第一章 総則
(目的)第一条 株式会社日本政策投資銀行(以下「会社」という。)は、その完全民営化の実現に向けて経営の自主性を確保しつつ、出資と融資を一体的に行う手法その他高度な金融上の手法を用いた業務を営むことにより日本政策投資銀行の長期の事業資金に係る投融資機能の根幹を維持し、もって長期の事業資金を必要とする者に対する資金供給の円滑化及び金融機能の高度化に寄与することを目的とする株式会社とする。
(商号の使用制限)第二条 会社でない者は、その商号中に株式会社日本政策投資銀行という文字を使用してはならない。
2 銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第六条第二項の規定は、会社には適用しない。第二章 業務等
(業務の範囲)第三条 会社は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとする。
一 預金(譲渡性預金その他政令で定めるものに限る。)の受入れを行うこと。
二 資金の貸付けを行うこと。
三 資金の出資を行うこと。
四 債務の保証を行うこと。
五 有価証券(第七号に規定する証書をもって表示される金銭債権に該当するもの及び短期社債等を除く。第八号において同じ。)の売買(有価証券関連デリバティブ取引(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二十八条第八項第六号に規定する有価証券関連デリバティブ取引をいう。以下この号及び第十一号において同じ。)に該当するものを除く。)又は有価証券関連デリバティブ取引(投資の目的をもってするものに限る。)を行うこと(第三号に掲げる業務に該当するものを除く。)。
六 有価証券の貸付けを行うこと。
七 金銭債権(譲渡性預金証書その他の財務省令で定める証書をもって表示されるものを含む。)の取得又は譲渡を行うこと。
八 特定目的会社が発行する特定社債又は優先出資証券(資産流動化計画において当該特定社債又は優先出資証券の発行により得られる金銭をもって金銭債権(民法(明治二十九年法律第八十九号)第三編第一章第七節第一款に規定する指図証券、同節第二款に規定する記名式所持人払証券、同節第三款に規定するその他の記名証券及び同節第四款に規定する無記名証券に係る債権並びに電子記録債権法(平成十九年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子記録債権を除く。以下この号において同じ。)又は金銭債権を信託する信託の受益権のみを取得するものに限り、特定社債にあっては、特定短期社債を除く。以下この号において同じ。)その他特定社債又は優先出資証券に準ずる有価証券として財務省令で定めるもの(以下この号において「特定社債等」という。)の引受け(売出しの目的をもってするものを除く。)又は当該引受けに係る特定社債等の募集の取扱いを行うこと。
九 短期社債等の取得又は譲渡を行うこと。
十 銀行(銀行法第二条第一項に規定する銀行をいう。以下同じ。)その他政令で定める金融業を行う者のために資金の貸付けを内容とする契約の締結の代理又は媒介を行うこと。
十一 金融商品取引法第二条第二十項に規定するデリバティブ取引(有価証券関連デリバティブ取引に該当するものを除く。)を行うこと(第七号に掲げる業務に該当するものを除く。)。
十二 金融商品取引法第二条第八項第七号に掲げる行為を行うこと。
十三 金融商品取引法第二条第八項第九号に掲げる行為を行うこと(募集又は売出しの取扱いについては、同法第二十八条第一項に規定する第一種金融商品取引業を行う金融商品取引業者(同法第二条第九項に規定する金融商品取引業者をいう。以下同じ。)の委託を受けて当該金融商品取引業者のために行うものに限る。)。
十四 金融商品取引法第二条第八項第十一号に掲げる行為を行うこと。
十五 金融商品取引法第二条第八項第十三号に掲げる行為を行うこと。
十六 金融商品取引法第二条第八項第十五号に掲げる行為を行うこと。
十七 金融商品取引法第三十三条第二項各号に掲げる有価証券(当該有価証券が発行されていない場合における当該有価証券に表示されるべき権利を含む。)又は取引について、同項各号に定める行為を行うこと(第三号、第五号、第七号から第九号まで、第十一号及び第十三号に掲げるものを除く。)。
十八 他の事業者の事業の譲渡、合併、会社の分割、株式交換、株式移転若しくは株式交付に関する相談に応じ、又はこれらに関し仲介を行うこと。
十九 他の事業者の経営に関する相談に応じること又は他の事業者の事業に関して必要となる調査若しくは情報の提供を行うこと。
二十 金融その他経済に関する調査、研究又は研修を行うこと。
二十一 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
2 会社は、前項の業務を営むほか、財務大臣の認可を受けて、その目的を達成するために必要な業務を営むことができる。 3 第一項第五号及び第六号並びに第五項の「有価証券」とは、金融商品取引法第二条第一項に規定する有価証券及び同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利をいう。 4 第一項第五号及び第九号並びに次項の「短期社債等」とは、次に掲げるものをいう。一 社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第六十六条第一号に規定する短期社債
二 投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第百三十九条の十二第一項に規定する短期投資法人債
三 資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第二条第八項に規定する特定短期社債
四 その権利の帰属が社債、株式等の振替に関する法律の規定により振替口座簿の記載又は記録により定まるものとされる外国法人の発行する債券(新株予約権付社債券の性質を有するものを除く。)に表示されるべき権利のうち、次に掲げる要件のすべてに該当するもの
イ 各権利の金額が一億円を下回らないこと。
ロ 元本の償還について、権利の総額の払込みのあった日から一年未満の日とする確定期限の定めがあり、かつ、分割払の定めがないこと。
ハ 利息の支払期限を、ロの元本の償還期限と同じ日とする旨の定めがあること。
5 第一項第七号に掲げる業務には同号に規定する証書をもって表示される金銭債権のうち有価証券に該当するものについて、同項第九号に掲げる業務には短期社債等について、金融商品取引法第二条第八項第一号から第六号まで及び第八号から第十号までに掲げる行為を行う業務を含むものとする。 6 第一項第八号の「特定目的会社」、「資産流動化計画」、「特定社債」、「特定短期社債」又は「優先出資証券」とは、それぞれ資産の流動化に関する法律第二条第三項、第四項又は第七項から第九項までに規定する特定目的会社、資産流動化計画、特定社債、特定短期社債又は優先出資証券をいう。 7 会社が第一項第十号に掲げる業務を営む場合には、銀行法第五十二条の三十六第一項の規定その他同号に規定する政令で定める金融業を行う者に関し適用される同項の規定に相当する規定であって政令で定めるものは、適用しない。 (金融商品取引法の規定の読替え適用等)第四条 会社についての金融商品取引法の規定の適用については、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
2 会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。以下この項において同じ。)、監査役若しくは執行役又は使用人は、金融商品取引業者(金融商品取引法第二十八条第八項に規定する有価証券関連業を行う者に限る。以下この項において同じ。)の取締役、会計参与、監査役若しくは執行役に就任した場合(金融商品取引業者の取締役、会計参与、監査役又は執行役が会社の取締役、会計参与、監査役又は執行役を兼ねることとなった場合を含む。)又は金融商品取引業者の取締役、会計参与、監査役若しくは執行役を退任した場合には、財務省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を財務大臣に届け出なければならない。 (日本政策投資銀行債の発行)第五条 会社は、日本政策投資銀行債を発行することができる。
2 会社法(平成十七年法律第八十六号)第七百二条の規定は、会社が日本政策投資銀行債を発行する場合には、適用しない。 3 会社は、外国を発行地とする日本政策投資銀行債に限り、その社債券(その利札を含む。以下この項並びに第十三条第三項及び第四項第一号において同じ。)を失った者に対し交付するため必要があるときは、政令で定めるところにより、日本政策投資銀行債の社債券を発行することができる。 (日本政策投資銀行債の発行方法)第六条 日本政策投資銀行債の社債券を発行する場合には、当該社債券は、無記名式とする。 ただし、応募者又は所有者の請求により記名式とすることができる。
2 会社は、日本政策投資銀行債の社債券を発行する場合には、当該社債券の応募者との間で、当該社債券に係る保護預り契約であって財務省令・内閣府令で定める事項を内容とするものを締結してはならない。 3 会社は、日本政策投資銀行債を発行する場合においては、売出しの方法によることができる。 この場合においては、売出期間を定めなければならない。 4 会社は、日本政策投資銀行債の社債券を発行する場合には、その券面に次に掲げる事項を記載しなければならない。一 会社の商号
二 当該社債券に係る社債の金額
三 当該社債券に係る日本政策投資銀行債の利率
四 当該社債券に係る日本政策投資銀行債の償還の方法及び期限
五 当該社債券の番号
5 会社は、売出しの方法により日本政策投資銀行債を発行しようとするときは、次に掲げる事項を公告しなければならない。一 売出期間
二 日本政策投資銀行債の総額
三 数回に分けて日本政策投資銀行債の払込みをさせるときは、その払込みの金額及び時期
四 日本政策投資銀行債発行の価額又はその最低価額
五 社債、株式等の振替に関する法律の規定によりその権利の帰属が振替口座簿の記載又は記録により定まるものとされる日本政策投資銀行債を発行しようとするときは、同法の適用がある旨
六 前項第一号から第四号までに掲げる事項
6 会社は、日本政策投資銀行債を発行する場合においては、割引の方法によることができる。 (日本政策投資銀行債の消滅時効)第七条 会社が発行する日本政策投資銀行債の消滅時効は、その権利を行使することができる時から、元本については十五年、利子については五年で完成する。
(通貨及証券模造取締法の準用)第八条 通貨及証券模造取締法(明治二十八年法律第二十八号)は、会社が発行する日本政策投資銀行債の社債券の模造について準用する。
(預金の受入れ等を開始する場合の特例)第九条 会社は、第三条第一項第一号に規定する預金の受入れ又は日本政策投資銀行債の発行を開始しようとするときは、あらかじめ、財務大臣の承認を受けなければならない。
2 財務大臣は、前項の承認をしようとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣に協議し、その同意を得なければならない。 3 内閣総理大臣は、前項の規定による協議があった場合において、必要があると認めるときは、財務大臣に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。 4 内閣総理大臣は、第二項の規定による協議があった場合において、特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、会社に対し、資料の提出、説明その他の協力を求めることができる。 5 会社が第一項の承認を受けた場合における会社が営む業務については、銀行法第四条第一項及び長期信用銀行法(昭和二十七年法律第百八十七号)第四条第一項の規定は、適用しない。 (銀行法の準用)第十条 銀行法第十二条の二(第三項を除く。)、第十三条、第十三条の二、第十三条の四、第十四条、第十四条の二、第二十条、第二十一条、第二十三条及び第五十七条の四(第一号に係る部分に限る。)の規定は、前条第一項の承認を受けた会社について準用する。 この場合において、これらの規定(同法第十三条の四後段及び第二十条第七項を除く。)中「内閣総理大臣」とあるのは「財務大臣及び内閣総理大臣」と、「内閣府令」とあるのは「財務省令・内閣府令」と、同法第十三条の四中「第三十八条第一号、第二号、第七号」とあるのは「第三十八条第七号」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
2 前項において読み替えて準用する銀行法第十三条の四において読み替えて準用する金融商品取引法の規定の適用については、当該規定中「内閣府令」とあるのは、「財務省令・内閣府令」とする。 3 政府は、第一項において読み替えて準用する銀行法の規定に基づき命令を定めるに当たっては、前条第一項の承認をする時点における会社の資金の貸付けその他の業務の利用者の利益が不当に侵害されないよう、配慮しなければならない。 (事業年度)第十一条 会社の事業年度は、四月一日から翌年三月三十一日までとする。
(株式)第十二条 会社は、会社法第百九十九条第一項に規定する募集株式(第三十四条第四号において「募集株式」という。)若しくは同法第二百三十八条第一項に規定する募集新株予約権(同号において「募集新株予約権」という。)を引き受ける者の募集をし、又は株式交換若しくは株式交付に際して株式若しくは新株予約権を交付しようとするときは、財務大臣の認可を受けなければならない。
2 会社は、新株予約権の行使により株式を交付した後、遅滞なく、その旨を財務大臣に届け出なければならない。 (社債、日本政策投資銀行債及び借入金)第十三条 会社は、毎事業年度の開始前に、財務省令で定めるところにより、社債(日本政策投資銀行債を除く。以下同じ。)及び日本政策投資銀行債(それぞれ社債、株式等の振替に関する法律第六十六条第一号に規定する短期社債を除く。以下この条及び第十八条において同じ。)の発行並びに借入金(弁済期限が一年を超えるものに限る。以下この条及び第十八条において同じ。)の借入れについて、発行及び借入れの金額、社債及び日本政策投資銀行債並びに借入金の表示通貨その他の社債及び日本政策投資銀行債の発行並びに借入金の借入れに係る基本方針を作成し、財務大臣の認可を受けなければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。
2 会社は、社債若しくは日本政策投資銀行債を発行したとき、又は借入金の借入れをしたときは、財務省令で定めるところにより、その旨を遅滞なく財務大臣に届け出なければならない。 3 会社は、外国を発行地とする社債に限り、その社債券を失った者に対し交付するため必要があるときは、政令で定めるところにより、社債券を発行することができる。 4 第一項後段及び第二項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。一 会社法第六百九十九条第二項に規定する除権決定を得た後にされる再発行の請求を受けて、社債の社債券又は日本政策投資銀行債の社債券(次号及び第二十五条第二項において「社債券等」という。)を発行した場合
二 第五条第三項又は前項の規定により社債券等を発行した場合
(受信限度額及び与信限度額)第十四条 次に掲げるものの合計額は、資本金及び準備金(資本準備金及び利益準備金をいう。以下この条において同じ。)の額の合計額の十四倍に相当する額を超えることとなってはならない。 ただし、社債及び日本政策投資銀行債については、発行済みの旧銀行債券(附則第二十六条の規定による廃止前の日本政策投資銀行法(平成十一年法律第七十三号。以下「旧政投銀法」という。)第四十三条第一項又は第四項の規定に基づき発行された同条第一項に規定する銀行債券をいう。以下同じ。)、社債又は日本政策投資銀行債の借換えのため必要があるときは、当該借換えを行うために必要な期間内に限り、当該額を超えて発行することができる。
一 預金の現在額
二 借入金の現在額
三 旧政投銀法第四十二条第五項の規定に基づき受け入れた寄託金の現在額
四 旧銀行債券の元本に係る債務の現在額
五 発行した社債及び日本政策投資銀行債の元本に係る債務の現在額
六 いずれの名義をもってするかを問わず、前各号に掲げるものと同様の経済的性質を有するものの現在額
2 次に掲げるものの合計額は、資本金及び準備金の額並びに前項本文の規定による限度額の合計額を超えることとなってはならない。一 資金の貸付け及び譲り受けた債権(第三号に規定する有価証券に係るものを除く。)の現在額
二 保証した債務の現在額
三 取得した有価証券(第三条第三項に規定する有価証券をいい、金融商品取引法第二条第一項第一号及び第二号に掲げる有価証券(当該有価証券が発行されていない場合における当該有価証券に表示されるべき権利を含む。)並びに次号の資金の出資に係るものを除く。)の現在額
四 資金の出資の現在額
(代表取締役等の選定等の決議)第十五条 会社の代表取締役又は代表執行役の選定及び解職並びに監査等委員である取締役若しくは監査役の選任及び解任又は監査委員の選定及び解職の決議は、財務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(取締役の兼職の認可)第十六条 会社の常務に従事する取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役)は、財務大臣の認可を受けた場合を除き、他の会社の常務に従事してはならない。
2 財務大臣は、前項の認可の申請があったときは、当該申請に係る事項が会社の業務の健全かつ適切な運営を妨げるおそれがあると認められる場合を除き、これを認可しなければならない。 (事業計画)第十七条 会社は、毎事業年度の開始前に、財務省令で定めるところにより、その事業年度の事業計画を定め、財務大臣の認可を受けなければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。
(償還計画)第十八条 会社は、毎事業年度の開始前に、財務省令で定めるところにより、社債、日本政策投資銀行債及び借入金の償還計画を立てて、財務大臣の認可を受けなければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。
(認可対象子会社)第十九条 会社は、次に掲げる者(第三号、第四号及び第七号に掲げる者にあっては、個人であるものを除く。以下「認可対象子会社」という。)を子会社(会社法第二条第三号に規定する子会社をいう。)としようとするときは、あらかじめ、財務大臣の認可を受けなければならない。
一 銀行
二 長期信用銀行(長期信用銀行法第二条に規定する長期信用銀行をいう。)
三 金融商品取引業者(金融商品取引法第二十八条第一項に規定する第一種金融商品取引業を行う者に限る。)
四 貸金業者(貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)第二条第二項に規定する貸金業者をいい、前号に掲げる者を兼ねることその他財務省令で定める要件に該当するものを除く。)
五 信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項に規定する信託会社をいう。)
六 保険会社(保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第二項に規定する保険会社をいう。)
七 前各号に掲げる者に類するものとして財務省令で定める者
(定款の変更等)第二十条 会社の定款の変更、剰余金の配当その他の剰余金の処分(損失の処理を除く。)、合併、会社分割及び解散の決議は、財務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 財務大臣は、前項の認可(合併、会社分割及び解散の決議に係るものに限る。)をしようとするときは、国土交通大臣に協議しなければならない。 (貸借対照表等の提出)第二十一条 会社は、事業年度ごとに、財務省令で定めるところにより、当該事業年度の中間事業年度(当該事業年度の四月一日から九月三十日までの期間をいう。)に係る貸借対照表、損益計算書及び事業報告書並びに当該事業年度に係る貸借対照表、損益計算書及び事業報告書を財務大臣に提出しなければならない。
(財政融資資金の運用に関する特例)第二十二条 財政融資資金(財政融資資金法(昭和二十六年法律第百号)第二条の財政融資資金をいう。以下同じ。)は、同法第十条第一項の規定にかかわらず、第三条第一項及び第二項に規定する会社の業務に要する経費に充てるため会社が借入れをする場合における会社に対する貸付け(第二十四条において単に「貸付け」という。)に運用することができる。
第二十三条 財政融資資金は、財政融資資金法第十条第一項の規定にかかわらず、第三条第一項及び第二項に規定する会社の業務に要する経費に充てるため会社が発行する社債又は日本政策投資銀行債(次項、次条及び第二十五条第一項において「社債等」という。)に運用することができる。
2 財政融資資金を社債等又は旧銀行債券に運用する場合においては、社債等及び旧銀行債券の発行残高の十分の五又は会社の一回に発行する社債等の十分の六を超える割合の社債等又は旧銀行債券の引受け、応募又は買入れ(旧銀行債券にあっては、買入れに限る。以下この項において「引受け等」という。)を行ってはならない。 この場合において、財政融資資金により引受け等を行う社債等又は旧銀行債券は、利率、担保、償還の方法、期限その他の条件において、当該引受け等以外の引受け等に係るものとその種類を同じくするものでなければならない。第二十四条 第二十二条の規定により貸付けに運用される財政融資資金又は前条第一項の規定により社債等に運用される財政融資資金に係る財政融資資金の長期運用に対する特別措置に関する法律(昭和四十八年法律第七号)の規定の適用については、会社を財政融資資金法第十条第一項第七号に規定する法人とみなす。
(債務保証)第二十五条 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、社債等に係る債務について、保証契約をすることができる。
2 政府は、前項の規定によるほか、会社が社債券等を失った者に交付するために会社法第六百九十九条第二項に規定する除権決定を得た後にされる再発行の請求を受けて発行する社債券等又は第五条第三項若しくは第十三条第三項の規定により発行する社債券等に係る債務について、保証契約をすることができる。第三章 雑則
(監督上の措置)第二十六条 会社は、主務大臣がこの法律の定めるところに従い監督する。
2 主務大臣は、会社の業務若しくは財産又は会社及びその子会社(会社法第二条第三号に規定する子会社であって、認可対象子会社に該当するものに限る。次条第二項及び第五項並びに第三十三条第二項において同じ。)の財産の状況に照らして会社の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときその他この法律を施行するため必要があると認めるときは、会社に対し、措置を講ずべき事項及び期限を示して、会社の経営の健全性を確保するための改善計画の提出を求め、若しくは提出された改善計画の変更を命じ、又はその必要の限度において、期限を付して会社の業務の全部若しくは一部の停止を命じ、若しくは会社の財産の供託を命ずることその他業務に関し監督上必要な命令をすることができる。 (報告及び検査)第二十七条 主務大臣は、会社の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときその他この法律を施行するため必要があると認めるときは、会社に対して報告をさせ、又はその職員に、会社の営業所その他の施設に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他必要な物件を検査させることができる。
2 主務大臣は、会社の業務の健全かつ適切な運営を確保するため特に必要があると認めるときその他この法律を施行するため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、会社の子会社若しくは会社からその業務の委託を受けた者(以下この項、第五項及び第三十三条第二項において「受託者」という。)に対して会社の業務の状況に関し参考となるべき報告をさせ、又はその職員に、会社の子会社若しくは受託者の施設に立ち入り、会社の業務の状況に関し参考となるべき業務の状況若しくは帳簿、書類その他必要な物件を検査させることができる。 3 前二項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。 4 第一項及び第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。 5 会社の子会社又は受託者は、正当な理由があるときは、第二項の規定による報告又は立入検査を拒むことができる。 (権限の委任)第二十八条 財務大臣は、政令で定めるところにより、前条第一項又は第二項の規定による立入検査の権限の一部を内閣総理大臣に委任することができる。
2 内閣総理大臣は、前項の委任に基づき、前条第一項又は第二項の規定により立入検査をしたときは、速やかに、その結果について財務大臣に報告するものとする。 3 内閣総理大臣は、第一項の規定により委任された権限及び前項の規定による権限を金融庁長官に委任する。 4 金融庁長官は、政令で定めるところにより、前項の規定により委任された権限の全部又は一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。 5 会社が第九条第一項の承認を受けた場合には、前各項の規定は、適用しない。 (主務大臣)第二十九条 この法律における主務大臣は、財務大臣とする。 ただし、会社が第九条第一項の承認を受けた場合における次に掲げる事項については、財務大臣及び内閣総理大臣とする。
一 第十条において読み替えて準用する銀行法の規定に関する事項
二 第二十六条第二項の規定による命令(同項に規定する会社の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときにするものに限る。)に関する事項
三 第二十七条第一項の規定による報告徴収及び立入検査(同項に規定する会社の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときにするものに限る。)に関する事項
四 第二十七条第二項の規定による報告徴収及び立入検査(同項に規定する会社の業務の健全かつ適切な運営を確保するため特に必要があると認めるときにするものに限る。)に関する事項
2 前項ただし書の規定による同項第三号又は第四号に掲げる事項に係る権限は、財務大臣又は内閣総理大臣がそれぞれ単独に行使することを妨げない。 3 次の各号に掲げる大臣は、前項の規定によりその権限を単独で行使したときは、速やかに、その結果を当該各号に定める大臣に通知するものとする。一 財務大臣 内閣総理大臣
二 内閣総理大臣 財務大臣
4 第一項ただし書の場合において、第三条第二項中「財務大臣」とあるのは「財務大臣及び内閣総理大臣」と、第十三条第二項中「財務大臣」とあるのは「財務大臣(日本政策投資銀行債の発行に係るものについては、財務大臣及び内閣総理大臣)」と、第二十条第二項中「国土交通大臣」とあるのは「国土交通大臣及び内閣総理大臣」と、第二十一条中「財務省令で定めるところにより、当該事業年度の中間事業年度(当該事業年度の四月一日から九月三十日までの期間をいう。)」とあるのは「財務省令(第九条第一項の承認を受けた日の属する事業年度以後の事業年度及び中間事業年度(当該事業年度の四月一日から九月三十日までの期間をいう。以下この条において同じ。)にあっては、財務省令・内閣府令)で定めるところにより、当該事業年度の中間事業年度」と、「財務大臣」とあるのは「財務大臣(同項の承認を受けた日の属する事業年度以後の事業年度及び中間事業年度にあっては、財務大臣及び内閣総理大臣)」と読み替えるものとする。 5 財務大臣は、第一項ただし書の場合において、第三条第一項第七号又は第八号の財務省令を改正しようとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣の同意を得なければならない。 6 内閣総理大臣は、この法律による権限(前条第一項から第三項までの規定によるものその他政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。 7 金融庁長官は、政令で定めるところにより、前項の規定により委任された権限の一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。第四章 罰則
第三十条 会社の取締役、執行役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役又は使用人が、その職務に関して、賄を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の懲役に処する。 これによって不正の行為をし、又は相当の行為をしなかったときは、五年以下の懲役に処する。
2 前項の場合において、犯人が収受した賄賂は、没収する。 その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。第三十一条 前条第一項の賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。第三十二条 第三十条第一項の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第四条の例に従う。
2 前条第一項の罪は、刑法第二条の例に従う。第三十三条 第二十七条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした会社の取締役、執行役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役又は使用人は、三十万円以下の罰金に処する。
2 第二十七条第二項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした会社の子会社又は受託者の取締役、執行役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役又は使用人は、三十万円以下の罰金に処する。第三十四条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした会社の取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員又は監査役は、百万円以下の過料に処する。
一 第三条第二項の規定に違反して、業務を営んだとき。
二 第四条第二項の規定に違反して、兼職の届出を行わなかったとき。
三 第九条第一項の規定に違反して、預金の受入れ又は日本政策投資銀行債の発行を開始したとき。
四 第十二条第一項の規定に違反して、募集株式若しくは募集新株予約権を引き受ける者の募集をし、又は株式交換若しくは株式交付に際して株式若しくは新株予約権を交付したとき。
五 第十二条第二項の規定に違反して、株式を交付した旨の届出を行わなかったとき。
六 第十三条第一項の規定に違反して、基本方針の認可を受けなかったとき。
七 第十三条第二項の規定に違反して、社債若しくは日本政策投資銀行債を発行した旨又は借入金の借入れをした旨の届出を行わなかったとき。
八 第十四条第一項又は第二項の規定に違反して、限度額又は合計額を超えることとなったとき。
九 第十六条第一項の規定に違反して、兼職の認可を受けなかったとき。
十 第十七条の規定に違反して、事業計画の認可を受けなかったとき。
十一 第十八条の規定に違反して、償還計画の認可を受けなかったとき。
十二 第十九条の規定に違反して、認可対象子会社を子会社としたとき。
十三 第二十一条の規定に違反して、貸借対照表、損益計算書若しくは事業報告書を提出せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたこれらのものを提出したとき。
十四 第二十六条第二項の規定による命令に違反したとき。
第三十五条 第二条第一項の規定に違反した者は、十万円以下の過料に処する。
附則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(政府保有株式の処分)
第二条 政府は、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律(平成十八年法律第四十七号)第六条第二項の規定に基づき、その保有する会社の株式(次項及び附則第三条において「政府保有株式」という。)について、会社の目的の達成に与える影響及び市場の動向を踏まえつつその縮減を図り、できる限り早期にその全部を処分するものとする。 政府は、この法律の施行後政府保有株式の全部を処分するまでの間、会社の有する長期の事業資金に係る投融資機能の根幹が維持されるよう、政府保有株式の処分の方法に関する事項その他の事項について随時検討を行い、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとする。
(政府の出資)
第二条の二 政府は、平成二十四年三月三十一日までの間、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、会社に出資することができる。
(国債の交付)
第二条の三 政府は、平成二十四年三月三十一日までの間、株式会社日本政策金融公庫法(平成十九年法律第五十七号)第二条第五号に規定する危機対応業務(以下「危機対応業務」という。)を行う上で会社の財務内容の健全性を確保するため必要となる資本の確保に用いるため、国債を発行することができる。 政府は、前項の規定により、予算で定める金額の範囲内において、国債を発行し、これを会社に交付するものとする。 第一項の規定により発行する国債は、無利子とする。 第一項の規定により発行する国債については、譲渡、担保権の設定その他の処分をすることができない。 前三項に定めるもののほか、第一項の規定により発行する国債に関し必要な事項は、財務省令で定める。
(国債の償還等)
第二条の四 会社は、その行う危機対応業務(平成二十四年三月三十一日までに行うものに限る。)に係る資産の増加に応じて必要となる資本の額として財務省令で定めるところにより計算した金額を限り、前条第二項の規定により交付された国債の償還の請求をすることができる。 政府は、前条第二項の規定により交付した国債の全部又は一部につき会社から償還の請求を受けたときは、速やかに、その償還をしなければならない。 前項の規定による償還があった場合には、会社の資本金の額は、当該償還の直前の資本金の額と当該償還の額の合計額とする。 前項の規定の適用がある場合における会社法第四百四十五条第一項の規定の適用については、同項中「場合」とあるのは、「場合及び株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)附則第二条の四第三項の規定の適用がある場合」とする。 前各項に定めるもののほか、前条第二項の規定により政府が交付した国債の償還に関し必要な事項は、財務省令で定める。
(国債の返還等)
第二条の五 会社は、平成二十四年七月一日において、附則第二条の三第二項の規定により交付された国債のうち償還されていないものがあるときは、その償還されていない国債を政府に返還しなければならない。 政府は、前項の規定により国債が返還された場合には、直ちに、これを消却しなければならない。 前二項に定めるもののほか、附則第二条の三第二項の規定により政府が交付した国債の返還及び消却に関し必要な事項は、財務省令で定める。
(登録免許税の課税の特例)
第二条の六 附則第二条の二の規定による出資があった場合又は附則第二条の四第二項の規定による償還があった場合において会社が受ける資本金の額の増加の登記については、財務省令で定めるところにより登記を受けるものに限り、登録免許税を課さない。
(会社が危機対応業務を行う責務)
第二条の七 会社は、その目的を達成するため、当分の間、株式会社日本政策金融公庫法第二条第四号に規定する被害に対処するための資金を必要とする者に対し円滑に資金が供給されるよう、附則第二条の十、第二条の十一、第二条の二十二及び第二条の二十四から第二条の三十までに定めるところにより、危機対応業務を行う責務を有する。
(危機対応業務に係る株式の政府保有)
第二条の八 政府は、当分の間、会社による危機対応業務の適確な実施を確保する観点から、会社の発行済株式(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式を除く。附則第二条の十三において同じ。)の総数の三分の一を超える株式を保有していなければならない。
(危機対応業務に係る政府の出資)
第二条の九 政府は、当分の間、会社による危機対応業務の適確な実施のために必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、会社に出資することができる。
(危機対応業務の実施)
第二条の十 会社は、本店その他の財務大臣が指定する営業所(次項及び附則第二条の三十一第一項第一号において「指定営業所」という。)において危機対応業務を行うものとする。 会社は、財務省令で定めるところにより、天災その他のやむを得ない理由により指定営業所において臨時に危機対応業務の全部又は一部を休止する場合を除き、指定営業所において危機対応業務を休止し、又は廃止してはならない。
(危機対応業務に係る事業計画の特則等)
第二条の十一 会社は、財務省令で定めるところにより、第十七条の事業計画に危機対応業務の実施方針を記載しなければならない。 会社は、財務省令で定めるところにより、第二十一条の事業報告書に前項の実施方針に基づく危機対応業務の実施状況を記載しなければならない。 会社の定款には、会社法第二十七条各号に掲げる事項のほか、危機対応業務の適確な実施に関する事項を記載し、又は記録しなければならない。
(特定投資業務)
第二条の十二 会社は、その目的を達成するため、この条並びに附則第二条の十五から第二条の二十まで及び第二条の二十三から第二条の三十までに定めるところにより、特定投資業務を行うものとする。 この条から附則第二条の二十まで並びに附則第二条の二十三、第二条の二十五、第二条の二十七及び第二条の三十一において「特定投資業務」とは、特定事業活動に対する投資業務のうち、地域経済の自立的発展に資する地域の特性を生かした事業活動の活性化又は我が国の経済社会の活力の向上及び持続的発展に資する我が国の企業の競争力の強化並びに特定事業活動に対する金融機関その他の者による資金供給の促進に特に寄与すると認められるものであって、附則第二条の十七第一項の認可を受けた日から令和八年三月三十一日までに当該投資業務による資金供給の対象となる事業者及び当該資金供給の内容を決定するもの並びにこれに附帯する業務(同年四月一日以後に行うものを含む。)をいう。 前項の「特定事業活動」とは、次に掲げる事業活動をいう。 第二項の「投資業務」とは、次に掲げる資金供給の業務をいう。
(特定投資業務に係る株式の政府保有)
第二条の十三 政府は、会社が特定投資業務を完了するまでの間、会社による特定投資業務の適確な実施を確保する観点から、会社の発行済株式の総数の二分の一以上に当たる株式を保有していなければならない。
(特定投資業務に係る政府の出資等)
第二条の十四 政府は、令和八年三月三十一日までの間、会社による特定投資業務の適確な実施のために必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、会社に出資することができる。 会社は、前項の規定による出資により払い込まれた金銭を特定投資業務のための資金以外の資金に充ててはならない。
(特定投資業務における一般の金融機関が行う金融等の補完又は奨励)
第二条の十五 会社は、特定投資業務を行うに当たっては、一般の金融機関が行う金融及び民間の投資を補完し、又は奨励することを旨とするものとする。
(特定投資指針)
第二条の十六 財務大臣は、会社が特定投資業務を行うに当たって従うべき指針(次項及び次条第一項において「特定投資指針」という。)を定め、これを公表するものとする。 特定投資指針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(特定投資業務規程)
第二条の十七 会社は、財務省令で定める特定投資業務の実施に関する事項について、特定投資指針に即して、特定投資業務に関する規程(次項において「特定投資業務規程」という。)を定め、財務大臣の認可を受けなければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。 財務大臣は、前項の規定により認可をした特定投資業務規程が会社による特定投資業務の適確な実施上不適当となったと認めるときは、会社に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。
(特定投資業務に係る事業計画の特則等)
第二条の十八 会社は、財務省令で定めるところにより、特定投資業務を完了するまでの間、第十七条の事業計画に特定投資業務の実施方針を記載しなければならない。 会社は、財務省令で定めるところにより、特定投資業務を完了した日を含む事業年度までの各事業年度に係る第二十一条の事業報告書に前項の実施方針に基づく特定投資業務の実施状況を記載しなければならない。 会社の定款には、特定投資業務を完了するまでの間、会社法第二十七条各号に掲げる事項のほか、特定投資業務の適確な実施に関する事項を記載し、又は記録しなければならない。
(特定投資業務等に係る収支の状況)
第二条の十九 会社は、事業年度ごとに、財務省令で定めるところにより、特定投資業務を完了した日を含む事業年度までの各事業年度に係る次に掲げる業務の区分ごとの収支の状況を記載した書類を財務大臣に提出するとともに、これを公表しなければならない。
(特定投資業務の完了)
第二条の二十 会社は、経済情勢、特定投資業務による資金供給の対象となった事業者の事業の状況その他の事情を考慮しつつ、令和十三年三月三十一日までに、特定投資業務において保有する全ての有価証券(金融商品取引法第二条第一項に規定する有価証券及び同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利をいう。)及び債権の譲渡その他の処分を行い、特定投資業務を完了するように努めなければならない。 会社は、特定投資業務を完了したときは、速やかに、その旨を財務大臣に届け出なければならない。 財務大臣は、前項の規定による届出があったときは、その旨を公表するものとする。
(適正な競争関係の確保)
第二条の二十一 会社は、当分の間、その業務を行うに当たっては、他の事業者との間の適正な競争関係を阻害することのないよう特に配慮しなければならない。 会社は、財務省令で定めるところにより、当分の間、第十七条の事業計画に他の事業者との間の適正な競争関係の確保に係る方針を記載しなければならない。 会社は、財務省令で定めるところにより、当分の間、第二十一条の事業報告書に前項の方針に基づく業務の実施状況を記載しなければならない。
(危機対応準備金)
第二条の二十二 会社は、危機対応準備金を設け、附則第二条の九の規定により政府が出資した金額をもってこれに充てるものとする。 会社は、附則第二条の九の規定による政府の出資があったときは、会社法第四百四十五条第二項の規定にかかわらず、附則第二条の九の規定により出資された額の全額を危機対応準備金の額として計上するものとする。 この場合において、同法第四百四十五条第一項中「この法律」とあるのは、「この法律又は株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)」とする。
(特定投資準備金及び特定投資剰余金)
第二条の二十三 会社は、特定投資準備金を設け、附則第二条の十四第一項の規定により政府が出資した金額、第三項の規定により資本金又は準備金の額を減少した金額及び第四項の規定により剰余金の額を減少した金額の合計額に相当する金額をもってこれに充てるものとする。 会社は、附則第二条の十四第一項の規定による政府の出資があったときは、会社法第四百四十五条第二項の規定にかかわらず、附則第二条の十四第一項の規定により出資された額の全額を特定投資準備金の額として計上するものとする。 この場合において、同法第四百四十五条第一項中「この法律」とあるのは、「この法律又は株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)」とする。 会社は、特定投資業務を適確に実施するために必要があると認める場合には、資本金又は準備金の額を減少して、特定投資準備金の額を増加することができる。 この場合における会社法第四百四十七条から第四百四十九条までの規定の適用については、同法第四百四十七条第一項第二号中「準備金とするとき」とあるのは「準備金又は株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)附則第二条の二十三第一項の特定投資準備金(以下この号、次条第一項第二号及び第四百四十九条第一項において「特定投資準備金」という。)とするとき」と、「準備金とする額」とあるのは「準備金又は特定投資準備金とする額」と、同法第四百四十八条第一項第二号中「資本金」とあるのは「資本金又は特定投資準備金」と、同法第四百四十九条第一項中「資本金とする」とあるのは「資本金又は特定投資準備金とする」とする。 会社は、特定投資業務を適確に実施するために必要があると認める場合には、剰余金の額を減少して、特定投資準備金の額を増加することができる。 この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。 第四項第一号の額は、同項第二号の日における剰余金の額を超えてはならない。 会社は、特定投資剰余金を設け、財務省令で定めるところにより、毎事業年度の特定投資業務に係る損益計算上生じた利益又は損失の金額を計上するものとする。
(受信限度額及び与信限度額の特則)
第二条の二十四 危機対応準備金の額、特定投資準備金の額又は特定投資剰余金の額が計上されている場合における第十四条の規定の適用については、当該計上されている額の合計額を資本金及び準備金の額に算入するものとする。
(剰余金の額等)
第二条の二十五 会社は、剰余金の額の計算上、最終事業年度(会社法第二条第二十四号に規定する最終事業年度をいう。次項において同じ。)の末日における危機対応準備金、特定投資準備金及び特定投資剰余金の額の合計額を、資本金及び準備金の額の合計額に算入するものとする。 会社は、剰余金の額の計算上、第一号から第三号までに掲げる額の合計額を会社法第四百四十六条第一号から第四号までに掲げる額の合計額に、第四号から第六号までに掲げる額の合計額を同条第五号から第七号までに掲げる額の合計額に、それぞれ算入するものとする。 会社は、会社法第四百六十一条第二項に規定する分配可能額(附則第二条の二十七第六項において「分配可能額」という。)の計算に当たっては、同法第四百四十一条第一項に規定する臨時計算書類につき同条第四項の承認(同項ただし書に規定する場合にあっては、同条第三項の承認)を受けた場合における同条第一項第二号の期間の特定投資業務に係る利益の額として各勘定科目に計上した額その他の財務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額を同法第四百六十一条第二項第一号及び第二号に掲げる額の合計額から減ずるものとする。
(欠損の塡補を行う場合の危機対応準備金等の額の減少)
第二条の二十六 会社は、資本準備金の額及び利益準備金の額が零となったときは、危機対応準備金の額、特定投資準備金の額又は特定投資剰余金の額(特定投資剰余金の額にあっては、当該額が零を超えている場合に限る。)を減少することができる。 この場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 前項の決議は、財務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 第一項第一号の危機対応準備金の額、特定投資準備金の額又は特定投資剰余金の額は、それぞれ同項第二号の日における危機対応準備金の額、特定投資準備金の額又は特定投資剰余金の額を超えてはならない。 第一項第一号の危機対応準備金の額、特定投資準備金の額及び特定投資剰余金の額の合計額は、同項の株主総会の日における欠損の額として財務省令で定める方法により算定される額を超えてはならない。 特定投資剰余金の額が零以下である場合には、第一項第一号の特定投資準備金の額は、特定投資準備金の額を減少することができる額として財務省令で定める方法により算定される額を超えてはならない。 会社は、第一項の規定により危機対応準備金の額、特定投資準備金の額又は特定投資剰余金の額を減少した後において会社の剰余金の額が零を超えることとなったときは、その超える部分の額に相当する金額により、この項の規定による危機対応準備金の額、特定投資準備金の額又は特定投資剰余金の額の増加額の累計額がそれぞれ当該減少した額の累計額に達するまで、財務省令で定めるところにより、危機対応準備金の額、特定投資準備金の額又は特定投資剰余金の額を増加しなければならない。
(国庫納付金)
第二条の二十七 会社は、危機対応業務の適確な実施のために必要な財政基盤が十分に確保されるに至ったと認める場合には、危機対応準備金の額の全部又は一部に相当する金額を国庫に納付するものとする。 この場合において、会社は、当該国庫に納付する金額に相当する額により危機対応準備金を減少するものとする。 会社は、特定投資業務の実施状況及び財務状況を勘案し、特定投資業務を適確に実施するために必要がないと認める場合には、特定投資準備金の額の全部又は一部を減少することができる。 この場合においては、当該減少額のうち国庫に帰属すべき額に相当する金額として特定投資準備金の額に占める附則第二条の十四第一項の規定により政府が出資した金額の割合を基礎として財務省令で定めるところにより算定した額を国庫に納付するものとする。 会社は、特定投資剰余金の額が零を超えている場合において、特定投資業務の実施状況及び財務状況を勘案し、特定投資業務を適確に実施するために必要がないと認めるときは、特定投資剰余金の額の全部又は一部を減少することができる。 この場合においては、当該減少額のうち国庫に帰属すべき額に相当する金額として特定投資準備金の額に占める附則第二条の十四第一項の規定により政府が出資した金額の割合を基礎として財務省令で定めるところにより算定した額を国庫に納付するものとする。 前三項の場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。 前項の決議は、財務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 第一項から第三項までの規定により納付する金額の合計額は、第四項第二号の日における分配可能額を超えてはならない。
第二条の二十八 会社は、清算をする場合において、その債務を弁済してなお残余財産があるときは、清算の日における危機対応準備金の額(附則第二条の二十六第一項の規定により危機対応準備金の額を減少した後において、同条第六項の規定による危機対応準備金の額の増加額の累計額が当該減少した額の累計額に満たない場合には、その不足額を加えた額)並びに同日における特定投資準備金及び特定投資剰余金の額の合計額(同条第一項の規定により特定投資準備金の額を減少した後において、同条第六項の規定による特定投資準備金の額の増加額の累計額が当該減少した額の累計額に満たない場合又は同条第一項の規定により特定投資剰余金の額を減少した後において、同条第六項の規定による特定投資剰余金の額の増加額の累計額が当該減少した額の累計額に満たない場合には、それぞれの不足額を加えた額)のうち国庫に帰属すべき額に相当する額として特定投資準備金の額に占める附則第二条の十四第一項の規定により政府が出資した金額の割合を基礎として財務省令で定めるところにより算定した額の合計額(当該残余財産の額が当該危機対応準備金の額及び当該算定した額の合計額を下回っているときは、当該残余財産の額)に相当する金額を国庫に納付するものとする。 前項の規定による納付金の納付は、株主に対する残余財産の分配に先立って行われるものとする。 前条第一項から第三項まで及び第一項の規定による納付金に関し、納付の手続その他必要な事項は、政令で定める。
(法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律の特例)
第二条の二十九 会社は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律第一条の規定にかかわらず、附則第二条の九の規定による出資又は附則第二条の十四第一項の規定による出資に対する利益又は剰余金の配当又は分配については、前二条に定めるところによるものとする。
(会社法の準用)
第二条の三十 会社法第四百四十九条第六項(第一号に係る部分に限る。)及び第七項並びに第八百二十八条(第一項第五号及び第二項第五号に係る部分に限る。)の規定は、附則第二条の二十六第一項の規定により危機対応準備金の額、特定投資準備金の額又は特定投資剰余金の額を減少する場合について準用する。 この場合において、同法第四百四十九条第六項第一号中「資本金」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)附則第二条の二十六第一項の規定による危機対応準備金(同法附則第二条の二十二第一項の危機対応準備金をいう。第八百二十八条第一項第五号において同じ。)の額、特定投資準備金(同法附則第二条の二十三第一項の特定投資準備金をいう。同号において同じ。)の額又は特定投資剰余金(同法附則第二条の二十三第七項の特定投資剰余金をいう。同号において同じ。)」と、「第四百四十七条第一項第三号」とあるのは「同法附則第二条の二十六第一項第二号」と、同法第八百二十八条第一項第五号中「おける資本金」とあるのは「おける株式会社日本政策投資銀行法附則第二条の二十六第一項の規定による危機対応準備金の額、特定投資準備金の額又は特定投資剰余金」と、「資本金の額の減少の」とあるのは「当該危機対応準備金の額、特定投資準備金の額又は特定投資剰余金の額の減少の」と、同条第二項第五号中「、破産管財人又は資本金の額の減少について承認をしなかった債権者」とあるのは「又は破産管財人」と読み替えるものとする。 会社法第四百四十九条(第一項ただし書及び第六項第二号を除く。)及び第八百二十八条(第一項第五号及び第二項第五号に係る部分に限る。)の規定は、附則第二条の二十七第一項の規定により危機対応準備金の額を減少する場合について準用する。 この場合において、同法第四百四十九条第一項本文中「資本金又は準備金(以下この条において「資本金等」という。)」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)附則第二条の二十七第一項の規定により危機対応準備金(同法附則第二条の二十二第一項の危機対応準備金をいう。以下この条並びに第八百二十八条第一項第五号及び第二項第五号において同じ。)」と、「場合(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)」とあるのは「場合」と、「資本金等の」とあるのは「危機対応準備金の」と、同条第二項第一号中「資本金等」とあるのは「危機対応準備金」と、同項第二号中「法務省令」とあるのは「財務省令」と、同条第四項及び第五項ただし書中「資本金等」とあるのは「危機対応準備金」と、同条第六項第一号中「資本金」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行法附則第二条の二十七第一項の規定による危機対応準備金」と、「第四百四十七条第一項第三号」とあるのは「同条第四項第二号」と、同法第八百二十八条第一項第五号中「おける資本金」とあるのは「おける株式会社日本政策投資銀行法附則第二条の二十七第一項の規定による危機対応準備金」と、「資本金の額の減少の」とあるのは「当該危機対応準備金の額の減少の」と、同条第二項第五号中「資本金」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行法附則第二条の二十七第一項の規定による危機対応準備金」と読み替えるものとする。 会社法第四百四十九条(第一項ただし書及び第六項第二号を除く。)及び第八百二十八条(第一項第五号及び第二項第五号に係る部分に限る。)の規定は、附則第二条の二十七第二項の規定により特定投資準備金の額を減少する場合について準用する。 この場合において、同法第四百四十九条第一項本文中「資本金又は準備金(以下この条において「資本金等」という。)」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)附則第二条の二十七第二項の規定により特定投資準備金(同法附則第二条の二十三第一項の特定投資準備金をいう。以下この条並びに第八百二十八条第一項第五号及び第二項第五号において同じ。)」と、「場合(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)」とあるのは「場合」と、「資本金等の」とあるのは「特定投資準備金の」と、同条第二項第一号中「資本金等」とあるのは「特定投資準備金」と、同項第二号中「法務省令」とあるのは「財務省令」と、同条第四項及び第五項ただし書中「資本金等」とあるのは「特定投資準備金」と、同条第六項第一号中「資本金」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行法附則第二条の二十七第二項の規定による特定投資準備金」と、「第四百四十七条第一項第三号」とあるのは「同条第四項第二号」と、同法第八百二十八条第一項第五号中「おける資本金」とあるのは「おける株式会社日本政策投資銀行法附則第二条の二十七第二項の規定による特定投資準備金」と、「資本金の額の減少の」とあるのは「当該特定投資準備金の額の減少の」と、同条第二項第五号中「資本金」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行法附則第二条の二十七第二項の規定による特定投資準備金」と読み替えるものとする。 会社法第四百四十九条(第一項ただし書及び第六項第二号を除く。)及び第八百二十八条(第一項第五号及び第二項第五号に係る部分に限る。)の規定は、附則第二条の二十七第三項の規定により特定投資剰余金の額を減少する場合について準用する。 この場合において、同法第四百四十九条第一項本文中「資本金又は準備金(以下この条において「資本金等」という。)」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)附則第二条の二十七第三項の規定により特定投資剰余金(同法附則第二条の二十三第七項の特定投資剰余金をいう。以下この条並びに第八百二十八条第一項第五号及び第二項第五号において同じ。)」と、「場合(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)」とあるのは「場合」と、「資本金等の」とあるのは「特定投資剰余金の」と、同条第二項第一号中「資本金等」とあるのは「特定投資剰余金」と、同項第二号中「法務省令」とあるのは「財務省令」と、同条第四項及び第五項ただし書中「資本金等」とあるのは「特定投資剰余金」と、同条第六項第一号中「資本金」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行法附則第二条の二十七第三項の規定による特定投資剰余金」と、「第四百四十七条第一項第三号」とあるのは「同条第四項第二号」と、同法第八百二十八条第一項第五号中「おける資本金」とあるのは「おける株式会社日本政策投資銀行法附則第二条の二十七第三項の規定による特定投資剰余金」と、「資本金の額の減少の」とあるのは「当該特定投資剰余金の額の減少の」と、同条第二項第五号中「資本金」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行法附則第二条の二十七第三項の規定による特定投資剰余金」と読み替えるものとする。
(罰則)
第二条の三十一 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした会社の取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員又は監査役は、百万円以下の過料に処する。 附則第二条の二十四の規定の適用がある場合における第三十四条第八号の規定の適用については、同号中「限度額」とあるのは、「附則第二条の二十四の規定により危機対応準備金、特定投資準備金及び特定投資剰余金の額の合計額を資本金及び準備金の額に算入して計算した限度額」とする。 附則第二条の十一第一項、第二条の十八第一項又は第二条の二十一第二項の規定の適用がある場合における第三十四条第十号の規定の適用については、同号中「第十七条」とあるのは、「第十七条又は附則第二条の十一第一項、第二条の十八第一項若しくは第二条の二十一第二項」とする。 附則第二条の十一第二項、第二条の十八第二項又は第二条の二十一第三項の規定の適用がある場合における第三十四条第十三号の規定の適用については、同号中「第二十一条」とあるのは、「第二十一条又は附則第二条の十一第二項、第二条の十八第二項若しくは第二条の二十一第三項」とする。
(この法律の廃止その他の措置)
第三条 政府は、政府保有株式の全部を処分したときは、直ちにこの法律を廃止するための措置並びに会社の業務及び機能並びに権利及び義務を会社の有する投融資機能に相応する機能の担い手として構築される組織に円滑に承継させるために必要な措置を講ずるものとする。
(準備期間中の業務等の特例)
第四条 会社がその成立の時において業務を円滑に開始するため、日本政策投資銀行(以下「政投銀」という。)は、準備期間(この法律の施行の日から平成二十年九月三十日までの期間をいう。第五項において同じ。)中、日本政策投資銀行法(附則第二十六条を除き、以下「政投銀法」という。)第四十二条第一項及び第二項に定めるもののほか、長期借入金の借入れをすることができる。 政投銀は、この法律の施行の日の属する事業年度にあっては同日以後遅滞なく、平成二十年四月一日に始まる事業年度にあっては同日の前日までに、前項の規定による長期借入金の借入れについて、借入れの金額及び長期借入金の表示通貨その他の長期借入金の借入れに係る基本方針を作成し、財務大臣の認可を受けなければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。 政投銀は、第一項の規定による長期借入金の借入れをしたときは、財務省令で定めるところにより、その旨を遅滞なく財務大臣に届け出なければならない。 第一項の規定による長期借入金については、政投銀法第四十二条第一項の借入金とみなして、政投銀法第四十四条の規定を適用する。 政投銀が、準備期間中に政投銀法第四十二条第二項の規定による短期借入金の借入れをした場合には、同条第三項の規定については、同項中「当該事業年度内」とあるのは、「一年以内」とする。 政投銀が第一項の規定による長期借入金の借入れをする場合には、政投銀法第十三条第二項第一号中「この法律、この法律に基づく命令」とあるのは「この法律若しくは株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)若しくはこれらの法律に基づく命令」と、政投銀法第四十八条中「この法律及びこれに基づく政令」とあるのは「この法律及び株式会社日本政策投資銀行法並びにこれらの法律に基づく政令」と、政投銀法第四十九条、第五十条第一項及び第五十二条中「この法律」とあるのは「この法律及び株式会社日本政策投資銀行法」と、政投銀法第五十四条第一号及び第二号中「この法律」とあるのは「この法律又は株式会社日本政策投資銀行法」とする。 第一項から第四項まで及び前項に規定する「長期借入金」とは、銀行その他の金融機関からの借入金であって、第五項の規定により読み替えて適用する政投銀法第四十二条第三項に規定する短期借入金以外の借入金をいう。 政投銀法第二十二条第一項に規定する中期政策方針であって平成二十年四月一日を始期とするものについての同項の規定の適用については、同項中「三年間の」とあるのは、「平成十七年四月一日を始期とする」とする。
(設立委員)
第五条 財務大臣は、設立委員を命じ、会社の設立に関して発起人の職務を行わせる。
(定款)
第六条 設立委員は、定款を作成して、財務大臣の認可を受けなければならない。
(会社の設立に際して発行する株式)
第七条 会社の設立に際して発行する株式に関する次に掲げる事項及び会社が発行することができる株式の総数は、定款で定めなければならない。 会社の設立に際して発行する株式については、会社法第四百四十五条第二項の規定にかかわらず、附則第九条の規定により政投銀が会社の設立に際し出資した財産の額の二分の一を超える額を資本金として計上しないことができる。 この場合において、同法第四百四十五条第一項中「この法律」とあるのは、「この法律又は株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)」とする。
(株式の引受け)
第八条 会社の設立に際して発行する株式の総数は、政投銀が引き受けるものとし、設立委員は、これを政投銀に割り当てるものとする。 前項の規定により割り当てられた株式による会社の設立に関する株式引受人としての権利は、政府が行使する。
(出資)
第九条 政投銀は、会社の設立に際し、会社に対し、附則第十五条第二項の規定により国が承継する資産を除き、その財産の全部を出資するものとする。
(創立総会)
第十条 会社の設立に係る会社法第六十五条第一項の規定の適用については、同項中「第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の末日のうち最も遅い日以後」とあるのは、「株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)附則第八条第一項の規定による株式の割当後」とする。
(会社の成立)
第十一条 附則第九条の規定により政投銀が行う出資に係る給付は、附則第二十六条の規定の施行の時に行われるものとし、会社は、会社法第四十九条の規定にかかわらず、その時に成立する。
(設立の登記)
第十二条 会社は、会社法第九百十一条第一項の規定にかかわらず、会社の成立後遅滞なく、その設立の登記をしなければならない。
(政府への無償譲渡)
第十三条 政投銀が出資によって取得する会社の株式は、会社の成立の時に、政府に無償譲渡されるものとする。
(会社法の適用除外)
第十四条 会社法第三十条及び第二編第一章第三節の規定は、会社の設立については、適用しない。
(政投銀の解散等)
第十五条 政投銀は、会社の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、次項の規定により国が承継する資産を除き、その時において会社が承継する。 会社の成立の際現に政投銀が有する権利のうち、会社が将来にわたり業務を円滑に遂行する上で必要がないと認められる資産は、会社の成立の時において国が承継する。 前項の規定により国が承継する資産の範囲その他当該資産の国への承継に関し必要な事項は、政令で定める。 政投銀の平成二十年四月一日に始まる事業年度は、政投銀の解散の日の前日に終わるものとする。 政投銀の平成二十年四月一日に始まる事業年度に係る決算並びに財産目録、貸借対照表及び損益計算書の作成等については、旧政投銀法第三十八条第一項(監事の意見に係る部分に限る。)及び第四十条第一項(監事の意見に係る部分に限る。)に係る部分を除き、会社が従前の例により行うものとする。 この場合において、旧政投銀法第三十八条第一項中「を四月から九月まで及び十月から翌年三月までの半期ごとに、」とあるのは「並びに」と、「これらの半期及び事業年度ごとに作成」とあるのは「作成」と、「当該半期経過後二月以内又は当該事業年度終了後三月以内に」とあるのは「平成二十年十二月三十一日までに」と、旧政投銀法第三十九条中「毎事業年度の決算を翌事業年度の五月三十一日」とあるのは「平成二十年四月一日に始まる事業年度に係る決算を平成二十年十一月三十日」と、旧政投銀法第四十条第三項中「翌事業年度の十一月三十日」とあるのは「平成二十一年十一月三十日」とする。 政投銀の平成二十年四月一日に始まる事業年度に係る旧政投銀法第四十一条の利益金の処分及び国庫への納付については、会社が従前の例により行うものとする。 この場合において、同条第三項中「毎事業年度」とあるのは「平成二十年四月一日に始まる事業年度」と、「翌事業年度の五月三十一日」とあるのは「平成二十年十一月三十日」とする。 第一項の規定により政投銀が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
(承継される財産の価額)
第十六条 会社が政投銀から承継する資産及び負債(次項において「承継財産」という。)の価額は、評価委員が評価した価額とする。 評価委員は、前項の規定による評価をしようとするときは、会社の成立の日現在における承継財産の時価を基準とするものとする。 ただし、承継財産の種類、用途その他の事項を勘案して時価によることが適当でないと認めるときは、承継財産の時価によらないことができる。 前二項に規定するもののほか、評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
(権利及び義務の承継に伴う経過措置)
第十七条 附則第十五条第一項の規定により会社が承継する債務に係る旧銀行債券及び利札については、旧政投銀法第四十三条第五項及び第六項の規定は、附則第二十六条の規定の施行後も、なおその効力を有する。 附則第十五条第一項の規定により会社が承継する債務に係る旧北東債券(旧政投銀法附則第十七条第二号の規定による廃止前の北海道東北開発公庫法(昭和三十一年法律第九十七号。以下この項において「旧北東公庫法」という。)第二十七条第一項の規定に基づき発行された北海道東北開発債券をいう。)及び利札については、旧北東公庫法第二十七条第三項及び第四項の規定は、附則第二十六条の規定の施行後も、なおその効力を有する。 附則第十五条第一項の規定により会社が承継する旧銀行債券に係る債務について旧政投銀法第四十五条第一項又は第三項の規定により政府がした保証契約は、その承継後においても、当該旧銀行債券に係る債務について従前の条件により存続するものとする。 附則第十五条第一項の規定により会社が承継する旧政投銀法附則第十七条第一号の規定による廃止前の日本開発銀行法(昭和二十六年法律第百八号。以下この項において「旧開銀法」という。)第三十七条の二第一項又は第二項の規定に基づき発行された同条第一項に規定する外貨債券等に係る債務について旧開銀法第三十七条の三第一項又は第二項の規定により政府がした保証契約は、その承継後においても、当該外貨債券等に係る債務について従前の条件により存続するものとする。 附則第十五条第一項の規定により会社が承継する旧銀行債券に係る債務について国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律(昭和二十八年法律第五十一号)第二条第二項又は第三項の規定により政府がした保証契約は、その承継後においても、当該旧銀行債券に係る債務について従前の条件により存続するものとし、当該保証契約に係る旧銀行債券の利子及び償還差益に係る租税その他の公課については、なお従前の例による。
(主務大臣)
第十八条 附則第十五条第一項の規定により会社が承継する資産(以下この条において「承継資産」という。)の管理についての第二十六条第二項及び第二十七条第一項における主務大臣は、第二十九条第一項の規定にかかわらず、次のとおりとする。
(事業年度に関する経過措置)
第十九条 会社の最初の事業年度は、第十一条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、平成二十一年三月三十一日に終わるものとする。
(基本方針等に関する経過措置)
第二十条 会社の最初の事業年度の基本方針、事業計画及び償還計画については、第十三条第一項、第十七条及び第十八条中「毎事業年度の開始前に」とあるのは、「会社の成立後遅滞なく」とする。 会社の最初の事業年度の貸借対照表、損益計算書及び事業報告書については、第二十一条中「事業年度ごとに」とあるのは「会社の成立の日の属する事業年度に」と、「当該事業年度の中間事業年度(当該事業年度の四月一日から九月三十日までの期間をいう。)に係る貸借対照表、損益計算書及び事業報告書並びに当該事業年度」とあるのは「当該事業年度」とする。 会社が第九条第一項の承認を受けた場合における前項の規定の適用については、同項において読み替えて適用する第二十一条中「財務省令」とあるのは「財務省令・内閣府令」と、「財務大臣」とあるのは「財務大臣及び内閣総理大臣」とする。
(登録金融機関業務等に関する特例)
第二十一条 会社は、附則第一条第三号に定める日から起算して三月間(当該期間内に金融商品取引法第三十三条の五第一項の規定による登録の拒否の処分があったとき、又は次項の規定により読み替えて適用する同法第五十二条の二第一項の規定により登録金融機関業務(同法第三十三条の五第一項第三号に規定する登録金融機関業務をいい、第四条第一項の規定により読み替えて適用する同法第三十三条の八第一項の規定に基づき行われる第三条第一項第十六号に掲げる業務を含む。以下この条において同じ。)の廃止を命ぜられたときは、当該処分のあった日又は当該廃止を命ぜられた日までの間)は、第四条第一項の規定により読み替えて適用する同法第三十三条の二の規定にかかわらず、登録金融機関業務を行うことができる。 会社が当該期間中に同条の登録の申請をした場合において当該申請について登録をする旨の通知を受ける日又は当該申請について当該期間の経過後登録をしない旨の通知を受ける日までの間も、同様とする。 前項の規定により会社が登録金融機関業務を行う場合においては、会社を登録金融機関(金融商品取引法第二条第十一項に規定する登録金融機関をいう。)とみなして、同法(第三十三条の六、第三十七条第一項第二号、第三十七条の三第一項第二号、第五十条の二第二項、第五十二条の二第一項第二号及び第三項、第五十四条並びに第六十四条第二項を除く。)の規定を適用する。 この場合において、同法第五十二条の二第一項(第二号を除く。)中「第三十三条の二の登録を取り消し」とあるのは「登録金融機関業務の廃止を命じ」と、同法第五十四条の二第一号中「第五十二条第一項又は第五十二条の二第一項の規定により第二十九条若しくは第三十三条の二の登録若しくは第三十条第一項の認可を取り消し」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)附則第二十一条第二項の規定により読み替えて適用する第五十二条の二第一項の規定により登録金融機関業務の廃止を命じ」と、同法第五十六条第一項中「第五十二条第一項、第五十二条の二第一項、第五十三条第三項若しくは第五十四条の規定により第二十九条若しくは第三十三条の二の登録を取り消された」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行法附則第二十一条第二項の規定により読み替えて適用する第五十二条の二第一項の規定により登録金融機関業務の廃止を命ぜられた」と、同法第百九十四条の三第三号中「第五十二条の二第一項の規定による第三十三条の二の登録の取消し」とあり、及び同法第百九十四条の四第一項第五号中「第五十二条の二第一項若しくは第三項又は第五十四条の規定による第三十三条の二の登録の取消し」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行法附則第二十一条第二項の規定により読み替えて適用する第五十二条の二第一項の規定による登録金融機関業務の廃止の命令」とするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。 会社が前項の規定により読み替えて適用する金融商品取引法第五十二条の二第一項の規定により登録金融機関業務の廃止を命ぜられた場合における同法第三十三条の五第一項第一号の規定の適用については、会社を同法第五十二条の二第一項の規定により同法第三十三条の二の登録を取り消された者と、当該廃止を命ぜられた日を同項の規定による同条の登録の取消しの日とみなす。 会社は、附則第一条第三号に定める日から起算して一年間は、金融商品取引法第六十四条第二項の規定にかかわらず、同条第一項の規定により登録を受けた者以外の者に外務員の職務を行わせることができる。 その者につき当該期間内に同項の登録の申請をした場合において、当該申請について登録をする旨の通知を受ける日又は当該申請について当該期間の経過後登録をしない旨の通知を受ける日までの間も、同様とする。
(登録免許税に係る課税の特例)
第二十二条 附則第十二条の規定により会社が受ける設立の登記及び附則第九条の規定により政投銀が行う出資に係る財産の給付に伴い会社が受ける登記又は登録については、登録免許税を課さない。 政投銀が附則第四十八条の規定の施行前に締結した契約に基づき、会社が旧政投銀法第二十条第一項第一号に規定する業務に係る債権で附則第十五条第一項の規定により政投銀から承継したものを担保するために受ける先取特権、質権若しくは抵当権の保存、設定若しくは移転の登記若しくは登録又は動産の譲渡若しくは債権の譲渡の登記に係る登録免許税については、附則第四十八条の規定による改正前の登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)別表第三の二十二の項の規定は、なおその効力を有する。
(法人税に係る課税の特例)
第二十三条 政投銀が会社に対し行う附則第九条の規定による出資(以下この条において「特定現物出資」という。)は、法人税法(昭和四十年法律第三十四号)第二条第十二号の十四に規定する適格現物出資とみなして、同法その他法人税に関する法令の規定を適用する。 前項の規定により法人税法その他法人税に関する法令の規定の適用を受ける場合の特定現物出資により移転する政投銀の資産及び負債については、附則第十六条第一項の規定により評価委員が評価した価額を帳簿価額とみなす。 ただし、貸倒引当金については次項の規定により会社に引き継ぐものとされる金額を帳簿価額とみなし、退職給付引当金その他の政令で定める引当金の金額についてはこれらの帳簿価額を零とする。 政投銀の特定現物出資の日の前日の属する事業年度(次項において「最後事業年度」という。)において法人税法第五十二条の規定を適用することとした場合に同条第一項の規定により計算される同項に規定する個別貸倒引当金繰入限度額に達するまでの金額又は同条第二項の規定により計算される同項に規定する政令で定めるところにより計算した金額に達するまでの金額は、同条第七項の規定にかかわらず、会社に引き継ぐものとする。 この場合において、会社が引継ぎを受けた金額は、会社の特定現物出資の日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。 会社は、特定現物出資の日から起算して三月以内に政投銀の最後事業年度の旧政投銀法第三十八条第一項に規定する財務諸表を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
(地方税に係る課税の特例)
第二十四条 附則第九条の規定により政投銀が行う出資に係る不動産又は自動車の取得に対しては、不動産取得税又は自動車取得税を課することができない。
(政令への委任)
第二十五条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、会社の設立及び政投銀の解散に関し必要な事項その他これらの規定の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
(日本政策投資銀行法の廃止)
第二十六条 日本政策投資銀行法は、廃止する。
(政投銀法の廃止に伴う経過措置)
第二十七条 前条の規定の施行前に旧政投銀法(第十条を除く。)の規定によりした処分、手続その他の行為は、この法律の相当規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。 旧政投銀法附則第十六条第五項及び第六項の規定は、会社が民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成十一年法律第百十七号)第二条第五項の選定事業者に対し行う資金の貸付けについては、前条の規定の施行後も、なおその効力を有する。 この場合において、旧政投銀法附則第十六条第五項中「日本政策投資銀行」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行」と、「第二十条第一項第一号の規定により同法」とあるのは「同法」と、同条第六項中「日本政策投資銀行が行う無利子の貸付け(民間都市開発の推進に関する特別措置法(昭和六十二年法律第六十二号)第三条に規定する民間都市開発推進機構からの寄託金を財源とするものを除く。)」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行が行う無利子の貸付け」と、「日本政策投資銀行に対し」とあるのは「株式会社日本政策投資銀行に対し」とする。 前二項に規定するもののほか、政投銀法の廃止に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
(罰則の適用に関する経過措置)
第二十八条 附則第二十六条の規定の施行前にした行為及びこの法律の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係る同条の規定の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(検討)
第六十六条 政府は、附則第一条第三号に定める日までに、電気事業会社の日本政策投資銀行からの借入金の担保に関する法律、石油の備蓄の確保等に関する法律、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律、民間都市開発の推進に関する特別措置法、エネルギー等の使用の合理化及び資源の有効な利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律その他の法律(法律に基づく命令を含む。)の規定により政投銀の投融資機能が活用されている制度について、当該制度の利用者の利便にも配慮しつつ、他の事業者との対等な競争条件を確保するための措置を検討し、その検討の結果を踏まえ、所要の措置を講ずるものとする。
(会社の長期の事業資金に係る投融資機能の活用)
第六十七条 政府は、会社の長期の事業資金に係る投融資機能を附則第一条第三号に定める日以後において活用する場合には、他の事業者との間の適正な競争関係に留意しつつ、対等な競争条件を確保するための措置その他当該投融資機能の活用に必要な措置を講ずるものとする。
附則(平成一六年六月九日法律第八八号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して五年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。
(罰則の適用に関する経過措置)
第百三十五条 この法律(附則第一条ただし書に規定する規定については、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則(平成一六年一二月一〇日法律第一六五号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、附則第四条及び第五条の規定は、公布の日から施行する。
附則(平成一九年六月二七日法律第九九号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
第二十八条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第二十九条 附則第二条から第十九条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則(平成二〇年六月一三日法律第六五号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(罰則の適用に関する経過措置)
第四十条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第四十一条 附則第二条から第十九条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則(平成二一年六月二四日法律第五八号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(罰則の適用に関する経過措置)
第十九条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第二十条 附則第二条から第五条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則(平成二一年七月三日法律第六七号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
(検討等)
第二条 政府は、平成二十六年度末を目途として、この法律による改正後の株式会社日本政策投資銀行法附則第二条の二(東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律(平成二十三年法律第四十号)第三十六条において読み替えて適用する場合を含む。)の規定に基づく株式会社日本政策投資銀行(以下「会社」という。)に対する出資の状況、この法律による改正後の株式会社日本政策投資銀行法附則第二条の四第二項の規定に基づく国債の償還の状況、会社による危機対応業務(株式会社日本政策金融公庫法(平成十九年法律第五十七号)第二条第五号に規定する危機対応業務をいう。以下同じ。)の実施の状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、会社による危機対応業務の適確な実施を確保するため、政府が常時会社の発行済株式の総数の三分の一を超える株式を保有する等会社に対し国が一定の関与を行うとの観点から、会社による危機対応業務の在り方及びこれを踏まえた政府による会社の株式の保有の在り方を含めた会社の組織の在り方を見直し、必要な措置を講ずるものとする。 政府は、前項の措置が講ぜられるまでの間、次条の規定による改正後の簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律(平成十八年法律第四十七号)第六条第二項及びこの法律による改正後の株式会社日本政策投資銀行法附則第二条第一項の規定にかかわらず、その保有する会社の株式を処分しないものとする。
(調整規定)
第四条 この法律の施行の日が中小企業者及び中堅事業者等に対する資金供給の円滑化を図るための株式会社商工組合中央金庫法等の一部を改正する法律(平成二十一年法律第五十四号。次項において「商中法等改正法」という。)の施行の日以前となる場合には、同日の前日までの間における前条の規定による改正後の簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律第六条第二項の規定の適用については、同項中「及び」とあるのは、「に対する政府の出資については、市場の動向を踏まえつつその縮減を図り、前項の措置のおおむね五年後から七年後を目途として、その全部を処分するものとし、」とする。 この法律の施行の日が商中法等改正法の施行の日後となる場合には、前条の規定は、適用しない。 この場合において、附則第二条第二項中「次条」とあるのは、「中小企業者及び中堅事業者等に対する資金供給の円滑化を図るための株式会社商工組合中央金庫法等の一部を改正する法律(平成二十一年法律第五十四号)附則第四条」とする。
(政令への委任)
第五条 この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則(平成二三年五月二日法律第四〇号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
附則(平成二三年五月二五日法律第四九号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(株式会社日本政策投資銀行法の一部改正に伴う経過措置)
第二十八条 前条の規定による改正後の株式会社日本政策投資銀行法(以下この条において「新政投銀法」という。)第十条第一項において準用する新銀行法第二十条第七項の規定は、第二号施行日以後に終了する事業年度に係る新政投銀法第十条第一項において準用する新銀行法第二十条第四項の規定による公告について適用する。
(罰則の適用に関する経過措置)
第三十条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第三十一条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則(平成二四年九月一二日法律第八六号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(罰則の適用に関する経過措置)
第十七条 この法律(附則第一条第二号及び第三号に掲げる規定については、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第十八条 附則第二条から第五条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則(平成二六年六月二七日法律第九一号)
この法律は、会社法の一部を改正する法律の施行の日から施行する。附則(平成二七年五月二〇日法律第二三号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
(危機対応準備金に関する経過措置)
第二条 株式会社日本政策投資銀行(以下「会社」という。)は、この法律の施行後遅滞なく、次に掲げる額の合計額により資本金の額を減少し、危機対応準備金(この法律による改正後の株式会社日本政策投資銀行法(以下「新法」という。)附則第二条の二十二第一項の危機対応準備金をいう。附則第四条第二項において同じ。)として計上するものとする。 この場合における新法附則第二条の二十二第一項の規定の適用については、同項中「金額」とあるのは、「金額及び株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律(平成二十七年法律第二十三号)附則第二条第一項の規定により資本金の額を減少した金額」とする。 前項の規定による資本金の額の減少についての会社法(平成十七年法律第八十六号)第四百四十七条の規定の適用については、同条第一項第二号中「準備金とするとき」とあるのは「準備金又は株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)附則第二条の二十二第一項の危機対応準備金(以下この号において「危機対応準備金」という。)とするとき」と、「準備金とする額」とあるのは「準備金又は危機対応準備金とする額」とする。
(国債の返還に関する経過措置)
第三条 旧法附則第二条の三第二項の規定により交付された国債の返還については、東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第三十六条の規定により読み替えて適用する新法附則第二条の五第一項の規定にかかわらず、別に法律で定める。
(国債の償還等に関する経過措置)
第四条 会社は、新法附則第二条の四第一項(東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律第三十六条において読み替えて適用する場合を含む。)の規定にかかわらず、当分の間、危機対応業務(施行日が平成二十七年四月一日後である場合には、同日以後施行日の前日までに会社が行うものを含む。)に係る資産の増加に応じて必要となる資本の額として財務省令で定めるところにより計算した金額を限り、旧法附則第二条の三第二項の規定により交付された国債の償還を請求することができる。 会社は、新法附則第二条の四第三項の規定にかかわらず、施行日以後に同条第二項の規定により償還された額を危機対応準備金の額として計上するものとする。 この場合における新法附則第二条の二十二第一項及び第二条の二十九の規定の適用については、同項中「附則第二条の九」とあるのは「附則第二条の四第二項の規定により償還を受けた金額及び附則第二条の九」と、同条中「附則第二条の九」とあるのは「附則第二条の四第二項の規定による国債の償還による出資、附則第二条の九」とする。 前二項の規定の適用がある場合における新法附則第二条の四第五項の規定の適用については、同項中「前各項」とあるのは、「第二項並びに株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律(平成二十七年法律第二十三号)附則第四条第一項及び第二項」とする。
(特定投資業務規程等に関する経過措置)
第五条 会社は、この法律の施行後遅滞なく、新法附則第二条の十七第一項に規定する特定投資業務規程を定め、財務大臣の認可を受けるものとする。 会社は、この法律の施行後遅滞なく、新法第十七条の事業計画を新法附則第二条の十一第一項、第二条の十八第一項及び第二条の二十一第二項の規定に適合するように変更し、財務大臣の認可を受けるものとする。 会社は、この法律の施行後遅滞なく、その定款を新法附則第二条の十一第三項及び第二条の十八第三項の規定に適合するように変更し、財務大臣の認可を受けるものとする。
(政令への委任)
第六条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(危機対応業務に関する検討)
第九条 政府は、この法律の施行後適当な時期において、指定金融機関(株式会社日本政策金融公庫法第十一条第二項に規定する指定金融機関をいう。)に係る制度の運用の状況、会社による危機対応業務の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、株式会社日本政策金融公庫法第二条第四号に規定する被害に対処するための資金を必要とする者に対し円滑に資金が供給されることを確保する観点から、会社による危機対応業務の在り方及びこれを踏まえた会社に対する国の関与の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。 政府は、前項の検討を行うに当たっては、一般の金融機関を代表する者その他の関係者の意見を聴かなければならない。 政府は、第一項の検討の結果、政府による会社の株式の保有に関する義務に係る措置その他の会社による危機対応業務の適確な実施を確保するための措置を継続する必要がないと認めるときは、速やかに、当該措置を廃止するために必要な法制上の措置を講ずるものとする。
(特定投資業務に関する検討)
第十条 政府は、この法律の施行後適当な時期において、一般の金融機関が行う金融及び民間の投資の状況、会社による特定投資業務(新法附則第二条の十二第二項に規定する特定投資業務をいう。以下この項において同じ。)の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、我が国経済の持続的な成長に資する長期資金その他の資金の供給の一層の促進を図る観点から、会社による特定投資業務の在り方及びこれを踏まえた会社に対する国の関与の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。 政府は、前項の検討を行うに当たっては、一般の金融機関を代表する者その他の関係者の意見を聴かなければならない。
附則(平成二八年六月三日法律第六二号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
第十八条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第十九条 附則第二条から第八条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則(平成二九年五月二四日法律第三七号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、附則第八条、第二十四条及び第二十六条の規定は、公布の日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
第二十五条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第二十六条 附則第二条から第四条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則(平成二九年六月二日法律第四五号)
この法律は、民法改正法の施行の日から施行する。 ただし、第百三条の二、第百三条の三、第二百六十七条の二、第二百六十七条の三及び第三百六十二条の規定は、公布の日から施行する。附則(令和元年一二月一一日法律第七一号)
この法律は、会社法改正法の施行の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。一 第九条中社債、株式等の振替に関する法律第二百六十九条の改正規定(「第六十八条第二項」を「第八十六条第一項」に改める部分に限る。)、第二十一条中民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律第五十六条第二項及び附則第四条の改正規定、第四十一条中保険業法附則第一条の二の十四第一項の改正規定、第四十七条中保険業法等の一部を改正する法律附則第十六条第一項の改正規定、第五十一条中株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構法第二十七条の改正規定、第七十八条及び第七十九条の規定、第八十九条中農林中央金庫及び特定農水産業協同組合等による信用事業の再編及び強化に関する法律附則第二十六条第一項の改正規定並びに第百二十四条及び第百二十五条の規定 公布の日
附則(令和二年五月二二日法律第二九号)
この法律は、公布の日から施行する。 政府は、この法律の施行後適当な時期において、一般の金融機関が行う金融及び民間の投資の状況、株式会社日本政策投資銀行(以下この項において「会社」という。)による特定投資業務(この法律による改正後の株式会社日本政策投資銀行法附則第二条の十二第二項に規定する特定投資業務をいう。以下この項において同じ。)の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、我が国経済の持続的な成長に資する長期資金その他の資金の供給の一層の促進を図る観点から、会社による特定投資業務の在り方及びこれを踏まえた会社に対する国の関与の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。 政府は、前項の検討を行うに当たっては、一般の金融機関を代表する者その他の関係者の意見を聴かなければならない。附則(令和四年六月一七日法律第六八号)
この法律は、刑法等一部改正法施行日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。一 第五百九条の規定 公布の日