第一条 この省令は、消防法施行令(昭和三十六年政令第三十七号。以下「令」という。)第五条の七の規定に基づき、住宅用防災機器の設置及び維持に関する条例の制定に関する基準を定めるものとする。
(用語の意義)第二条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 住宅用防災警報器
令第五条の六第一号に規定する住宅用防災警報器をいう。
二 住宅用防災報知設備
令第五条の六第二号に規定する住宅用防災報知設備をいう。
三 イオン化式住宅用防災警報器
周囲の空気が一定の濃度以上の煙を含むに至つたときに火災が発生した旨の警報(以下「火災警報」という。)を発する住宅用防災警報器で、一局所の煙によるイオン電流の変化により作動するものをいう。
四 光電式住宅用防災警報器
周囲の空気が一定の濃度以上の煙を含むに至つたときに火災警報を発する住宅用防災警報器で、一局所の煙による光電素子の受光量の変化により作動するものをいう。
五 自動試験機能
住宅用防災警報器及び住宅用防災報知設備に係る機能が適正に維持されていることを、自動的に確認することができる装置による試験機能をいう。
六 補助警報装置
住宅の内部にいる者に対し、有効に火災警報を伝達するために、住宅用防災報知設備の受信機(受信機に係る技術上の規格を定める省令(昭和五十六年自治省令第十九号)第二条第七号に規定するものをいう。第八条において同じ。)から発せられた火災が発生した旨の信号を受信して、補助的に火災警報を発する装置をいう。
第三条 令第五条の七第一項第一号の総務省令で定める他の住宅との共用部分は、令別表第一(五)項ロに掲げる防火対象物又は(十六)項に掲げる防火対象物の住宅の用途に供される部分のうち、もつぱら居住の用に供されるべき住宅の部分以外の部分であつて、廊下、階段、エレベーター、エレベーターホール、機械室、管理事務所その他入居者の共同の福祉のために必要な共用部分とする。
(住宅用防災警報器又は住宅用防災報知設備の感知器を設置すべき住宅の部分)第四条 令第五条の七第一項第一号ハの総務省令で定める住宅の部分は、次のとおりとする。
一 令第五条の七第一項第一号イに掲げる住宅の部分が存する階(避難階(建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)第十三条第一号に規定する避難階をいう。次号において同じ。)から上方に数えた階数が二以上である階に限る。)から下方に数えた階数が二である階に直上階から通ずる階段(屋外に設けられたものを除く。以下同じ。)の下端(当該階段の上端に住宅用防災警報器又は住宅用防災報知設備の感知器(火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令(昭和五十六年自治省令第十七号。以下「感知器等規格省令」という。)第二条第一号に規定するものをいう。以下「感知器」という。)が設置されている場合を除く。)
二 令第五条の七第一項第一号イに掲げる住宅の部分が避難階のみに存する場合であつて、居室(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第四号に規定する居室をいう。次号において同じ。)が存する最上階(避難階から上方に数えた階数が二以上である階に限る。)から直下階に通ずる階段の上端
三 令第五条の七第一項第一号イ若しくはロ又は前二号の規定により住宅用防災警報器又は感知器が設置される階以外の階のうち、床面積が七平方メートル以上である居室が五以上存する階(この号において「当該階」という。)の次に掲げるいずれかの住宅の部分 イ 廊下
ロ 廊下が存しない場合にあつては、当該階から直下階に通ずる階段の上端
ハ 廊下及び直下階が存しない場合にあつては、当該階の直上階から当該階に通ずる階段の下端
第五条 令第五条の七第一項第三号の総務省令で定める閉鎖型スプリンクラーヘッドは、標示温度が七十五度以下で種別が一種のものとする。
(設置の免除)第六条 令第五条の七第一項第三号の総務省令で定めるときは、次の各号に掲げるいずれかのときとする。
一 スプリンクラー設備(前条に定める閉鎖型スプリンクラーヘッドを備えているものに限る。)又は自動火災報知設備を、それぞれ令第十二条又は令第二十一条に定める技術上の基準に従い、又は当該技術上の基準の例により設置したとき。
二 共同住宅用スプリンクラー設備、共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備を、それぞれ特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令(平成十七年総務省令第四十号)第三条第三項第二号並びに第三号及び第四号(同令第四条第三項においてこれらの規定を準用する場合を含む。)に定める技術上の基準に従い、又は当該技術上の基準の例により設置したとき。
三 特定小規模施設用自動火災報知設備を特定小規模施設における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令(平成二十年総務省令第百五十六号)第三条第二項及び第三項に定める技術上の基準に従い、又は当該技術上の基準の例により設置したとき。
四 複合型居住施設用自動火災報知設備を複合型居住施設における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令(平成二十二年総務省令第七号)第三条第二項に定める技術上の基準に従い、又は当該技術上の基準の例により設置したとき。
(住宅用防災警報器に関する基準)第七条 令第五条の七第二項の規定により、第三条から前条までに規定するもののほか、住宅用防災警報器の設置及び維持に関し住宅における火災の予防のために必要な事項に係る条例は、次の各号に定めるところにより制定されなければならない。
一 令第五条の七第一項第一号ロに定める階段にあつては、住宅用防災警報器は、当該階段の上端に設置すること。
二 住宅用防災警報器は、天井又は壁の屋内に面する部分(天井のない場合にあつては、屋根又は壁の屋内に面する部分。この号において同じ。)の次のいずれかの位置に設けること。 イ 壁又ははりから〇・六メートル以上離れた天井の屋内に面する部分
ロ 天井から下方〇・一五メートル以上〇・五メートル以内の位置にある壁の屋内に面する部分
三 住宅用防災警報器は、換気口等の空気吹出し口から、一・五メートル以上離れた位置に設けること。
四 住宅用防災警報器は、次の表の上欄に掲げる住宅の部分の区分に応じ、同表の下欄に掲げる種別のものを設けること。
五 電源に電池を用いる住宅用防災警報器にあつては、当該住宅用防災警報器を有効に作動できる電圧の下限値となつた旨が表示され、又は音響により伝達された場合は、適切に電池を交換すること。
六 電源に電池以外から供給される電力を用いる住宅用防災警報器にあつては、正常に電力が供給されていること。
七 電源に電池以外から供給される電力を用いる住宅用防災警報器の電源は、分電盤との間に開閉器が設けられていない配線からとること。
八 電源に用いる配線は、電気工作物に係る法令の規定によること。
九 自動試験機能を有しない住宅用防災警報器にあつては、交換期限が経過しないよう、適切に住宅用防災警報器を交換すること。
十 自動試験機能を有する住宅用防災警報器にあつては、機能の異常が表示され、又は音響により伝達された場合は、適切に住宅用防災警報器を交換すること。
(住宅用防災報知設備に関する基準)第八条 令第五条の七第二項の規定により、第三条から第六条までに規定するもののほか、住宅用防災報知設備の設置及び維持に関し住宅における火災の予防のために必要な事項に係る条例は、次の各号に定めるところにより制定されなければならない。
一 感知器は、次の表の上欄に掲げる住宅の部分の区分に応じ、同表の下欄に掲げる種別のものを設けること。
二 受信機は、操作に支障が生じず、かつ、住宅の内部にいる者に対し、有効に火災の発生を報知できる場所に設けること。
三 令第五条の七第一項第一号に定める住宅の部分が存する階に受信機が設置されていない場合にあつては、住宅の内部にいる者に対し、有効に火災の発生を報知できるように、当該階に補助警報装置を設けること。
四 感知器と受信機との間の信号を配線により送信し、又は受信する住宅用防災報知設備にあつては、当該配線の信号回路について容易に導通試験をすることができるように措置されていること。
五 感知器と受信機との間の信号を無線により送信し、又は受信する住宅用防災報知設備にあつては、次によること。 イ 感知器と受信機との間において確実に信号を送信し、又は受信することができる位置に感知器及び受信機を設けること。
ロ 受信機において信号を受信できることを確認するための措置を講じていること。
六 住宅用防災報知設備は、受信機その他の見やすい箇所に容易に消えないよう感知器の交換期限を明示すること。
2 前条第一号から第三号まで、第五号、第九号及び第十号の規定は感知器について、同条第六号から第八号までの規定は住宅用防災報知設備について準用する。