第一条 行政機関等に対して行うこととされ、又は行政機関等が行うこととしている経済産業省の所管する法令(告示を含む。以下同じ。)に基づく手続等を、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律(平成十四年法律第百五十一号。以下「法」という。)第六条から第九条までの規定に基づき又は準じて、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信技術を利用する方法により行う場合については、他の法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規則に特別の定めのある場合を除くほか、この省令の定めるところによる。
(定義)第二条 この省令で使用する用語は、法で使用する用語の例による。
2 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。一 書面申請等様式
申請等を書面等により行うときに従うこととされている様式をいう。
二 電子申請等様式
申請等を電子情報処理組織を使用して行う場合において従うこととされている様式であって、書面申請等様式に記載すべき事項(書面申請等様式が定められていないときは、申請等を書面等により行うときに当該書面等に記載すべき事項とする。以下同じ。)のうち、申請等の名称、申請等を行う日付、申請等を行う相手方の名称、申請等を行う者の住所又は所在地並びに申請等を行う者の氏名又は名称及び代表者の氏名並びに申請等を行う旨の表示を記録すべきものとして、行政機関等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルから入手可能な様式をいう。
三 電子署名
次に掲げるものをいう。
イ 電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子署名
ロ 政府認証基盤(行政機関の長その他の国家公務員の職を証明することその他政府が電子情報処理組織を使用して手続を行い、又は行わせるために運営するものをいう。)の官職証明書に基づく電子署名
ハ 地方公共団体組織認証基盤(行政機関の長その他の地方公務員の職を証明することその他地方公共団体が電子情報処理組織を使用して手続を行い、又は行わせるために運営するものをいう。)の職責証明書に基づく電子署名
四 電子証明書
申請等を行う者又は行政機関等が電子署名を行ったものであることを確認するために用いられる事項がこれらの者に係るものであることを証明するために作成する電磁的記録をいう。
第三条 法第六条第一項における電子情報処理組織は、行政機関等の使用に係る電子計算機と申請等を行う者の使用に係る電子計算機であって行政機関等の定める技術的基準に適合するものとを電気通信回線で接続した電子情報処理組織とする。
(電子情報処理組織による申請等)第四条 法第六条第一項の規定に基づき又は準じて電子情報処理組織を使用する方法により申請等を行う者は、経済産業大臣が告示で定めるところにより、次に掲げる事項を前条の申請等をする者の使用に係る電子計算機から入力して、申請等を行わなければならない。
一 行政機関等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルから入手可能な電子申請等様式に記録すべき事項
二 書面申請等様式に記載すべき事項(前号に掲げる事項を除く。)
三 当該申請等を書面等により行うときに法令の規定に基づき添付すべきこととされている書面等又は電磁的記録に記載され若しくは記録されている事項又は記載すべき若しくは記録すべき事項であって、第二号に掲げる事項を除いたもの
2 申請等を行う者が、前項第三号に規定する書面等のうち経済産業大臣が告示で定めるものに記載されている事項を入力するときは、行政機関等は、経済産業大臣が告示で定める期間、当該入力に係る事項の確認のために必要な限度において当該書面等を提出させることができる。 3 申請等を行う者は、次の各号のいずれかの方法により申請等を行わなければならない。一 第一項の規定により入力する事項についての情報に電子署名を行い、当該電子署名に係る電子証明書であって次のいずれかに該当するものと併せてこれを送信する方法 イ 商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第十二条の二第一項及び第三項(これらの規定を他の法令の規定において準用する場合を含む。)の規定に基づき登記官が作成した電子証明書
ロ 電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(平成十四年法律第百五十三号)第三条第一項に規定する署名用電子証明書
ハ イ及びロに掲げるもののほか、経済産業大臣が告示で定める電子証明書
二 申請等を行おうとする者が付与された識別符号及び当該申請等を行おうとする者がその使用に係る電子計算機において設定した暗証符号(以下「設定暗証符号」という。)を申請等を行う者の使用に係る電子計算機から入力する方法
三 第一項の規定により入力する事項を電子メール(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(平成十四年法律第二十六号)第二条第一号に規定する電子メールをいう。)により送信する方法
4 申請等を行う者が前項第一号の方法により申請等を行う場合であって、申請等を行う者に係る登記所が作成した印鑑証明書を提出するために同号イの電子証明書を送信するとき又は市区町村長の作成した印鑑証明書を提出するために同号ロの電子証明書を送信するときは、当該電子署名に係る電子証明書を送信することを要しない。 5 第三項第二号に掲げる方法により申請等を行う者は、その氏名又は名称その他必要とされる事項を行政機関等へ届け出、又は申請しなければならない。 6 行政機関等は、前項の届出があったとき又は申請を受理したときは、当該届出又は申請を行った者に識別符号を付与するものとする。 7 前項の規定により識別符号を付与された者は、第五項の規定により届け出、若しくは申請した事項その他行政機関等が定める事項に変更があったとき、暗証符号を設定するとき、設定暗証符号を変更するとき又は識別符号の使用を廃止するときは、遅滞なく、届け出、又は申請しなければならない。 8 申請等を行う者が第三項第二号の方法により申請等を行うときには、設定暗証符号に代え、又はこれに加えて、個人の身体の一部の特徴を電子計算機の用に供するために変換した符号その他の申請等を行う者を認証するための符号(第五条第三項において「生体認証符号等」という。)を用いた方法により申請等を行うことができる。 9 申請等を行う者が、第三項第三号の方法により申請等を行うときは、行政機関等は、当該申請等を行う者に係る氏名又は名称その他必要とされる事項について、事前に、電話又は口頭により当該申請等を行う者から聴取すること、当該申請等を行う者に申告させることその他当該申請等を行う者を確認するための措置を行うことにより、当該申請等を行う際に使用される電子メールアドレス(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律第二条第三号に規定する電子メールアドレスをいう。以下この項及び第五条第一項第三号において同じ。)を特定しなければならない。 10 申請等を行う者が第一項に規定する申請等を行う場合において、次の各号に掲げるときは、当該申請等を書面等により行うときに法令(法律及び政令を除く。次項において同じ。)の規定により併せて提出すべきこととされている当該各号に掲げる書面等又は電磁的記録の提出を要しないものとする。一 申請等を行う者に係る第三項第一号ハに掲げる電子証明書であって、経済産業大臣が告示で定めるものを送信するとき
申請等を行う者に係る登記事項証明書であって、申請等を行う者の名称、所在地、代表者の氏名若しくは資格を確認するために添付を求めているもの又は住民票の写しであって、申請等を行う者の氏名、住所、性別又は生年月日を確認するために添付を求めているもの
二 申請等を行う者に係る貸借対照表その他経済産業大臣が告示で定める書面等に記載され又は記録された情報を、経済産業大臣が告示で定めるところによって、会社法(平成十七年法律第八十六号)第四百四十条第三項に規定する法務省令で定める電磁的方法により不特定多数の者がその提供を受けることができる状態に置く措置を執るとき
当該貸借対照表その他経済産業大臣が告示で定める書面等又は電磁的記録
第五条 法第六条第四項における氏名又は名称を明らかにする措置とは、次の各号に掲げる措置をいう。
一 電子申請等様式に記録された情報に電子署名を行い、前条第三項第一号イ、ロ又はハに掲げる電子証明書を当該申請等と併せて送信すること。
二 前条第三項第二号の識別符号及び設定暗証符号を申請等を行う者の使用に係る電子計算機から入力すること。
三 前条第三項第三号の方法により申請等を行う際に使用する同条第九項の規定により特定された電子メールアドレスを使用すること。
2 申請等を行う者が前項第一号の措置をとる場合であって、申請等を行う者に係る登記所が作成した印鑑証明書を提出するために同号イの電子証明書を送信するとき又は市区町村長の作成した印鑑証明書を提出するために同号ロの電子証明書を送信するときは、当該電子署名に係る電子証明書を送信することを要しない。 3 申請等を行う者が第一項第二号の措置をとるときには、設定暗証符号に代え、又はこれに加えて、生体認証符号等を用いることができる。 4 法第七条第四項における氏名又は名称を明らかにする措置とは、次の各号に掲げる措置をいう。一 電子情報処理組織を使用する方法により行う処分通知等に記録された情報に電子署名を行うこと。
二 処分通知等が真正であることを確認できる措置(前号に掲げる措置を除く。)を行政機関等が行った上で、当該処分通知等を行うこと。
5 法第九条第三項における氏名又は名称を明らかにする措置とは、電磁的記録により作成等が行われた情報に電子署名を行い、経済産業大臣が告示で定める電子証明書を添付することをいう。 (申請等のうち電子情報処理組織を使用する方法により行うことが困難又は著しく不適当と認められる部分がある場合)第六条 法第六条第六項に規定する電子情報処理組織を使用する方法により行うことが困難又は著しく不適当と認められる部分がある場合とは、次の各号に掲げる場合とする。
一 申請等を行う者について対面により本人確認を行う必要があると行政機関等が認める場合
二 申請等を書面等により行うときに法令の規定に基づき添付すべきこととされている書面等であって原本を確認する必要があると行政機関等が認めるものを提出する場合
三 申請等を書面等により行うときに法令の規定に基づき提出すべきこととされている有体物を提出する場合
(処分通知等に係る電子情報処理組織)第七条 法第七条第一項における電子情報処理組織は、行政機関等の使用に係る電子計算機と処分通知等を受ける者の使用に係る電子計算機であって行政機関等の定める技術的基準に適合するものとを電気通信回線で接続した電子情報処理組織とする。
(電子情報処理組織による処分通知等)第八条 法第七条第一項の規定に基づき又は準じて、電子情報処理組織を使用する方法により処分通知等を行う行政機関等は、当該処分通知等を書面等により行うときに記載すべきこととされている事項を行政機関等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録して、処分通知等を行わなければならない。
2 法第七条第一項ただし書に規定する主務省令で定める方式は、処分通知等を受ける者があらかじめ第四条第一項に規定する方法によって処分通知等を受けることを届け出る方式とする。 3 処分通知等を受ける者が処分通知等をその使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録することが可能となったときから二十四時間以内に記録しない場合その他行政機関等が必要と認める場合は、行政機関等は、前項の規定にかかわらず、書面等により当該処分通知を行うものとする。 4 書面等により行われた場合に携帯すべきこととされている処分通知等が電子情報処理組織を使用する方法により行われた場合は、当該処分通知等を受けた者は、当該処分通知等に係る電磁的記録を電磁的記録媒体に記録するとともに、当該電磁的記録を当該電磁的記録媒体から再生し、かつ、当該処分通知等を行った者が電子証明を行ったものであることを確認することができる機器とともに当該電磁的記録媒体を携帯しなければならない。 5 書面等により行われた場合に返納その他返還が求められている処分通知等が電子情報処理組織を使用する方法により行われた場合は、当該処分通知等を受けた者は、経済産業大臣が告示で定める場合を除き当該処分通知等に係る電磁的記録を複製し、又は複製させてはならない。 6 前項の場合において、処分通知等の返納その他返還を行うときは、当該処分通知等に係る電磁的記録を処分通知等を受けた者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルから消去しなければならない。 (処分通知等のうち電子情報処理組織を使用する方法により行うことが困難又は著しく不適当と認められる部分がある場合)第九条 法第七条第五項に規定する電子情報処理組織を使用する方法により行うことが困難又は著しく不適当と認められる部分がある場合とは、次の各号に掲げる場合とする。
一 処分通知等を受ける者について対面により本人確認を行う必要があると行政機関等が認める場合
二 処分通知等を書面等により行うときに法令の規定に基づき交付すべきこととされている書面等であって原本を交付する必要があると行政機関等が認めるものを交付する場合
三 処分通知等を書面等により行うときに法令の規定に基づき交付すべきこととされている有体物を交付する場合
(電磁的記録による縦覧等)第十条 行政機関等が、法第八条第一項の規定に基づき又は準じて電磁的に記録されている事項の縦覧等を行う場合においては、当該事項をインターネットを利用する方法、行政機関等の事務所に備え置く電子計算機の映像面に表示する方法又は電磁的記録に記録されている事項を記載した書類による方法により縦覧等を行うものとする。
(電磁的記録による作成等)第十一条 行政機関等が、法第九条第一項の規定に基づき又は準じて電磁的記録の作成等を行う場合においては、当該作成等に係る情報を行政機関等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法又は電磁的記録媒体をもって調製する方法によるものとする。
2 行政機関等が、経済産業省の所管する法令の規定により電磁的記録により作成等を行う場合においては、クラウド・コンピューティング・サービス関連技術その他の情報通信技術の進展の状況を踏まえた適切な方法によるものとする。附則
この省令は、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行の日(平成十五年二月三日)から施行する。附則(平成一五年二月一三日経済産業省令第一三号)
(施行期日)
第一条 この省令は、平成十五年四月一日から施行する。 ただし、次条の規定は、公布の日から施行する。
附則(平成一五年三月三一日経済産業省令第四八号)
この省令は、公布の日から施行する。附則(平成一六年三月二九日経済産業省令第四三号)
この省令は、公布の日から施行する。附則(平成一七年三月四日経済産業省令第一四号)
この省令は、不動産登記法の施行の日(平成十七年三月七日)から施行する。附則(平成一八年四月二八日経済産業省令第六三号)
(施行期日)
第一条 この省令は、会社法の施行の日(平成十八年五月一日)から施行する。