にかかわらず、登録権利者は、単独で当該抵当権に係る権利に関する登録の抹消を申請することができる。
(解散した法人の抵当権に関する登録の抹消)第四十一条の二 登録権利者は、共同して抵当権に関する登録の抹消の申請をすべき法人が解散し、第三十二条第二項に規定する方法により調査を行ってもなおその法人の清算人の所在が判明しないためその法人と共同して当該登録の抹消を申請することができない場合において、被担保債権の弁済期から三十年を経過し、かつ、その法人の解散の日から三十年を経過したときは、第二十三条の規定にかかわらず、単独で当該登録の抹消を申請することができる。
(抵当権の順位の変更の登録等)第四十二条 抵当権の順位の変更の登録の申請は、順位を変更する当該抵当権の登録名義人が共同してしなければならない。
2 前項の規定は、民法第三百九十八条の十四第一項ただし書の定めがある場合の当該定めの登録の申請について準用する。 (抵当権の処分の登録)第四十三条 第三十九条の規定は、民法第三百七十六条第一項の規定により抵当権を他の債権のための担保とし、又は抵当権を譲渡し、若しくは放棄する場合の登録について準用する。
(共同抵当の代位の登録)第四十四条 民法第三百九十三条の規定による代位の登録の登録事項は、第二十二条第二項各号に掲げるもののほか、先順位の抵当権者が弁済を受けた公共施設等運営権、当該公共施設等運営権の代価及び当該弁済を受けた額とする。
2 第三十九条の規定は、前項の登録について準用する。 (根抵当権当事者の相続に関する合意の登録の制限)第四十五条 民法第三百九十八条の八第一項又は第二項の合意の登録は、当該相続による根抵当権の移転又は債務者の変更の登録をした後でなければ、することができない。
(根抵当権の元本の確定の登録)第四十六条 民法第三百九十八条の十九第二項又は第三百九十八条の二十第一項第三号若しくは第四号の規定により根抵当権の担保すべき元本が確定した場合の登録は、第二十三条の規定にかかわらず、当該根抵当権の登録名義人が単独で申請することができる。 ただし、同項第三号又は第四号の規定により根抵当権の担保すべき元本が確定した場合における申請は、当該根抵当権又はこれを目的とする権利の取得の登録の申請と併せてしなければならない。
(買戻しの特約の登録の登録事項)第四十七条 買戻しの特約の登録の登録事項は、第二十二条第二項各号に掲げるもののほか、買主が支払った代金(民法第五百七十九条の別段の合意をした場合にあっては、その合意により定めた金額)及び契約の費用並びに買戻しの期間の定めがあるときはその定めとする。
(買戻しの特約に関する登録の抹消)第四十七条の二 買戻しの特約に関する登録がされている場合において、契約の日から十年を経過したときは、第二十三条の規定にかかわらず、登録権利者は、単独で当該登録の抹消を申請することができる。
第四節 信託に関する登録
(信託の登録の登録事項)第四十八条 信託の登録の登録事項は、第二十二条第二項各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
一 委託者、受託者及び受益者の氏名又は名称及び住所
二 受益者の指定に関する条件又は受益者を定める方法の定めがあるときは、その定め
三 信託管理人があるときは、その氏名又は名称及び住所
四 受益者代理人があるときは、その氏名又は名称及び住所
五 信託法(平成十八年法律第百八号)第百八十五条第三項に規定する受益証券発行信託であるときは、その旨
六 信託法第二百五十八条第一項に規定する受益者の定めのない信託であるときは、その旨
七 公益信託ニ関スル法律(大正十一年法律第六十二号)第一条に規定する公益信託であるときは、その旨
八 信託の目的
九 信託財産の管理方法
十 信託の終了の事由
十一 その他の信託の条項
2 前項第二号から第六号までに掲げる事項のいずれかを登録したときは、同項第一号の受益者(同項第四号に掲げる事項を登録した場合にあっては、当該受益者代理人が代理する受益者に限る。)の氏名又は名称及び住所を登録することを要しない。 3 内閣総理大臣は、第一項各号に掲げる事項を明らかにするため、内閣府令で定めるところにより、信託目録を作成することができる。 (信託の登録の申請方法等)第四十九条 信託の登録の申請は、当該信託に係る公共施設等運営権等の設定、移転又は変更の登録の申請と同時にしなければならない。
2 信託の登録は、受託者が単独で申請することができる。 3 信託法第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による公共施設等運営権等の変更の登録は、受託者が単独で申請することができる。 (代位による信託の登録の申請)第五十条 受益者又は委託者は、受託者に代わって信託の登録を申請することができる。
(受託者の変更による登録等)第五十一条 受託者の任務が死亡、後見開始若しくは保佐開始の審判、破産手続開始の決定、法人の合併以外の理由による解散又は裁判所若しくは主務官庁(その権限の委任を受けた国に所属する行政庁及びその権限に属する事務を処理する都道府県の執行機関を含む。第五十三条第二項において同じ。)の解任命令により終了し、新たに受託者が選任されたときは、信託財産に属する公共施設等運営権等についてする受託者の変更による移転の登録は、第二十三条の規定にかかわらず、新たに選任された当該受託者が単独で申請することができる。
2 受託者が二人以上ある場合において、そのうち少なくとも一人の受託者の任務が前項に規定する事由により終了したときは、信託財産に属する公共施設等運営権等についてする当該受託者の任務の終了による変更の登録は、第二十三条の規定にかかわらず、他の受託者が単独で申請することができる。 (職権による信託の変更の登録)第五十二条 内閣総理大臣は、信託財産に属する公共施設等運営権等について次に掲げる登録をするときは、職権で、信託の変更の登録をしなければならない。
一 信託法第七十五条第一項又は第二項の規定による公共施設等運営権等の移転の登録
二 信託法第八十六条第四項本文の規定による公共施設等運営権等の変更の登録
三 受託者である登録名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登録又は更正の登録
(嘱託による信託の変更の登録)第五十三条 裁判所書記官は、受託者の解任の裁判があったとき、信託管理人若しくは受益者代理人の選任若しくは解任の裁判があったとき、又は信託の変更を命ずる裁判があったときは、職権で、遅滞なく、信託の変更の登録を内閣総理大臣に嘱託しなければならない。
2 主務官庁は、受託者を解任したとき、信託管理人若しくは受益者代理人を選任し、若しくは解任したとき、又は信託の変更を命じたときは、遅滞なく、信託の変更の登録を内閣総理大臣に嘱託しなければならない。 (信託の変更の登録の申請)第五十四条 前二条に規定するもののほか、第四十八条第一項各号に掲げる登録事項について変更があったときは、受託者は、遅滞なく、信託の変更の登録を申請しなければならない。
2 第五十条の規定は、前項の信託の変更の登録の申請について準用する。 (信託の登録の抹消)第五十五条 信託財産に属する公共施設等運営権等が移転、変更又は消滅により信託財産に属しないこととなった場合における信託の登録の抹消の申請は、当該公共施設等運営権等の移転の登録若しくは変更の登録又は当該公共施設等運営権等の登録の抹消の申請と同時にしなければならない。
2 信託の登録の抹消は、受託者が単独で申請することができる。 (権利の変更の登録等の特則)第五十六条 信託の併合又は分割により公共施設等運営権等が一の信託の信託財産に属する財産から他の信託の信託財産に属する財産となった場合における当該公共施設等運営権等に係る当該一の信託についての信託の登録の抹消及び当該他の信託についての信託の登録の申請は、信託の併合又は分割による公共施設等運営権等の変更の登録の申請と同時にしなければならない。 信託の併合又は分割以外の事由により公共施設等運営権等が一の信託の信託財産に属する財産から受託者を同一とする他の信託の信託財産に属する財産となった場合も、同様とする。
2 信託財産に属する公共施設等運営権等についてする次の表の上欄に掲げる場合における権利の変更の登録(第四十九条第三項の登録を除く。)については、同表の中欄に掲げる者を登録権利者とし、同表の下欄に掲げる者を登録義務者とする。 この場合において、受益者(信託管理人がある場合にあっては、信託管理人。以下この項において同じ。)については、第十七条本文の規定は、適用しない。第五節 仮登録
(仮登録)第五十七条 仮登録は、次に掲げる場合にすることができる。
一 公共施設等運営権等について設定等があった場合において、当該設定等に係る登録の申請をするために内閣総理大臣に対し提出しなければならない書面であって、第二十条第八号の申請書と併せて提出しなければならないものとされているもののうち内閣府令で定めるものを提出することができないとき。
二 公共施設等運営権等の設定、移転、変更又は消滅に関して請求権(始期付き又は停止条件付きのものその他将来確定することが見込まれるものを含む。)を保全しようとするとき。
(仮登録に基づく本登録の順位)第五十八条 仮登録に基づいて本登録(仮登録がされた後、これと同一の公共施設等運営権についてされる同一の公共施設等運営権等についての登録であって、当該公共施設等運営権に係る登録記録に当該仮登録に基づく登録であることが記録されているものをいう。以下同じ。)をした場合は、当該本登録の順位は、当該仮登録の順位による。
(仮登録の申請方法)第五十九条 仮登録は、仮登録の登録義務者の承諾があるとき及び次条に規定する仮登録を命ずる処分があるときは、第二十三条の規定にかかわらず、当該仮登録の登録権利者が単独で申請することができる。
2 仮登録の登録権利者及び登録義務者が共同して仮登録を申請する場合については、第十七条本文の規定は、適用しない。 (仮登録を命ずる処分)第六十条 裁判所は、仮登録の登録権利者の申立てにより、仮登録を命ずる処分をすることができる。
2 前項の申立てをするときは、仮登録の原因となる事実を疎明しなければならない。 3 第一項の申立てに係る事件は、公共施設等運営権に係る公共施設等の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。 4 第一項の申立てを却下した決定に対しては、即時抗告をすることができる。 5 非訟事件手続法第二条及び第二編(第五条、第六条、第七条第二項、第四十条、第五十九条、第六十六条第一項及び第二項並びに第七十二条を除く。)の規定は、前項の即時抗告について準用する。 (仮登録に基づく本登録)第六十一条 公共施設等運営権に関する仮登録に基づく本登録は、登録上の利害関係を有する第三者がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による申請に基づいて登録をするときは、職権で、同項の第三者の権利に関する登録を抹消しなければならない。 (仮登録の抹消)第六十二条 仮登録の抹消は、第二十三条の規定にかかわらず、仮登録の登録名義人が単独で申請することができる。 仮登録の登録名義人の承諾がある場合における当該仮登録の登録上の利害関係人も、同様とする。
第六節 仮処分に関する登録
(仮処分の登録に後れる登録の抹消)第六十三条 公共施設等運営権について民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十四条において準用する同法第五十三条第一項の規定による処分禁止の登録(同法第五十四条において準用する同法第五十三条第二項の規定による仮処分による仮登録(以下「保全仮登録」という。)とともにしたものを除く。以下この条において同じ。)がされた後、当該処分禁止の登録に係る仮処分の債権者が当該仮処分の債務者を登録義務者とする公共施設等運営権の登録(仮登録を除く。)を申請する場合においては、当該債権者は、当該処分禁止の登録に後れる登録の抹消を単独で申請することができる。
2 前項の規定は、公共施設等運営権を目的とする抵当権について民事保全法第五十四条において準用する同法第五十三条第一項の規定による処分禁止の登録がされた後、当該処分禁止の登録に係る仮処分の債権者が当該仮処分の債務者を登録義務者とする当該抵当権の移転又は消滅に関し登録(仮登録を除く。)を申請する場合について準用する。 3 内閣総理大臣は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の申請に基づいて当該処分禁止の登録に後れる登録を抹消するときは、職権で、当該処分禁止の登録も抹消しなければならない。 (保全仮登録に基づく本登録の順位)第六十四条 保全仮登録に基づいて本登録をした場合は、当該本登録の順位は、当該保全仮登録の順位による。
(処分禁止の登録の抹消)第六十五条 内閣総理大臣は、保全仮登録に基づく本登録をするときは、職権で、当該保全仮登録とともにした処分禁止の登録を抹消しなければならない。
第四章 登録事項の証明等
(登録事項証明書等の交付等)第六十六条 何人も、内閣総理大臣に対し、手数料を納付して、登録記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面(第六項において「登録事項証明書」という。)の交付を請求することができる。
2 何人も、内閣総理大臣に対し、手数料を納付して、登録簿の附属書類(電磁的記録を含む。以下同じ。)のうち内閣府令で定める図面の全部又は一部の写し(これらの図面が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面。第六項において同じ。)の交付を請求することができる。 3 何人も、内閣総理大臣に対し、手数料を納付して、登録簿の附属書類のうち前項の図面(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を内閣府令で定める方法により表示したもの。次項及び第六項において同じ。)の閲覧を請求することができる。 4 何人も、正当な理由があるときは、内閣総理大臣に対し、内閣府令で定めるところにより、手数料を納付して、登録簿の附属書類(第二項の図面を除き、電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を内閣府令で定める方法により表示したもの。次項及び第六項において同じ。)の全部又は一部(その正当な理由があると認められる部分に限る。)の閲覧を請求することができる。 5 前項の規定にかかわらず、登録を申請した者は、内閣総理大臣に対し、内閣府令で定めるところにより、手数料を納付して、自己を申請人とする登録記録に係る登録簿の附属書類の閲覧を請求することができる。 6 前各項に規定する手数料の額は、次の表のとおりとする。 7 国又は地方公共団体の職員が、職務上第一項から第五項までの規定による請求をするときは、手数料を納付することを要しない。 (内閣府令への委任)第六十七条 前条に定めるもののほか、登録簿及び登録簿の附属書類の公開に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
第五章 雑則
(行政機関の保有する情報の公開に関する法律の適用除外)第六十八条 登録簿の附属書類については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)の規定は、適用しない。
(個人情報の保護に関する法律の適用除外)第六十九条 登録簿の附属書類に記録されている保有個人情報(個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第六十条第一項に規定する保有個人情報をいう。)については、同法第五章第四節の規定は、適用しない。
附則
この政令は、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律(平成二十三年法律第五十七号)の施行の日(平成二十三年十一月三十日)から施行する。附則(平成二四年七月一九日政令第一九七号)
この政令は、新非訟事件手続法の施行の日(平成二十五年一月一日)から施行する。附則(平成二五年九月四日政令第二五六号)
この政令は、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律の施行の日(平成二十五年九月五日)から施行する。附則(平成二九年二月一五日政令第一九号)
(施行期日)
第一条 この政令は、整備法の施行の日(平成二十九年五月三十日)から施行する。
附則(平成三〇年六月六日政令第一八三号)
この政令は、民法の一部を改正する法律の施行の日(令和二年四月一日)から施行する。附則(令和元年六月二八日政令第四四号)
(施行期日)
第一条 この政令は、不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行の日(令和元年七月一日)から施行する。
附則(令和三年一〇月二九日政令第二九二号)
(施行期日)
第一条 この政令は、デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律(次条第一項及び附則第四条において「整備法」という。)第五十条の規定の施行の日(令和四年四月一日。附則第四条において「整備法第五十条施行日」という。)から施行する。
附則(令和四年一二月二八日政令第四〇二号)
(施行期日)
第一条 この政令は、令和五年四月一日から施行する。
(経過措置)
第二条 この政令による改正後の公共施設等運営権登録令(以下「新令」という。)第三十二条第二項の規定は、この政令の施行の日(以下「施行日」という。)以後に申し立てられる公示催告の申立てに係る事件について適用する。 新令第四十一条の二及び第四十七条の二の規定は、施行日以後にされる登録の抹消の申請について適用する。 新令第六十六条第三項から第五項までの規定は、施行日以後にされる登録簿の附属書類の閲覧請求について適用し、施行日前にされた登録簿の附属書類の閲覧請求については、なお従前の例による。