第一章 総則
(適用の一般原則)第一条 私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号。以下「法」という。)第四十七条第一項の規定により有価証券発行学校法人が作成しなければならない書類のうち財務諸表の用語、様式及び作成方法については、この省令の定めるところによるものとし、この省令に定めのない事項については、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うものとする。
(定義)第二条 この省令において「有価証券発行学校法人」とは、金融商品取引法施行令(昭和四十年政令第三百二十一号)第一条第二号に掲げる証券若しくは証書を発行し、若しくは発行しようとし、又は同令第一条の三の四に規定する権利を有価証券として発行し、若しくは発行しようとする学校法人等(法第三条に規定する学校法人及び法第六十四条第四項に規定する法人をいう。以下同じ。)であって、当該証券若しくは当該証書又は当該権利について金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)に規定する募集又は売出しを行うものをいう。
2 この省令において「財務諸表」とは、法第四十七条第一項に規定する書類のうち貸借対照表及び収支計算書(損益計算書、純資産変動計算書、キャッシュ・フロー計算書及び附属明細表に限る。)をいう。 3 この省令において「一年内」とは、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内の日をいう。 4 この省令において「経常的な活動」とは、有価証券発行学校法人の事業目的のための事業活動において経常的に又は短期的に循環して行われる活動をいう。 5 この省令において「子会社」とは、有価証券発行学校法人が会社等(会社、組合その他これらに準ずる事業体(外国におけるこれらに相当するものを含む。)をいう。以下同じ。)の財務及び営業又は事業の方針を決定する機関(株主総会その他これに準ずる機関をいう。以下この項及び次項において「意思決定機関」という。)を支配している場合の当該会社等をいう。 この場合において、有価証券発行学校法人及び子会社又は子会社が他の会社等の意思決定機関を支配している場合における当該他の会社等も、当該有価証券発行学校法人の子会社とみなす。 6 前項に規定する「会社等の意思決定機関を支配している場合」とは、次に掲げる場合(財務上又は営業上若しくは事業上の関係からみて他の会社等の意思決定機関を支配していないことが明らかであると認められる場合を除く。)をいう。一 会社等(民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)の規定による再生手続開始の決定を受けた会社等、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)の規定による更生手続開始の決定を受けた株式会社、破産法(平成十六年法律第七十五号)の規定による破産手続開始の決定を受けた会社等その他これらに準ずる会社等であって、かつ、有効な支配従属関係が存在しないと認められるものを除く。以下この項において同じ。)の議決権の過半数を自己の計算において所有している場合
二 会社等の議決権の百分の四十以上百分の五十以下を自己の計算において所有している場合であって、かつ、次に掲げる要件のいずれかに該当する場合
イ 自己の計算において所有している議決権と自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び自己の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせて、当該会社等の議決権の過半数を占めていること。
ロ 役員等(理事、監事、評議員若しくはこれらに準ずる者をいう。以下同じ。)である者(子会社にあっては、役員、業務を執行する社員若しくは使用人である者。第八項第二号イにおいて同じ。)又はこれらであった者であって自己が当該会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に関して影響を与えることができるものが、当該会社等の取締役会その他これに準ずる機関の構成員の過半数を占めていること。
ハ 当該会社等の重要な財務及び営業又は事業の方針の決定を支配する契約等が存在すること。
ニ 当該会社等の資金調達額(貸借対照表の負債の部に計上されているものに限る。第十一項において同じ。)の総額の過半について融資(債務の保証及び担保の提供を含む。以下同じ。)を行っていること(自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係のある者が行う融資の額を合わせて資金調達額の総額の過半となる場合を含む。第十一項において同じ。)。
ホ その他当該会社等の意思決定機関を支配していることが推測される事実が存在すること。
三 自己の計算において所有している議決権と自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び自己の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせて当該会社等の議決権の過半数を占めている場合(自己の計算において議決権を所有していない場合を含む。)であって、かつ、前号ロからホまでに掲げる要件のいずれかに該当する場合
7 この省令において「関連会社」とは、有価証券発行学校法人及びその子会社が、出資、人事、資金、技術、取引等の関係を通じて、子会社以外の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合における当該子会社以外の会社等をいう。 8 前項に規定する「子会社以外の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合」とは、次に掲げる場合(財務上又は営業上若しくは事業上の関係からみて子会社以外の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができないことが明らかであると認められる場合を除く。)をいう。一 子会社以外の会社等(民事再生法の規定による再生手続開始の決定を受けた会社等、会社更生法の規定による更生手続開始の決定を受けた株式会社、破産法の規定による破産手続開始の決定を受けた会社等その他これらに準ずる会社等であって、かつ、当該会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができないと認められる会社等を除く。以下この項において同じ。)の議決権の百分の二十以上を自己の計算において所有している場合
二 子会社以外の会社等の議決権の百分の十五以上百分の二十未満を自己の計算において所有している場合であって、かつ、次に掲げる要件のいずれかに該当する場合
イ 役員等である者又はこれらであった者であって自己が当該子会社以外の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に関して影響を与えることができるものが、当該子会社以外の会社等の代表取締役、取締役又はこれらに準ずる役職に就任していること。
ロ 当該子会社以外の会社等に対して重要な融資を行っていること。
ハ 当該子会社以外の会社等に対して重要な技術を提供していること。
ニ 当該子会社以外の会社等との間に重要な販売、仕入れその他の営業上又は事業上の取引があること。
ホ その他当該子会社以外の他の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができることが推測される事実が存在すること。
三 自己の計算において所有している議決権と自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び自己の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせて当該子会社以外の他の会社等の議決権の百分の二十以上を占めている場合(自己の計算において議決権を所有していない場合を含む。)であって、かつ、前号イからホまでに掲げる要件のいずれかに該当する場合
四 複数の独立した学校法人等及び企業(会社及び会社に準ずる事業体をいう。以下この号において同じ。)により、契約等に基づいて共同で支配される企業に該当する場合
9 特別目的会社(資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号。以下この項において「資産流動化法」という。)第二条第三項に規定する特定目的会社及び事業内容の変更が制限されているこれと同様の事業を営む事業体をいう。以下この項において同じ。)については、適正な価額で譲り受けた資産から生ずる収益を当該特別目的会社が発行する証券の所有者(資産流動化法第二条第十二項に規定する特定目的借入れに係る債権者を含む。)に享受させることを目的として設立されており、当該特別目的会社の事業がその目的に従って適切に遂行されているときは、当該特別目的会社に対する出資者及び当該特別目的会社に資産を譲渡した会社等(以下この項において「出資者等」という。)から独立しているものと認め、第五項及び第六項の規定にかかわらず、出資者等の子会社に該当しないものと推定する。 10 この省令において「関係会社」とは、有価証券発行学校法人の子会社及び関連会社をいう。 11 この省令において「関係学校法人」とは、有価証券発行学校法人と人事、資金、技術、取引等の関係を通じて密接な関係を有する次に掲げる学校法人等をいう。一 次に掲げる要件のいずれかに該当する学校法人等
イ 当該有価証券発行学校法人の重要な財務又は事業の方針の決定を支配する契約等が存在すること。
ロ 当該有価証券発行学校法人の資金調達額の総額の過半について融資を行っていること。
ハ 役員等である者又はこれらであった者であって自己が当該有価証券発行学校法人の財務及び事業の方針の決定に関して影響を与えることができるものが、当該有価証券発行学校法人の役員等の過半数を占めていること。
二 有価証券発行学校法人が次に掲げる要件のいずれかに該当する場合における当該他の学校法人等(民事再生法の規定による再生手続開始の決定を受けた学校法人等、破産法の規定による破産手続開始の決定を受けた学校法人等その他これらに準ずる学校法人等であって、かつ、当該学校法人等の財務及び事業の方針の決定に関し密接な関係を有さないと認められるものを除く。以下この号において同じ。)
イ 他の学校法人等の重要な財務又は事業の方針の決定を支配する契約等が存在すること。
ロ 他の学校法人等の資金調達額の総額の過半について融資を行っていること。
ハ 役員等である者又はこれらであった者であって自己が他の学校法人等の財務及び事業の方針の決定に関して影響を与えることができるものが、当該他の学校法人等の役員等の過半数を占めていること。
12 この省令において「関連当事者」とは、次に掲げる者をいう。一 有価証券発行学校法人の子会社
二 有価証券発行学校法人の関連会社及び当該関連会社の子会社
三 有価証券発行学校法人の関係学校法人及び当該関係学校法人の子会社
四 有価証券発行学校法人と同一の関係学校法人をもつ学校法人等
五 有価証券発行学校法人の役員等及びその近親者(配偶者又は二親等以内の親族をいう。)
六 前号に掲げる者が議決権の過半数を自己の計算において所有している会社等及び当該会社等の子会社
七 職員(校長及び教員を含む。以下同じ。)のための適格退職年金等(有価証券発行学校法人と重要な取引(掛金の拠出を除く。)を行う場合に限る。)
13 この省令において「キャッシュ・フロー」とは、次項に規定する資金の増加又は減少をいう。 14 この省令において「資金」とは、現金(当座預金、普通預金その他預金者が一定の期間を経ることなく引き出すことができる預金を含む。以下第五章において同じ。)及び現金同等物(容易に換金することが可能であり、かつ、価値の変動のリスクが低い短期的な有価証券等の投資をいう。以下同章において同じ。)であって第三十六条により規定する流動資産に属するものをいう。 15 この省令において「売買目的有価証券」とは、時価の変動により利益を得ることを目的として保有する有価証券をいう。 16 この省令において「満期保有目的の債券」とは、満期まで所有する意図をもって保有する社債券その他の債券(満期まで所有する意図をもって取得したものに限る。)をいう。 17 この省令において「その他有価証券」とは、売買目的有価証券、満期保有目的の債券並びに子会社株式及び関連会社株式以外の有価証券をいう。 (財務諸表の作成基準及び表示方法)第三条 有価証券発行学校法人が作成する財務諸表の用語、様式及び作成方法は、次に掲げる基準に適合したものでなければならない。
一 有価証券発行学校法人の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する真実な内容を表示すること。
二 有価証券発行学校法人の利害関係人に対して、その財政、経営及びキャッシュ・フローの状況に関する判断を誤らせないために必要な会計事実を明瞭に表示すること。
三 有価証券発行学校法人が採用する会計処理の原則及び手続については、正当な理由により変更を行う場合を除き、財務諸表を作成する各時期を通じて継続して適用されていること。
2 財務諸表に記載すべき事項で同一の内容のものについては、正当な理由により変更を行う場合を除き、財務諸表を作成する各時期を通じて、同一の表示方法を採用しなければならない。 (重要な会計方針に係る事項の記載)第四条 財務諸表の作成のために採用している会計処理の原則及び手続並びに表示方法その他財務諸表の作成のための基本となる事項(次条において「会計方針」という。)であって次に掲げる事項は、キャッシュ・フロー計算書の次に記載しなければならない。 ただし、重要性の乏しいものについては、記載を省略することができる。
一 有価証券の評価基準及び評価方法
二 たな卸資産の評価基準及び評価方法
三 固定資産の減価償却の方法
四 繰延資産の処理方法
五 外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準
六 引当金の計上基準
七 収益及び費用の計上基準
八 ヘッジ会計(ヘッジ手段(資産(将来の取引により確実に発生すると見込まれるものを含む。以下この号において同じ。)若しくは負債(将来の取引により確実に発生すると見込まれるものを含む。以下この号において同じ。)又はデリバティブ取引に係る価格変動、金利変動及び為替変動による損失の可能性を減殺することを目的とし、かつ、当該可能性を減殺することが客観的に認められる取引をいう。以下この号及び第五十条第一項第二号において同じ。)に係る損益とヘッジ対象(ヘッジ手段の対象である資産若しくは負債又はデリバティブ取引をいう。同号において同じ。)に係る損益を同一の会計期間に認識するための会計処理をいう。第十条第一項第二号において同じ。)の方法
九 消費税の会計処理及び表示方法
十 キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
十一 その他財務諸表の作成のための基本となる重要な事項
(会計方針の変更に関する記載)第五条 会計方針を変更した場合には、次に掲げる事項を前条による記載の次に記載しなければならない。
一 会計処理の原則又は手続を変更した場合には、その旨、変更の理由及び当該変更が財務諸表に与えている影響の内容
二 表示方法を変更した場合には、その内容
三 キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲を変更した場合には、その旨、変更の理由及び当該変更がキャッシュ・フロー計算書に与えている影響の内容
(重要な後発事象の注記)第六条 貸借対照表日後、有価証券発行学校法人の翌会計年度以降の財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす事象が発生した場合には、当該事象を注記しなければならない。
(追加情報の注記)第七条 この規則において特に定める注記のほか、利害関係人が有価証券発行学校法人の財政及び経営の状況に関する適正な判断を行うために必要と認められる事項がある場合には、当該事項を注記しなければならない。
(リース取引に関する注記)第八条 ファイナンス・リース取引(リース契約に基づくリース期間の中途において当該リース契約を解除することができないリース取引又はこれに準ずるリース取引(次項において「解約不能のリース取引」という。)であって、当該リース契約により使用する物件(以下「リース物件」という。)の借主が、当該リース物件からもたらされる経済的利益を実質的に享受することができ、かつ、当該リース物件の使用に伴って生じる費用等を実質的に負担することとなるものをいう。以下同じ。)については、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める事項を注記しなければならない。 ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。
一 有価証券発行学校法人がリース物件の借主である場合 次に掲げる事項
イ 当会計年度末におけるリース資産の内容
ロ リース資産の減価償却の方法
二 有価証券発行学校法人がリース物件の貸主である場合 次に掲げる事項
イ 当会計年度末におけるリース投資資産に係るリース料債権(将来のリース料を収受する権利をいう。以下この号において同じ。)部分の金額及び見積残存価額(リース期間終了時に見積られる残存価額であって借主又は第三者による保証のない額をいう。)部分の金額並びに受取利息相当額
ロ 当会計年度末におけるリース債権及びリース投資資産に係るリース料債権部分の金額について、貸借対照表日後五年内における一年ごとの回収予定額及び貸借対照表日後五年超の回収予定額
2 当会計年度末におけるオペレーティング・リース取引(リース取引のうちファイナンス・リース取引以外のものをいう。)のうち解約不能のリース取引については、当該解約不能のリース取引に係る未経過リース料の金額を一年内のリース期間に係る金額及びそれ以外の金額に区分して注記しなければならない。 ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。 3 転リース取引(リース物件の所有者から物件のリースを受け、さらに当該物件をほぼ同一の条件で第三者にリースする取引をいう。以下この項において同じ。)であって借主としてのリース取引及び貸主としてのリース取引がともにファイナンス・リース取引に該当する場合において、有価証券発行学校法人が転リース取引に係るリース債権若しくはリース投資資産又はリース債務を利息相当額を控除する前の金額で貸借対照表に計上しているときには、当該リース債権若しくはリース投資資産又はリース債務の金額を注記しなければならない。 ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。 (有価証券に関する注記)第九条 有価証券については、次の各号に掲げる有価証券の区分に応じ、当該各号に定める事項を注記しなければならない。 ただし、第六号に定める事項については、同号に掲げるその他有価証券の売却損益の合計額の金額の重要性が乏しい場合には、注記を省略することができる。
一 売買目的有価証券 次に掲げる金額
イ 貸借対照表日における貸借対照表計上額
ロ 当該会計年度の損益に含まれた評価差額
二 満期保有目的の債券のうち時価のあるもの 次に掲げる金額
イ 貸借対照表日における貸借対照表計上額
ロ 貸借対照表日における時価
ハ 当該債券を貸借対照表日における時価が貸借対照表日における貸借対照表計上額を超えるもの及び当該時価が当該貸借対照表計上額を超えないものに区分し、当該区分ごとの当該時価と当該貸借対照表計上額との差額
三 子会社株式及び関連会社株式で時価のあるもの(第一号に該当するものを除く。) 次に掲げる金額
イ 貸借対照表日における貸借対照表計上額
ロ 貸借対照表日における時価
ハ 貸借対照表日における貸借対照表計上額と貸借対照表日における時価との差額
四 その他有価証券のうち時価のあるもの 有価証券の種類(株式及び債券等をいう。)ごとの次に掲げる金額
イ 取得原価
ロ 貸借対照表日における貸借対照表計上額
ハ 当該有価証券を貸借対照表日における貸借対照表計上額が取得原価を超えるもの及び当該貸借対照表計上額が取得原価を超えないものに区分し、当該区分ごとの当該貸借対照表計上額と取得原価との差額
五 当該会計年度中に売却した満期保有目的の債券 債券の種類ごとの売却原価、売却額、売却損益及び売却の理由
六 当該会計年度中に売却したその他有価証券 売却額、売却益の合計額及び売却損の合計額
2 時価評価されていない有価証券(前項第二号及び第三号に掲げる有価証券を除く。)がある場合には、主なものについて保有目的ごとにその内容及び貸借対照表計上額を注記しなければならない。 ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。 3 当該会計年度中に売買目的有価証券、満期保有目的の債券、子会社株式及び関連会社株式並びにその他有価証券の保有目的を変更した場合には、その旨、変更の理由(満期保有目的の債券の保有目的を変更した場合に限る。)及び当該変更が財務諸表に与えている影響の内容を注記しなければならない。 ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。 4 その他有価証券のうち満期があるもの及び満期保有目的の債券については、有価証券の種類(株式及び債券等(債券にあっては債券の種類)をいう。)ごとに、償還予定額の合計額を一定の期間に区分した金額を注記しなければならない。 (デリバティブ取引に関する注記)第十条 デリバティブ取引については、次の各号に掲げる事項の区分に応じ、当該各号に定める事項を注記しなければならない。
一 取引の状況に関する事項 取引の内容、取引に対する取組方針、取引の利用目的、取引に係るリスクの内容、取引に係るリスク管理体制及び次号に定める事項についての補足説明
二 取引の時価等に関する事項(ヘッジ会計が適用されているものは除くことができる。) 取引の対象物の種類(通貨、金利、株式、債券及び商品等をいう。)ごとの貸借対照表日における契約額又は契約において定められた元本相当額、時価及び評価損益並びに当該時価の算定根拠
2 前項第二号に定める事項は、取引の種類(先物取引、オプション取引、先渡取引、スワップ取引及びその他のデリバティブ取引をいう。)による区分、市場取引とそれ以外の取引の区分、買付約定に係るものと売付約定に係るものの区分、貸借対照表日から取引の決済日又は契約の終了時までの期間による区分等の区分により、デリバティブ取引の状況が明瞭に示されるよう記載するものとする。 (持分法損益等の注記)第十一条 関連会社に対する投資については、その金額並びに当該投資に対して持分法(連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和五十一年大蔵省令第二十八号)第二条第八号に規定する方法をいう。第十三条第二項第二号において同じ。)を適用した場合における投資の金額及び投資利益又は投資損失の金額を注記しなければならない。 ただし、その損益等からみて重要性の乏しい関連会社については、除外してこれらの金額を算出することができる。
(関連当事者との取引に関する注記)第十二条 有価証券発行学校法人と関連当事者との間に取引がある場合(当該関連当事者が第三者のために当該有価証券発行学校法人との間で行う取引及び当該有価証券発行学校法人と第三者との間の取引であって当該関連当事者が当該取引に関して当該有価証券発行学校法人に重要な影響を及ぼしているものがある場合を含む。)には、その重要なものについて、次に掲げる事項を関連当事者ごとに注記しなければならない。
一 当該関連当事者が会社等である場合には、その名称、所在地、資本金又は出資金、事業の内容及び当該関連当事者の議決権に対する当該有価証券発行学校法人の所有割合
二 当該関連当事者が個人である場合には、その氏名及び職業
三 当該有価証券発行学校法人と当該関連当事者との関係
四 取引の内容
五 取引の種類別の取引金額
六 取引条件及び取引条件の決定方針
七 取引により発生した債権又は債務に係る主な科目別の当会計年度末における残高
八 取引条件の変更があった場合には、その旨、変更の内容及び当該変更が財務諸表に与えている影響の内容
九 関連当事者に対する債権が貸倒懸念債権(経営破綻の状態には至っていないが、債務の弁済に重大な問題が生じている、又は生じる可能性の高い債務者に対する債権をいう。)又は破産更生債権等(破産債権、再生債権、更生債権その他これらに準ずる債権をいう。第三十一条第一項第十一号において同じ。)に区分されている場合には、次に掲げる事項
イ 当会計年度末における貸倒引当金残高
ロ 当会計年度に計上した貸倒引当金繰入額等
ハ 当会計年度に計上した貸倒損失等(一般債権(経営状態に重大な問題が生じていない債務者に対する債権をいう。)に区分されていた場合において生じた貸倒損失を含む。)
十 関連当事者との間の取引に関して、貸倒引当金以外の引当金が設定されている場合において、注記することが適当と認められるものについては、前号に準ずる事項
2 前項の規定にかかわらず、同項第九号及び第十号に掲げる事項は、第二条第十二項各号に掲げる関連当事者の種類ごとに合算して記載することができる。 3 関連当事者との間の取引のうち次に掲げるものについては、第一項に規定する注記を要しない。一 一般競争入札による取引並びに預金利息及び配当の受取りその他取引の性質から見て取引条件が一般の取引と同様であることが明白な取引
二 役員に対する報酬、賞与及び退職慰労金の支払い
4 第一項及び第二項の規定による注記は、様式第一号により記載するものとする。 (重要な関連会社に関する注記)第十三条 有価証券発行学校法人に重要な関連会社が存在する場合には、当該関連会社の名称並びに持分法を適用した場合における投資利益又は投資損失の金額の算定対象となった当該関連会社の貸借対照表及び損益計算書における次に掲げる項目の金額を注記しなければならない。
一 貸借対照表項目(流動資産合計、固定資産合計、流動負債合計、固定負債合計、純資産合計その他の重要な項目をいう。)
二 損益計算書項目(売上高、税引前当期純利益金額又は税引前当期純損失金額、当期純利益金額又は当期純損失金額その他の重要な項目をいう。)
2 前項各号に掲げる項目の金額は、同項の規定にかかわらず、次に掲げる方法により記載することができる。 この場合において、その旨を注記しなければならない。一 重要な関連会社について合算して記載する方法
二 持分法を適用した場合における投資利益又は投資損失の金額の算定対象となった関連会社について合算して記載する方法
(税効果会計の適用)第十四条 法人税その他利益に関連する金額を課税標準として課される租税(以下「法人税等」という。)については、税効果会計(貸借対照表に計上されている資産及び負債の金額と課税所得の計算の結果算定された資産及び負債の金額との間に差異がある場合において、当該差異に係る法人税等の金額を適切に期間配分することにより、法人税等を控除する前の当年度純利益の金額と法人税等の金額を合理的に対応させるための会計処理をいう。以下同じ。)を適用して財務諸表を作成しなければならない。
(税効果会計に関する注記)第十五条 前条の規定により税効果会計を適用した場合には、次に掲げる事項を注記しなければならない。
一 繰延税金資産(税効果会計の適用により資産として計上される金額をいう。以下同じ。)及び繰延税金負債(税効果会計の適用により負債として計上される金額をいう。以下同じ。)の発生の主な原因別の内訳
二 当該会計年度に係る法人税等の計算に用いられた税率(第三項において「法定実効税率」という。)と法人税等を控除する前の当年度純利益に対する法人税等(税効果会計の適用により計上される法人税等の調整額を含む。)の比率(以下この条において「税効果会計適用後の法人税等の負担率」という。)との間に差異があるときは、当該差異の原因となった主な項目別の内訳
三 法人税等の税率の変更により繰延税金資産及び繰延税金負債の金額が修正された場合には、その旨及び修正額
四 決算日後に法人税等の税率の変更があった場合には、その内容及び影響
2 繰延税金資産の算定に当たって繰延税金資産から控除された金額がある場合には、当該金額を前項第一号に掲げる事項に併せて注記しなければならない。 3 第一項第二号に掲げる事項については、法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間の差異が法定実効税率の百分の五以下である場合には、注記を省略することができる。 (退職給付に関する注記)第十六条 退職給付(退職以後に職員に支給される退職一時金及び退職年金をいう。以下同じ。)については、次に掲げる事項を注記しなければならない。
一 採用している退職給付制度の概要
二 退職給付債務の額(各職員(既に退職した者を含む。以下この号及び次号において同じ。)に支給されると見込まれる退職給付(既に支給されたものを除く。)の額のうち、当該各職員の就職の日から貸借対照表日まで(既に退職した者については、就職の日から退職の日まで)の間の勤務に基づき生じる部分に相当する額について、国債、政府関係機関債券又はその他の信用度の高い債券のうち貸借対照表日から償還期限までの期間の長いものの利回りを基礎として有価証券発行学校法人の定める率(以下「割引率」という。)を用いて貸借対照表日から当該各職員に退職給付を支給すると予想される日までの期間を計算期間として割引計算することにより算出した額を、すべての職員について合計した額をいう。第四号において同じ。)、年金資産の額(適格退職年金契約等に基づき退職給付に充てるため積み立てられている資産に相当する額をいう。)、退職給付引当金の額及びその他の退職給付債務に関する事項
三 退職給付費用の額、勤務費用の額(各職員に支給されると見込まれる退職給付の額のうち、当該各職員の当該会計年度の開始の日から貸借対照表日までの間の勤務に基づき生じる部分に相当する額について、割引率を用いて貸借対照表日から当該職員に退職給付を支給すると予想される日までの期間を計算期間として割引計算することにより算出した額を、すべての職員について合計した額をいう。)、利息費用の額(直近の会計年度末における退職給付債務について、割引率を用いて計算した当該会計年度における利息に相当する額をいう。)及びその他の退職給付費用に関する事項
四 割引率、期待運用収益率、退職給付見込額の期間配分方法、過去勤務費用の額(退職給付制度の採用により発生する退職給付債務の額又は退職給付水準の改訂により発生する退職給付債務の増加額若しくは減少額をいう。)の処理年数及びその他の退職給付債務等の計算の基礎に関する事項
(継続法人の前提に関する注記)第十七条 貸借対照表日において、債務超過等財務指標の悪化の傾向、重要な債務の不履行等財政破綻の可能性その他有価証券発行学校法人が将来にわたって事業を継続するとの前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況が存在する場合には、次に掲げる事項を注記しなければならない。
一 当該事象又は状況が存在する旨及びその内容
二 継続法人の前提に関する重要な疑義の存在
三 当該事象又は状況を解消又は大幅に改善するための経営に携わる者の対応及び経営計画
四 当該重要な疑義の影響を財務諸表に反映しているか否か
(注記の方法)第十八条 この規則の規定により記載すべき注記は、脚注(当該注記に係る事項が記載されている財務諸表中の表又は計算書の末尾に記載することをいう。)として記載することが適当であると認められるものを除き、第四条の規定による記載の次に記載しなければならない。 ただし、同条の規定により記載した事項と関係がある事項については、これと併せて記載することができる。
2 前条の規定による注記は、前項の規定にかかわらず、キャッシュ・フロー計算書の次に記載しなければならない。 この場合において、第四条の規定による記載は、同条の規定にかかわらず、前条の規定による注記の次に記載しなければならない。 3 この規則の規定により特定の科目に関係ある注記を記載する場合には、当該科目に記号を付記する方法その他これに類する方法によって、当該注記との関連を明らかにしなければならない。 (金額の表示の単位)第十九条 財務諸表に掲記される科目その他の事項の金額は、千円単位又は百万円単位をもって表示するものとする。
第二章 貸借対照表
第一節 総則
(貸借対照表の記載方法)第二十条 貸借対照表の記載方法については、この章の定めるところによる。
2 貸借対照表は、様式第二号により記載するものとする。 (資産、負債及び純資産の分類)第二十一条 資産、負債及び純資産は、それぞれ資産の部、負債の部及び純資産の部に分類して記載しなければならない。
2 資産及び負債の科目の記載の配列は、固定性配列法によるものとする。第二節 資産
(資産の分類)第二十二条 資産は、固定資産、繰延資産及び流動資産に分類し、更に、固定資産に属する資産は、有形固定資産、無形固定資産及び投資その他の資産に分類して記載しなければならない。
(有形固定資産の範囲)第二十三条 次に掲げる資産は、有形固定資産に属するものとする。
一 土地
二 建物(建物に附属する電気、給排水、暖房等の設備を含む。)
三 構築物(プール、競技場、庭園等の土木設備又は工作物をいう。)
四 機器備品(標本及び模型を含む。)
五 船舶及び車両
六 リース資産(有価証券発行学校法人がファイナンス・リース取引におけるリース物件の借主である資産であって、当該リース物件が前各号、次号及び第九号に掲げるものである場合に限る。)
七 図書(教育研究上一時的な意義しか有さないものを除く。)
八 建設仮勘定(第一号から第五号まで及び第七号に掲げる建設中又は製作中の資産に係る支出で、工事前払金、手付金等を含む。)
九 その他の有形資産であって流動資産又は投資である資産に属しないもの
(有形固定資産の区分表示)第二十四条 有形固定資産に属する資産は、次に掲げる項目の区分に従い、当該資産を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。
一 土地
二 建物
三 構築物
四 教育研究用機器備品
五 その他の機器備品
六 船舶及び車両
七 リース資産
八 図書
九 建設仮勘定
十 その他
2 前項の規定は、同項各号の項目に属する資産であって別に表示することが適当であると認められるものについて、当該資産を示す名称を付した科目をもって別に掲記することを妨げない。 3 第一項の規定にかかわらず、同項第七号に掲げるリース資産に区分される資産については、同項各号(第七号及び第九号を除く。)に掲げる項目に含めることができる。 4 第一項第十号の資産のうちその金額が資産の総額の百分の一を超えるものについては、当該資産を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。 (有形固定資産に対する減価償却累計額の表示)第二十五条 前条第一項各号(第一号及び第九号を除く。次項において同じ。)に区分される有形固定資産に対する減価償却累計額は、次項の規定による場合のほか、当該各資産科目に対する控除科目として、減価償却累計額の科目をもって掲記しなければならない。 ただし、これらの有形固定資産に対する控除科目として一括して掲記することを妨げない。
2 前条第一項各号に区分される有形固定資産に対する減価償却累計額は、当該各有形固定資産の金額から直接控除し、その控除残高を当該各有形固定資産の金額として表示することができる。 この場合において、当該減価償却累計額は、当該各有形固定資産の資産科目別に、又は一括して注記しなければならない。 (有形固定資産に対する減損損失累計額の表示方法)第二十六条 各有形固定資産に対する減損損失累計額は、次項及び第三項の規定による場合のほか、当該各有形固定資産の金額(前条第二項の規定により有形固定資産に対する減価償却累計額を、当該有形固定資産の金額から直接控除している場合にあっては、その控除後の金額)から直接控除し、その控除残高を当該各有形固定資産の金額として表示しなければならない。
2 減価償却を行う各有形固定資産に対する減損損失累計額は、当該各資産科目に対する控除科目として、減損損失累計額の科目をもって掲記することができる。 ただし、これらの有形固定資産に対する控除科目として一括して掲記することを妨げない。 3 前条第一項及び前項の規定により減価償却累計額及び減損損失累計額を控除科目として掲記する場合には、減損損失累計額を減価償却累計額に合算して、減価償却累計額の科目をもって掲記することができる。 この場合において、その旨を注記しなければならない。 (無形固定資産の範囲)第二十七条 次に掲げる資産は、無形固定資産に属するものとする。
一 借地権
二 地上権
三 特許権
四 ソフトウェア
五 リース資産(有価証券発行学校法人がファイナンス・リース取引におけるリース物件の借主である資産であって当該リース物件が前各号及び次号に掲げるものである場合に限る。)
六 その他の無形資産であって流動資産又は投資である資産に属しないもの
(無形固定資産の区分表示)第二十八条 無形固定資産に属する資産は、次に掲げる項目の区分に従い、当該資産を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。
一 借地権(地上権を含む。)
二 特許権
三 ソフトウェア
四 リース資産
五 その他
2 第二十四条第二項の規定は、無形固定資産の区分表示について準用する。 3 第一項の規定にかかわらず、同項第四号に掲げるリース資産に区分される資産については、同項各号(第四号を除く。)に掲げる項目に含めることができる。 4 第二十四条第四項の規定は、第一項第五号の資産の区分表示について準用する。 (無形固定資産に対する減価償却累計額及び減損損失累計額の表示方法)第二十九条 各無形固定資産に対する減価償却累計額及び減損損失累計額は、当該無形固定資産の金額から直接控除し、その控除残高を当該各無形固定資産の金額として表示しなければならない。
(投資その他の資産の範囲)第三十条 次に掲げる資産は、投資その他の資産に属するものとする。
一 関係会社株式(売買目的有価証券に該当する株式を除く。)その他流動資産に属しない有価証券(第四号に規定する特定資産に該当するものを除く。)
二 出資金
三 長期貸付金
四 特定資産(次に掲げる資産のうち特定の目的のために引き当てたものをいう。以下同じ。)
イ 現金及び預金
ロ 有価証券
ハ その他の資産
五 前各号に掲げるもののほか、有形固定資産、無形固定資産、繰延資産又は流動資産に属するもの以外の長期資産
2 前払費用のうち第三十六条第二項に規定するもの以外のものは、投資その他の資産に属するものとする。 3 繰延税金資産のうち第三十六条第三項に規定するもの以外のものは、投資その他の資産に属するものとする。 4 所有権移転ファイナンス・リース取引(ファイナンス・リース取引のうちリース契約上の諸条件に照らしてリース物件の所有権が借主に移転すると認められるものをいう。以下この項及び第三十六条第四項において同じ。)におけるリース債権及び所有権移転外ファイナンス・リース取引(ファイナンス・リース取引のうち所有権移転ファイナンス・リース取引以外のものをいう。同項において同じ。)におけるリース投資資産のうち同項に規定するもの以外のものは、投資その他の資産に属するものとする。 (投資その他の資産の区分表示)第三十一条 投資その他の資産に属する資産は、次に掲げる項目の区分に従い、当該資産を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。
一 投資有価証券(次号から第四号までに該当するものを除く。)
二 関係会社株式
三 関係会社社債
四 その他の関係会社有価証券(関係会社有価証券のうち、前二号に該当するものを除く。)
五 出資金(次号に該当するものを除く。)
六 関係会社出資金
七 特定資産
八 長期貸付金(次号及び第十号に該当するものを除く。)
九 役員等長期貸付金(職員に対する長期貸付金を含む。)
十 関係会社長期貸付金
十一 破産更生債権等
十二 長期前払費用
十三 繰延税金資産
十四 その他
2 第二十四条第二項の規定は、投資その他の資産の区分表示について準用する。 3 第一項第七号の特定資産は、減価償却引当特定資産その他当該資産の引当目的別に当該目的を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。 4 第二十四条第四項の規定は、第一項第十四号の資産のうち投資不動産(投資の目的で所有する土地、建物その他の不動産をいう。)及び一年内に期限の到来しない預金又はその他の資産の区分表示について準用する。 (投資その他の資産に係る引当金の表示)第三十二条 投資その他の資産に属する資産に係る引当金は、当該各資産科目に対する控除科目として、当該各資産科目別に貸倒引当金その他当該引当金の設定目的を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。 ただし、次に掲げる方法によることを妨げない。
一 当該引当金を、当該各資産科目に対する控除科目として一括して掲記する方法
二 当該引当金を当該各資産の金額から直接控除し、その控除残高を当該各資産の金額として表示する方法
2 前項第二号の方法による場合には、当該引当金は、当該各資産科目別に、又は一括して注記しなければならない。 (繰延資産の範囲)第三十三条 学校債発行費(学校債(有価証券発行学校法人が行う消費貸借契約による借入をいう。以下同じ。)のために支出した費用をいう。)及び開設費(学校の開設準備のために支出した費用をいう。)は、繰延資産に属するものとする。
(繰延資産の区分表示)第三十四条 繰延資産に属する資産は、次に掲げる項目の区分に従い、当該資産を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。
一 学校債発行費
二 開設費
2 第二十四条第二項の規定は、繰延資産の区分表示について準用する。 (繰延資産に対する償却累計額の表示)第三十五条 各繰延資産に対する償却累計額は、当該繰延資産の金額から直接控除し、その控除残高を当該各繰延資産の金額として表示しなければならない。
(流動資産の範囲)第三十六条 次に掲げる資産は、流動資産に属するものとする。
一 現金及び預金(一年内に期限の到来しない預金及び第三十条第一項第四号に規定する特定資産に該当するものを除く。)
二 経常的な活動によって生じた未収入金等の債権その他一年内に回収可能な債権
三 売買目的有価証券及び一年内に満期の到来する有価証券(第三十条第一項第四号に規定する特定資産に該当するものを除く。)
四 学用品、事務用品、給食用材料等のたな卸資産
五 前渡金(教材、事務用品等の購入のための前渡金をいう。)
六 その他の資産であって一年内に現金化できると認められるもの(第三十条第一項第四号に規定する特定資産に該当するものを除く。)
2 前払費用のうち一年内に費用となるべきもの及び未収収益は、流動資産に属するものとする。 3 流動資産に属する資産又は流動負債に属する負債に関連する繰延税金資産及び特定の資産又は負債に関連しない繰延税金資産のうち一年内に取り崩されると認められるものは、流動資産に属するものとする。 4 所有権移転ファイナンス・リース取引におけるリース債権及び所有権移転外ファイナンス・リース取引におけるリース投資資産のうち一年内に期限が到来するものは、流動資産に属するものとする。 (流動資産の区分表示)第三十七条 流動資産に属する資産は、次に掲げる項目の区分に従い、当該資産を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。
一 現金及び預金
二 未収入金
三 リース債権
四 リース投資資産
五 有価証券
六 たな卸資産
七 短期貸付金
八 前渡金
九 前払費用
十 繰延税金資産
十一 その他
2 第二十四条第二項の規定は、流動資産の区分表示について準用する。 3 第一項第七号及び第十一号の資産のうち、役員等又は職員に対する短期債権又はその他の資産であってその金額が資産の総額の百分の一を超えるものについては、当該資産を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。 (流動資産に係る引当金の表示)第三十八条 第三十二条の規定は、流動資産に属する資産に係る引当金について準用する。
(関係会社に対する資産の注記)第三十九条 関係会社に対する資産であってその金額が資産の総額の百分の一を超えるものがある場合には、その旨及びその金額を注記しなければならない。
(担保資産の注記)第四十条 資産が担保に供されているときは、その旨及び金額を注記しなければならない。
第三節 負債
(負債の分類)第四十一条 負債は、固定負債及び流動負債に分類して記載しなければならない。
(固定負債の範囲)第四十二条 次に掲げる負債は、固定負債に属するものとする。
一 長期借入金(金融手形を含む。以下同じ。)
二 学校債のうち第四十四条第一項第二号に規定するもの以外のもの
三 引当金(資産に係るものを除く。以下この節において同じ。)のうち第四十四条第一項第八号に該当するもの以外のもの
四 その他の負債であって流動負債に属しないもの
2 繰延税金負債のうち第四十四条第三項に規定するもの以外のものは、固定負債に属するものとする。 3 ファイナンス・リース取引におけるリース債務のうち第四十四条第四項に規定するもの以外のものは、固定負債に属するものとする。 (固定負債の区分表示)第四十三条 固定負債に属する負債は、次に掲げる項目の区分に従い、当該負債を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。
一 長期借入金(役員等又は職員からの長期借入金及び次号に該当するものを除く。)
二 関係会社長期借入金
三 学校債
四 リース債務
五 繰延税金負債
六 引当金
七 その他
2 前項の規定は、同項各号の項目に属する負債であって別に表示することが適当であると認められるものについて、当該負債を示す名称を付した科目をもって別に掲記することを妨げない。 3 第一項第六号の引当金は、退職給付引当金その他当該引当金の設定目的を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。 4 第一項第七号の負債のうち、役員等又は職員からの長期借入金又はその他の負債であってその金額が負債及び純資産の合計額の百分の一を超えるものについては、当該負債を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。 (流動負債の範囲)第四十四条 次に掲げる負債は、流動負債に属するものとする。
一 短期借入金(金融手形及び当座借越を含む。以下同じ。)
二 学校債のうち償還期限が一年内に到来するもの
三 支払手形(経常的な活動によって発生した手形債務をいう。)
四 リース債務
五 未払金(経常的な活動に関連して発生する未払金であって一般の取引慣行として発生後短期間に支払われるものをいう。)
六 前受金(事業収益の前受金その他これに類する前受金をいう。)
七 預り金
八 引当金のうち一年内に使用されると認められるもの
九 その他の負債であって一年内に支払又は返済されると認められるもの
2 未払費用及び前受収益は、流動負債に属するものとする。 3 流動資産に属する資産又は流動負債に属する負債に関連する繰延税金負債及び特定の資産又は負債に関連しない繰延税金負債のうち一年内に取り崩されると認められるものは、流動負債に属するものとする。 4 ファイナンス・リース取引におけるリース債務のうち一年内に期限が到来するものは、流動負債に属するものとする。 (流動負債の区分表示)第四十五条 流動負債に属する負債は、次に掲げる項目の区分に従い、当該負債を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。 ただし、償還期限の経過後も未償還である学校債であってその金額が負債及び純資産の合計額の百分の一を超えるものについては、当該負債を示す名称を付した科目をもって別に掲記しなければならない。
一 短期借入金(役員等又は職員からの短期借入金を除く。)
二 学校債
三 支払手形
四 リース債務
五 未払金
六 未払費用
七 前受金
八 預り金(役員等又は職員からの預り金を除く。)
九 未払法人税等
十 未払消費税等
十一 繰延税金負債
十二 引当金
十三 その他
2 第四十三条第二項の規定は、流動負債の区分表示について準用する。 3 第一項第八号及び第十三号の負債のうち、修学旅行積立金、科学研究費補助金(間接経費を除く。)その他に係る預り金であってその金額が負債及び純資産の合計額の百分の一を超えるものについては、当該負債の内容を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。 4 第一項第十二号の引当金は、賞与引当金その他当該引当金の設定目的を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。 5 第一項第十三号の負債のうち、役員等又は職員からの短期借入金等の短期債務又はその他の負債であってその金額が負債及び純資産の合計額の百分の一を超えるものについては、当該負債を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。 (繰延税金資産及び繰延税金負債の表示)第四十六条 第三十一条第一項第十三号に掲げる繰延税金資産と第四十三条第一項第五号に掲げる繰延税金負債とがある場合には、その差額のみを繰延税金資産又は繰延税金負債として投資その他の資産又は固定負債に表示しなければならない。
2 第三十七条第一項第十号に掲げる繰延税金資産と第四十五条第一項第十一号に掲げる繰延税金負債とがある場合には、その差額のみを繰延税金資産又は繰延税金負債として流動資産又は流動負債に表示しなければならない。 (関係会社に対する負債の注記)第四十七条 関係会社に対する負債であってその金額が負債及び純資産の総額の百分の一を超えるものがある場合には、その旨及びその金額を注記しなければならない。
(偶発債務の注記)第四十八条 偶発債務(債務の保証(債務の保証と同様の効果を有するものを含む。)、係争事件に係る賠償義務その他現実に発生していない債務であって、将来において事業の負担となる可能性のあるものをいう。)がある場合には、その内容及び金額を注記しなければならない。 ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。
第四節 純資産
(純資産の分類)第四十九条 純資産は、評価・換算差額等及びその他の資産負債差額に分類して記載しなければならない。
(評価・換算差額等の区分表示)第五十条 評価・換算差額等は、次に掲げる項目の区分に従い、当該項目を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。
一 その他有価証券評価差額金(純資産の部に計上されるその他有価証券の評価差額をいう。)
二 繰延ヘッジ損益(ヘッジ対象に係る損益が認識されるまで繰り延べられるヘッジ手段に係る損益又は時価評価差額をいう。)
2 前項に掲げる項目のほか、評価・換算差額等の項目として計上することが適当であると認められるものは、当該項目を示す名称を付した科目をもって掲記することができる。第五節 雑則
(収益事業の注記)第五十一条 収益事業(有価証券発行学校法人が寄附行為に定めて行う収益事業をいう。以下同じ。)に係る固有の資産、負債及び純資産の額は、貸借対照表の科目別に注記しなければならない。 ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。
(基本金に関する注記)第五十二条 学校法人会計基準(昭和四十六年文部省令第十八号)第二十九条に規定する基本金については、貸借対照表日における合計額を注記しなければならない。
第三章 損益計算書
(損益計算書の記載方法)第五十三条 損益計算書の記載方法は、この章の定めるところによる。
2 損益計算書は、様式第三号により記載するものとする。 (収益及び費用の分類)第五十四条 収益及び費用は、次に掲げる項目を示す名称を付した科目に分類して記載しなければならない。
一 事業損益(事業収益及び事業費用をいう。)
二 事業外収益
三 事業外費用
四 特別利益
五 特別損失
2 前項第一号に掲げる科目は、教育研究・附属事業損益及び収益事業損益に分類し、それぞれの事業収益及び事業費用に分類して記載しなければならない。 (事業収益又は事業費用の範囲)第五十五条 教育研究・附属事業収益又は教育研究・附属事業費用は、教育研究事業(有価証券発行学校法人が設置する学校(法第六十四条第二項の規定により専修学校又は各種学校を設置する学校法人にあっては当該専修学校又は当該各種学校を含み、同条第四項に規定する法人にあっては専修学校又は各種学校とする。以下この項において同じ。)の事業をいう。第六十条において同じ。)及び附属事業(病院、農場その他の有価証券発行学校法人が設置する学校の附属施設及び附属機関の事業をいう。同条において同じ。)の事業活動から生じる収益又は費用とする。
2 収益事業収益又は収益事業費用は、収益事業から生じる収益又は費用とする。 (教育研究・附属事業収益又は教育研究・附属事業費用の表示方法)第五十六条 教育研究・附属事業収益に属する収益は、次に掲げる項目の区分に従い、当該収益を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。
一 学生生徒等納付金
二 手数料
三 寄附金
四 補助金
五 その他
2 前項の規定にかかわらず、各収益のうちその金額が事業収益の総額の百分の五以下のものであって一括して表示することが適当であると認められるものについては、当該収益を一括して示す名称を付した科目をもって掲記することができる。 3 教育研究・附属事業費用に属する費用は、人件費、教育研究経費及び管理経費の項目に区分する。 (関係会社に係る事業収益の注記)第五十七条 教育研究・附属事業収益に属する関係会社との取引により発生した収益であってその金額の合計額が教育研究・附属事業収益の総額の百分の二十を超えるものについては、その金額を注記しなければならない。
2 前項の規定により注記したもの以外の関係会社に係る収益の合計額が教育研究・附属事業費用の総額の百分の二十を超える場合には、その旨及びその金額を注記しなければならない。 3 前二項の規定は、収益事業収益に属する収益について準用する。 (関係会社に係る事業費用の注記)第五十八条 教育研究・附属事業費用に属する関係会社との取引により発生した費用であってその金額の合計額が教育研究・附属事業費用の総額の百分の二十を超えるものについては、その金額を注記しなければならない。
2 前項の規定により注記したもの以外の関係会社に係る費用の合計額が教育研究・附属事業費用の総額の百分の二十を超える場合には、その旨及びその金額を注記しなければならない。 3 前二項の規定は、収益事業費用に属する費用について準用する。 (事業損益金額の表示)第五十九条 教育研究・附属事業収益の総額から教育研究・附属事業費用の総額を控除して得た額(以下この条において「教育研究・附属事業損益金額」という。)又は収益事業収益の金額から収益事業費用の金額を控除して得た額(以下この条において「収益事業損益金額」という。)は、教育研究・附属事業利益金額又は収益事業利益金額として表示しなければならない。
2 教育研究・附属事業損益金額及び収益事業損益金額の合計額(次項及び第六十三条において「事業損益金額」という。)は、事業利益金額として表示しなければならない。 3 前二項の規定にかかわらず、教育研究・附属事業損益金額若しくは収益事業損益金額又は事業損益金額が零未満である場合には、零から教育研究・附属事業損益金額若しくは収益事業損益金額又は事業損益金額を控除して得た額を教育研究・附属事業損失金額若しくは収益事業損失金額又は事業損失金額として表示しなければならない。 (事業外収益又は事業外費用の範囲)第六十条 事業外収益又は事業外費用は、教育研究事業、附属事業及び収益事業の事業活動以外の原因から生じる収益又は費用であって経常的に発生するものとする。
(事業外収益又は事業外費用の表示方法)第六十一条 事業外収益に属する収益は、受取利息及び配当金その他の項目の区分に従い、当該収益を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。
2 事業外費用に属する費用は、支払利息その他の項目の区分に従い、当該費用を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。 3 前二項の規定にかかわらず、各収益又は各費用のうちその金額が事業外収益又は事業外費用の金額の百分の十以下のものであって一括して表示することが適当であると認められるものについては、当該各収益又は当該各費用を一括して示す名称を付した科目をもって掲記することができる。 (関係会社に係る事業外収益又は事業外費用の注記)第六十二条 事業外収益又は事業外費用に属する関係会社との取引により発生した収益又は費用であってその金額がそれぞれ事業外収益又は事業外費用の総額の百分の十を超えるものについては、当該収益又は当該費用の金額を注記しなければならない。
2 前項の規定により注記したもの以外の関係会社に係る収益又は費用の合計額がそれぞれ事業外収益又は事業外費用の総額の百分の十を超える場合には、その旨及び当該収益又は当該費用の金額を注記しなければならない。 (経常損益金額の表示)第六十三条 事業損益金額に事業外収益の金額を加算して得た額から事業外費用の金額を控除して得た額(次項において「経常損益金額」という。)は、経常利益金額として表示しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、経常損益金額が零未満である場合には、零から経常損益金額を控除して得た額を経常損失金額として表示しなければならない。 (特別利益又は特別損失の表示方法)第六十四条 特別利益に属する利益は、前年度損益修正益、固定資産売却益その他の項目の区分に従い、当該利益を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。
2 特別損失に属する損失は、前年度損益修正損、固定資産売却損、減損損失、災害による損失その他の項目の区分に従い、当該損失を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。 3 前二項の規定にかかわらず、各利益又は各損失のうちその金額が特別利益又は特別損失の総額の百分の十以下のものであって一括して表示することが適当であると認められるものについては、当該利益又は当該損失を一括して示す名称を付した科目をもって掲記することができる。 (減損損失に関する注記)第六十五条 減損損失を認識した資産又は資産グループ(複数の資産が一体となってキャッシュ・フローを生み出す場合における当該資産の集まりをいう。以下この条において同じ。)がある場合には、当該資産又は資産グループごとに、次に掲げる事項を注記しなければならない。 ただし、重要性が乏しい場合には、注記を省略することができる。
一 当該資産又は資産グループについて、次に掲げる事項の概要
イ 用途
ロ 種類
ハ 場所
ニ その他当該資産又は資産グループの内容を理解するために必要と認められる事項がある場合には、その内容
二 減損損失を認識するに至った経緯
三 減損損失の金額及び主な固定資産の種類ごとの当該金額の内訳
四 資産グループがある場合には、当該資産グループに係る資産をグループ化した方法
五 回収可能価額が正味売却価額の場合にはその旨及び時価の算定方法、回収可能価額が使用価値の場合にはその旨及び割引率
(当年度純損益金額の表示)第六十六条 経常損益金額に特別利益の金額を加算して得た額から特別損失の金額を控除して得た額(以下この条において「税引前当年度純損益金額」という。)は、税引前当年度純利益金額として表示しなければならない。
2 次に掲げる項目の金額は、その内容を示す名称を付した科目をもって、税引前当年度純利益金額又は税引前当年度純損失金額の次に記載しなければならない。一 当該会計年度に係る法人税等
二 法人税等調整額(税効果会計の適用により計上される前号に掲げる法人税等の調整額をいう。)
3 法人税等の更正、決定等による納付税額又は還付税額がある場合には、前項第一号に掲げる項目の次に、その内容を示す名称を付した科目をもって記載するものとする。 ただし、これらの金額の重要性が乏しい場合には、同号の項目の金額に含めて注記することができる。 4 税引前当年度純損益金額に第二項各号に掲げる項目の金額及び前項の還付税額(同項ただし書きの場合を除く。)を加算して得た額から前項の納付税額(同項ただし書きの場合を除く。)を控除して得た額(次項において「当年度純損益金額」という。)は、当年度純利益金額として表示しなければならない。 5 第一項及び前項の規定にかかわらず、税引前当年度純損益金額又は当年度純損益金額が零未満である場合には、零から税引前当年度純損益金額又は当年度純損益金額を控除して得た額を税引前当年度純損失金額又は当年度純損失金額として表示しなければならない。 (引当金繰入額の区分表示)第六十七条 引当金繰入額は、その設定目的及び引当金繰入額であることを示す名称を付した科目をもつて別に掲記しなければならない。
第四章 純資産変動計算書
(純資産変動計算書の記載方法)第六十八条 純資産変動計算書の記載方法は、この章の定めるところによる。
2 純資産変動計算書は、様式第四号により記載するものとする。 (純資産変動計算書の区分表示)第六十九条 純資産変動計算書は、評価・換算差額等及びその他の資産負債差額に分類して記載しなければならない。
2 純資産変動計算書は、適切な項目に区分し、当該項目を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。 当該区分及び科目は、前会計年度末及び当会計年度末の貸借対照表における純資産の部の区分及び科目と整合していなければならない。 (評価・換算差額等)第七十条 評価・換算差額等は、前会計年度末残高、当会計年度変動額及び当会計年度末残高に区分して記載しなければならない。
2 評価・換算差額等に記載される科目は、当会計年度変動額を一括して記載するものとする。 ただし、主な変動事由ごとに記載又は注記することを妨げない。 3 評価・換算差額等は、前条第二項の規定にかかわらず、科目ごとの記載に代えて、評価・換算差額等の合計額を前会計年度末残高、当会計年度変動額及び当会計年度末残高に区分して記載することができる。 この場合において、科目ごとのそれぞれの金額を注記するものとする。 (その他資産負債差額)第七十一条 その他資産負債差額は、前会計年度末残高、当会計年度変動額及び当会計年度末残高に区分して記載しなければならない。
第五章 キャッシュ・フロー計算書
(キャッシュ・フロー計算書の記載方法)第七十二条 キャッシュ・フロー計算書の記載方法は、この章の定めるところによる。
2 キャッシュ・フロー計算書は、様式第五号又は第六号により記載するものとする。 (キャッシュ・フロー計算書の表示区分)第七十三条 キャッシュ・フロー計算書には、次に掲げる区分を設けてキャッシュ・フローの状況を記載しなければならない。
一 事業活動によるキャッシュ・フロー
二 施設等整備・投資活動によるキャッシュ・フロー
三 財務活動によるキャッシュ・フロー
四 現金及び現金同等物に係る換算差額
五 現金及び現金同等物の増加額又は減少額
六 現金及び現金同等物の期首残高
七 現金及び現金同等物の期末残高
(事業活動によるキャッシュ・フローの表示方法)第七十四条 前条第一号に掲げる事業活動によるキャッシュ・フローの区分には、次に掲げる方法のいずれかにより、事業収益及び事業費用の計算の対象となった取引に係るキャッシュ・フロー並びに施設等整備・投資活動及び財務活動以外の取引に係るキャッシュ・フローを、その内容を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。
一 次に掲げる項目に分けて主要な取引ごとにキャッシュ・フローを総額により表示する方法
イ 教育研究・附属事業収入
ロ 教育研究・附属事業支出
ハ 収益事業収入
ニ 収益事業支出
ホ その他適当と認められる項目
二 税引前当年度純利益又は税引前当年度純損失に次に掲げる項目の金額を加算又は控除して表示する方法
イ 損益計算書に収益又は費用として計上されている項目のうち資金の増加又は減少を伴わない項目
ロ 事業活動により生じた資産及び負債の増加額又は減少額
ハ 損益計算書に収益又は費用として計上されている項目のうち、施設等整備・投資活動によるキャッシュ・フロー及び財務活動によるキャッシュ・フローの区分に含まれる項目
2 前項の規定にかかわらず、同項第一号イからホまでに掲げる項目のうちその金額が少額なもので一括して表示することが適当であると認められるものについては、適当な名称を付した科目をもって一括して掲記することができる。 (施設等整備・投資活動によるキャッシュ・フローの表示方法)第七十五条 第七十三条第二号に掲げる施設等整備・投資活動によるキャッシュ・フローの区分には、次に掲げる項目に分けて主要な取引ごとにキャッシュ・フローを総額により表示する方法により、施設等整備・投資活動に係るキャッシュ・フローを、その内容を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。
一 施設設備補助金の受入れによる収入
二 特別寄附金(施設設備の取得を目的とする寄附金をいう。)の受入れによる収入
三 有形固定資産の取得による支出
四 有形固定資産の売却による収入
五 施設設備引当特定資産(施設設備の拡充を目的として引き当てた特定資産をいう。次号において同じ。)への支出
六 施設設備引当特定資産からの収入
七 投資有価証券の取得による支出
八 投資有価証券の売却による収入
九 有価証券の取得による支出
十 有価証券の売却による収入
十一 貸付による支出
十二 貸付金の回収による収入
十三 その他適当と認められる項目
2 前条第二項の規定は、前項各号に掲げる項目について準用する。 (財務活動によるキャッシュ・フローの表示方法)第七十六条 第七十三条第三号に掲げる財務活動によるキャッシュ・フローの区分には、次に掲げる項目に分けて主要な取引ごとにキャッシュ・フローを総額により表示する方法により、財務活動に係るキャッシュ・フローを、その内容を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。
一 短期借入れによる収入
二 短期借入金の返済による支出
三 長期借入れによる収入
四 長期借入金の返済による支出
五 学校債の発行による収入
六 学校債の償還による支出
七 その他適当と認められる項目
2 第七十四条第二項の規定は、前項各号に掲げる項目について準用する。 (現金及び現金同等物に係る換算差額等の記載)第七十七条 第七十三条第四号に掲げる現金及び現金同等物に係る換算差額が発生した場合には、他と区分して表示するものとする。
2 第七十三条第五号に掲げる現金及び現金同等物の増加額又は減少額の区分には、事業活動によるキャッシュ・フロー、施設等整備・投資活動によるキャッシュ・フロー及び財務活動によるキャッシュ・フローの収支差額の合計額を記載するものとする。 (利息及び配当金に係るキャッシュ・フローの表示方法)第七十八条 利息及び配当金に係るキャッシュ・フローは、次に掲げるいずれかの方法により記載するものとする。
一 利息及び配当金の受取額並びに利息の支払額を第七十三条第一号に掲げる事業活動によるキャッシュ・フローの区分に記載する方法
二 利息及び配当金の受取額を第七十三条第二号に掲げる施設等整備・投資活動によるキャッシュ・フローの区分に記載し、利息の支払額を同条第三号に掲げる財務活動によるキャッシュ・フローの区分に記載する方法
(キャッシュ・フロー計算書に関する注記事項)第七十九条 キャッシュ・フロー計算書には、現金及び現金同等物の期末残高と貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係並びに重要な非資金取引(資金の増加又は減少を伴わない取引であって翌会計年度以降のキャッシュ・フローに重要な影響を与えるものをいう。)の内容を注記しなければならない。
第六章 附属明細表
(附属明細表の記載方法)第八十条 附属明細表の記載方法は、この章の定めるところによる。
2 次条第一項の附属明細表は、様式第七号から第十三号までにより記載するものとする。 (附属明細表の種類)第八十一条 附属明細表の種類は、次に掲げるものとする。
一 有形固定資産等明細表
二 有価証券明細表
三 特定資産明細表
四 学校債明細表
五 借入金等明細表
六 引当金明細表
七 事業費用明細表
2 前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める附属明細表については、その作成を要しない。一 有価証券の金額が資産の総額の百分の一以下である場合 有価証券明細表
二 特定資産の合計額が資産の総額の百分の一以下である場合 特定資産明細表
三 当会計年度末及び直近の会計年度末における短期借入金、長期借入金及び金利の負担を伴うその他の負債(学校債を除く。)の金額が当該各会計年度末における負債及び純資産の合計額の百分の一以下である場合 借入金等明細表
(附属明細表の作成の省略に関する注記)第八十二条 前条第二項の規定により附属明細表の作成を省略した場合には、その旨を注記しなければならない。
附則
この省令は、公布の日から施行し、この省令の施行の日以後に終了する会計年度に係る財務諸表について適用する。 前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる規定の適用は、当該各号に定めるところによる。一 第二条第十二項第七号、第十二条第一項第九号及び第十号並びに第二項並びに第十三条の規定 平成二十年四月一日以後に開始する会計年度に係る財務諸表について適用する。 ただし、平成十九年四月一日に開始する会計年度に係るものについて、これらの規定を適用することを妨げない。
二 第八条、第三十六条第四項、第三十七条第一項第三号及び第四号、第二十三条第六号、第二十四条第一項第八号及び第三項、第二十七条第五号、第二十八条第一項第三号及び第三項、第三十条第四項、第四十四条第四項、第四十五条第一項第四号、第四十二条第三項並びに第四十三条第一項第四号の規定 平成二十年四月一日以後に開始する会計年度に係る財務諸表について適用し、平成十九年四月一日に開始する会計年度に係るものについては、次項以下に定めるところによる。 ただし、同日に開始する会計年度に係るものについて、これらの規定を適用することを妨げない。
平成十九年四月一日に開始する会計年度に係る財務諸表については、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるリース取引に関する事項を注記しなければならない。一 有価証券発行学校法人がリース物件の借主である場合において、所有権移転外ファイナンス・リース取引について通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行っているとき 次に掲げる事項
二 有価証券発行学校法人がリース物件の貸主である場合において、所有権移転外ファイナンス・リース取引について通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行っているとき 次に掲げる事項
前項第一号の場合において、当該会計年度末におけるファイナンス・リース取引に係る未経過リース料残高の当該未経過リース料残高及び有形固定資産の残高(有形固定資産以外の資産をファイナンス・リース取引の対象とする場合にあっては、当該資産の属する科目の当該会計年度末における残高を含む。次項において同じ。)の合計額に占める割合が低いときは、取得価額相当額及び未経過リース料残高相当額を、それぞれリース取引開始時に合意されたリース料総額及び当該会計年度末における未経過リース料残高からこれらに含まれる利息相当額の合理的な見積額を控除しない方法(次項において「支払利子込み法」という。)により算定することができる。 前項の規定にかかわらず、ファイナンス・リース取引の対象となる資産の属する科目が有価証券発行学校法人の事業内容に照らして重要性が乏しい場合において、当該会計年度末における当該科目に係る未経過リース料残高の当該未経過リース料残高及び有形固定資産の残高の合計額に占める割合が低いときは、当該科目に係る取得価額相当額及び未経過リース料残高相当額を支払利子込み法により算定することができる。 附則第三項第二号の場合において、当該会計年度末におけるファイナンス・リース取引に係る未経過リース料残高及び見積残存価額の残高の合計額の当該合計額及び未収入金残高の合計額に占める割合が低いときは、未経過リース料残高相当額を当該会計年度末における未経過リース料残高及び見積残存価額の残高の合計額からこれに含まれる利息相当額を控除しない方法により算定することができる。 当該会計年度末におけるオペレーティング・リース取引に係る未経過リース料の金額は、一年内のリース期間に係る金額及びそれ以外の金額に区分して注記しなければならない。 ただし、オペレーティング・リース取引のうちリース期間の中途において当該リース契約を解除することができるものについては、この限りでない。 有価証券発行学校法人がリース物件の借主である場合には、有価証券発行学校法人の事業内容に照らして重要性の乏しいリース取引でリース契約一件当たりの金額が少額なもの及びリース期間が一年未満のリース取引については、附則第三項及び前項の注記を要しない。 平成二十年四月一日以後に開始する会計年度に係る財務諸表について附則第二項第二号に掲げる規定を適用する場合において、リース取引開始日(リース物件を使用収益する権利を行使することができることとなった日をいう。次項において同じ。)が平成二十年四月一日前に終了する会計年度に属する所有権移転外ファイナンス・リース取引について通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行っているときは、附則第三項から第六項まで及び前項の規定を準用する。 この場合において、附則第三項中「平成十九年四月一日」とあるのは、「平成二十年四月一日以後」と読み替えるものとする。 平成十九年四月一日に開始する会計年度に係る財務諸表について附則第二項第二号に掲げる規定を適用する場合において、リース取引開始日が平成十九年四月一日前に終了する会計年度に属する所有権移転外ファイナンス・リース取引について通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行っているときは、附則第三項から第六項まで及び第八項の規定を準用する。様式第1号
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様式第3号
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様式第4号
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様式第5号
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様式第6号
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様式第7号
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様式第8号
(第81条関係)[PDF]
様式第9号
(第81条関係)[PDF]
様式第10号
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様式第11号
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様式第12号
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様式第13号
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