[PR] 弁護士のためのマーケティング顧問

[PR] スタートアップ支援業務の教科書

平成二十三年政令第二百九十四号
平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律施行令

施行日:

出典:e-Gov 法令検索 [XML]

内閣は、平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律(平成二十三年法律第九十一号)第三条第一項、第四条第一項本文、第五条第一項、第八条第三項及び第五項、第九条第一項、第十五条並びに第十六条の規定に基づき、この政令を制定する。
(仮払金対象損害)

第一条 平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律(以下「法」という。)第三条第一項の政令で定める特定原子力損害は、特定原子力損害のうち平成二十三年原子力事故に係る放射性物質による汚染の有無又はその状況が明らかになっていないことに起因する観光客の数の減少に伴う商品の販売又は役務の提供に係る取引の数量の減少又はその価格の低下(以下「平成二十三年原子力事故による取引の数量の減少等」という。)による収益の減少に係るものであって、福島県、茨城県、栃木県又は群馬県の区域内の営業所又は事務所において次に掲げる事業を行う者(中小企業基本法(昭和三十八年法律第百五十四号)第二条第一項に規定する中小企業者その他主務省令で定める者であるものに限る。)が当該事業について受けたもの(以下「仮払金対象損害」という。)とする。

旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する旅館業

道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)第三条第一号ロに規定する一般貸切旅客自動車運送事業

旅行業法(昭和二十七年法律第二百三十九号)第二条第一項に規定する旅行業

主として観光客を対象とする小売業

主として観光客を対象とする外食産業

前各号に掲げるもののほか、平成二十三年原子力事故による取引の数量の減少等により当該事業を行う事業者に相当程度の収益の減少が生じていると認められる事業として主務省令で定める事業

(仮払金の額の算定)

第二条 法第四条第一項本文の政令で定める資料は、次に掲げる資料とする。

戸籍若しくは住民票の謄本若しくは抄本若しくは登記事項証明書又はこれに準ずべき書面

法第五条第一項の規定による仮払金の支払の請求をしようとする仮払金対象損害(以下「請求対象損害」という。)に係る事業(以下この条において「請求対象事業」という。)に係る平成二十三年三月十一日を含む事業年度前の事業年度で主務省令で定めるものにおける収益の額を証する書類であって主務省令で定めるもの

請求対象損害の額の算定の基礎となる期間(次項において「請求対象期間」という。)における請求対象事業に係る収支の状況を証する書類であって主務省令で定めるもの

請求対象事業が前条第四号又は第五号に掲げる事業である者にあっては、当該事業を主として観光客を対象として行っていることを証する書類であって主務省令で定めるもの

その他主務省令で定める資料

2 法第四条第一項本文の政令で定める簡易な方法は、請求対象期間における請求対象事業に係る収益の減少額として前項に規定する資料に基づき主務省令で定めるところにより算定した額から、当該額のうち平成二十三年原子力事故による取引の数量の減少等以外の事由により生じたものと認められる額を控除するために相当な額として主務省令で定めるところにより算定した額を控除する方法とする。

3 法第四条第一項本文の政令で定める割合は、十分の五とする。

(仮払金の支払の請求)

第三条 法第五条第一項の規定による仮払金の支払の請求をしようとする者(以下「請求者」という。)は、主務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した請求書を法第十五条に規定する主務大臣(以下単に「主務大臣」という。)に提出しなければならない。

請求者の氏名又は名称及び住所又は本店若しくは主たる事務所の所在地

請求対象損害の概要

仮払金の請求額及びその算定の基礎

その他主務省令で定める事項

2 前項の請求書には、次に掲げる資料を添付しなければならない。

前条第一項に規定する資料

請求者が法第五条第二項の規定により自己の名で仮払金の支払を請求することができる者である場合にあっては、その旨を証する書類

請求者が法第九条第一項に規定する特定原子力損害の賠償を受けた場合にあっては、その旨及びその価額を証する書類

その他主務省令で定める資料

(支払の決定等)

第四条 主務大臣は、法第五条第一項の規定による仮払金の支払の請求があったときは、遅滞なく、特定原子力事業者(原子力損害の賠償に関する法律(昭和三十六年法律第百四十七号)第三条第一項の規定により特定原子力損害を賠償する責めに任ずべき者をいう。以下同じ。)の意見を聴いて、当該請求に係る仮払金の支払をするかどうか及び当該仮払金の支払をする場合にあってはその額を決定しなければならない。

2 主務大臣は、前項の規定による決定をしたときは、速やかに、請求者及び特定原子力事業者に対し、当該決定に係る事項を通知しなければならない。

(仮払金の支払に関する事務の委託)

第五条 主務大臣が法第八条第三項の規定により委託することができる事務は、次に掲げる事務とする。

仮払金の支払の請求の受付

仮払金の額の算定

前二号に掲げるもののほか、仮払金の支払に関する事務(会計法(昭和二十二年法律第三十五号)に基づく支出の決定及び交付の事務を除く。)で主務省令で定めるもの

(仮払金の支払に関する事務を行う者)

第六条 法第八条第三項の政令で定める者は、次の各号に掲げる事務の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める者とする。

前条第一号に掲げる事務
原子力損害賠償・廃炉等支援機構又は特定原子力事業者

前条第二号及び第三号に掲げる事務
原子力損害賠償・廃炉等支援機構(法第八条第四項の規定により交付する資金に係る現金の出納保管の事務については、その理事長)

(会計法等を適用する場合の読替え等)

第七条 法第八条第五項の規定による次の表の第一欄に掲げる法令の適用については、同欄に掲げる法令の同表の第二欄に掲げる規定中同表の第三欄に掲げる字句は、それぞれ同表の第四欄に掲げる字句に読み替えるものとする。

2 前項の場合において、会計法第三十九条第二項、第四十条及び第四十条の二並びに予算執行職員等の責任に関する法律第六条並びに予算決算及び会計令第百十一条の規定は、適用しない。

3 法第八条第五項の規定による政令以外の命令の適用に関し必要な読替えは、当該命令を発する者が定める。

(特定原子力損害の賠償に相当する金銭の支払)

第八条 法第九条第一項の政令で定める金銭の支払は、特定原子力損害の賠償の額が確定したときにその履行に充てるべきものとして特定原子力事業者が行う一切の金銭の支払とする。

(主務大臣等)

第九条 法第十五条の政令で定める大臣は、次の各号に掲げる事業の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める大臣とする。

第一条第一号に掲げる事業
厚生労働大臣

第一条第二号及び第三号に掲げる事業
国土交通大臣

第一条第四号に掲げる事業
農林水産大臣及び経済産業大臣

第一条第五号に掲げる事業
農林水産大臣

第一条第六号に掲げる事業
当該事業を所管する大臣

2 この政令における主務省令は、主務大臣が発する命令とする。

(主務省令への委任)

第十条 この政令に定めるもののほか、仮払金の支払の手続その他仮払金の支払に関し必要な事項は、主務省令で定める。

附則

この政令は、法の施行の日(平成二十三年九月十八日)から施行する。 政府は、特定原子力事業者による特定原子力損害の賠償の支払の状況その他の事情を勘案し、特定原子力損害を受けた者の早期の救済及び適正な国民負担の観点から、仮払金対象損害の範囲の見直しその他の措置について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

附則(平成二六年八月六日政令第二七三号)

この政令は、原子力損害賠償支援機構法の一部を改正する法律の施行の日(平成二十六年八月十八日)から施行する。 第三条(第七号及び第八号に係る部分に限る。)の規定の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。