第一条 この法律は、人口の減少、高齢化の進展等により農山漁村の活力が低下していることにかんがみ、農山漁村における定住等及び農山漁村と都市との地域間交流を促進するための措置を講ずることにより、農山漁村の活性化を図ることを目的とする。
(定義)第二条 この法律において「定住等」とは、農山漁村における定住及び都市の住民がその住所のほか農山漁村に居所を有することをいう。
2 この法律において「地域間交流」とは、都市の住民の農林漁業の体験その他の農山漁村と都市との地域間交流をいう。 3 この法律において「農林地等」とは、次に掲げる土地をいう。一 耕作(農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第四十三条第一項の規定により耕作に該当するものとみなされる農作物の栽培を含む。以下同じ。)の目的又は主として耕作若しくは養畜の事業のための採草若しくは家畜の放牧の目的に供される土地(以下「農用地」という。)
二 木竹の集団的な生育に供される土地(主として農用地又は住宅地若しくはこれに準ずる土地として使用される土地を除く。以下「林地」という。)
三 第五条第二項第二号に規定する活性化事業の用に供される土地及び開発して当該活性化事業の用に供されることが適当な土地(前二号に掲げる土地を除く。)
四 前三号に掲げる土地のほか、これらの土地との一体的な利用に供されることが適当な土地
(地域)第三条 この法律による措置は、次に掲げる要件に該当する地域について講じられるものとする。
一 農用地及び林地(以下「農林地」という。)が当該地域内の土地の相当部分を占めていることその他当該地域の土地利用の状況、農林漁業従事者数等からみて、農林漁業が重要な事業である地域であること。
二 当該地域において定住等及び地域間交流を促進することが、当該地域を含む農山漁村の活性化にとって有効かつ適切であると認められること。
三 既に市街地を形成している区域以外の地域であること。
(基本方針)第四条 農林水産大臣は、定住等及び地域間交流の促進による農山漁村の活性化に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
2 基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。一 定住等及び地域間交流の促進の意義及び目標に関する事項
二 定住等及び地域間交流の促進のための措置を講ずべき地域の設定に関する基本的事項
三 定住等及び地域間交流の促進のための施策に関する基本的事項
四 次条第一項に規定する活性化計画の作成に関する基本的事項
五 前各号に掲げるもののほか、定住等及び地域間交流の促進に関する重要事項
3 農林水産大臣は、基本方針を定めようとするときは、国土交通大臣その他関係行政機関の長に協議しなければならない。 4 農林水産大臣は、基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。 5 前二項の規定は、基本方針の変更について準用する。 (活性化計画の作成等)第五条 都道府県又は市町村は、単独で又は共同して、基本方針に基づき、当該都道府県又は市町村の区域内の地域であって第三条各号に掲げる要件に該当すると認められるものについて、定住等及び地域間交流の促進による農山漁村の活性化に関する計画(以下「活性化計画」という。)を作成することができる。
2 活性化計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。一 活性化計画の区域
二 前号の区域において定住等及び地域間交流を促進するために必要な次に掲げる事業(以下「活性化事業」という。)に関する事項 イ 農林漁業の振興を図るための生産基盤及び施設の整備に関する事業であって、定住等の促進に資するもの
ロ 定住等を促進するための集落における排水処理施設その他の生活環境施設の整備に関する事業
ハ 農林漁業の体験のための施設その他の地域間交流の拠点となる施設の整備に関する事業
ニ 農用地の保全を図るための当該農用地の管理及び農用地の農業上の利用を確保するための当該農用地の周辺の土地の利用に関する事業であって、定住等及び地域間交流の促進に資するもの
ホ その他農林水産省令で定める事業
三 活性化事業と一体となってその効果を増大させるために必要な事業又は事務に関する事項
四 計画期間
3 活性化計画には、前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載するよう努めるものとする。一 活性化計画の目標
二 前項第二号及び第三号に掲げる事項に係る他の地方公共団体との連携に関する事項
三 その他農林水産省令で定める事項
4 活性化計画には、第二項各号に掲げる事項のほか、活性化事業の実施に関する次に掲げる事項を記載することができる。一 当該活性化事業の用に供する土地の所在、地番、地目及び面積
二 当該活性化事業により施設の整備を行う場合にあっては、当該施設の種類及び規模その他の当該施設の整備の内容
三 その他農林水産省令で定める事項
5 第二項第二号及び第三号並びに前項各号に掲げる事項には、当該活性化計画を作成する都道府県又は市町村が実施する事業又は事務(以下「事業等」という。)に係るものを記載するほか、必要に応じ、定住等及び地域間交流の促進に寄与する事業等を実施しようとする農林漁業者の組織する団体若しくは特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項に規定する特定非営利活動法人又はこれらに準ずる者として農林水産省令で定めるもの(都道府県が作成する活性化計画にあっては、当該都道府県と共同して活性化計画を作成する市町村以外の市町村を含む。以下「農林漁業団体等」という。)が実施する事業等に係るものを記載することができる。 6 前項の規定により活性化計画に農林漁業団体等が実施する事業等に係る事項を記載しようとする都道府県又は市町村は、当該事項について、あらかじめ、当該農林漁業団体等の同意を得なければならない。 7 定住等及び地域間交流の促進に寄与する事業等を実施しようとする農林漁業団体等は、当該事業等を実施しようとする地域をその区域に含む都道府県又は市町村に対し、当該事業等をその内容に含む活性化計画の案の作成についての提案をすることができる。 8 前項の都道府県又は市町村は、同項の提案を踏まえた活性化計画の案を作成する必要がないと判断したときは、その旨及びその理由を、当該提案をした農林漁業団体等に通知しなければならない。 9 都道府県又は市町村は、活性化計画を作成しようとする場合において、次条第一項に規定する協議会が組織されているときは、当該活性化計画に記載する事項について当該協議会における協議をしなければならない。 10 活性化計画には、第二項各号に掲げる事項のほか、当該活性化計画を作成する市町村が行う農林地所有権移転等促進事業(活性化事業の実施のため行う農林地等についての所有権の移転又は地上権、賃借権若しくは使用貸借による権利の設定若しくは移転(以下「所有権の移転等」という。)及びこれと併せ行う当該所有権の移転等を円滑に推進するために必要な農林地についての所有権の移転等を促進する事業をいう。以下同じ。)に関する次に掲げる事項を記載することができる。一 農林地所有権移転等促進事業の実施に関する基本方針
二 移転される所有権の移転の対価の算定基準及び支払の方法
三 設定され、又は移転される地上権、賃借権又は使用貸借による権利の存続期間又は残存期間に関する基準並びに当該設定され、又は移転を受ける権利が地上権又は賃借権である場合における地代又は借賃の算定基準及び支払の方法
四 その他農林水産省令で定める事項
11 活性化計画(第四項各号に掲げる事項(当該活性化事業の用に供する土地が農地(耕作の目的に供される土地をいう。以下同じ。)であり、当該活性化事業の用に供することを目的として、農地である当該土地を農地以外のものにするに当たり、農地法第四条第一項の許可を受けなければならないもの、当該活性化事業の用に供する土地が農用地区域(農業振興地域の整備に関する法律(昭和四十四年法律第五十八号)第八条第二項第一号に規定する農用地区域をいう。以下同じ。)内の土地であり、当該活性化事業の用に供することを目的として、農業振興地域の整備に関する法律第十五条の二第一項に規定する開発行為を行うに当たり、同項の許可を受けなければならないもの又は当該活性化事業の用に供する土地が市街化調整区域(都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第七条第一項の規定による市街化調整区域をいう。以下同じ。)内の土地であり、当該活性化事業の用に供することを目的として、農林漁業の振興を図るための施設その他の当該活性化事業により整備される施設(第二項第二号イ又はハに規定するものであって政令で定めるものに限る。以下「農林漁業振興等施設」という。)の建築(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第十三号に規定する建築をいう。)の用に供する目的で行う都市計画法第四条第十二項に規定する開発行為(以下「特定開発行為」という。)若しくは農林漁業振興等施設を新築し、若しくは建築物(建築基準法第二条第一号に規定する建築物をいう。)を改築し、若しくはその用途を変更して農林漁業振興等施設とする行為(以下「建築行為等」という。)を行うに当たり、都市計画法第二十九条第一項若しくは第四十三条第一項の許可を受けなければならないものに係るものに限る。以下この条において同じ。)が記載されたものに限る。)は、次に掲げる要件に該当するものでなければならない。一 第四項第一号に規定する土地の利用目的が、当該土地に係る農業振興地域整備計画、都市計画その他の土地利用に関する計画に定められた土地利用に支障を及ぼすおそれがないと認められ、かつ、当該土地の位置及び規模並びに周辺の土地利用の状況からみて、当該土地を当該利用目的に供することが適当であると認められること。
二 当該活性化計画の内容が、当該活性化計画の区域内にある土地の農林業上の利用と他の利用との調整に留意して活性化事業の用に供する土地を確保するとともに、当該土地の周辺の地域における農用地の集団化その他農業構造の改善に資するように定められていること。
12 活性化計画に第四項各号に掲げる事項又は第十項各号に掲げる事項を記載しようとする市町村(都道府県と共同して当該活性化計画を作成する市町村を除く。)は、これらの事項のうち第四項各号に掲げる事項並びに第十項第二号及び第三号に掲げる事項については、あらかじめ、都道府県知事に協議し、その同意を得なければならない。 13 都道府県知事は、前項の規定による協議があった場合において、第四項各号に掲げる事項について、次に掲げる要件に該当するものであるときは、前項の同意をするものとする。一 第四項第一号に規定する土地ごとに、次に掲げる要件に該当するものであること。 イ 当該土地が農地であり、かつ、農地である当該土地を農地以外のものにする場合にあっては、農地法第四条第六項(第一号イに係る部分を除く。)の規定により同条第一項の許可をすることができない場合に該当しないこと。
ロ 当該土地が農地であり、かつ、農地法第四条第六項第一号イに掲げる農地である当該土地を農地以外のものにする場合にあっては、当該農地に代えて周辺の他の土地を供することにより当該活性化事業の目的を達成することができると認められないこと。
ハ 当該土地が農用地区域内の土地である場合にあっては、その周辺の土地の農業上の効率的かつ総合的な利用に支障を及ぼすおそれがないと認められることその他の農林水産省令で定める要件に該当すること。
二 当該活性化計画に従って行われる特定開発行為又は建築行為等が当該特定開発行為を行う土地又は当該建築行為等に係る農林漁業振興等施設の敷地である土地の区域の周辺における市街化を促進するおそれがないと認められ、かつ、市街化区域(都市計画法第七条第一項の規定による市街化区域をいう。)内において行うことが困難又は著しく不適当と認められること。
14 都道府県知事は、第四項第一号に規定する土地の全部又は一部が農地(当該活性化事業の用に供することを目的として、農地である当該土地を農地以外のものにするに当たり、農地法第四条第一項の許可を受けなければならないものに限る。次項及び第二十二項において同じ。)である活性化計画について第十二項の規定による協議があった場合において、同項の同意をしようとするときは、あらかじめ、第四項各号に掲げる事項について農業委員会(農業委員会等に関する法律(昭和二十六年法律第八十八号)第三条第一項ただし書又は第五項の規定により農業委員会を置かない市町村にあっては、市町村長。以下同じ。)の意見を聴かなければならない。 15 農業委員会は、前項の規定により意見を述べようとするとき(同項の協議に係る農地の全部又は一部が三十アールを超える農地であるときに限る。)は、あらかじめ、農業委員会等に関する法律第四十三条第一項に規定する都道府県機構(以下「都道府県機構」という。)の意見を聴かなければならない。 16 前項に定めるもののほか、農業委員会は、第十四項の規定により意見を述べるため必要があると認めるときは、都道府県機構の意見を聴くことができる。 17 活性化計画に第四項各号に掲げる事項を記載しようとする市町村が農地法第四条第一項に規定する指定市町村(以下「指定市町村」という。)である場合における第十一項から第十三項までの規定の適用については、第十一項中「要件」とあるのは「要件及び第十三項第一号に掲げる要件(同号イ及びロに係るものに限る。)」と、第十二項中「に第四項各号に掲げる事項」とあるのは「に第四項各号に掲げる事項(当該活性化事業の用に供する土地が農用地区域内の土地であり、当該活性化事業の用に供することを目的として、農業振興地域の整備に関する法律第十五条の二第一項に規定する開発行為を行うに当たり、同項の許可を受けなければならないもの又は当該活性化事業の用に供する土地が市街化調整区域内の土地であり、当該活性化事業の用に供することを目的として、特定開発行為若しくは建築行為等を行うに当たり、都市計画法第二十九条第一項若しくは第四十三条第一項の許可を受けなければならないものに係るものに限る。以下この項及び次項において同じ。)」と、第十三項第一号中「次に」とあるのは「ハに」とする。 18 第十四項から第十六項までの規定は、指定市町村が活性化計画に第四項各号に掲げる事項を記載しようとする場合について準用する。 19 活性化計画に第四項各号に掲げる事項を記載しようとする市町村が地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項に規定する指定都市又は同法第二百五十二条の二十二第一項に規定する中核市(以下「指定都市等」という。)である場合における第十一項から第十三項までの規定の適用については、第十一項中「要件」とあるのは「要件及び第十三項第二号に掲げる要件」と、第十二項中「に第四項各号に掲げる事項」とあるのは「に第四項各号に掲げる事項(当該活性化事業の用に供する土地が農地であり、当該活性化事業の用に供することを目的として、農地である当該土地を農地以外のものにするに当たり、農地法第四条第一項の許可を受けなければならないもの又は当該活性化事業の用に供する土地が農用地区域内の土地であり、当該活性化事業の用に供することを目的として、農業振興地域の整備に関する法律第十五条の二第一項に規定する開発行為を行うに当たり、同項の許可を受けなければならないものに係るものに限る。以下この項及び次項において同じ。)」と、第十三項中「について、次に」とあるのは「について、第一号に」とする。 20 都道府県が作成する活性化計画(第四項各号に掲げる事項が記載されたものに限る。)は、第十一項各号に掲げる要件のほか、第十三項各号に掲げる要件に該当するものでなければならない。 21 第十四項から第十六項までの規定は、都道府県が活性化計画に第四項各号に掲げる事項を記載しようとする場合について準用する。 22 活性化計画に第四項各号に掲げる事項を記載しようとする都道府県(指定市町村と共同して当該活性化計画を作成する都道府県を除く。)は、当該活性化計画を作成しようとする場合において、当該活性化計画に記載された同項第一号に規定する土地(指定市町村の区域内の土地に限る。)が農地であるときは、当該事項について、あらかじめ、当該指定市町村の長に協議し、その同意を得なければならない。 23 第十三項から第十六項までの規定は、指定市町村の長が前項の同意をしようとする場合について準用する。 24 活性化計画に第四項各号に掲げる事項を記載しようとする都道府県(指定都市等と共同して当該活性化計画を作成する都道府県を除く。)は、当該活性化計画を作成しようとする場合において、当該活性化計画に記載された同項第一号に規定する土地(指定都市等の区域内の土地に限る。)が市街化調整区域内の土地(当該活性化事業の用に供することを目的として、特定開発行為又は建築行為等を行うに当たり、都市計画法第二十九条第一項又は第四十三条第一項の許可を受けなければならないものに限る。)であるときは、当該事項について、あらかじめ、当該指定都市等の長に協議し、その同意を得なければならない。 25 第十三項の規定は、指定都市等の長が前項の同意をしようとする場合について準用する。 26 活性化計画は、過疎地域持続的発展計画、山村振興計画、農業振興地域整備計画その他法律の規定による地域振興に関する計画、地域森林計画その他法律の規定による森林の整備に関する計画並びに都市計画及び都市計画法第十八条の二の市町村の都市計画に関する基本的な方針との調和が保たれたものでなければならない。 27 都道府県又は市町村は、活性化計画を作成したときは、遅滞なく、これを公表するよう努めるとともに、都道府県にあっては関係市町村(都道府県と共同して当該活性化計画を作成した市町村を除く。)に、市町村(都道府県と共同して当該活性化計画を作成した市町村を除く。)にあっては都道府県に、当該活性化計画の写しを送付しなければならない。 28 第六項から第九項まで、第十二項から第十九項まで、第二十一項から第二十五項まで及び前項の規定は、活性化計画の変更について準用する。 (協議会)第六条 活性化計画を作成しようとする都道府県又は市町村は、活性化計画の作成及びその実施に関し必要な事項について協議を行うための協議会(以下「協議会」という。)を組織することができる。
2 協議会は、次に掲げる者をもって構成する。一 活性化計画を作成しようとする都道府県又は市町村
二 当該都道府県又は市町村の区域内において活性化事業を実施しようとする農林漁業団体等
三 当該都道府県又は市町村の区域内の関係農林漁業者及びその組織する団体、関係住民、学識経験者その他の当該都道府県又は市町村が必要と認める者
3 協議会において協議が調った事項については、協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならない。 4 前三項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める。 (交付金の交付等)第七条 活性化計画を作成した都道府県又は市町村は、次項の交付金を充てて当該活性化計画に基づく事業等の実施(農林漁業団体等が実施する事業等に要する費用の一部の負担を含む。同項において同じ。)をしようとするときは、当該活性化計画を農林水産大臣に提出しなければならない。
2 国は、前項の都道府県又は市町村に対し、同項の規定により提出された活性化計画に基づく事業等の実施に要する経費に充てるため、農林水産省令で定めるところにより、予算の範囲内で、交付金を交付することができる。 3 前項の交付金を充てて行う事業に要する費用については、土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)その他の法令の規定に基づく国の負担又は補助は、当該規定にかかわらず、行わないものとする。 4 前三項に定めるもののほか、第二項の交付金の交付に関し必要な事項は、農林水産省令で定める。 (所有権移転等促進計画の作成等)第八条 第五条第十項各号に掲げる事項が記載された活性化計画を作成した市町村は、農林地所有権移転等促進事業を行おうとするときは、農林水産省令で定めるところにより、農業委員会の決定を経て、所有権移転等促進計画を定めるものとする。
2 所有権移転等促進計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。一 所有権の移転等を受ける者の氏名又は名称及び住所
二 前号に規定する者が所有権の移転等を受ける土地の所在、地番、地目及び面積
三 第一号に規定する者に前号に規定する土地について所有権の移転等を行う者の氏名又は名称及び住所
四 第一号に規定する者が移転を受ける所有権の移転の後における土地の利用目的並びに当該所有権の移転の時期並びに移転の対価及びその支払の方法
五 第一号に規定する者が設定又は移転を受ける地上権、賃借権又は使用貸借による権利の種類、内容(土地の利用目的を含む。)、始期又は移転の時期、存続期間又は残存期間並びに当該設定又は移転を受ける権利が地上権又は賃借権である場合にあっては地代又は借賃及びその支払の方法
六 その他農林水産省令で定める事項
3 所有権移転等促進計画は、次に掲げる要件に該当するものでなければならない。一 所有権移転等促進計画の内容が活性化計画に適合するものであること。
二 前項第二号に規定する土地ごとに、同項第一号に規定する者並びに当該土地について所有権、地上権、永小作権、質権、賃借権、使用貸借による権利又はその他の使用及び収益を目的とする権利を有する者の全ての同意が得られていること。
三 前項第四号又は第五号に規定する土地の利用目的が、当該土地に係る農業振興地域整備計画、都市計画その他の土地利用に関する計画に定められた土地利用に支障を及ぼすおそれがないと認められ、かつ、当該土地の位置及び規模並びに周辺の土地利用の状況からみて、当該土地を当該利用目的に供することが適当であると認められること。
四 所有権移転等促進計画の内容が、活性化計画の区域内にある土地の農林業上の利用と他の利用との調整に留意して活性化事業の用に供する土地を確保するとともに、当該土地の周辺の地域における農用地の集団化その他農業構造の改善に資するように定められていること。
五 前項第二号に規定する土地ごとに、次に掲げる要件に該当するものであること。 イ 当該土地が農用地であり、かつ、当該土地に係る前項第四号又は第五号に規定する土地の利用目的が農用地の用に供するためのものである場合にあっては、農地法第三条第二項の規定により同条第一項の許可をすることができない場合に該当しないこと。
ロ 当該土地が農用地以外の土地である場合にあっては、前項第一号に規定する者が、所有権の移転等が行われた後において、当該土地を同項第四号又は第五号に規定する土地の利用目的に即して適正かつ確実に利用することができると認められること。
一 当該土地が農用地であり、かつ、当該土地に係る所有権の移転等の内容が農地法第五条第一項本文に規定する場合に該当する場合にあっては、同条第二項(第一号イに係る部分を除く。)の規定により同条第一項の許可をすることができない場合に該当しないこと。
二 当該土地が農地法第五条第二項第一号イに掲げる農地又は採草放牧地であり、かつ、当該土地に係る所有権の移転等の内容が同条第一項本文に規定する場合に該当する場合にあっては、当該農地又は採草放牧地に代えて周辺の他の土地を供することにより当該活性化事業の目的を達成することができると認められないこと。
三 当該土地が農用地区域内の土地である場合にあっては、その周辺の土地の農業上の効率的かつ総合的な利用に支障を及ぼすおそれがないと認められることその他の農林水産省令で定める要件に該当すること。
7 市町村が指定市町村である場合における第三項及び前二項の規定の適用については、第三項中「は、次に掲げる要件」とあるのは「は、次に掲げる要件及び第六項に規定する要件(同項第一号及び第二号に係るものに限る。)」と、第五項中「農用地」とあるのは「農用地(農用地区域内の農用地に限る。)」と、前項中「次に」とあるのは「第三号に」とする。 (所有権移転等促進計画の公告)第九条 市町村は、所有権移転等促進計画を定めたときは、農林水産省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。
2 市町村は、前項の規定による公告をしようとするときは、農林水産省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を都道府県知事に通知しなければならない。 (公告の効果)第十条 前条第一項の規定による公告があったときは、その公告があった所有権移転等促進計画の定めるところによって所有権が移転し、又は地上権、賃借権若しくは使用貸借による権利が設定され、若しくは移転する。
(登記の特例)第十一条 第九条第一項の規定による公告があった所有権移転等促進計画に係る土地の登記については、政令で、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)の特例を定めることができる。
(農業振興地域の整備に関する法律の特例)第十二条 第五条第一項の規定により作成された活性化計画に記載された同条第四項第一号に規定する土地を農用地区域から除外するために行う農用地区域の変更については、農業振興地域の整備に関する法律第十三条第二項の規定は、適用しない。
(都市計画法の特例)第十三条 市街化調整区域内において第五条第一項の規定により作成された活性化計画(同条第四項各号に掲げる事項が記載されたものに限る。次項において同じ。)に従って行われる特定開発行為(都市計画法第三十四条各号に掲げる開発行為に該当するものを除く。)は、同法第三十四条の規定の適用については、同条第十四号に掲げる開発行為とみなす。
2 都道府県知事又は指定都市等の長は、市街化調整区域のうち都市計画法第二十九条第一項の許可を受けた同法第四条第十三項に規定する開発区域以外の区域内において第五条第一項の規定により作成された活性化計画に従って行われる建築行為等について、同法第四十三条第一項の許可の申請があった場合において、当該申請に係る建築行為等が同条第二項の政令で定める許可の基準のうち同法第三十三条に規定する開発許可の基準の例に準じて定められた基準に適合するときは、その許可をしなければならない。 (市民農園整備促進法の特例)第十四条 第五条第五項の規定により活性化計画にその実施する市民農園(市民農園整備促進法(平成二年法律第四十四号)第二条第二項に規定する市民農園をいう。)の整備に関する事業が記載された農林漁業団体等は、同法第七条第一項の認定の申請に係る事項が当該事業に係るものであるときは、同項及び同条第二項(これらの規定に基づく命令の規定を含む。)の規定にかかわらず、当該申請に係る記載事項の一部を省略する手続その他の農林水産省令・国土交通省令で定める簡略化された手続によることができる。
(農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律の特例)第十五条 第五条第五項の規定により活性化計画にその実施する多面的機能発揮促進事業(農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律(平成二十六年法律第七十八号)第三条第三項に規定する多面的機能発揮促進事業をいう。)が記載された農林漁業団体等は、同法第七条第一項の認定の申請に係る事項が当該事業に係るものであるときは、同条第二項(同項の規定に基づく命令の規定を含む。)の規定にかかわらず、当該申請に係る記載事項の一部を省略する手続その他の農林水産省令で定める簡略化された手続によることができる。
(国等の援助等)第十六条 国及び地方公共団体は、活性化計画に基づく事業等を実施する者に対し、当該事業等の確実かつ効果的な実施に関し必要な助言、指導その他の援助を行うよう努めなければならない。
2 前項に定めるもののほか、農林水産大臣、関係行政機関の長、関係地方公共団体及び関係農林漁業団体等は、活性化計画の円滑な実施が促進されるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならない。 (法人化の推進)第十七条 国及び地方公共団体は、農用地の保全を図るための事業その他の定住等及び地域間交流の促進に寄与する事業等の効率的かつ安定的な実施に資するため、当該事業等を実施しようとする団体(法人を除く。)の法人化を推進するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(農地法等による処分についての配慮)第十八条 国の行政機関の長又は都道府県知事は、活性化計画の区域内の土地を活性化事業の用に供するため、農地法その他の法律の規定による許可その他の処分を求められたときは、当該活性化事業の実施の促進が図られるよう適切な配慮をするものとする。
(国有林野の活用等)第十九条 国は、活性化計画の実施を促進するため、国有林野の活用について適切な配慮をするものとする。
2 活性化計画を作成した都道府県又は市町村は、当該活性化計画の達成のため必要があるときは、関係森林管理局長に対し、技術的援助その他の必要な協力を求めることができる。 (事務の区分)第二十条 第八条第五項の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
附則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(検討)
第二条 政府は、この法律の施行後七年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則(平成二三年五月二日法律第三五号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則(平成二三年八月三〇日法律第一〇五号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
(農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律の一部改正に伴う調整規定)
第四条 この法律の施行の日が地方自治法の一部を改正する法律の施行の日前である場合には、同法附則第四十九条のうち農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律第五条第九項の改正規定中「第五条第九項」とあるのは、「第五条第十項」とする。
(政令への委任)
第八十二条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則(平成二七年六月二六日法律第五〇号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十八年四月一日から施行する。
附則(平成二七年九月四日法律第六三号)
(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十八年四月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第九十八条 施行日前にされた前条の規定による改正前の農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律(次項において「旧農山漁村活性化法」という。)第七条第一項の決定は、前条の規定による改正後の農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律(次項において「新農山漁村活性化法」という。)第七条第一項の決定とみなす。 前項の場合において、旧農山漁村活性化法第七条第五項の規定により都道府県農業会議が意見を述べていない場合であって、新農山漁村活性化法第七条第二項第二号に規定する土地の全部又は一部が新農山漁村活性化法第二条第三項第一号に規定する農用地(当該農用地に係る新農山漁村活性化法第五条第八項に規定する所有権の移転等の内容が新農地法第五条第一項本文に規定する場合に該当するものに限る。以下この項において同じ。)である所有権移転等促進計画に係る農用地の全部又は一部が三十アールを超える農地であるときは、都道府県知事は、都道府県機構の意見を聴かなければならない。 ただし、新農業委員会法第四十二条第一項の規定による都道府県知事の指定がされていない場合は、この限りでない。
(政令への委任)
第百十五条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則(平成三〇年五月一八日法律第二三号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則(令和三年三月三一日法律第一九号)
(施行期日)
第一条 この法律は、令和三年四月一日から施行する。
附則(令和四年五月二七日法律第五三号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、附則第九条の規定は、公布の日から施行する。
(政令への委任)
第九条 附則第五条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。